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47話 目覚めると…
しおりを挟む「ソレイユ… ソレイユ… そろそろ目を覚ます時間だ」
優しく頬をなでられ、ソレイユの額にキスが落ち… 唇にも2度温かなキスが落ちた。
アンバレに呼ばれ、気持ちの良い眠りの泉から、ソレイユはゆっくりと浮上する。
「ソレイユ… さぁ起きて、婚姻の儀(結婚式)の支度をしないといけないよ?」
「…婚姻の儀?」
ゆっくりまぶたを開くと、アンバレが自分をのぞき込むように見ていて… 美しい婚約者の顔に、ソレイユはうっとりと見惚れた。
ハァ―――ッ… と思わずため息が出るような、美しいグリーンの瞳が自分だけを見つめているのが、たまらなく嬉しくて… ソレイユは手をのばして、丸みの無い男らしい頬に触れる。
「君が眠っている間に、婚姻の儀の準備をしたんだ… 急なことだったが、何人か招待客たちも来てくれる」
のばしたソレイユの手をつかまえ、アンバレは手のひらにキスをした。
「婚姻の儀…?!」
んんん?! 何か月か先の話ではなかったかしら? どういうこと?!
ようやく、ことの重大さを理解し… ソレイユはベッドからはねるように飛び起きる。
「そうだ! 君を一刻も早く、私の妻にしたいから…」
「一刻も早く… ですか?!」
なぜ急に… こんなことになってしまったの?!
「…すまない、美しい君にはもっと華々しい式が似合いなのだが、今は我慢して欲しい」
申し訳なさそうに、アンバレは眉尻を下げ、ソレイユの手を自分の頬にあてながら謝罪した。
「え?」
よくよく考えたら… 私はオルドナンスの神殿にいたはずなのに?!
キョロキョロと視線を動かすと、ソレイユはいつの間にか、自分がペイサージュ伯爵邸の伯爵夫人の寝室にいることに気づく。
だが自分が着てい服は、ヨレヨレに乱れてはいるが、昨夜オルドナンスの神殿へ行く時に着替えた、外出用のドレス姿だ。
「……?」
何が何だかわからなくて、ソレイユは眉間にしわを寄せて、首を傾げた。
「ソレイユ、本当にあまり時間がないのだよ… 準備を始めてくれるか?」
「ですがアンバレ様… これは何かおかしいです…っ…!」
ソレイユは間近にあるアンバレの顔を見て… いつもとは違う違和感を感じ、息をのむ。
顔を強張らせたアンバレが、2つのグリーンの瞳で、ジッ… とソレイユを見つめていたからだ。
「ソレイユ、頼む! 今日じゅうに、私の妻となって欲しいのだよ」
「アンバレ様! …目が!?」
つぶれていた、左目がある…?!
傷痕を覆う黒布を外したアンバレの、つぶれて取りさった目が再生し、両目がそろっていた。
変化はそれだけではない。
アンバレの額から目、頬にかけての深い傷痕もほとんど消えている。
「君がオルドナンスの神殿で何をしたか… おぼえていないのか?」
「…えっ?」
ソレイユの心の内をのぞくように、アンバレにジッ… と見つめられた。
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