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第二章
72 新しい武器2 英雄たちが着たコート
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俺とプルウィアは砦にある武器庫に来た。そこではすでにリザとアルテアが待っていた。アルテアは俺の後ろにいるアルマ君を見ると苦笑いした。
「すまない。待たせた」
「いえ、我々も来たところです、申し訳ありませんが、サンドドレイクは外で待たせてください」
「ん? あぁ分かった」
俺はアルマに武器庫の外で待つように言った。言葉が通じるはずがないが、アルマは分かったと頷いた。上手く言えないが、俺とアルマは、心で会話したようだった。
「では、こちらに」
アルテアがそう言って、特殊な形状をした、武器庫のカギを取り出す。
「下がっていてください。今開けますので」
俺たちの目の前には、銀行にあるような分厚い円形の扉がある。不思議な魔法式が描かれていて、淡く明滅している。アルテアは取り出したカード型の魔法鍵を、スリットに差し込んだ。
ピッという、電子音が鳴り響き、扉が開いた。
「さぁどうぞ。こちらに武具が保管してあります」
アルテアに言われて武器庫に入ると、木箱に入れられた銃器がたくさん置いてあった。それ以外にも、スチールラックのような棚が整然と並んでいて、ミニマシンガンからロケットランチャー、手りゅう弾が山のようにある。
近代的な重火器に混ざって、魔剣や護符も置いてある。ファンタジー世界に銃器は少しミスマッチだったが、火薬があれば銃器も作られる。当たり前の技術的発展だ。ただ、自動車や飛行機があまりないのは、それよりも効率的な乗り物があるからだろう。たとえば、大型の魔物とかな。
「そういやアルテア、ここにあるロングソードは、どんな魔法がかけられているんだ?」
勇者が持つような、銀色の長剣を指さして、アルテアに聞いてみた。ロングソードは、鎖に巻かれて壁にかけてある。
「それは刃こぼれ防止と錆防止、重量軽減の魔法がかけられています。隊長クラスが持つ魔剣ですね」
刃こぼれ防止? 魔剣というからにはもっと派手なものを期待したが、そこは量産品。地味な魔剣だった。
「ふーん。じゃぁアルテア。この中から好きな武器を一個もらっていいんだよな?」
「構いません。アオ様にはそれだけの対価をいただいています。お好きな武器を持っていってください」
アルテアは太っ腹だった。どれでもいいという。まるで武器商人のような口ぶりだが、こうなったら、高級な一点物の武器を選んでやる。
「リザ。一番高そうな銃を選んでくれ。一番高い奴だぞ」
貧乏根性がでてしまったが、仕方ない。タダでくれるというのだから、一番高い奴が良いに決まってる。
「一番高そうな銃? ふむ。分かった。プルウィアはどうする?」
「私には高級な武器は宝の持ち腐れになってしまいます。私は包丁の扱いが得意なので、ナイフとかがいいです。銃は使ったことありませんし」
料理が得意な、プルウィアらしい選択だった。俺とは真逆の発想だ。
「あい分かった。二人とも、少し待っていろ」
リザはそう言って、ルンルン気分で武器庫の中を物色し始めた。ちゃっかりと自分用の弾薬を持っていくのも忘れていない。
「アオ様。それにしても、ここは涼しいですね」
「あぁ。そうだね」
武器庫の中は広くて、涼しい。温度管理もきっちりとされている。大量の武器弾薬がカビ無いようにしているのだろう。
俺はリザが武器を選んでいる間、アルテア、プルウィアと一緒に武器庫の中を散策する。ひとしきり武器庫の中を見て回るが、目新しいものは無い。何か特殊な武器でもあって、敵を一撃で粉砕できるような伝説の武具を期待したが、特になかった。
リザが戻ってくると、俺とプルウィアの武器が握られていた。スナイパーライフルと、小ぶりのナイフだった。
「アオ君には高性能ライフルだ。プルウィアには、魔剣だ」
俺はリザに渡された、新しいライフルを握る。かなり軽い。子供の俺でも、余裕で持てる重さだ。大きさは、前のライフルと同じ。俺と同じ身長くらいあるライフルだ。
