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番外編2
大型イベント来る! 8
しおりを挟む久しぶりにログインしたまま愛し合った俺たちは、ログアウトしてから、自分たちの部屋でも愛し合った。同一人物のはずなのに、やっぱりというかなんというか、健吾である俺の方が、体力が尽きるのは早くて、マックの時はすんなり挿入出来るのに、本体は未だに手間暇かけないと挿入すらままならないのがなかなかに辛い。でもヴィデロさんはそのギャップもまたいいって言ってくれて、毎回俺がもうダメ挿れてって泣きそうになるまで解してくれる。
マックの時は奥をこつんとされても腰が蕩けるような気持ちよさしかないのに、今は奥をこつんとされると身体が跳ねて、よくわからない感覚がせり上がる。気持ちいいんだけど、ちょっと痛いような。エッチする体位によっては、ヴィデロさんのヴィデロさんが全部挿いり切る前に奥についてしまって、ゾクゾクする感覚と下腹部がヒュンとする感覚と奥を突かれる気持ちよさが一気に交じり合って、わけが分からなくなる。
俺が大きくならなかったから、ヴィデロさんは全部を挿入できないのかな、なんて、飛びそうになる意識の中ふと申し訳なくなる。
そっとつながったところに手を伸ばすと、指分くらいは俺のお尻とヴィデロさんのお腹が離れているのがわかる。
そこを撫でながら、くっつきたいな、なんて変なことを思う。もうこれ以上ないくらいくっついてるのに、指一本分が寂しい。
「ケンゴ……っ、ばか、そこを撫でるな」
「ん……、でも、ヴィデロさん全部挿ってない、から」
「十分、気持ちいいから……っ、指、離せって、くっ……」
無理やり繋がりを撫でていた指を外されて、手をベッドに縫い付けられる。
さっきより少しだけ眉間の皺を増やしたヴィデロさんが、身を屈めて俺の口を塞ぐ。
舌を絡められて、奥をがつがつとむさぼられて、何も考えられなくなる。
足をヴィデロさんの腕に引っ掛けられて、少しだけ腰が浮いている状態で中を擦られると、声が止まらなくなる。気持ちいい。気持ちよすぎる。
「あ、ん、んむ……、あん、ぁ」
舌を絡められながら出る俺の声を、ヴィデロさんはお気に入りらしく、俺の声が止まらなくなると目が細くなって、口元が自然と持ち上がる。その顔を見た俺も興奮して、更に声が止まらなくなってしまう。
「……っ、ぁぁぁ……っ」
「ケンゴ……っ」
セクシーボイスに切なげに名前を呼ばれて、身体中の血が一気に沸騰する。目の前が真っ白になって、その後、一気に下降したような感覚を味わいながら、熱を放出すると、身体の奥でも熱いモノがじわっと広がった。
心臓がバクバクいっている。
急なアップダウンに息切れを起こしていると、未だにカチカチのヴィデロさんが少しだけ腰を動かした。
動かす度にグチュグチュと音がする。その音すらもエロくて、またしても興奮する。
でも、と俺はようやく外してもらえた足を、ヴィデロさんの腰に絡めて力を込めた。
ヴィデロさんが苦笑しながら、一番奥まで腰を進めて、動きを止める。
「俺の長さが足りないから……」
またしてもつながった部分に手を伸ばしてそう呟くと、頭上でぶはっと吹き出す声が聞こえた。
「ケンゴの長さって……違う、そうじゃないだろ……くくく」
ヴィデロさんの笑う振動が中まで伝わって思わずきゅっと絞める。
「マックの時は出来るのに……」
「マックはケンゴよりも少しだけ長いからな」
「中も長いのかな」
「いいから、そこ撫でるなって。もっと無茶したくなるから」
「無茶していいのに。ここと、ここが」
そう言って、自分のお尻と、ヴィデロさんの下腹部を撫でる。
「くっついたら、気持ちいいんだよ」
そう言って見上げると、ヴィデロさんがばたりと俺の上に倒れ込んできた。
抱え込まれるような形になって、滅茶苦茶近い耳元で「ケンゴ……」と悩まし気に名前を呼ばれる。この体重のかかる重さが嬉しい。
後ろからなら、全部挿るのに。足を抱えられちゃうと、ちょっとだけ俺の中の長さが足りない。
「ヴィデロさん。もう一回。後背位でしよ」
「いやだ。ケンゴのトロトロに溶けた顔を見ながらがいい」
「ううう、ヴィデロさんのおねだり可愛い……でも、全部挿れて欲しい」
「く、ケンゴのおねだり……っ、くそ、勝てるわけない……。このまま全部挿入していいか……? ケンゴにとっては辛くて痛いかもしれないけれど……可愛すぎて、ダメだ。このまま奥までしたい」
「俺もしたい」
