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5章 晩冬堕天戦
4. 前衛的
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「お疲れさまでーす。僕はこれで失礼します」
エジェティルから指導を受け始めて一月後。
レヴリッツはラジオの収録を終えてスタジオの出口に向かう。この後、すぐレッスンがある。
「レヴリッツ、もう帰るのか」
「アリッサ先輩。すみません、この後レッスンがあるので……スタッフの方々との打ち上げは行けないんです」
今回はアリッサ・メギと共同の収録だった。
最近は運営のはからいにより、公式放送への露出も増えて他パフォーマーと顔合わせが増えている。ただし交流する時間はない。
「僕も帰るよ。騒がしい場は好きではない」
「そうですか。今日はありがとうございました。それでは」
「……」
スタジオから寮まで歩いて十分ほど。
寮に帰って着替えたら、すぐにエジェティルの下へ向かわなければならない。重たい足を引きずり、彼は帰路につく。
最近は歌の技量も向上してきたので、成長を感じられてモチベは上がっているが……身体的な疲労がきつい。
しばらく歩き、やがて彼は違和感を抱く。
そっと後ろを振り向くと……そこにはアリッサの姿。彼女の翠色の右目と視線が交差した。
「アリッサ先輩の寮もこっちなんですか?」
「いや、レヴリッツはヨミ先生の隣部屋に住んでいるのだろう? 僕は先生に用があるんだ」
綾錦杯で彼女はヨミに勝手に弟子入りした。
ヨミがどう思っているのか知らないが、ヨミの友人との交流が増えることをレヴリッツは喜ばしいと思っている。
「ヨミは友達が少ないので仲よくしてあげてください」
「はあ。レヴリッツにとって、先生はどのような存在なんだ?」
「妹……ですかね。彼女とは小さい頃から一緒に暮らしていました」
「ふむ、家族か。では先生が芸術に着手したきっかけを知っているのか?」
道すがら、二人は他愛もない話を続ける。
最近はエジェティル、視聴者以外とほとんど話していなかったので、レヴリッツにとっても気休めの時になる。
思い出す。
ヨミは何を契機としてクリエイティブな方面へ走ったのだったか。
「うーん……覚えてないですね。仕事が忙しくてあまり構ってあげられない時期があったんですが、そのくらいでイラストレーターとして活動を始めていたようです。初期は本当にフォロワーも少なくて、僕が裏垢で拡散していました。
まあ、何が原動力になったのかは本人に聞いていただければ」
「誰しも無名の時代はあるものだ。偉大なる先生でさえも、認知されなければ伸びはしないのだな。
パフォーマーも同じだ。どれだけ能力があっても認知度がなければ人気になれない。パフォーマンスもまた一種の芸術、色彩帯びる葦なのだと」
難しいことはレヴリッツにはわからない。
しかしパフォーマーとして大事なことを、アリッサが述べていた気がする。
「一つお尋ねしたいんですが、アリッサ先輩のパフォーマーとしてのスタイルはどんな感じですか?」
「スタイル……?」
「なんかこう、活動の指針みたいな」
アリッサ・メギはアマチュア級の中では、相当上位の部類に入る。
実力、パフォーマンス力ともに高く、プロ級へ昇格の声がかかってもおかしくない。
「『前衛的』……一言で表すのならば、これだ。
人は新規性あるものを好む。同じ刺激を受け続けると、ヒトが感じる人間的報酬量は減少していく」
「前衛的……」
「誰も彼もが同じ企画、ゲームを続けている現状に僕はため息が出そうだ。視聴者も退屈していることだろう。
飽きさせず、常に視覚的に新しいモノを魅せる。これが配信・パフォーマンスにおける本質だと……個人的には考えている。
多少のリスクを冒してでも新しい企画を創造しなければ、パフォーマーは大成しないだろうさ」
アリッサの配信や動画は変なものが多い。そして目新しくもある。
だからこそ彼女は一部で『変態』とも呼ばれ、かえって人を惹きつけているのだ。
「芸術はヒトなくして成り立たない。
だから僕はヒトに新たな可能性を見せ続ける。蛍雪の功を体現するのが僕だ」
「なるほど……勉強になります。僕も新しいことに挑戦しないとな」
「レヴリッツは最近よくネットで見かける。僕目線でもおもしろい企画をしていると思う。
SNSのバズも上手く利用し、急進的な成長をしているな。まあ、先生には遠く及ばないが」
エジェティルから指導を受けて一月。
彼の指導によりレヴリッツは急成長していた。ただし、それは彼自身の案によるものではなく……すべてエジェティルの作戦なのだ。
「まだまだ伸ばします。あと二か月で85万人登録者を伸ばしたいのです」
「ふむ、狂気の沙汰ほどおもしろい。貴方ならばあるいは可能かもしれない……そう思うくらいには素地はある。
僭越ながら応援させてもらおう。レヴリッツの人気が上がれば先生も人気になるからな」
