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第一章 伝説の水魔法使い
26 嫌がらせの水魔石
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俺のせいで復活した水魔石は、どんどん水を出し続けた。ヌアザと神父は出続ける水に感動し、神の再来だなんだと大喜びしていた。いなくなってしまった子供たちを連れ戻し、教会を立て直す。ヌアザは俺を神様だと言って何度も抱きしめてくれた。
みんなでワイワイ喜んだが、それはすぐに狂気へと変わる。
水魔石からは水が出続ける。
いつまでたっても出続ける。
いつかは魔力が切れて止まると思ったが、全く止まる気配が無い。
何十年も使っていないという風呂桶に水を貯めていたが、あっという間にあふれ出した。水は、嫌がらせのように出続ける。
「アオ様。どうにか水を鎮めてください。お願いします。教会が沈没します」
ヌアザは俺に平伏し、水を止めてくれと懇願する。喜んでいたのは本当に最初だけだ。俺だって止めたいが、そんな魔法は知らん。水魔石にペタペタと触るが、止められん。シスターとリザが一生懸命あふれた水を集めているが、俺にはどうにもできない。
「無理だ。何か策を考えよう」
「そんな! 一刻の猶予もないのに、策だなんて! これでは教会の外に水があふれて大騒ぎになります!!」
渇ききった教会にようやく恵みの水が噴き出したと思ったら、今度は水害に早変わり。なんの準備もしていなかったので、俺たちは半分パニック状態だ。
俺がどこかに水を貯める場所は無いのかと言ったら、シスターが思い出したように言った。
「ヌアザ様! そういえば、地下の立ち入り禁止区域に、ダーナ様の泉があったのでは!?」
なに? 地下? そんなものがあるなら早く言え!
「あそこは300年以上前に閉鎖した墓地です。確かに水を貯める大きな穴はありますが、ミイラが安置されていた気がします。ネズミもいましたし、あそこに水を貯めたら、飲めなくなるのでは……」
どうやら、レミル村と同じように、死体水を飲むことになりそうだ。死体水とはなんだと言いたくなるが、その名の通り、死体が入った水だ。
「しかし、今ここで水魔石のことが市民にばれたら、とんでもないことになります! もうネズミやミイラが入った水でもかまいません!」
シスターは半狂乱だ。俺もこんなことになると思っていなかったので、どうしていいか分からない。
「分かりました。水魔石を桶に入れてください。落とさないように地下へ運びましょう」
ヌアザは古びた鉄製のカギを持ってくると、水魔石を持って地下へ行くことになった。当然、俺とリザも一緒に行く。
「さぁ行きますよ。転ばないようについてきてください!」
ヌアザが松明を持って、暗いレンガの階段を下りていく。なんだかダンジョンに入り込むようでワクワクしたが、水魔石からは相変わらず水が出続けた。嫌がらせのように、出続けた。
みんなでワイワイ喜んだが、それはすぐに狂気へと変わる。
水魔石からは水が出続ける。
いつまでたっても出続ける。
いつかは魔力が切れて止まると思ったが、全く止まる気配が無い。
何十年も使っていないという風呂桶に水を貯めていたが、あっという間にあふれ出した。水は、嫌がらせのように出続ける。
「アオ様。どうにか水を鎮めてください。お願いします。教会が沈没します」
ヌアザは俺に平伏し、水を止めてくれと懇願する。喜んでいたのは本当に最初だけだ。俺だって止めたいが、そんな魔法は知らん。水魔石にペタペタと触るが、止められん。シスターとリザが一生懸命あふれた水を集めているが、俺にはどうにもできない。
「無理だ。何か策を考えよう」
「そんな! 一刻の猶予もないのに、策だなんて! これでは教会の外に水があふれて大騒ぎになります!!」
渇ききった教会にようやく恵みの水が噴き出したと思ったら、今度は水害に早変わり。なんの準備もしていなかったので、俺たちは半分パニック状態だ。
俺がどこかに水を貯める場所は無いのかと言ったら、シスターが思い出したように言った。
「ヌアザ様! そういえば、地下の立ち入り禁止区域に、ダーナ様の泉があったのでは!?」
なに? 地下? そんなものがあるなら早く言え!
「あそこは300年以上前に閉鎖した墓地です。確かに水を貯める大きな穴はありますが、ミイラが安置されていた気がします。ネズミもいましたし、あそこに水を貯めたら、飲めなくなるのでは……」
どうやら、レミル村と同じように、死体水を飲むことになりそうだ。死体水とはなんだと言いたくなるが、その名の通り、死体が入った水だ。
「しかし、今ここで水魔石のことが市民にばれたら、とんでもないことになります! もうネズミやミイラが入った水でもかまいません!」
シスターは半狂乱だ。俺もこんなことになると思っていなかったので、どうしていいか分からない。
「分かりました。水魔石を桶に入れてください。落とさないように地下へ運びましょう」
ヌアザは古びた鉄製のカギを持ってくると、水魔石を持って地下へ行くことになった。当然、俺とリザも一緒に行く。
「さぁ行きますよ。転ばないようについてきてください!」
ヌアザが松明を持って、暗いレンガの階段を下りていく。なんだかダンジョンに入り込むようでワクワクしたが、水魔石からは相変わらず水が出続けた。嫌がらせのように、出続けた。
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