すてられた令嬢は、傷心の魔法騎士に溺愛される

みみぢあん

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74話 後始末

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 騎士の1人が魔石がはめ込まれたくいを地面に打ち込むと、アンバレに向かって怒鳴った。

「団長! 転移魔法陣の設置が終わりました!」

「よし! イフリートを魔法陣に移動させろ!」
 王太子の魔法で凍ったイフリートに縄をかけて、4人の騎士が持ち上げて転移魔法陣の中央へ置く。

「北部の辺境伯に、転移したらすぐにイフリートを封印するよう頼む! それと絶対に注意をおこたらないよう伝えてくれ!」
 毛皮がついた分厚ぶあつい防寒用のマントを羽織はおった騎士の肩に手を置き、アンバレは指示を出す。

「はい、おまかせを団長!」
 騎士は魔法陣に魔力を注ぎ転移魔法を発動させて、イフリートとともに北部へ旅立った。

 王太子はイフリートを氷づけにすることに成功したが、殺すことは出来なかった。
 そこで急遽きゅうきょ、1年じゅう氷と雪におおわれた北部の辺境伯に依頼し、イフリートを氷の中に封印しようと考えたのだ。



「アンバレ様!!」

「……っ?!」
 背後から名前を呼ばれ、アンバレが振り向くと、神官服を着たソレイユが立っていた。

「ア… アンバレ様、おケガはありませんか?!」
 ソレイユはアンバレにかけ寄り、ギュッ… としがみついた。

「ソレイユ、どうして君がここに?! なぜ神官服なんだ?!」

「1人で待つのが耐えられなくて… それで神官様のお手伝いをしようと、一緒に聖水を運んで来たのです! でも、大きな音がして… 騎士団本部が、こんなことになっているなんて?!」

「そうか、心配をかけたね… 突然、ここに魔獣があらわれたが、今はもう脅威きょういは無くなったから安心して良い! 大丈夫だから、ソレイユ…」
 瞳を涙でうるませた、心優しい新妻のひたいにアンバレはキスを落とし、甘い笑みを浮かべる。

 聖女エクレラージュの記憶があるソレイユを、今はこれ以上動揺させたくなくて、アンバレはイフリートが出現したことを話さなかった。

「…アンバレ様!」
 ソレイユは背のびをして、背の高い夫のほほにキスをする。




「団長、来てください――! 聖女殿が無事、見つかりました!」
 顔や騎士服をどろ汚れで真っ黒にした騎士に呼ばれる。
 
「わかった、すぐに行く!」
 返事をするとアンバレはため息をつく。

「あの、アンバレ様! 私も一緒に行っても良いですか? 聖女様に会ってみたいのです」

「ソレイユ…? 正直、それはすすめられない! 聖女殿は人を不快にさせる名人だから」
 困った顔でアンバレは、やんわりとソレイユが同行するのを断ろうとするが…

「平気です、アンバレ様! 私は実家の義母と義妹で慣れていますから」
 
「う~ん……」



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