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御子誕生編
温室でお茶会、の前に……
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しばらくして、フレッド君を乗せた馬車が帰ってきたことをスウェンが教えに来てくれた。
玄関の方に出ていくと、ルーナも嬉しそうに可愛いバスケットを持っている。
「アルバ兄様、行きましょ」
「うん。ルーナ、お手をどうぞ」
ルーナと手をつないで、エントランスから外に出ていくと、ちょうど馬車が止まるところだった。
御者さんが御者台から降りて、足台を用意してくれる。
ドアを開けると、一番初めに飛び出してきたのは、セドリック君だった。
「セドリック君⁉」
「アルバーー! 元気そうでよかった! まあオルシス様が来てくれたから元気になる以外にあり得ないけどね!」
俺にハグをして背中をバンバン叩くセドリック君の後ろから、冷静な声がかかる。
「セドリック様、アルバ様がちょっと引いてますよ」
セドリック君の横からちらりと馬車を見ると、ジュール君が降りてくるところだった。
その後ろを、ちょっとだけ居心地悪そうにしたフレッド君が降りてくる。
「セドリック様、ジュール兄様、フレッド兄様、おかえりなさい!」
ルーナは俺と手をつないだまま、にこやかに皆に声掛けをしていた。いい子すぎる。
「ルーナ嬢、ありがとう。ただいま。ところでどうして僕だけまだ兄様がつかないんだい?」
セドリック君がしゅんとした顔でルーナの前にかがむと、ルーナは目をぱちくりさせた。
「だってジュール兄様は私と義姉弟になるのですもの。そしてフレッド兄様はもううちの従業員なのです。でもセドリック様は、セネット公爵家の嫡男。ご無礼はできませんわ。線引きは大事ですのよ」
淑女の笑顔を浮かべて、ルーナがセドリック君に会心の一撃を繰り出した。
「くう……この疎外感……!」
大げさに嘆き悲しむセドリック君を放置して、俺はフレッド君に近付いた。今は学園の制服を身に着けている。
「アルバ様、お加減は大丈夫ですか?」
「フレッド君のおかげでどこもなんともないです。でもフレッド君、今日は仕事は休みにして、少しは休んでね」
「ありがとうございます。でもロッソ先生にいただいた薬がよく効いて、体調は悪くないんですよ」
「それでも」
あれだけ大きな怪我をして、魔法で治したとしても絶対に貧血だと思うんだ。
「じゃあ、僕たちのお茶に付き合ってくれない? ルーナと母が野菜ケーキを焼いたらしくて、これからルフト君のところに行こうと思っていたんだ。セドリック君とジュール君もぜひ」
俺の言葉に、全員が頷いた。
お茶をする場所は温室の中。
研究員の邪魔にならないテーブルとソファに皆で移動した。
ルフト君も小さなものを運ぶ手伝いをしていたらしく、フレッド君を見かけた瞬間嬉しそうに走ってきた。
「兄ちゃんおかえり! 僕ね、お手伝いしてたの! アルバさま! ルーナさま! こんにちは!」
「ルフトは手伝いが出来てえらいな。でも無理するなよ」
膝立ちでルフト君の顔を覗き込んだフレッド君は、ルフト君の真っ黒な手を見て苦笑した。
「ちょっと手を洗ってきます」
「ちゃんと戻ってきてね。私が可愛く作ったのを食べて欲しいから」
「わかりました。ほら、ルフトおいで」
真っ黒な手をためらいなくつないだフレッド君は、ルフト君を連れて手洗い場の方に向かっていった。
その間に、お茶の用意をしてもらう。
「元気になったみたいだな」
セドリック君が俺の顔を覗き込んでホッと息を吐く。
「テントで休んでた時は顔が真っ白だったもんなあ」
「先に帰ってしまって本当にご迷惑をおかけしました」
ぺこりと頭を下げると、二人とも大丈夫と胸を張った。
「アルバの班はセルジオがまとめてたぞ。コレットはちゃんと役に立ったか? 何やら問題を起こしたとかちらっとランドから聞いたけど……言葉を濁してて、いまいちはっきり教えてくれなかったんだよなあ」
何があった、と詰め寄られて、俺は乾いた笑いをこぼした。
コレット嬢がリリーアン嬢ともめてたとか班を抜けたがったとか、言えないよね。セドリック君の家の家門だし余計に。
「それよりもリリーアン嬢は大丈夫でしたか? コレット嬢とは一応和解……って言っていいのかな、したんですけど」
「あーそれなー……」
セドリック君の顔がしおしおになる。
言いにくいことでもあるのか、少し口をつぐんで、お茶に手を伸ばした。
「どうやら一年女子生徒たちの間で、リリーアンが僕たちをたぶらかしているのでは、という噂が立っていたんですよ」