「片手で持てる。すごい軽いな」
「特別な合金で出来てるからな。プルウィアのナイフも、魔法がかけられていて、風の魔法を使える」
ほう。すごいな。プルウィアの持っているナイフは、刀身がエメラルドブルーで、すごく綺麗だ。
「すごい綺麗ですね。本当にもらっていいんですか?」
「構いません」
アルテアは笑っているが、大事な武器だ。大切に扱わないといけないな。俺は新しいライフルを見て心を躍らせていると、アルマジロのアルマ君が突然武器庫に入ってきた。ゴロゴロ転がってくる。
何やってるんだと声を張り上げる前に、アルマはゴロゴロ転がってきて、ピタッと止まった。アルマが止まった先には、一つのコートがかけられていた。アルマはそのコートを口で引っ張り、ズルズルと引きずってくる。
ペッと、俺の前にコートを投げてよこすと、アルマは「フンス」と鼻息を一つ鳴らした。
これを着ろと言いたいらしい。
「これは……」
アルテアが驚いている。見た目は灰色のレインコートだ。俺が着るにはかなり大きい。大人サイズだ。
「アルテア、これ、すごいコートなのか?」
「はい。確かに、貴重なコートです。これは、サンドドレイクの鱗を糸状にして編み込んだ、魔法のコートです」
え? サンドドレイクの鱗? それってアルマジロ君の鱗?
「サンドドレイクの鱗は、とても貴重な品で、対物理、対魔法に優れた、良質な素材です。これを持ってきたということは、自分の鱗で、アオ様を守ってやると言いたいのでしょう」
アルテアはそう言ったが、アルマからは、こう聞こえた。
『ダーナ様や水魔法使いを守る服は、俺たちの鱗って決まってる!』
鼻息が荒いアルマ。意味が分からないことを言う。アルテアにダーナ様のことを聞いてみたが、サンドドレイクと関係する文献が残っていない。
俺はアルマの言っていることをまったく信じていなかったが、それはすぐに真実と分かる。
なぜならそれは、これから会いに行く、風の魔将軍ルセリアが知っていたからだ。
アルマ君たちはどうやら、人間以上にダーナ様を愛しているようだった。今では危険な魔物で、恐怖の対象となっているが、嘘だった。アルマ君たちは、ずっと前から人間の味方だった。
「すまない。待たせた」
「いえ、我々も来たところです、申し訳ありませんが、サンドドレイクは外で待たせてください」
「ん? あぁ分かった」
俺はアルマに武器庫の外で待つように言った。言葉が通じるはずがないが、アルマは分かったと頷いた。上手く言えないが、俺とアルマは、心で会話したようだった。
「では、こちらに」
アルテアがそう言って、特殊な形状をした、武器庫のカギを取り出す。
「下がっていてください。今開けますので」
俺たちの目の前には、銀行にあるような分厚い円形の扉がある。不思議な魔法式が描かれていて、淡く明滅している。アルテアは取り出したカード型の魔法鍵を、スリットに差し込んだ。
ピッという、電子音が鳴り響き、扉が開いた。
「さぁどうぞ。こちらに武具が保管してあります」
アルテアに言われて武器庫に入ると、木箱に入れられた銃器がたくさん置いてあった。それ以外にも、スチールラックのような棚が整然と並んでいて、ミニマシンガンからロケットランチャー、手りゅう弾が山のようにある。
近代的な重火器に混ざって、魔剣や護符も置いてある。ファンタジー世界に銃器は少しミスマッチだったが、火薬があれば銃器も作られる。当たり前の技術的発展だ。ただ、自動車や飛行機があまりないのは、それよりも効率的な乗り物があるからだろう。たとえば、大型の魔物とかな。
「そういやアルテア、ここにあるロングソードは、どんな魔法がかけられているんだ?」
勇者が持つような、銀色の長剣を指さして、アルテアに聞いてみた。ロングソードは、鎖に巻かれて壁にかけてある。
「それは刃こぼれ防止と錆防止、重量軽減の魔法がかけられています。隊長クラスが持つ魔剣ですね」
刃こぼれ防止? 魔剣というからにはもっと派手なものを期待したが、そこは量産品。地味な魔剣だった。
「ふーん。じゃぁアルテア。この中から好きな武器を一個もらっていいんだよな?」
