呂布の軌跡

灰戸礼二

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濮陽の戦い3 追撃

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『濮陽の陣は陥ちたが曹操軍も撤退できずにいる。撤退を阻むべく進路を東寄りに変更されたい』

伝令を受けたエン州軍の援軍を率いる将の一人、高順という者は即断した。

「王従事、兵をお借りしたい」

高順は呂布の部下ではない。エン州陳留郡出身であり、若いながらも州内の戦で武名をあげていた。一応は豪族の高氏に連なる者ではあるが一族内の序列は低い。それだけにこの曹操に対する挙兵は自身の立身の好機であると捉えており、また自身の軍才だけを拠り所として、形式上とはいえエン州軍のトップに就いた呂布に対しては畏敬の念を抱いていた。

上司にあたる王楷は陳留太守張バクの従事中郎(要は側近)である。軍政家としての吏才は少々あるようだが変事に頼りになる人物ではない。

「どうするというのだ」

「曹操を捕捉します。そのためにはその進路を遮らねばなりません。王従事はそのまま敗兵から情報を集めて追撃してください」

「兵を分けて、もしも曹操軍がこちらへ進軍してくるようであればどうするのだ」

「曹操が一晩戦い抜いた兵をさらに進撃させるような阿呆であれば苦労はしません。もしもそのような状況であれば後退して呂将軍と合流すればよろしい。明るくなれば互いに状況は把握できますから私もすぐに軍を返します。それで勝利を得られましょう」

王楷は決断が遅い。

「濮陽の兵だけで良いのです」

高順は私兵を持つ立場ではないため州兵の指揮を任されている。弱兵だが数はいる。高順自身がその中から選抜して組織した一隊はそれなりの兵力を有していた。彼らを核にして街道を遮断することは可能だろう。

「それだけであれば許す」

王楷は有能ではないが無能でもない。無難で妥当な兵力を提示されるとそれを受け入れた。

夜間行軍の進路を変えることは容易ではないが、そこは地元の民を用いている強みである。地理の明るい者が街道の分岐点を示し、一行は進路を変えた。高順の率いる軍は足を早めて先行する。

曹操は陳宮たちのいた陣の破壊を終えて撤退しようとしていた。一旦進路を南に向け、大きく迂回して濮陽の東にある自陣へ戻ろうとする。

ただどう迂回しようともどうしても通らなければならない交通の要となる場所はある。

そんな街道の交差点を封鎖する高順の軍の存在を知って曹操は恐懼した。

援軍が陣へ派遣されていることは予測していたが、それが進路を変えて立ちふさがってくることは曹操の予想にない。

それもこれも陣にいたエン州軍の善戦が原因になっている。彼らが時間を稼いだからこその結果である。

街道を迂回することはできない。まだ薄暗い状態で軍集団が迂回できるほど土地は平坦ではない。

身動きと相互連携がとれなくなり逆に状態が悪化する可能性の方が強い。

街道の幅員を目一杯使ったとしても一度に展開できる兵はたかがしれている。曹操側の数の優位が活かせる戦場ではない。だが曹操には目の前の敵を打ち破る他にとれる手だてがなかった。



曹操軍は遮二無二攻めかかってくる。高順の率いるエン州軍は押しまくられるが破れない。一人の兵が倒されるともう一人の兵が穴を埋める。怯懦を見せる兵は部隊の指揮官が斬り捨てることも辞さない勢いで督戦する。事実としてこの頃は軍令に違反する者を殺すことは一般的で、むしろそれを行わない士官はその上の階級の者から殺されることになる。兵達は敵と味方を呪いながら死んでいく。

募兵で集まる兵を使い倒すことに罪悪感はないが、徴発されて望まずに戦場に出てきている者を死地へ送ることはいささか気分が悪い。高順は苦い思いを抱きながら延々と出口の見えない殺し合いをつづけていた。 

夜は既に白み始めていた。戦端を開いた直後に伝令は放った。明るくなりはじめてからは狼煙もあげて戦場を遠方からでも確認できるようにしている。

とれる手だては全てとった。問題は時間である。

そうこうしているうちに曹操軍に迂回機動の兆候が見られ始めた。こちらの兵の練度が低いことは戦いの中でばれている。組織的な追撃による戦果はおそらく望めないだろう。このまま曹操軍に逃走されてしまうと陳宮たちの稼いだ時間は無駄になるし、この消耗戦の戦略的価値も消失する。