セドリック君が黙ったのに、ジュール君がしれっと答えてくれた。
その内容がとてもとても笑えないもので。
原因というものは特にあったわけではないんだけれど……
「僕とテントで仲良く見えた、ジュール君と並んで廊下を歩いていた、セドリック君に声をかけていた、生徒会長に授業用資料を運ぶのを手伝ってもらった、ロッソ先生とマンツーマンで保健室にこもっている……と。それで高位貴族の令息に片っ端から粉をかけていると……」
なにそれどんな乙女ゲーム……
『光凛夢幻∞デスティニー』はそもそも続編なんて聞いたことがないし、続編が出たとしてすでに国は救われちゃってるからそんな劇的なストーリーは望めない。じゃあ他の乙女ゲームでも始まる? 俺、光デスくらいしかやったことないよ。
いやいや、ミラ妃殿下の時だって乙女ゲーム自体は始まらなかった。ただストーリーと魔物がそのままだっただけで。
まあ、噂は嘘じゃないんだろう。俺も結構楽しく話した記憶があるし、リリーアン嬢はとても人懐っこくてはつらつとしているし。でも常識はある子だし、多分リリーアン嬢の方からは声をかけないと思うんだ。それなのにそんな風に湾曲に取られるなんて……悪意ありありじゃん。
俺もセドリック君と同じように顔をしおしおにした。
「そもそも……リリーアン嬢に色々言ってくる生徒たちが、陛下のご意向に反対しているっていうことを自覚しているのか、それが問題だ……」
わかってないんだろうなあ……俺が公爵家の子になったってことも、字面でしか理解してないような生徒ばっかりだったしなあ。普通に王家以外が公爵家にたてつくのは不敬なんだよね。それを許したら、家が舐められるんだよね。
「ああ……だから今回のことでは家名を使えって母様が言ったのか」
「アルバ?」
「ちゃんと陛下への忠誠を一番に見せないといけない家だもんな。何より、ヴォルフラム陛下がやろうとしていることを挫かせようとするなんて、王家に歯向かうに等しいんだよね。家名どころか、反逆罪でもいいくらいだよね。うちが筆頭として毅然としないといけないってことか……セドリック君、ジュール君」
「「はいっ!」」
俺が二人を呼ぶと、二人は驚いたようにびくっと居住まいを正した。
「僕、ちょっと家門と生徒名に疎いので、お二人に訊きたいことがあるんです」
にこりと微笑むと、二人の喉がごくりと鳴った、気がした。
玄関の方に出ていくと、ルーナも嬉しそうに可愛いバスケットを持っている。
「アルバ兄様、行きましょ」
「うん。ルーナ、お手をどうぞ」
ルーナと手をつないで、エントランスから外に出ていくと、ちょうど馬車が止まるところだった。
御者さんが御者台から降りて、足台を用意してくれる。
ドアを開けると、一番初めに飛び出してきたのは、セドリック君だった。
「セドリック君⁉」
「アルバーー! 元気そうでよかった! まあオルシス様が来てくれたから元気になる以外にあり得ないけどね!」
俺にハグをして背中をバンバン叩くセドリック君の後ろから、冷静な声がかかる。
「セドリック様、アルバ様がちょっと引いてますよ」
セドリック君の横からちらりと馬車を見ると、ジュール君が降りてくるところだった。
その後ろを、ちょっとだけ居心地悪そうにしたフレッド君が降りてくる。
「セドリック様、ジュール兄様、フレッド兄様、おかえりなさい!」
ルーナは俺と手をつないだまま、にこやかに皆に声掛けをしていた。いい子すぎる。
「ルーナ嬢、ありがとう。ただいま。ところでどうして僕だけまだ兄様がつかないんだい?」
セドリック君がしゅんとした顔でルーナの前にかがむと、ルーナは目をぱちくりさせた。
「だってジュール兄様は私と義姉弟になるのですもの。そしてフレッド兄様はもううちの従業員なのです。でもセドリック様は、セネット公爵家の嫡男。ご無礼はできませんわ。線引きは大事ですのよ」
淑女の笑顔を浮かべて、ルーナがセドリック君に会心の一撃を繰り出した。
「くう……この疎外感……!」
大げさに嘆き悲しむセドリック君を放置して、俺はフレッド君に近付いた。今は学園の制服を身に着けている。
「アルバ様、お加減は大丈夫ですか?」
「フレッド君のおかげでどこもなんともないです。でもフレッド君、今日は仕事は休みにして、少しは休んでね」
「ありがとうございます。でもロッソ先生にいただいた薬がよく効いて、体調は悪くないんですよ」
「それでも」
あれだけ大きな怪我をして、魔法で治したとしても絶対に貧血だと思うんだ。