「構いません。アオ様にはそれだけの対価をいただいています。お好きな武器を持っていってください」
アルテアは太っ腹だった。どれでもいいという。まるで武器商人のような口ぶりだが、こうなったら、高級な一点物の武器を選んでやる。
「リザ。一番高そうな銃を選んでくれ。一番高い奴だぞ」
貧乏根性がでてしまったが、仕方ない。タダでくれるというのだから、一番高い奴が良いに決まってる。
「一番高そうな銃? ふむ。分かった。プルウィアはどうする?」
「私には高級な武器は宝の持ち腐れになってしまいます。私は包丁の扱いが得意なので、ナイフとかがいいです。銃は使ったことありませんし」
料理が得意な、プルウィアらしい選択だった。俺とは真逆の発想だ。
「あい分かった。二人とも、少し待っていろ」
リザはそう言って、ルンルン気分で武器庫の中を物色し始めた。ちゃっかりと自分用の弾薬を持っていくのも忘れていない。
「アオ様。それにしても、ここは涼しいですね」
「あぁ。そうだね」
武器庫の中は広くて、涼しい。温度管理もきっちりとされている。大量の武器弾薬がカビ無いようにしているのだろう。
俺はリザが武器を選んでいる間、アルテア、プルウィアと一緒に武器庫の中を散策する。ひとしきり武器庫の中を見て回るが、目新しいものは無い。何か特殊な武器でもあって、敵を一撃で粉砕できるような伝説の武具を期待したが、特になかった。
リザが戻ってくると、俺とプルウィアの武器が握られていた。スナイパーライフルと、小ぶりのナイフだった。
「アオ君には高性能ライフルだ。プルウィアには、魔剣だ」
俺はリザに渡された、新しいライフルを握る。かなり軽い。子供の俺でも、余裕で持てる重さだ。大きさは、前のライフルと同じ。俺と同じ身長くらいあるライフルだ。
「片手で持てる。すごい軽いな」
「特別な合金で出来てるからな。プルウィアのナイフも、魔法がかけられていて、風の魔法を使える」
ほう。すごいな。プルウィアの持っているナイフは、刀身がエメラルドブルーで、すごく綺麗だ。
「すごい綺麗ですね。本当にもらっていいんですか?」
「構いません」
アルテアは笑っているが、大事な武器だ。大切に扱わないといけないな。俺は新しいライフルを見て心を躍らせていると、アルマジロのアルマ君が突然武器庫に入ってきた。ゴロゴロ転がってくる。
何やってるんだと声を張り上げる前に、アルマはゴロゴロ転がってきて、ピタッと止まった。アルマが止まった先には、一つのコートがかけられていた。アルマはそのコートを口で引っ張り、ズルズルと引きずってくる。
ペッと、俺の前にコートを投げてよこすと、アルマは「フンス」と鼻息を一つ鳴らした。
これを着ろと言いたいらしい。
「これは……」
アルテアが驚いている。見た目は灰色のレインコートだ。俺が着るにはかなり大きい。大人サイズだ。
「アルテア、これ、すごいコートなのか?」
「はい。確かに、貴重なコートです。これは、サンドドレイクの鱗を糸状にして編み込んだ、魔法のコートです」
え? サンドドレイクの鱗? それってアルマジロ君の鱗?
「サンドドレイクの鱗は、とても貴重な品で、対物理、対魔法に優れた、良質な素材です。これを持ってきたということは、自分の鱗で、アオ様を守ってやると言いたいのでしょう」
アルテアはそう言ったが、アルマからは、こう聞こえた。
『ダーナ様や水魔法使いを守る服は、俺たちの鱗って決まってる!』
鼻息が荒いアルマ。意味が分からないことを言う。アルテアにダーナ様のことを聞いてみたが、サンドドレイクと関係する文献が残っていない。
俺はアルマの言っていることをまったく信じていなかったが、それはすぐに真実と分かる。
なぜならそれは、これから会いに行く、風の魔将軍ルセリアが知っていたからだ。
アルマ君たちはどうやら、人間以上にダーナ様を愛しているようだった。今では危険な魔物で、恐怖の対象となっているが、嘘だった。アルマ君たちは、ずっと前から人間の味方だった。
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