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12-悪役失格
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僕に奴隷呼ばわりされたラルクは目を見開いたまま動けなくなっていた。
「…父上の頼みだからこの部屋にいる事は特別に許してあげる。精々俺の邪魔だけはしないでおくれよ」
ラルクの可愛い顔がどんどん絶望に染っていく。
あぁ、僕は本当に駄目な人間だ。
何故僕みたいなやつがこんなに無垢で純粋な人を傷つけているのだろう。
僕にそんな価値もなければ資格もない。
僕みたいなやつが。
胸が苦しい。
僕が一番知っている。言った方が忘れたとしても、言われた方は忘れない。
でも言わないと、僕は存在してはいけないのだから。死ななければならないのだから。ラルクに恨まれなければならないのだから。
言いたくない。
嫌われなきゃ。
『お前なんか産まなきゃ良かった』
「弟なんていらなかったのに」
あの人と同じになりたくない。
ラルクに恨まれなきゃ。僕に家族は似合わない。ラルクが僕の近くに居ないように嫌われなきゃ。
『お前と私が対等だと思っているの?』
「残念だったねラルク。愛人の子どものお前と僕とじゃ価値が違うんだよ」
僕はあの人じゃない。
僕は悪役令息ルーク・フォンルージュ。
断罪されるべき人間。
『お前、誰のおかげで生きていけると思ってんの』
「ラルク、今日から俺のおかげでお前は…っ」
言えなかった。声が最後まで出てこない。身体が拒絶しているのだろうか。
やっぱり僕は悪役としても出来損ないだった。
僕は衝動のままベランダがある窓に走り出す。
そのまま両開きの窓を開け、ベランダから飛び降りようとした。
「グッァァッ…!!」
案の定、電流が流れベランダで蹲ってしまう。
「あ、あに…ルーク様!!」
呆然としていたラルクが我に返り、僕に駆け寄ってきた。僕の背中を心配そうにさすろうと手を伸ばしてくる。
「っ…俺に触るな!」
パシンッ
僕は咄嗟にその手を弾いてしまう。
「っルーク様…」
ラルクは優しいね。こんなクソみたいな人間の心配をするなんて…本当に、…馬鹿だなぁ。
「…父上の頼みだからこの部屋にいる事は特別に許してあげる。精々俺の邪魔だけはしないでおくれよ」
ラルクの可愛い顔がどんどん絶望に染っていく。
あぁ、僕は本当に駄目な人間だ。
何故僕みたいなやつがこんなに無垢で純粋な人を傷つけているのだろう。
僕にそんな価値もなければ資格もない。
僕みたいなやつが。
胸が苦しい。
僕が一番知っている。言った方が忘れたとしても、言われた方は忘れない。
でも言わないと、僕は存在してはいけないのだから。死ななければならないのだから。ラルクに恨まれなければならないのだから。
言いたくない。
嫌われなきゃ。
『お前なんか産まなきゃ良かった』
「弟なんていらなかったのに」
あの人と同じになりたくない。
ラルクに恨まれなきゃ。僕に家族は似合わない。ラルクが僕の近くに居ないように嫌われなきゃ。
『お前と私が対等だと思っているの?』
「残念だったねラルク。愛人の子どものお前と僕とじゃ価値が違うんだよ」
僕はあの人じゃない。
僕は悪役令息ルーク・フォンルージュ。
断罪されるべき人間。
『お前、誰のおかげで生きていけると思ってんの』
「ラルク、今日から俺のおかげでお前は…っ」
言えなかった。声が最後まで出てこない。身体が拒絶しているのだろうか。
やっぱり僕は悪役としても出来損ないだった。
僕は衝動のままベランダがある窓に走り出す。
そのまま両開きの窓を開け、ベランダから飛び降りようとした。
「グッァァッ…!!」
案の定、電流が流れベランダで蹲ってしまう。
「あ、あに…ルーク様!!」
呆然としていたラルクが我に返り、僕に駆け寄ってきた。僕の背中を心配そうにさすろうと手を伸ばしてくる。
「っ…俺に触るな!」
パシンッ
僕は咄嗟にその手を弾いてしまう。
「っルーク様…」
ラルクは優しいね。こんなクソみたいな人間の心配をするなんて…本当に、…馬鹿だなぁ。
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