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チカさんのダーリン
チカさんのダーリン
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それから十分後。
「卯月大変だ!」
国井さんが慌てた様子で戻ってきた。
「どうした?」
「甲崎からさっき電話があって、今朝方、七歳くらいの男の子が助けてくださいと交番に駆け込んできた。背格好、年齢からして海翔かも知れない」
「場所はどこだ」
卯月さんと国井さんが慌ただしく組事務所へ戻っていった。
「ヤスお兄ちゃん、海翔くんの写真ってありますか?」
「福島を発つ朝会長の自宅で撮影した写真ならあるぞ。なんでまた海翔の写真が見たいんだ?」
「SNSで公開しているかも知れないから。顔は隠せても癖や、身体的特徴、痣とか怪我のあととかは消せないから。ネットに精通している吉村さんならきっと海翔くんを見付けてくれるかなって、そう思ったんです」
「なるほど」
「そうか、その手があったか」
「でも吉村さん忙しい人だから……」
「俺から頼んでみる」
「和真さんお願いします」
「任せておけ」
彼が頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「四ヶ月前かな?組事務所に子どもの声で助けてくださいと電話があったんだ。海翔や鉄将に電話番号は教えていないから知らないはずだ。どうやって調べたのか分からない。ヤクザの組事務所に電話を掛けてくるくらいだからなかなか度胸がある子どもだ。肝が座ってる。電話が掛かってきたのはそれ一度きりだ。でも無言電話が何回かあった。泣いてばかりいて何も話そうとしない。海翔か?と聞いたらぶちっと切れた」
「そんなことがあったんですね」
ヤスお兄ちゃんと話をしていたら、
「吉村と連絡が取れた。こっちに来てくれるって。それと根岸さんからメールが来たよ」
彼がスマホを握り締め戻ってきた。
「根岸さんは姐さん同様、四季が可愛くて仕方がないみたいだ。めんげぇ娘が増えたって喜んでいる。俺の妹にしておくのはもったいないとハッキリ言われた。和真、根岸さん何て?」
「口で説明するより見たほうが早いかも知れません」
彼がヤスお兄ちゃんにスマホを渡した。
「卯月大変だ!」
国井さんが慌てた様子で戻ってきた。
「どうした?」
「甲崎からさっき電話があって、今朝方、七歳くらいの男の子が助けてくださいと交番に駆け込んできた。背格好、年齢からして海翔かも知れない」
「場所はどこだ」
卯月さんと国井さんが慌ただしく組事務所へ戻っていった。
「ヤスお兄ちゃん、海翔くんの写真ってありますか?」
「福島を発つ朝会長の自宅で撮影した写真ならあるぞ。なんでまた海翔の写真が見たいんだ?」
「SNSで公開しているかも知れないから。顔は隠せても癖や、身体的特徴、痣とか怪我のあととかは消せないから。ネットに精通している吉村さんならきっと海翔くんを見付けてくれるかなって、そう思ったんです」
「なるほど」
「そうか、その手があったか」
「でも吉村さん忙しい人だから……」
「俺から頼んでみる」
「和真さんお願いします」
「任せておけ」
彼が頭をぽんぽんと撫でてくれた。
「四ヶ月前かな?組事務所に子どもの声で助けてくださいと電話があったんだ。海翔や鉄将に電話番号は教えていないから知らないはずだ。どうやって調べたのか分からない。ヤクザの組事務所に電話を掛けてくるくらいだからなかなか度胸がある子どもだ。肝が座ってる。電話が掛かってきたのはそれ一度きりだ。でも無言電話が何回かあった。泣いてばかりいて何も話そうとしない。海翔か?と聞いたらぶちっと切れた」
「そんなことがあったんですね」
ヤスお兄ちゃんと話をしていたら、
「吉村と連絡が取れた。こっちに来てくれるって。それと根岸さんからメールが来たよ」
彼がスマホを握り締め戻ってきた。
「根岸さんは姐さん同様、四季が可愛くて仕方がないみたいだ。めんげぇ娘が増えたって喜んでいる。俺の妹にしておくのはもったいないとハッキリ言われた。和真、根岸さん何て?」
「口で説明するより見たほうが早いかも知れません」
彼がヤスお兄ちゃんにスマホを渡した。
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