「予備隊全兵、戦闘準備。俺が直率する」

僅か数百の予備隊である。曹操軍の逃走を阻むどころか一撃で粉砕されかねないが、曹操軍を少しでも遅滞させなければならない。

「曹操軍は一旦街道を外れて北東へ向かおうとしているようだ。連中の通ろうとしているところは平野で進軍を邪魔できるものはない。俺達で食い止めるぞ」

高順は本隊に戦闘継続を命じて予備隊と共に駆け出した。もちろん曹操軍の本隊が本格的に迂回を始めたら追撃するよう指示しているが、あまり期待できない。

奇しくも曹操軍が迂回機動を開始したのと、高順率いる予備隊がその進軍方向の斜め前に回り込み、弓を一斉に放ったのは同じタイミングであった。

曹操軍は混乱している。先頭集団が軍中央に収容され、新たな集団が先頭に出てくる。それは二手に分かれた。そのうち一つの進軍方向は高順たちの方だ。その数は高順たちの三倍程度。追い散らすだけ追い散らしてそのまま逃走するつもりだろう。

「もう一斉射した後は場所を、変える」

次の射撃はさしたる効果を生まなかった。油断していた先ほどと違い、曹操軍が高順たちの存在をきちんも認識しているからだ。

高順は自軍の本隊へ目線をやるが、その動きは緩慢だ。逃げようとする曹操軍の側面を攻撃しようとしているようだが、その足並みは乱れている。後衛戦闘を行う曹操軍の部隊を突き崩せないでいた。

高順たちは駆け出した。大勢の敵を何もない平地で待ち受けるほど愚かなことはない。だが逃げ出したのではない。むしろ曹操軍本隊が向かう方へ駆け出した。

高順に死ぬつもりはなかった。いかに曹操軍が強兵であっても撤退を最優先にして行動している軍の戦闘力は落ちるからだ。

それに目論見もある。先ほどから曹操軍の後方から砂塵が見えている。規模からすると恐らく先ほど分かれた王楷の歩兵部隊がたてているものだ。

多少気が利く者がいれば錬度の高い軽装の部隊を先行させるくらいはしてくれるだろう。千人規模の部隊が曹操軍の縦列を突いてくれればその撤退は大いに遅滞し、曹操率いる全軍を捕捉できる。

「総員、斉射の用意」

平地といっても、街道が整備されていない場所を集団が通行しようとすれば進路は限定される。その進路となる場所の脇に森があった。その森の入口を背にして高順は逃げるのをやめた。抵抗できなくなれば森に逃げこめばいい。
無視しようにも無視できない場所だから、曹操軍が撤退を継続して高順たちの妨害を防ごうとするのであればそれなりの数を高順たちに貼り付ける必要があるだろう。その戦闘区域は通行できないからそれほど広くもない進路は更に狭くなったり、迂回をする必要が出てきたりする。そうなれは曹操軍の撤退は結果的に時間がかかるようになる。
現状高順がとれる中ではベストな戦術であった。

「何とか必要な時間は稼げたようだ」

高順が傍らの兵に漏らした言葉の意味は数瞬後の様相が語ってくれた。

街道をかける騎兵たちが馬上で矢をつがえている。鏃が朝の陽光に煌めき、神秘的でさえあった。彼らが放つ数百条の矢はさながら旋風のように曹操軍の後衛部隊へ吸い込まれ、劇的な効果をあげた。


呂将軍が来てくれた


高順の本隊からは大きな歓声があがっている。おそらく呂布本人が率いているであろう軽騎兵の数は三百にも満たない。だがそのいずれもが騎射のスキルを持っていたところから見て、最精鋭部隊と考えていいだろう。鐙のまだ開発されていない当時、馬上では大腿部で鞍を締め付けるようにしてバランスをとっていた。その状態で武器を扱うのは高度な訓練が必要であり、特殊技能といって良かった。

おそらく呂布は道中で王楷の歩兵部隊に追いついたのだ。曹操も遠くに立つ砂塵からエン州の援軍がいつ到達するかを推し量っていたに違いない。それを逆手に取ることを考えた呂布は少数の騎兵だけを率いて先行したのだろう。曹操は見事に意表を突かれた形になる。