「ありがとうございます。がんばります!」
このアリッサという先輩、他人に関心がないように見えてよく観察している。
やはり優秀なパフォーマーは他者をよく見るのだろう。
話をしている内に寮へ辿り着き、レヴリッツはアリッサと別れた。
-----
三日後。
「そろそろだ」
「ん? どうしました?」
レッスンの休憩中、エジェティルが唐突に呟いた。
「レヴリッツ君、成長している自覚はあるかな?」
「成長は……ええ、していると思います。少なくとも歌と踊りは向上したかと。
ただ、人前で歌えるかどうかは……どうでしょうね。恥なんてかく性格ではありませんが、配信で話すのと歌うのは別とも聞きますし」
エジェティルの独壇場、《黄金風籠》の権能。
それは外部と内部の空間を切り離し、時間を加速させるもの。この中で加速すれば、現実の十倍の時間を確保できる。
たとえ一ヶ月のレッスンであっても、十ヶ月に近い訓練量に及んだはず。しかも指導してくれているのはかつて伝説と呼ばれたパフォーマーだ。
「そう、試運転だ。ライブ……やるかい?」
「ラ、ライブ? 歌枠とかじゃないんですか?」
「十万人記念とか、なんか適当に理由つけてさ。ライブは興味ない人も見に来てくれるから、人気集めには最適だ。近ごろは公式案件も大量にやらせているし、名前だけ知ってるって人も来てくれるんじゃないかな?」
正直、このままの伸びではマスター級には程遠い。
運営(エジェティル主導)のゴリ押しにより、プロ級に相応しい登録者は獲得したが。
「前衛的」
「ん?」
「思うんです。このままエジェティル様の導きに従っていても、きっとマスター級にはなれるんでしょうけど……一流のパフォーマーにはなれないって」
「ほう」
「だから、僕は僕なりの個性を出したパフォーマンスをしたい。ライブはします。
でも僕なりのオリジナリティも出していいですか? 僕がプロデュースして、企画からすべて考えたいです」
「ははっ! 言うまでもないよ、もちろんだ!
自己プロデュース能力を身につけてくれれば、これから私が命じなくてもやっていける。ここに至るまで長かったね」
エジェティルは珍しい表情で笑う。
普段の愉快さを湛えた笑いではなく、目的に至った快楽的な笑いだ。そう、彼はレヴリッツが栄光への道に続くきっかけを待っていたのだ。
「そこを意識すればゴールが見えてくる。とりあえずライブの施設と広報は私が用意するよ。
あとは……君の裁量に任せよう」
エジェティルの言葉に、レヴリッツは決意を籠めて頷いた。
エジェティルから指導を受け始めて一月後。
レヴリッツはラジオの収録を終えてスタジオの出口に向かう。この後、すぐレッスンがある。
「レヴリッツ、もう帰るのか」
「アリッサ先輩。すみません、この後レッスンがあるので……スタッフの方々との打ち上げは行けないんです」
今回はアリッサ・メギと共同の収録だった。
最近は運営のはからいにより、公式放送への露出も増えて他パフォーマーと顔合わせが増えている。ただし交流する時間はない。
「僕も帰るよ。騒がしい場は好きではない」
「そうですか。今日はありがとうございました。それでは」
「……」
スタジオから寮まで歩いて十分ほど。
寮に帰って着替えたら、すぐにエジェティルの下へ向かわなければならない。重たい足を引きずり、彼は帰路につく。
最近は歌の技量も向上してきたので、成長を感じられてモチベは上がっているが……身体的な疲労がきつい。
しばらく歩き、やがて彼は違和感を抱く。
そっと後ろを振り向くと……そこにはアリッサの姿。彼女の翠色の右目と視線が交差した。
「アリッサ先輩の寮もこっちなんですか?」
「いや、レヴリッツはヨミ先生の隣部屋に住んでいるのだろう? 僕は先生に用があるんだ」
綾錦杯で彼女はヨミに勝手に弟子入りした。
ヨミがどう思っているのか知らないが、ヨミの友人との交流が増えることをレヴリッツは喜ばしいと思っている。
「ヨミは友達が少ないので仲よくしてあげてください」
「はあ。レヴリッツにとって、先生はどのような存在なんだ?」
「妹……ですかね。彼女とは小さい頃から一緒に暮らしていました」
「ふむ、家族か。では先生が芸術に着手したきっかけを知っているのか?」
道すがら、二人は他愛もない話を続ける。
最近はエジェティル、視聴者以外とほとんど話していなかったので、レヴリッツにとっても気休めの時になる。
思い出す。
ヨミは何を契機としてクリエイティブな方面へ走ったのだったか。
「うーん……覚えてないですね。仕事が忙しくてあまり構ってあげられない時期があったんですが、そのくらいでイラストレーターとして活動を始めていたようです。初期は本当にフォロワーも少なくて、僕が裏垢で拡散していました。
まあ、何が原動力になったのかは本人に聞いていただければ」
「誰しも無名の時代はあるものだ。偉大なる先生でさえも、認知されなければ伸びはしないのだな。
