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悪意
悪意
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「のり子さん、その子は?」
「心春ちゃんよ。親戚の子なの。ママが入院しているからうちで預かってるの」
「そうなんですね。心春ちゃん初めまして、熊倉です」
熊倉さんがこはるちゃんに笑顔で話し掛けた。
でもこはるちゃんは熊倉さんと目を合わせようとはせず、怯えながらお婆ちゃんの背中にささっと隠れてしまった。
「ごめんなさいね。いつもママと一緒でしょう。だからなかなかよその人に慣れないのよ」
「うちの子も人見知りだったからよく分かります。それじゃあ、お先に失礼します」
エレベーターが1階で止まり、熊倉さんがこはるちゃんに手を振りながら先に下りていった。こはるちゃんはがたがたと震えながらしばらくお婆ちゃんの足にしがみついていた。
「怖かったことを思い出したのね。心春ちゃん、熊倉さんは悪い人じゃないわ」
こはるちゃんがぶんぶんと首を横に振ると、指で目をつり上げた
「あった!」こはるちゃんが突然走り出した。
「心春ちゃん迷子になったら大変だ」
お爺ちゃんが慌ててあとを追い掛けた。
待合室の一角に子どもたちが遊べるスペースがあって、こはるちゃんは本棚から一冊の本を取り出すとお爺ちゃんに見せた。
「桃太郎か。懐かしいな」
こはるちゃんがぱらぱらと本を捲ると鬼の絵を指差した。
「どういうことだ?」
「もしかして鬼のように怖い顔だったのかも知れませんよ」
「あの熊倉さんがか?」
「人は見かけによらぬもの、よくいうでしょう」
「こはるちゃん、こわかった」
「もう大丈夫よ。本を片付けして、おうちに帰りましょうね」
「はぁ~~い」
本を本棚に返すと別の絵本を抱え戻ってきた。
「心春ちゃんよ。親戚の子なの。ママが入院しているからうちで預かってるの」
「そうなんですね。心春ちゃん初めまして、熊倉です」
熊倉さんがこはるちゃんに笑顔で話し掛けた。
でもこはるちゃんは熊倉さんと目を合わせようとはせず、怯えながらお婆ちゃんの背中にささっと隠れてしまった。
「ごめんなさいね。いつもママと一緒でしょう。だからなかなかよその人に慣れないのよ」
「うちの子も人見知りだったからよく分かります。それじゃあ、お先に失礼します」
エレベーターが1階で止まり、熊倉さんがこはるちゃんに手を振りながら先に下りていった。こはるちゃんはがたがたと震えながらしばらくお婆ちゃんの足にしがみついていた。
「怖かったことを思い出したのね。心春ちゃん、熊倉さんは悪い人じゃないわ」
こはるちゃんがぶんぶんと首を横に振ると、指で目をつり上げた
「あった!」こはるちゃんが突然走り出した。
「心春ちゃん迷子になったら大変だ」
お爺ちゃんが慌ててあとを追い掛けた。
待合室の一角に子どもたちが遊べるスペースがあって、こはるちゃんは本棚から一冊の本を取り出すとお爺ちゃんに見せた。
「桃太郎か。懐かしいな」
こはるちゃんがぱらぱらと本を捲ると鬼の絵を指差した。
「どういうことだ?」
「もしかして鬼のように怖い顔だったのかも知れませんよ」
「あの熊倉さんがか?」
「人は見かけによらぬもの、よくいうでしょう」
「こはるちゃん、こわかった」
「もう大丈夫よ。本を片付けして、おうちに帰りましょうね」
「はぁ~~い」
本を本棚に返すと別の絵本を抱え戻ってきた。
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