最高に錬度の高い騎兵を有効に投入することはその十倍の歩兵の援軍に勝る。壊乱した曹操軍の後衛部隊は高順の本隊に蹴散らされ、右往左往している。

曹操も迷っただろう。この後衛部隊を捨てることも検討したはずだ。しかしその行為は曹操にとって緩慢な自殺に等しい。主力が仮に逃れられたとしてもその士気は極端に落ちることが予想されるからだ。

曹操軍の進路となる場所を扼していた高順の予備隊は結局そこで戦闘することはなかった。

曹操軍は街道から外れ、軍を展開しやすい平野部へ集結し始めたのである。一部の兵力を向かわせ、元来弱兵である高順の本隊を追い散らして後衛部隊を救い出すのも当然忘れていない。

高順の率いる予備隊は本隊と合流した。王楷の率いる歩兵部隊も戦場に到着しはじめた。呂布が奇襲に用いた者たち以外の騎兵も整列し、下知を待っている。

このような状況は誰も想定しておらず、まさに天の采配とでも呼べる偶然の連続によりこの意図せずしてエン州の支配者を定める決戦が始まろうとしていた。




「指揮権を早く呂将軍に委譲しなさい。お早く」

高順は王楷に詰め寄った。問題は主導権なのである。王楷は戦場にいるエン州軍において最高位の人間である。だが戦術能力はそれほどのものではなく、現にどのような指示を出せばいいのか決めかねている。

単に部隊指揮の能力でいえば高順はエン州の誰よりも優れている自信があり、現にそれは過信でもなかったのだが身分はそれほど高くない。

呂布を指揮官とするならば誰もが納得するだけの重みがある。だがエン州の軍を指揮するだけの後ろ盾がない。王楷ができる最上のことは指揮を呂布に任せると明言し、自分はただの部隊指揮官に徹することだ。

それも早くしなければならない。曹操はもちろん撤退することを考えているだろう。もしも攻勢をかけられてこちらが混乱するようなことがあれば、その間に逃げてしまうはずだ。

言うまでもないが曹操軍は一晩戦い抜いて疲弊している。エン州軍は気力充分である。この瞬間のみ兵の能力は曹操軍よりもエン州が優越していた。曹操軍を撃破するまたとはないチャンスなのである。それにはこちらから攻勢をかけて主導権を握り続け、曹操軍に撤退の隙を与えないことが肝要になる。