パフォーマーも同じだ。どれだけ能力があっても認知度がなければ人気になれない。パフォーマンスもまた一種の芸術、色彩帯びる葦なのだと」
難しいことはレヴリッツにはわからない。
しかしパフォーマーとして大事なことを、アリッサが述べていた気がする。
「一つお尋ねしたいんですが、アリッサ先輩のパフォーマーとしてのスタイルはどんな感じですか?」
「スタイル……?」
「なんかこう、活動の指針みたいな」
アリッサ・メギはアマチュア級の中では、相当上位の部類に入る。
実力、パフォーマンス力ともに高く、プロ級へ昇格の声がかかってもおかしくない。
「『前衛的』……一言で表すのならば、これだ。
人は新規性あるものを好む。同じ刺激を受け続けると、ヒトが感じる人間的報酬量は減少していく」
「前衛的……」
「誰も彼もが同じ企画、ゲームを続けている現状に僕はため息が出そうだ。視聴者も退屈していることだろう。
飽きさせず、常に視覚的に新しいモノを魅せる。これが配信・パフォーマンスにおける本質だと……個人的には考えている。
多少のリスクを冒してでも新しい企画を創造しなければ、パフォーマーは大成しないだろうさ」
アリッサの配信や動画は変なものが多い。そして目新しくもある。
だからこそ彼女は一部で『変態』とも呼ばれ、かえって人を惹きつけているのだ。
「芸術はヒトなくして成り立たない。
だから僕はヒトに新たな可能性を見せ続ける。蛍雪の功を体現するのが僕だ」
「なるほど……勉強になります。僕も新しいことに挑戦しないとな」
「レヴリッツは最近よくネットで見かける。僕目線でもおもしろい企画をしていると思う。
SNSのバズも上手く利用し、急進的な成長をしているな。まあ、先生には遠く及ばないが」
エジェティルから指導を受けて一月。
彼の指導によりレヴリッツは急成長していた。ただし、それは彼自身の案によるものではなく……すべてエジェティルの作戦なのだ。
「まだまだ伸ばします。あと二か月で85万人登録者を伸ばしたいのです」
「ふむ、狂気の沙汰ほどおもしろい。貴方ならばあるいは可能かもしれない……そう思うくらいには素地はある。
僭越ながら応援させてもらおう。レヴリッツの人気が上がれば先生も人気になるからな」
「ありがとうございます。がんばります!」
このアリッサという先輩、他人に関心がないように見えてよく観察している。
やはり優秀なパフォーマーは他者をよく見るのだろう。
話をしている内に寮へ辿り着き、レヴリッツはアリッサと別れた。
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三日後。
「そろそろだ」
「ん? どうしました?」
レッスンの休憩中、エジェティルが唐突に呟いた。
「レヴリッツ君、成長している自覚はあるかな?」
「成長は……ええ、していると思います。少なくとも歌と踊りは向上したかと。
ただ、人前で歌えるかどうかは……どうでしょうね。恥なんてかく性格ではありませんが、配信で話すのと歌うのは別とも聞きますし」
エジェティルの独壇場、《黄金風籠》の権能。
それは外部と内部の空間を切り離し、時間を加速させるもの。この中で加速すれば、現実の十倍の時間を確保できる。
たとえ一ヶ月のレッスンであっても、十ヶ月に近い訓練量に及んだはず。しかも指導してくれているのはかつて伝説と呼ばれたパフォーマーだ。
「そう、試運転だ。ライブ……やるかい?」
「ラ、ライブ? 歌枠とかじゃないんですか?」
「十万人記念とか、なんか適当に理由つけてさ。ライブは興味ない人も見に来てくれるから、人気集めには最適だ。近ごろは公式案件も大量にやらせているし、名前だけ知ってるって人も来てくれるんじゃないかな?」
正直、このままの伸びではマスター級には程遠い。
運営(エジェティル主導)のゴリ押しにより、プロ級に相応しい登録者は獲得したが。
「前衛的」
「ん?」
「思うんです。このままエジェティル様の導きに従っていても、きっとマスター級にはなれるんでしょうけど……一流のパフォーマーにはなれないって」
「ほう」
「だから、僕は僕なりの個性を出したパフォーマンスをしたい。ライブはします。
でも僕なりのオリジナリティも出していいですか? 僕がプロデュースして、企画からすべて考えたいです」
「ははっ! 言うまでもないよ、もちろんだ!
自己プロデュース能力を身につけてくれれば、これから私が命じなくてもやっていける。ここに至るまで長かったね」
エジェティルは珍しい表情で笑う。
普段の愉快さを湛えた笑いではなく、目的に至った快楽的な笑いだ。そう、彼はレヴリッツが栄光への道に続くきっかけを待っていたのだ。
「そこを意識すればゴールが見えてくる。とりあえずライブの施設と広報は私が用意するよ。
あとは……君の裁量に任せよう」
エジェティルの言葉に、レヴリッツは決意を籠めて頷いた。
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