俺は大型トラックになった~トラックで無双する異世界旅~

無名

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8 無双の始まり

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 ナビからは、レベルアップによるメッセージが来た。

『レベルが30を超えました。レベルアップ特典として、ガソリンの最大量を二倍に増やします』

 え!! 二倍? ガソリンの量が? 本当か!!

 俺はスピードメーターの横にある、ガソリンのレベルゲージを確認する。すると、確かにゲージが二つに増えている。これはすごい。しかもガソリン満タン! どこにガソリンタンクが設置されたのか不明だが、とにかくすごい。

 やべぇぞ。ついに来たんじゃね? 

 この世界イージーモードだぜ。ガソリンに不安がなくなればこの先怖いものなしだぜ。

 と、思っていたら。

『レベルアップ特典に置いて、食料や備蓄物の購入が可能になりました。ガソリンで購入可能です』

 というメッセージが来た。購入可能なのはすごいが、ガソリンを使うのか? ここではガソリンが金か?

『ナビの液晶より、注文が可能です。食料については即日配達されます。そのほかの商品については、稟議が下り次第、転送される形になります』

 稟議が下りる? なんだそれは。会社の承認でも必要なのか? 誰か俺の買うものにケチをつけているのか? なんだそりゃ? 

『今回の改造はいかがいたしますか?』

 改造に関しては、前回の改造にプラスされたものが提示された。

 新しい改造は以下の通り。

 1 居住区画の増加

 2 チェーンマシンガン追加

 3 対魔法装甲(小)追加

 4 メガリペア習得

 5 走行速度時速300キロにアップ

 といった改造が並んだ。

 えーと? チェーンマシンガン? なんだそりゃ。

 俺はナビに聞くと、ガソリンを弾丸にして、魔物を倒すのだという。マシンガンは普段、トラックの腹に隠されており、必要な時に現れて撃ちまくれるとのこと。ちなみに全方位撃てる。

 他にもナビに聞いてみる。
 
 対魔法装甲は、魔法攻撃対してのダメージを軽減させるもの。外観に変化はない。

 居住区画の増加は、運転席後ろの寝台が変化するらしい。居住部分は広くなるが、外観に変化はない。どうやら空間を拡張するとか、訳のわからない謎の技術が使われるらしい。

 メガリペアはリペアの超強化版。リペア(大)ということらしい。

 時速300キロについてはいうまい。トラックが300キロって、どういうことだい? ドラッグレースのモンスターマシンでも作る気か?

 とにかく、ガソリンを使う装備が増えている。チェーンマシンガンにしろ、メガリペアにしろ、ガソリンが必要だ。時速300キロなど、ガソリンを湯水のように使うだろう。

 これを見越した、ガソリンタンク2倍か。

 今回の改造は24~33にレベルアップだ。5の倍数で改造が一回。計算すると、2回出来る。

 ジェーンという仲間が増えたし、ジェーンの馬のこともある。

 前回の改造にもある、ナビのアップデートは引き続き出来る。しかし、今回も見送ろう。案内役のジェーンがいるし、居住区画の増加をするべきだ。

 俺はナビに居住区画の増加を頼む。

 すると、寝台だけだった場所が、後部座席に変化した。さらにその後ろに小さなキッチンとユニットバスが備え付けられる。これは俺の荷台にある居住区画が移動したようだ。他にも大型冷蔵庫や洗濯機と言った装備品が追加された。どのような改造が施されたのか分からないが、外観は変わらないらしい。空間を拡張したのだろうか?

 しかしこれはまぁ。

 まるっきり豪華キャンピングカーだな、こりゃ。

 いきなり後部座席が改造されたジェーンも、驚きを隠せない。

 運転席から移動すると、ジェーンは飛び上がって喜んでいる。

「すごい!!! このキッチンすごい!! それにこの冷蔵庫の大きさ!! すごい容量だ!! 私が知っている冷蔵庫とは比べ物にならない!!」 

 ジェーンは騎士でもあるが、かなり庶民くさい。

「このキッチンで料理をしたら、さぞおいしい料理が出来るだろう。これからが楽しみになるな」

「ジェーンは料理が得意なのか?」

「ふふふ。私を甘く見るな。料理は大得意だ」

 ジェーンは料理が得意なようだ。よい奥さんになれるかもしれない。人間ではないが。

「ジェーンの為に改造した。好きに使ってくれ。ただ、掃除だけは頼むぞ。車内は清潔に頼む」

「ふふふ。心得ているさ。まさか下級騎士の私が、こんな豪華な部屋に住めるとは」

 そこまで豪華か? 確かに車に積むには豪華だが、普通の一軒屋にはありそうな装備だぞ。ベッドもふつうだし。

「下級騎士の私がここに住んでいると知ったら、みんな驚くぞ。ふふふ」

 ジェーンは喜んでいるが、どういうつもりだ? 町に着くまでの、短期契約じゃなかったか? まさか俺の中に永住するつもりじゃないだろうな?

 俺は最後に、チェーンマシンガンを取得した。

 魔物を殺すのに、いつも突っ込みます、ひき殺しますでは、身が持たない。心の方もダメージを受ける。一応トラックは俺自身だ。例えダメージはなくとも、衝撃や感触は伝わる。肉を引いた感触とか、跳ね飛ばした衝撃とか。

 魔物だって生きている。今さらだが、殺した感触を味わうのは結構ダメージが大きかったりする。

 チェーンマシンガンを取得し、ナビからは改造完了の報告を受ける。俺は装備されたマシンガンを動かすと、監視カメラのように自由自在に動かせることが分かった。俺の車体下から、マシンガンが横に出てきて、銃口を前や後ろに動かせるのだ。

 ためしにチェーンマシンガンを前方の大岩に向かって撃ってみた。硬そうな岩で、大きさもかなりある。一軒家くらいあるんじゃないかって岩だ。
 
 ギュイィイイイインという音と主に、マシンガンが駆動し、魔力の弾丸がばら撒かれた。弾丸は、レーザーのように光っている。
 
 岩に向かって撃ったが、精度が悪いのか全弾命中はしなかった。

 全弾は命中はしなかったが、岩は粉々に砕けた。俺の知っているマシンガンの威力とは、けた違いである。

「なに? え? この威力は?」

 地球製マシンガンでも、岩を砕くのは至難の業だ。対戦車ライフルとか、口径の大きいマシンガンならまだわかる。

 俺に装備されたマシンガンは、人間が一人持って掃射出来る、小型のチェーンマシンガンだ。大岩を砕くような威力はなさそうに見えたが、そうではないらしい。

 ガソリンの消費量はそれほど多くなく、使い勝手はいい。これからもお世話になりそうだが、マシンガンの威力を目の当たりにしたジェーンは絶句していた。

「なんだ今のは」

「新しく、改造してみたんだ。対魔物用に」

「すごい威力だぞ」

 ジェーンの声は震えている。

「みたいだな。これで大型の魔物も怖くない」

「絶対に人に向けるなよ」

「わかってるよ」

「ならいいが」

 ジェーンは前方の砕け散った岩を見つめ、青ざめていた。
 
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