40 / 163
第二章
クラレンス侯爵ローガンの苦悩
しおりを挟むクラレンス侯爵ローガンは考えた。
長い間、白いモヤにかかって思考が停止していたように思える。
マリアベルに「おまじない」というものを、掛けてもらってからと言うもの、頭から霧がはれ、頭が痛く無くなって来ている。
この12年間の記憶を、曖昧ながら繋いでいた。
望んで妻に迎えた、愛しのコーネリア
我が最愛の娘マリアベル、神に生まれてきた事を感謝さえした。
私は何故、アイラを妻にしたのだろうか?
アナベルとマリアベルは2歳しか違わない。
では、私はコーネリアを失って直ぐアイラを抱いたのか?
以前、だいぶ前だが、アイラからは求婚の打診があった事はあったが••••
確か、あれは、コーネリアが亡くなり、、、
アイラが弔問に来て、夜遅くなり帰宅が難しいと言い出して•••••
アイラは子爵令嬢、そして子爵家は事業が成功していてかなり裕福であるはず。
独身の令嬢が、何故我が家にやって来たのだろう?
そういえば、うちの使用人は王家から派遣されてたはずだったのに、
いつ変わった?
あ、あ、あ、頭が割れるように痛い、
深く考え出すといつもこの痛みに襲われる。
あの「おまじない」
マリアベルにかけてもらわねば。
失われた14年間を思い出し、謝罪し、、
そして、今度こそ我々は本当の親子になるのだ。
そうだ、部屋を整えてなければ。
屋根裏などには住まわせてなどおけん。
コーネリアの部屋を改装して、、、、
ダメだ、あの部屋は、忌まわし過ぎる。あの部屋は赤い、、、赤い?赤い???
コーネリアは衰弱して死んだはず
赤い記憶はなんだ?
あ、あ、あ、分からない
マリアベル、早く帰ってきておくれ
其方の「おまじない」が必要なんだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
136
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる