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13-神に誓う
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ーラルクsideー
兄上、もといルーク様はおれの前で死のうとした。
ベランダから飛び降りようとしたのだろう。おれも咄嗟のことですぐ動くことが出来なかった。
ベランダの手すりにルーク様が登ろうとした瞬間、ルーク様は呻き声を上げて蹲ってしまった。
どうやら父上が付けた枷とやらが発動したのだろう。
駆け寄ると苦痛に歪めたルーク様と目が合う。
無意識に心配になり、手がルーク様の背中をさすろうとする。
「っ…俺に触るな!」
パシンッ
ルーク様に手を弾かれる。
ルーク様が一瞬悲しそうな顔をした気がした。
「っルーク様…!」
この人はやはりフォンルージュ家の人間には相応しくない。おれを虐げ、そして母を虐げた異母兄弟や父たちとは違う!
おれを傷付けようとしても結局最後まで傷つけることも出来ず、自責の念で飛び降りようとまでしてしまう。
兄上は、ルーク様はやはり、ーー
おれはルーク様を抱きしめる。
おれよりも一回り大きいはずの身体は思いの外小さく、そして震えていた。
「っぁ、な、ぇ…?」
「…ルーク様、大丈夫です。おれは大丈夫ですから」
「!…」
ルーク様は離れろとは言わなかった。
おれにされるがまま、ただ抱かれていた。
ああ、久しぶりに人の温もりを感じる。
幼少の頃母に抱かれた以来だ。今は俺が抱きしめているけれど。
ルーク様、おれの目に狂いはなかった。
あなたは優しくかみさまみたいな人だ。
フォンルージュの腐った連中とはちがう。
あなたの父のように本当に冷たい人間は、
あなたのように飛び降りようとはしない。
あなたのようにあんな苦しそうな顔で人を罵ったりしない。
あなたのように人に傷をつけるのを恐れたりしない。
おれは、俺の神に誓う。
おれはルーク様を守る。父上が、フォンルージュ家がルーク様にどれだけ牙を向こうとも。おれだけはルーク様を裏切ったりなどしない。絶対に離さない。失うことなど許しはしない。
そして母のように勝手におれの前からいなくなることも許さない。次は絶対に俺を置いてなどいかせない。
おれはルーク様の背中にまわした手に力を込める。
されるがままだったルーク様もおれの背中を弱々しく掴んだ。
兄上、もといルーク様はおれの前で死のうとした。
ベランダから飛び降りようとしたのだろう。おれも咄嗟のことですぐ動くことが出来なかった。
ベランダの手すりにルーク様が登ろうとした瞬間、ルーク様は呻き声を上げて蹲ってしまった。
どうやら父上が付けた枷とやらが発動したのだろう。
駆け寄ると苦痛に歪めたルーク様と目が合う。
無意識に心配になり、手がルーク様の背中をさすろうとする。
「っ…俺に触るな!」
パシンッ
ルーク様に手を弾かれる。
ルーク様が一瞬悲しそうな顔をした気がした。
「っルーク様…!」
この人はやはりフォンルージュ家の人間には相応しくない。おれを虐げ、そして母を虐げた異母兄弟や父たちとは違う!
おれを傷付けようとしても結局最後まで傷つけることも出来ず、自責の念で飛び降りようとまでしてしまう。
兄上は、ルーク様はやはり、ーー
おれはルーク様を抱きしめる。
おれよりも一回り大きいはずの身体は思いの外小さく、そして震えていた。
「っぁ、な、ぇ…?」
「…ルーク様、大丈夫です。おれは大丈夫ですから」
「!…」
ルーク様は離れろとは言わなかった。
おれにされるがまま、ただ抱かれていた。
ああ、久しぶりに人の温もりを感じる。
幼少の頃母に抱かれた以来だ。今は俺が抱きしめているけれど。
ルーク様、おれの目に狂いはなかった。
あなたは優しくかみさまみたいな人だ。
フォンルージュの腐った連中とはちがう。
あなたの父のように本当に冷たい人間は、
あなたのように飛び降りようとはしない。
あなたのようにあんな苦しそうな顔で人を罵ったりしない。
あなたのように人に傷をつけるのを恐れたりしない。
おれは、俺の神に誓う。
おれはルーク様を守る。父上が、フォンルージュ家がルーク様にどれだけ牙を向こうとも。おれだけはルーク様を裏切ったりなどしない。絶対に離さない。失うことなど許しはしない。
そして母のように勝手におれの前からいなくなることも許さない。次は絶対に俺を置いてなどいかせない。
おれはルーク様の背中にまわした手に力を込める。
されるがままだったルーク様もおれの背中を弱々しく掴んだ。
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