この異世界には水が少ない ~砂漠化した世界で成り上がりサバイバル~

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第一章 伝説の水魔法使い

46 改善する生活水準

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 地下の倉庫に行き、いちばんデカい水魔石をチョイス。クーとリザに落とさないように持ってきてもらうと、地下墓地へ移動。

 ダーナの泉(プール)がこの教会にもあったので、そこに設置。カイトの街と同じく干上がっていたので、ちょうど良い。

 俺は水魔石にペタペタ触って、魔力を送り込む。王都に来るまでにも、毎日魔力操作の訓練はしていた。ここ最近、右肩上がりで魔力が増えてる。

 バスケットボール位のサイズだが、たぶん行けるだろ。俺はひび割れた水魔石に魔力を送り込む。悶絶しながら送り込む。

 その様子を、マーティン司祭含め、みんなが見ていた。なぜかプルウィアや子供達まで集まってきた。噂はすぐに広まってしまったようだ。

 俺の秘密は守られるのか不安だが、水魔石に魔力を送り続けること5分。次第に水魔石から光が発してきた。ひび割れも無くなり、綺麗な蒼色のガラス球になっていく。そろそろ俺の魔力と体力も限界に近い。

「ひぃひぃ。これ、やっぱつらい」

 そしてさらに5分後。

 生気を抜かれたようにげっそりとなる俺。今回は選んだ水魔石がでかすぎた。今の俺ではきつすぎる。

 ひぃこらひぃこら言いながらも最後の力を振り絞り、水魔石は復活した。

 ペカーッと、光ったのだ! LED電球のごとく、光ったのだ! この水魔石は長寿命だ! きっと10年以上持つ!

 俺は倒れそうになったので、クーに抱っこしてもらってその場から離れる。

「ば、ばかな……。すでに死んだ水魔石が、蘇っただと?」 

 ライドやマーティン司祭、その他すべての人が驚いていたが、唯一声を出して喜んでいた者がいた。

 プルウィアだ。

「すごい!! 水だよ! みんな、透明な水だよ! 綺麗な水があふれ出てくる!!!」

 プルウィアは泉の中にピョンッと降りると、水魔石からあふれる水を勝手に飲んだ。

「あっ! こら! プルウィア! 水質検査もしていなのに飲むんじゃない!」

 マーティン司祭は怒ったが、プルウィアは泣いて喜んだ。

「おいしい! すごいおいしい! この水、甘くておいしい!!」

「なに? 甘いだと?」

 マーティン司祭は疑っていたが、飲んでみると確かに甘いと言った。魔力が多く含まれている証拠だ。飲むだけで虫歯知らずの健康になれる。

「こんな、馬鹿なことが…….。本部が言っていたことは本当だったのか」

 未だにこのゴリラ司祭は信じられないでいたが、これは事実。

 ここから、俺たちの快進撃は始まった。


★★★


 この教会には孤児が30人ほどいた。上は12歳、下は0歳の乳幼児までだ。まともに働けるのは15人程度だが、それなりに子供たちがいる。職員も女性含めて全部で5人いる。
 
 俺はそいつらを見ると、即座に体を洗うよう命じた。

 3ヶ月以上、体を洗っていないような奴ばかりだったからだ。病気になられては困る。風呂に入れ。

 この風呂だが、リザが以前やったように、ドラム缶風呂にすることとした。ここには風呂場が無かったのでしょうがなかった。

 燃料の薪代は俺とリザが出してやった。薪1キロで1.5クロスした。クロスとは、シリンの下の桁である。100クロスで1シリンである。庶民が良く使う金だ。

 薪にも金を使わなければならないとは、庶民は大変だな。俺は職員に命じると、ドラム缶を4っつ用意させ、交代で体を洗わせた。

 清潔になったら、次は服だ。

 中古であるが、街の古着屋でまともな服を買ってくる。大量購入だ。それを子供たちに着させる。金は俺とリザが出した。なんと、この時はライドも出してくれた。どういう心境の変化か知らんが、ライドも金を出した。

 子供たちのボロボロになっていた服は燃やして燃料にするのも忘れない。

 あとは中古のサンダルも買い与え、最後は飯だ。

 いつもは固いパンとドロドロのスープだけというので、奮発して野菜と肉を大量に買ってくる。当然、腐っていない、新鮮な野菜と肉だ。高級な牛乳も買い込み、これでクリームシチューを作る。主食であるパンはもちろん、柔らかい白パンで決定だ。異論は認めない。

 市場で材料を購入してきたら、教会の職員総出で、飯を作る。俺やリザ、クーも一緒に混ざって作った。プルウィアにきちんとしたナイフの使い方を教わりながら、野菜の皮むきに勤しんだ。

 大きな鍋で、シチューをコトコト煮込む。おいしそうないい香りが、教会中に広がる。味付けは高級な岩塩と胡椒だ。きっちりと塩味をつけてやる。味のないスープはもう食いたくない。

 結果、宿の飯よりうまい、最強のシチューが出来た。学校の給食みたいなやつだ。懐かしい味である。

 当然だが、シチューに使った水は、水魔石から出た水だ。聖水ではなかったが、それでも純度は最高品質。シチューの味に拍車がかかる。

 この時はリザ、ライド、クーも、無言でお代わりをしていた。それだけうまいシチューだった。

 子供たちのほとんどは涙を流して飯を食べており、今までがどれだけ過酷な生活だったがうかがえた。

 ゴリラ司祭のマーティンも、シチューを食って涙を流している。司祭のお前まで泣いてどうする。子供たちに慰められてるぞ。しきりに俺へ頭を下げて感謝しているが、そんなことはどうでもいい。この計画が終わるまで、俺が水魔法使いだと漏らすなよ。絶対だからな!

「ライド。水を売る業者は決まってるのか?」

「あぁ。そっちは問題ない。話はつけてきた。樽も買ったし、あとは水を汲んで運びだすだけだ。計画通り、牛車を借りるぞ」

「分かってる。それと、護衛にリザは必ず連れて行けよ」

「ちっ。覚えてやがったか。リザと一緒は気は進まんが、仕方ないな」

「いいか? 最初は出し惜しみして、価格を釣り上げるんだ。忘れるなよ?」

「はっ! ガキのお前に言われるまでもない。商売のことは任せておけ。金を稼ぐんだ。きっちりと働くさ」

 俺とライドはシチューを食いながら水を売る話を進める。地下の泉(プール)にはかなり水が溜まったし、大樽にたくさん汲んでもおつりがくる。水を汲むときは教会の職員に手伝わせよう。報酬は綺麗な水だ。喜んでやるはずだ。

 この計画の肝は、俺が水魔石を一日にどれだけ復活させられるかにかかってる。時間との勝負だからな。

 しかし、水魔石に魔力を送り込むときは、ほんとにつらいんだよな。悶絶するんだ。体中から血を抜き取られてる感じだな。嫌だが、仕方ない。ハーレムパーティーの未来に向けて、やってやる。

 あっそうだ。これはどうでもいいが、古着を買う時、エロい服を見つけたんだ。紐みたいな服だ。リザはこういうの嫌がりそうだから、クーに着させよう。胸もデカいし、あいつなら抵抗なく着てくれそうだ。よし。あとで買って来よう。

 
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