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一章
1-49 それから、お帰り
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フルールから貰った酔い止めハーブの効果は絶大で、行きとはうってかわって、爽快な気分で汽車に揺られた。
なんと、到着した頃になっても、オレの意識はしっかりとしていたのだ! すげー!
ホームに降り立つと、「べぇぇぇぇぇるぅぅぅぅぅぅ!」と、情けない男の声が響いた。
声の主は、真っ赤な髪の毛をぼさぼさにして、凄い勢いで走って来てベルにしがみ付く。あ、こいつ、所長だ!
「無事で良かったよベル! 何? 何があったの? いや、ジス君には聞いたけど、大丈夫なの?」
「大丈夫。心配かけてごめん」
所長は本気で泣いて、ベルにしがみ付く。
「皆さんお帰りなさい。ご無事で何よりです」
所長の存在感で気が付かなかったが、オレの天使であるアリアさんが駆け寄ってきた。
久しぶりに見てもやっぱり美しく、完璧な造形と声を持っている。少し顔色が優れないのが心配だが、それだけオレ達の事を心配してくれていた、という事なのだろう。
「所長、クルト達採用な。俺は、皆に助けられたんだ。だからまた、所長の所に帰ってこれた」
「うん! うん! そうだね」
所長は泣きまくってベルを抱きしめた後、仮採用のオレ達三人を順に見た。
「ありがとう、よくやってくれた。今日から本採用だよ」
ハンカチで涙を強引に拭った所長は、にこっと笑う。
「それから、お帰り」
オレ達は、皆で顔を見合わせると、声を揃えて「ただいま!」と明るく返した。
「さて、帰って来て最初の仕事は、何があったのか、思い出話を僕とアリアに聞かせて貰う事にしよう」
「そうですね。とっても楽しみです」
所長とアリアさんの顔は、安心したようなもので、不覚にもオレもつられて安心する。
この何でも屋は、今まで務めてきたどの職場とも違うようだ。
嫌味っぽい所長だって、こうしてお帰りと言ってくれる。
いつも綺麗なアリアさんも、お帰りと言ってくれた。
オレ達は皆、それにただいま、と答えられる。
二つ目の家が出来た気がして、嬉しくて、これからの生活に期待したのだった。
なんと、到着した頃になっても、オレの意識はしっかりとしていたのだ! すげー!
ホームに降り立つと、「べぇぇぇぇぇるぅぅぅぅぅぅ!」と、情けない男の声が響いた。
声の主は、真っ赤な髪の毛をぼさぼさにして、凄い勢いで走って来てベルにしがみ付く。あ、こいつ、所長だ!
「無事で良かったよベル! 何? 何があったの? いや、ジス君には聞いたけど、大丈夫なの?」
「大丈夫。心配かけてごめん」
所長は本気で泣いて、ベルにしがみ付く。
「皆さんお帰りなさい。ご無事で何よりです」
所長の存在感で気が付かなかったが、オレの天使であるアリアさんが駆け寄ってきた。
久しぶりに見てもやっぱり美しく、完璧な造形と声を持っている。少し顔色が優れないのが心配だが、それだけオレ達の事を心配してくれていた、という事なのだろう。
「所長、クルト達採用な。俺は、皆に助けられたんだ。だからまた、所長の所に帰ってこれた」
「うん! うん! そうだね」
所長は泣きまくってベルを抱きしめた後、仮採用のオレ達三人を順に見た。
「ありがとう、よくやってくれた。今日から本採用だよ」
ハンカチで涙を強引に拭った所長は、にこっと笑う。
「それから、お帰り」
オレ達は、皆で顔を見合わせると、声を揃えて「ただいま!」と明るく返した。
「さて、帰って来て最初の仕事は、何があったのか、思い出話を僕とアリアに聞かせて貰う事にしよう」
「そうですね。とっても楽しみです」
所長とアリアさんの顔は、安心したようなもので、不覚にもオレもつられて安心する。
この何でも屋は、今まで務めてきたどの職場とも違うようだ。
嫌味っぽい所長だって、こうしてお帰りと言ってくれる。
いつも綺麗なアリアさんも、お帰りと言ってくれた。
オレ達は皆、それにただいま、と答えられる。
二つ目の家が出来た気がして、嬉しくて、これからの生活に期待したのだった。
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