死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

1-転生？成り代わり？

閲覧ありがとうございます。本作は自決に関する表現が出てきます。

話のタイトルに『⚠️』が付いているものは特にそういった表現が強くなりますので、苦手な方はブラウザバックして頂くようお願い申し上げます。

ここまでお読み頂きありがとうございました。


本編↓↓↓


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何の因果か。僕は生きてしまった。

目の前には見知らぬ豪華な宗教画がのようなものが描かれた天井。
身体には暖かな毛布。そして広すぎるベッド。


｢…なんで？｣


声を出してみれば何処かで聞いたような中性的な美声。
僕は死んだ。首を括り僕は死んだはずだ。
そもそもここはどこ、この身体は誰なの？

頭の中が整理できずにパニックになっている。顔を触り自分の身体の感触を確かめていると豪華なドアが開き、誰かが入ってきた。


｢…あっ、ルーク様！お目覚めになられたのですねっ！ただ今お医者様を呼んできますから、そのままお休みになられててください!!｣


メイド服を着た女の人が焦ってそのまままた出ていってしまった。


ルーク。聞いたことがある。以前暇つぶしでスマホで見たアニメ。女の人が好きなBLというジャンルの今流行りのなろう系みたいなアニメ。そのアニメにいたのだ。


ベッド横のキャビネットを漁ると手鏡が出てきたので改めて顔を確認する。


ビンゴ。黒髪に深海のような深い青色の瞳。顔は女にも見える程美丈夫で華奢な身体。

アニメの名前は忘れてしまったが、そのアニメに出ていた『ルーク』で間違いない。


ルークは確か悪役だった。今はまだアニメで見た時の年齢ではないようだが、この先学園に行くことになる。そこでルークは平民出の主人公を虐め嬲り、そして政略的に婚約させられていたヒーローの王子に断罪され殺される。


主人公は光属性の魔法使いで、ルークは闇属性。設定間でもが悪役で、物語の噛ませ犬だ。


転生と言っていいのだろうか。僕は楽になりたかったのに。また息をしている。



なんにせよ、僕にとっては絶望だった。