文字の大きさ
大
中
小
706 / 706
番外編5
魔大陸開墾編 14
「すごいな……さっきまでと全然違う」
陽炎さんが、足元の花を摘んで、匂いを嗅ぎがならそんなことを言う。その後、詰んだ花はリザの口元に持って行って食べさせている。
リザもちゃんと食べられるとわかっているかのように、躊躇いなく口に含んでいる。
「お、ステータスに『所属国:ソレイル』って追加されてる」
「ほんとだ」
三人が宙を睨み、声を上げる。
俺も一応開いてみるけれど、メダルを持っていない俺はどこ所属でもなかった。
「これからは開拓ゲームの始まりかな」
それもまた楽しそうだな、と笑う三人は、今度は農業シュミレーションゲームでもはじめるんだろうか。
「とりあえず所属の街とか村とか、希望できるらしいぞ。とことん探すぞ!」
「「おー!」」
気合十分の三人は、何やら運営からメールを貰ったらしく、所属国が復活したら所属の街や村に登録できるようになることを教えてくれた。
すっかりソレイル国を探索したそうにしている『リターンズ』に現地解散を提案して、俺は転移でソレイルの中央まで跳んだ。
そこから始まりの村に跳び、ソレイル復活に盛り上がるクラッシュの店を覗いてからトレの工房に戻った。
「でさ、『リターンズ』がメダルをゲットして出た瞬間、いきなり周りの雰囲気が変わってさ。あれはグランデと変わりない空気だったよ」
「そうか。俺も鎧で姿を隠して『エピ』まで行ってきたんだが。もう大丈夫そうだな。このままプレイヤーたちが頑張ってくれるのが、ありがたい」
「皆今度は国を作るって張り切ってたけど」
「じゃあ今度はおかしな行動をする奴を止めるのが仕事になるかもな」
マンションの一室、俺とヴィデロさんの部屋で、テーブルを囲みながら、今日の報告をする。なんだ、ヴィデロさんはエピに行ってたのか。
「一緒に行きたかったな」
「俺も、マックと一緒に行きたかった」
二人で顔を見合わせてふふっと笑う。
運営は今度、国が復活したらその国の特産品や農作物などを使った交易イベントを考えているらしく、早く全部の国が復活するのを今か今かと待っているらしい。
さすがアリッサさんだな、と思いながら、二人きりの晩餐を堪能した。
こうして夜に二人でゆっくりできるのもなかなかない。
広めのバスルームで二人湯船につかりながら、ギュッとしまったヴィデロさんの身体を指でなぞる。
「誘ってるのか?」
「うん」
笑っているヴィデロさんに、素直に答えると、ヴィデロさんの大きな手が俺の貧相な身体を這い始める。
「ここだけ柔らかくしたら、のぼせる前にベッドに行こうか」
セクシーに耳元で囁かれて、その声だけで蕩けそうになった。
おざなりに身体を拭いて、ヴィデロさんにベッドまで裸で運ばれてしまう。
相変わらず俺を軽々持ち上げるヴィデロさんの力強さにキュンキュンしながら、我慢できなくて歩いている間にもヴィデロさんの顎にキスの悪戯を繰り返した。
ベッドに降ろされた瞬間、深く唇を重ねられる。
絡んだ舌がすっかり蕩けた俺のナカを更にぐずぐずにさせる。
「そのままもう、挿れて……」
我慢できない、と暴露すれば、ヴィデロさんのヴィデロさんが蕩けた場所に触れた。
挿れられる前にイっちゃいそう……
俺の呟きで、触れていたヴィデロさんのヴィデロさんが更に質量を増したのがわかって、胸がときめいた。
「あ、あぁあ……っ」
挿入と同時に声と白濁が零れる。
ナカがギュッと締まると、ヴィデロさんの形がリアルにわかって胸が熱くなる。
ゆっくりと抜けていき、ゆっくりと内壁を割り開いて挿入されるその熱は、すぐまた俺を天国に導いていった。
次第に早くなるヴィデロさんの動きに身体を揺すられながら、奥を突かれる度に声が切羽詰まった者になっていく。
自分でもどうにもできない嬌声をどうしようもなくて、ヴィデロさんの首に抱き着いて引き寄せ、キスを強請る。
舌を絡められて吸われると、今度は悩まし気な吐息が漏れる。
「健吾……最高」
「俺も……っ、ヴィデロさん好き……っ、あん、あ、んン……」
だめ、待って、また、イっちゃう……
吐息と共にそう零した瞬間、腰を掴まれてヴィデロさんの動きが激しくなった。
グリッと奥を抉られて、頭が真っ白になる。
抜けるギリギリまで引き抜かれて、下腹部がギュッと締まる。
すぐにまた最奥にぐっと熱を押し込まれて、全身が痙攣する。
口から洩れる甘い声が止まらない。
自分でも何を言ってるのかわからないくらい、いい、気持ちいい、好き、をただひたすら繰り返して、ヴィデロさんの熱を身体の奥で堪能した。
ヴィデロさんが俺の最奥で熱を放出した時には、俺の身体は力が入らないくらい疲労困憊になっていた。
それでも身体は敏感で、抜かれる感触にも汚れたところを拭かれるときにも触れられたそこに熱がこもる気がした。
綺麗に整えてくれたヴィデロさんが俺の横に潜り込んでくると、俺はその身体に引っ付いた。
ヴィデロさんも素晴らしい腕枕をしてくれる。
心地よい疲れにまどろんでいると、ぽつりとヴィデロさんが呟いた。
「健吾も、どこかの国に所属したいか……?」
正直半分以上頭に入ってこないくらい睡魔に襲われていた俺は、なんて返事をしたのかも認識しないまま、深い眠りに吸い込まれていった。
次の日、またしても運営からの通知で皆が沸いた。
蛇紋石のアクセサリーのことがどこかのスレッドに上がって、それでも話題が高騰しているんだとか。
