死にたがり(愛されたがり)の悪役令息

たまも。

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別荘編

46-劣情※

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ーノールsideー



夜の中の見回り。俺はこの時間が好きだ。
特に今回アーノルドに連れてこられたこの別荘は周りに自然が多く、王都にいる時には見られない景色が月明かりに照らされて見えるからだ。


それにしたってあいつはどうしようもないな。


朝と昼間のことを思い出す。

あいつは昔から自分が気に入ったものはとことん自分の手元に置きたがり、俺に自慢するかのように見せてくることがあった。

と言ってもだ…だからってあんなの…。
今回俺をここに連れてきたものわざとか?
俺をダシにするためわざと連れてきたのか?

友人であり自分の主人である人物に頭を抱える。

今のあいつは異常だ。あそこまで何かに入れ込んでいるあいつは見たことがない。


ルーク・フォンルージュ。アーノルドの婚約者のあの快感に震えた顔を思い出す。

それだけで少し俺の息子が反応する。


俺は男になど興味はなかったのに…!あのルークのせいだ!クソッ…。


アーノルドも、あの妖艶な艶やかでとても男とは思えない美貌にあいつも魅力されたのだろうか。


気がつくとアーノルドたちの寝室が近いところに来ていた。



「~~…!~~~~ッッ!!」



…?何か聞こえる。

…いや、寝室だ。ナニをやっているかなんて決まっているが…。

防音魔法がかかっているはずの扉を貫通するほど声を出してどんなプレイをしていると言うんだ。


魔が差した。それしか言えない。

昼間のルークを思い出す。アーノルドに攻め立てられ、グズグズになりながら俺に助けを求めるかのような目で見てくるあの青い目。


俺は音をなるべく立てないようにドアノブを捻り、扉を少し押す。




「ぁあ゛あ゛あ゛あ゛~~~~ッッッ♡♡♡!!」


「っ!?」


少し開けた瞬間聞こえたのはあの駒鳥みたいな声ではなく、小さい獣の嬌声だった。


驚いてその声の主を見る。



月明かりに照らされて見えるその声の主は四つん這いになり、快感に耐えることが出来ず、肘をベッタリとついてバックで自分を犯している人物に屈服しているかのような体制で喘いでいた。

そんなルークを犯しているアーノルドは後ろからルークの頭を片手でベッドに押さえつけ、少し上からガツガツと激しく攻め立ててルークの首の項に深く噛み付いていた。


…まるで獣の交尾だ。


ガタっ


っ…しまった…!


交尾に見とれていた俺はつい、扉に当たり物音を立ててしまう。


「っ…だれだ!!」


獣みたいなアーノルドの怒号が聞こえる。
…最悪だ。今のアーノルドに見つかってしまった…。

ギラギラとした若干焦点があっていない獣と目が合う。その瞳の中はピンク色のハートが発光している。


…!!まさかこいつ…あの薬を…?


「…ノール…?…なんだ、おまえか…」


そう言ってアーノルドはルークの頭を掴んでいる方の手に力を入れ、ルークに上を向かせる。


上を向かされたルークの顔は沢山泣いたのだろう、赤く腫れていて、涙やら鼻水やら涎やらでぐちゃぐちゃだ。そしてアーノルドと同様、その目にはハートの光が浮かぶ。絶対に正気ではない。目がアーノルドよりもだいぶ虚ろだ。



「るーく……ノールにほうししろ…」



ルークの虚ろな瞳が俺を見る。

ずずず…


「ぅう゛ぁぁぁ……ん゛ッ」


ルークが四つん這いのまま這いつくばり、俺の方に向かってくる。そのままアーノルドの中に入っていたものが抜けたのだろう。小さく唸り声みたいな喘ぎ声を漏らす。

ベッドから降りようとしてルークがズルッと床に落ちる。手に力が入らないのだろう。


「ルーク様…っ!」


俺は咄嗟にルークの元へと駆け寄る。

近くで見たルークの身体は多量の鬱血痕と噛み跡だらけで痛々しい。

特にさっきアーノルドが噛み付いていた首には締められた跡と血が出ている噛み跡があり、思わず顔をゆがめてしまう。

ルークがおれのベルトを外し、ズボンのボタンを外そうともぞもぞと動く。

俺はそんなルークを諌めるように肩を掴み、止める。


「ッ…やめてください!ルーク様、貴方は今正気じゃない!

アーノルド、お前、どうしてこんなことを…それにこの首の跡はなんだ…?

お前がやったのか…?」


アーノルドが無言でふらふらと立ち上がり、ルークの元まで近づいてくる。


「…るーくがわるいんだ。ぼくにかくしごとするから……だから、脅した」


「脅したっておまえ…」


脅しで首を締めたのか…?


この友人は元から執念深い方だが、いざこの狂行を目の前にすると思わず絶句してしまう。


アーノルドがゆったりとルークの腰を掴む。薬で限界まで勃っているものをルークの中にまた収める。

ぶちゅんッ!


「ア゛ッ!ぉ゛ぁッ♡!」


ボタンを外そうとしていたルークがアーノルドに突かれた衝撃から耐えるためにそのまま俺にしがみつく。


「っはー……のーる…おまえもルークを可哀想とかおもいながら勃ってるよね。

偽善者ぶるなよ……おまえも、ぼくと同じ。あさも昼もかわいそうなルークで抜いたくせに。


…おまえだから特別ね……おなじ穴のムジナとして1かいだけ、ルークのくちつかうの許してあげる」
 


おれは…ちがう、おれはこんな獣と同じではない。ちがう、ちがう…!


俺にしがみついて快楽のまま俺のものをズボンの上から舐めようとしているルークが目に入る。


朝と昼、このいやらしい雌で俺は抜いた。
女性が好きなはずの俺が、この男の癖に卑猥な卑しいこの雌に心を掴まれている。


1度だけだ…1度だけでも…


俺は劣情のままズボンのボタンを外した。
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