「じゃあ、僕たちのお茶に付き合ってくれない? ルーナと母が野菜ケーキを焼いたらしくて、これからルフト君のところに行こうと思っていたんだ。セドリック君とジュール君もぜひ」
俺の言葉に、全員が頷いた。
お茶をする場所は温室の中。
研究員の邪魔にならないテーブルとソファに皆で移動した。
ルフト君も小さなものを運ぶ手伝いをしていたらしく、フレッド君を見かけた瞬間嬉しそうに走ってきた。
「兄ちゃんおかえり! 僕ね、お手伝いしてたの! アルバさま! ルーナさま! こんにちは!」
「ルフトは手伝いが出来てえらいな。でも無理するなよ」
膝立ちでルフト君の顔を覗き込んだフレッド君は、ルフト君の真っ黒な手を見て苦笑した。
「ちょっと手を洗ってきます」
「ちゃんと戻ってきてね。私が可愛く作ったのを食べて欲しいから」
「わかりました。ほら、ルフトおいで」
真っ黒な手をためらいなくつないだフレッド君は、ルフト君を連れて手洗い場の方に向かっていった。
その間に、お茶の用意をしてもらう。
「元気になったみたいだな」
セドリック君が俺の顔を覗き込んでホッと息を吐く。
「テントで休んでた時は顔が真っ白だったもんなあ」
「先に帰ってしまって本当にご迷惑をおかけしました」
ぺこりと頭を下げると、二人とも大丈夫と胸を張った。
「アルバの班はセルジオがまとめてたぞ。コレットはちゃんと役に立ったか? 何やら問題を起こしたとかちらっとランドから聞いたけど……言葉を濁してて、いまいちはっきり教えてくれなかったんだよなあ」
何があった、と詰め寄られて、俺は乾いた笑いをこぼした。
コレット嬢がリリーアン嬢ともめてたとか班を抜けたがったとか、言えないよね。セドリック君の家の家門だし余計に。
「それよりもリリーアン嬢は大丈夫でしたか? コレット嬢とは一応和解……って言っていいのかな、したんですけど」
「あーそれなー……」
セドリック君の顔がしおしおになる。
言いにくいことでもあるのか、少し口をつぐんで、お茶に手を伸ばした。
「どうやら一年女子生徒たちの間で、リリーアンが僕たちをたぶらかしているのでは、という噂が立っていたんですよ」
セドリック君が黙ったのに、ジュール君がしれっと答えてくれた。
その内容がとてもとても笑えないもので。
原因というものは特にあったわけではないんだけれど……
「僕とテントで仲良く見えた、ジュール君と並んで廊下を歩いていた、セドリック君に声をかけていた、生徒会長に授業用資料を運ぶのを手伝ってもらった、ロッソ先生とマンツーマンで保健室にこもっている……と。それで高位貴族の令息に片っ端から粉をかけていると……」
なにそれどんな乙女ゲーム……
『光凛夢幻∞デスティニー』はそもそも続編なんて聞いたことがないし、続編が出たとしてすでに国は救われちゃってるからそんな劇的なストーリーは望めない。じゃあ他の乙女ゲームでも始まる? 俺、光デスくらいしかやったことないよ。
いやいや、ミラ妃殿下の時だって乙女ゲーム自体は始まらなかった。ただストーリーと魔物がそのままだっただけで。
まあ、噂は嘘じゃないんだろう。俺も結構楽しく話した記憶があるし、リリーアン嬢はとても人懐っこくてはつらつとしているし。でも常識はある子だし、多分リリーアン嬢の方からは声をかけないと思うんだ。それなのにそんな風に湾曲に取られるなんて……悪意ありありじゃん。
俺もセドリック君と同じように顔をしおしおにした。
「そもそも……リリーアン嬢に色々言ってくる生徒たちが、陛下のご意向に反対しているっていうことを自覚しているのか、それが問題だ……」
わかってないんだろうなあ……俺が公爵家の子になったってことも、字面でしか理解してないような生徒ばっかりだったしなあ。普通に王家以外が公爵家にたてつくのは不敬なんだよね。それを許したら、家が舐められるんだよね。
「ああ……だから今回のことでは家名を使えって母様が言ったのか」
「アルバ?」
「ちゃんと陛下への忠誠を一番に見せないといけない家だもんな。何より、ヴォルフラム陛下がやろうとしていることを挫かせようとするなんて、王家に歯向かうに等しいんだよね。家名どころか、反逆罪でもいいくらいだよね。うちが筆頭として毅然としないといけないってことか……セドリック君、ジュール君」
「「はいっ!」」
俺が二人を呼ぶと、二人は驚いたようにびくっと居住まいを正した。
「僕、ちょっと家門と生徒名に疎いので、お二人に訊きたいことがあるんです」
にこりと微笑むと、二人の喉がごくりと鳴った、気がした。
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