あの石を売っている店に行けるのは、本当に一握りのプレイヤーだけなんだけど、レガロさんは相変わらず朽ち果てそうな外観の店でのんびり店主さんをやっている。
「それでもだいぶ売れているんですよ。ありがたいことです」
そのありがたいは、商品が売れたことなのか蛇紋石を使える人が増えたことなのかどっちなんだろう。
じっとレガロさんに視線を向ければ、いつもと同じような楽し気な笑顔を返されてしまった。
「このまま行きますと、大陸の復活も目前ですね」
いつもと同じ表情なのに、その言葉には何やら安堵の感情が乗っている気がした。俺はレガロさんじゃないからハッキリとわかるわけじゃないけどね。
必要素材をゲットして、他の欲しいものは見つからずに呪術屋を後にする。
きっと近いうちに他の国が復活したことも告知されるんだろうな。
全部の国が復活したら……
頭の中で、戦国時代のシュミレーションゲームが浮かんでくる。
自由をうたったVRMMOゲーム『アナザーディメンションオンライン』通称『ADO』
シナリオも何もない、けれど、NPCと呼ばれる人たちと心を通わすと、心揺さぶられるような展開が沢山でてくるADO。
魔大陸が復活したら、今度はジャンル転向しそうな予感に、笑いがこみ上げて来て止まらなかった。
おわり。
感想 555
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(555件)
3巻読んでから、続きをWEBで読み、番外編やマックスレ、無謀までまた再読しました!新刊出るたびにワンセットw書籍化前含めてもう10周くらいしてますが、本当に何度読んでもワクワクして面白いのが凄いです。
ミュート中です
解除
1巻を読ませていただき、猛烈に続きが読みたくなったので2、3巻は他サイトで衝動買いし、そこから完結後の番外編、スピンオフもだいたい全部読ませてもらいました。
どのキャラクターもストーリーも素敵でここまで急激に引き込まれたのは初めてと言える作品でした。
あくまで私の感想の一つとして、いつかクラッシュや輪廻のスピンオフも読んでみたいなと思いました。
素敵な作品を書いていただきありがとうございました。
ミュート中です
解除
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結済。
おまけのお話を時々更新したりしています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
ふたりの動画をつくりました!
もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです!
表紙や動画にはAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
【8月書籍化♡】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております)
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】憧れの先輩アルファに告白されたんだがどうやら罰ゲームだったらしい
ある日の放課後、校舎裏で花壇の手入れをしていた上田凛斗に告白してきたのは、憧れの先輩であり校内の人気者でもある上條蘭世だった。
目付きの悪さと暗い性格のせいで恋人どころか友達もいない凛斗は、戸惑いながらもお試しで蘭世との交際をはじめたのだが……
美形溺愛アルファ×三白眼平凡オメガ
ベータだった俺が後天性オメガになったら、幼馴染アルファがもっと過保護になりました
ごく普通のベータとして生きてきた村井圭太(むらいけいた)は、ある日突然、希少な「後天性オメガ」に転化してしまう。
不安な日々が始まる……かと思いきや、幼馴染アルファの白河泰雅(しらかわたいが)とはまさかの両思い。
早々に『番(つがい)』となり、幸せな日々を送っていた。
「オメガになっても俺は俺」と持ち前のポジティブさで新しい生活に向き合っていく圭太。
だが、晴れて番となった泰雅は、今まで以上に過保護になっていく。
どんなトラブルも二人なら大丈夫!
過保護で執着強めなスパダリ幼馴染攻め(α) × ポジティブで男前な元ベータ受け(β→Ω)
明るくて幸せいっぱいオメガバース!
私の大好きなオメガバース。
愛をたくさん詰め込んだので、みなさまにも楽しんでいただけますように。
辺境食堂の隠れΩなのに、拾った皇帝陛下が嫁になれと迫ってくる
元宮廷料理人で隠れΩの青年レオは、帝国の辺境で小さな食堂兼農園を営みながら、誰にも縛られない平穏なスローライフを送っていた。
ある日、レオは裏庭の不思議な洞窟で、血まみれになって倒れていた大柄な青年アレクを拾う。
彼の正体は、お忍びで辺境を訪れていた帝国最強のα皇帝だった。
身分を隠してレオの家に居候することになったアレクは、レオの作る絶品の手料理と、彼から漂う穏やかな香りに冷え切った心を溶かされていく。
一緒に土を耕し、美味しいご飯を分け合ううちに、相反するはずの二人のフェロモンは心地よく調和していくが、やがて帝都からの追手が迫り……。
手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。