俺も超近距離の耳元でそう答えると、ヴィデロさんは顔を上げて、俺の口を食べた。
奥がぐいぐいと押される。一番奥までヴィデロさんが来てるのがそれだけでわかる。
押されるたびに快感が身体中に散っていって、体温が上がる。擦られるのが気持ちいい。
ほんの少しぐいぐいされただけでもうイきそうになるのを必死で耐えていると、ヴィデロさんに腰を掴まれた。その手に、ぐ、と力が入る。
ぐに、と身体の奥で一瞬火花が散った気がした。
宥めるようにまた奥をぐいぐいと撫でられて、またしても腕に力を入れられる。ごつん、とまた変な感覚がした。
思わず、ヴィデロさんが挿ってる辺りのお腹を撫でると、は、とヴィデロさんの悩まし気な吐息が降って来た。
ちょっとお腹に力を込めて、と言われて、わけもわからず、ふぬ、と腹筋に力を込めた瞬間、またしてもヴィデロさんの腕が俺の腰を引いた。
かは、と息が洩れる。
一瞬にして頭がパーンとなった。
触れていたお腹の中が、そのひと突きで溶けてしまったような気がした。
ヴィデロさんが腰を引くと、お腹の中がひっくり返ったようなわけのわからない状態になって、突かれるとまたしても溶けたような感じになる。
痛いとかそんな生易しい感覚じゃなくて、本当に身体の中からヴィデロさんに食べられているような、そんな感じが襲ってくる。
ぐぼ、グボ、とおかしな音がして、俺の口からすでに声も出ない。
あ、ダメ、堕ちる。堕ちる。飛ぶ。
頭の中でそんな言葉がグルグル回った。
奥の奥で出されたヴィデロさんの熱は、いつも以上に熱く感じた。
これ、俺、ヤバい扉を開いちゃったかも。呆然としながら、俺はそんなことを思った。
久しぶりに腰が立たなくなった俺は、ヴィルさんにいきなりの有給休暇を貰ってしまったので、諦めてベッドの上でログインすることにした。朝ご飯はヴィデロさんが作ってくれて、ベッドまで運んでくれた。ううう、かいがいしい。好き。
俺が無理させたから、なんていうけど、俺が欲しかったんだから。無理言ったのは俺なのに。優しいヴィデロさん好き。
腰は立たなくても、ログインすれば好きに動けるのがいいね、と思いながら工房で早速調薬の用意をしていると、ヴィデロさんも下の会社の方からログインしてきたのか、寝室から出て来た。
近寄って来て、抱きしめて、キスをして、ごめん、と。
それ朝も同じことしたからね、と声を出して笑うと、ようやくヴィデロさんも苦笑だけれど笑顔になった。
というわけで、今日もポイント稼ぎ……の前にやらないといけないことをしないとね。
今日もまた、色々調整して歩かないといけないというヴィデロさんを見送ると、俺はストックを棚インベントリから取り出して、持ち物欄に追加した。
「辺境に物資を持ってって、クラッシュがいる魔大陸支店にも納品して欲しいんだったっけ。それは現地で作った方がいいかな。あっちの薬草すごく魔力値高いんだもん」
雄太に声を掛けて、もし手が空くようなら護衛を……いやいや、今はポイント集めにやっきになってるかな。魔大陸でガンガン魔物倒してそうだよね。
どうしよう、まあ、誰かが持ってたらそれを売って貰おうかな、と思いながら辺境に跳ぶ。
騎士団に顔を出すと、勇者が裏でプレイヤーを指導しているのが見えた。おお、雄太の弟弟子が出来たのか。そう思いながら近くにいる騎士団の人に声を掛けると、お待ちください、と応接室に通された。
座って待っていると、勇者と副団長が揃って部屋に入ってきた。
「久しいなマック。すまなかったな、今回ばかりは直接納品してくれという願いを聞いてくれて感謝する」
「いいえ。魔法陣魔法で一瞬なので全然問題ないです。でも、どうしたんですか?」
「いや、今異邦人たちはエミリの企て事に全力で取り組んでいるんだろう。異邦人の方の内容を詳しく訊きたくてな。どう介入したらいいか考えていた」
「なるほど」
納得。
そうだよね。今回の大型イベントは、俺たちプレイヤーだけじゃなくて街の人たちも全員手伝ってくれてるようなものだしね。改めて考えると、国規模のイベントなんて、ほんとエミリさんのスケールのデカさに驚くよ。
俺は、知っている限りのことを勇者と副団長に伝えた。主に、ヴィルさんに教えてもらった辺りを。ヴィデロさんなら滅茶苦茶詳しいんだろうけれど、俺は運営には携わってないからね。知ってるのは一般人レベルに毛が生えた程度だから。
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