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学園入学編
61-寸止め※
しおりを挟む母上は今だ帰らず、フォンルージュ邸には父上と僕とラルク、後は使用人。それだけの人間しかいなかった。
使用人は僕たちを怖がり何一つ反抗してこない。僕を馬鹿にしていた執事長も借りてきた猫みたいに従順で大人しい。
ラルクに折檻をしていた者もいたようだが、それも無くなったらしい。
たまにアーノルドが顔を出し、僕にベッタリなラルクとバッチバチに喧嘩する。
特にラルクに付けられたピアスが見つかった時は大変だった。
ーーー
応接室でラルクと共にアーノルドと対面する。
「…なんで弟君がいるのかなぁ。婚約者との時間を邪魔されたくないんだけど」
「俺も唯一の家族との時間を邪魔されたくないのでお互い様です」
僕の隣に座るラルクが僕の腕を掴んで話さない。
その様子を見てアーノルドは目を細め、心底不愉快だとでも言うような嫌な顔をしてラルクを見る。
この2人本当に断罪してくれるんだよね?
アニメ本編の舞台、魔法学園は15歳からだ。
あと2年。2年後、僕は処刑台の上にいる…はずだ。
「…失礼しますラルク様。旦那様がお呼びです…」
もんもんと考えているとメイドがラルクを呼びに来た。
父上に呼ばれたらしいラルクは嫌々立ち上がり、ドアの前で去り際に「兄上に手を出したら殺す」と殺気立った顔で言い残し部屋を後にした。
それを見てアーノルドは「なぁにあれ」と口だけの笑顔で言う。目は完全にこいつ殺すと言っている。
ラルクが去ったのを良い事にアーノルドはすぐ僕の左隣に座り、僕の肩を抱いて密着。さっきのラルクの忠告などなかったように自然に喋りかけてくる。
「ねぇ、このピアスなに?」
そりゃあ、やっぱり聞くよね。
「僕穴を開けていいなんて許可出した覚えはないよ?」
僕の体なのになんでアーノルドの許可なんているの?
「ラルクから貰ったものです。別にアーノルド様の許可はいらないでしょう?ラルクとは兄弟なのですから」
僕の言葉を聞いたアーノルドはピクリと眉を一瞬反応させ、呆れたようにため息を吐いた。
「…ねぇ、ルーク。別荘から帰った後、何かあった?」
今度は僕が固まってしまう。
なんで?なんでそんなこと聞くの?
「いいえ、何も」
「ふーん…そう」
横からジッと見てくる視線に思わず下を向いてしまう。
アーノルドの顔が僕の耳元まで近付いて吐息が聞こえてくる距離で僕の耳元で囁く。
「久々に2人でデートしようか。いいよね?」
アーノルドの手が、僕の手をギュッと握る。
僕に拒否権などない。
ーーー
にちゅッちゅこちゅこちゅこ…
「ハァッ…アッ、ィぅ…♡」
アーノルドに僕の部屋まで案内させられ、自分のベッドの上で背後からからピアスがついてる耳と僕のものを擦られ、ただ喘ぐことしか出来なくなっていた。
スリスリスリ…
「…チッ…全然取れない。…君の弟君にこんなもの用意できるとは思わなかったよ…。
誰に用意させたんだ…?これは王邸魔術師じゃないと作れない筈なんだけど。
…本当に忌々しいなァ…」
え、そんな物だったの?そんな物が僕に3つも付いてるの?
グリ、グチュくち
「イ゛ッッ!やめ、ぁ…アーノルドぉッ」
イラついたアーノルドが手に力を込め、僕の鬼頭の穴をグリっと爪を立てて引っ掻く。痛みで涙目になってしまう。
悲しいかな、マゾらしいルークの体は僕の意思とは裏腹にその痛みにすらぐんぐんと精子を上に押し上げる。変態だ。
あっ…出そう。出るっでるでるでるッ!!
射精へと近づく感覚が強くなり、上がってきた精子が竿にまで来たのが分かる。
息が自然とあがり、はぁはぁと口で喘ぎながら息をする。
イくッッッ!
そう思った時だった。
アーノルドの手が急にピタリと止まる。
あ、ぇ…?
イけなかった。
僕のちんぽは痛々しいほど勃ってピクピクと解放されなかった焦燥感で震えている。
後少しの刺激でイけるのに、なんで、なんで?
ぐぐぐと上がっていた精子が下がってくる。アーノルドの手は動く気配がない。
「あ、あーのるど…」
て、うごかして。おねがい。
そこまでは言えない。言えないけど、名前を呼んだ僕の声は確実に物足りないと懇願した声色をしていた。
竿から下りて少ししゅんとしてしまった僕のちんぽが、少し哀愁を漂わせていた。
…くち…くちゅくちゅくちゅ
「ぇあっ?!…ぁっ♡んっ、んっ!」
また握りしめたまま止まっていた手が上下に動き出す。
さっきよりも近い位置に精子がいたからか、またすぐに射精感が強まり、出そうになる。
「イっくぅ、で、でるっ♡でるでッ…ぁあっ…!……ぇ…?」
また止まる。
これで分かった。アーノルドはわざと止めている。
やだっ…イキたい。イキたい!イキたい!!
絶対強請っては駄目。相手の思うつぼだ。
頭では分かっていても身体に主導権を奪われかけている今、自然と口が動いていた。
「あーのるどっ…て、てぇうごかして。おねがぃ…」
フッと背後でアーノルドが笑い、吐息が耳にあたる。
アーノルドが僕の耳元に直接頭に囁くように言う。
「だめだよ。ルークは本当に言う事聞かないんだから…少し目を離せばピアス。
ね、悪い子なの?ルークは」
背筋に冷たい汗が落ちる。
その言葉に何故か心臓を掴まれている気がして、落ち着かない。
「…ご、ごめんなさぃ…」
何故か謝っていた。何で。悪いのはこんな意地悪するアーノルドじゃないか。
ピアスだってただ自分の弟から貰ったから付けただけじゃないか。
僕の何が悪いって言うの?何も悪くないだろ。
なのに、何で、何でこんなに怖い。
何がこんなに怖い。こわい。こわい。
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