「いえ、私は自身で騎兵を率いる必要があります。高将軍の仰せのような、全軍の指揮は難しいでしょう」

曹操軍への対応を協議しにきた呂布はエン州軍歩兵部隊の本部で半ば怒鳴りつけるように王楷を説く高順を目の当たりにし、苦笑いと共に口を差し挟んだ。

「この状況で本部の意図を全軍に伝えるような指揮をするのは困難です。各指揮官には大まかな方針だけ与えて柔軟に攻めさせるべきです」

充分に作戦が練られた後に決戦を企図したのであればとにかく、このような状況になったのは突発的なものである。事前の打ち合わせなどないし、今からではそれができない。

しかしそれを差し引いても呂布が全軍に指示を出した方がいいと高順は考えていた。

「それで勝てますかな」

王楷の暢気ともいえる発言に、呂布は力強い笑みを返した。

「そのために我々がいます」

高順は不満そうである。

「高将軍、ご納得がいきませんか?」

「決してそのようなことは」

「高将軍の心配はわかります。しかし騎兵ならば部隊単位でも曹操軍を大いに苦しめることができるということをお見せしましょう。」

高順は練成された騎兵部隊というのを見たことがない。

騎兵は維持にコストがかかるし、運用には様々な制約も伴う。うまく運用できた時のリターンも大きいが、投資したコストが一戦で灰塵と化しかねないもろさもある。

大勢力であればいざ知らず、エン州軍程度では錬度と数の双方を兼ね備えた騎兵部隊を揃えることは難しい。

騎兵の運用というのは経験のない者には具体的な想像をするのが困難な存在なのである。

不満の残る顔の高順を置いて呂布は自身の率いる兵の元へと戻っていった。


進軍を命令する太鼓の音が戦場に響く。敵の壊走を誘うため南側はあけているが、北と東西から半包囲するような形でエン州軍は曹操軍を攻め立てる。

高順が考えるよりも曹操の抵抗は激しかった。

一角では曹操軍が逆襲に転じ、エン州軍が突き崩されそうになるような状況さえ生じた。その折に駆け付けたのは呂布が率いる軽騎兵の部隊であった。綻びを見せた箇所に殺到する敵部隊の腹背を、弓射によってこじ開け、臓腑をかき乱すかのようにその中を縦横に駆け巡る。軽騎兵は弓以外に大した攻撃手段を持たない。騎上からの刺突や短剣の投擲などはあまり戦果は見込めないが、敵の部隊としての機能を一時麻痺させるには十分な役割を果たす。

曹操軍の一部隊による攻勢は停滞し、後続も断たれて中途半端な位置で孤立した。
次の獲物を探すためそこを立ち去った呂布たちの背後では勢いづいたエン州軍が敵の部隊を鏖殺し終え、進撃を再開していた。

呂布たちは鬼神も驚くほどの働きを見せた。曹操軍が僅かな隙を見せた箇所を攻撃し、痛烈な打撃を加え続けた。

だが曹操も並みの戦術家ではない。自軍が押される原因の一つを騎兵によるものだと把握した後は各方面から精鋭を抽出し、遊撃隊を編成し、対応に当たらせた。

彼らは鎧を二重に着け、盾を捨て、長矛だけを持って窮地に陥った箇所へ赴いては勇猛に戦い、敵を押し返した。

呂布がこじ開けた穴に曹操軍の遊撃隊が立ちふさがり、その間にその穴を修復してしまうといういたちごっこが続く。

互いに決め手を欠く状態で、事態は消耗戦の様相を見せてきた。

日の出から午後にいたるにつれ、曹操らの戦術は明確になってきた。もはや敵の一角を打ち破って脱出するのは不可能である。夜まで粘り、闇にまぎれて撤退すること。これしか彼らの生き残る術はない。

曹操軍の陣形は方陣から円陣に変わっていた。方陣は小部隊を方形に並べるフォーメーションである。様々な状況に対応しやすいため、戦場での基本となる陣形である。対して円陣は文字通り円形に部隊を配置することによって、部隊の弱点となる側背をなくすことのできる防御のための陣である。特に騎兵が得意とする側面攻撃を防ぐのに有効で、後漢では騎兵が多い北方の異民族と戦う時によくとられた陣形であった。

それまで曹操軍は積極性に富んだ動きをしている。方陣を形成する部隊間の間隔を広めにとり、柔軟に部隊を動かしてエン州軍を悩ましていた。それを集結させ、部隊の間隔を密にして専守防衛に切り替えている。曹操の定めた方針は軍の隅々にまで行き渡り、どれだけ隙を見せても突出して餌食になるような部隊はいない。

両軍とも動きが鈍化し、状況は停滞した。目立った動きは見られないまま両軍の兵の屍は量産されていったが、状況は変わらない。

結局呂布らには事態を打開する有効な手が見当たらず、戦闘は日暮れ時に終結した。

結果的にこの戦闘は痛み分けに終わった。純戦術的にはどちらかというとエン州軍の構築した陣を潰すという目的を達成した曹操側の辛勝と評価できるだろうか。

だがこの結果に呂布を始めとするエン州軍の面々は非常に満足していた。曹操軍はこれから城攻めを行わなければならないが、それには兵力の優越が絶対条件になる。

一連の戦いの損害はどう計算しても曹操軍の方が上だ。エン州軍の被害は少なくないが、曹操の兵力を消耗させたことによるメリットは計り知れない。

戦力で劣るが持久力に勝るエン州側にとってはむしろ理想的な展開であったとさえいえる。

単なる兵力の多寡で論じる部分だけではなく、士気の意味でも有意義な戦いとなった。エン州軍の中には曹操が指揮をとった戦いに従軍した者たちも多い。

彼らは何度も何度も敵を打ち破る曹操の戦術と青州兵の剽悍な様を目の当たりにしてきたのである。エン州の者たちは身分の上下を問わず曹操軍に対して恐怖心を抱く者が多かったが、その気持ちはこの一戦で払拭された。

曹操は倒せる、そのたしかな自信を抱いたエン州陣営の士気は沸きたっていた。
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