まったりしたい令嬢はまったりできない！

1章

３

「──リー──シェリーシェリー起きて？着いたよ。」

「ん。にいさまぁ？ついたのですか？」
眠くて呂律があんまり回らなかった。その様子にも兄二人は今度は脳内で可愛い可愛いを連呼していた。

「降りようか。」

「はーい、ラン兄様。」

馬車を開けるとじぃやが出迎えてくれた。

「あっ！じぃや！ただいまですわ！」

「お帰りなさいませ。お嬢様、若様方。」

じぃやとは私の家に代々仕えている執事で小さい頃から私のそばにいたからじぃや呼びにいつの間にかなっていた。そしてじぃやの所に近づくと『ガシックルッストン』『ガシッ』は私を掴む？音、『クルッ』は一回転する音、『ストン』は私を下ろす音。これが毎回のやることだ。周りの侍女や執事、従者は暖かい目でいつも見ている。新人で来た時の執事や従者、侍女達はびっくりして固まってたなぁなんて懐かしいことを思い出していた。

そして、じぃやと一緒にお父様のいる部屋に着いた。じぃやが「旦那様、お嬢様と若様方がお帰りになられました。」

「入りなさい。」

「失礼いたします。」

「シェリー達お帰り。シェリーおいで？」

私はお父様が何をしたいのか分からなくて頭に??といっぱい？が回っていたけどお父様の方に近づいた。
「ああ～！シェリーシェリーシェリー！！あの腹黒王子に何もやられなかったか？シェリーは可愛いからなぁ。」

「だ、大丈夫ですわ！────多分」

「多分ってフラン、アレン、何があった。」
兄様二人が説明したら
「あんの、バカ腹黒王子がぁぁ！よくも私の娘にぃぃぃ、一度あいつの所に突っ込んで行くか。（ブツブツ永遠にまだ言ってる）」
本当に眠かったから先に休むことにした。
「お父様眠いので先に失礼しますね。おやすみなさぁい」

「「「おやすみ。シェリー」」」

そう言われた後に静かに扉を閉めた。