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俺の愛するヒト
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「あ、そう言えばさ。お風呂の準備出来ていたよね?」
覗き込む夬皇と見上げる勇緋。至近距離で目が合う。
「えっ? あ、うん」
唐突に現実に引き戻される。
急にどうした。
「じゃあさ、明日せっかくの休みだし、何処か出掛けない?」
この雰囲気から良く普段話が出来るなと感心してしまうくらい、夬皇はニコニコしていた。
「出掛けるって、何処に行きたいんだ?」
「服を買いに行こう! 勇緋って冬服ってあんまり持ってないでしょ?」
「確かに、持ってないけど」
「じゃあ、決まり! 明日は買い物ね!」
即断即決。
明日のスケジュールが決まった。
「風呂、入って来ていい?」
せっかくこの雰囲気が温かくて心地よいので、離れるのは寂しい。
「俺、ここで放置?」
「え? 一人で寝室行けるでしょ?」
「…」
「な、何? その訴えかける目は。駄々っ子ですか?」
大きくため息をついて、夬皇は立ち上がった。
支えが無くなった勇緋はコトリと倒れこむ。
「あの、勇緋さーん。しっかりしてもらえますかー。今日は酔い方が良くないですよー」
夬皇はテーブルのお皿をテキパキと片付けながら、呑兵衛に声をかける。
「お皿洗っちゃうから、そっちは寝るか風呂入るかしてくれる?」
小さく わかったよ とだけ呟きながら、勇緋はモゾモゾと芋虫のように這って移動を始めた。
すると、夬皇は怪しくニヤリと笑うと、冷凍庫から手頃な氷を3個掴むと、勇緋に向けて歩み寄っていき、
何を思ったのか、それらを勇緋の首元から服の中に投げ入れたのだ。
「冷たッ!」
心臓が止まりそうなくらいの衝撃だった。
思わぬ事に眠気が吹き飛び、勇緋は立ち上がった。
「やれば出来るじゃん!」
当の夬皇は廊下の壁に体重を預けながらクスクス笑っていた。
「おまっ! 何をするんだ!」
氷が身体を沿うようにして腹部へと転がっていく。
「あっ…」
身体が熱を帯びていたのか、氷はほとんど溶けていく感覚がした。
だが、彼が声を上げたのには別の理由があった。
氷が解け肌に触れる冷たい感覚がまるで夬皇の手で触れられているそれと似ていたのだ。
今まで以上に顔が火照る。
「勇緋?」
名前を呼ばれただけで胸が高鳴る。
「顔を真っ赤にして、どうしたの?」
夬皇の声が、頭の中でグルグル回る。呼吸が早くなる。
そしてすぐ、頭の奥底に眠っていた言葉が口から出た。
「夬皇、俺の事…。もっと触って欲しい」
服の裾をグッと掴みながら、睡魔のせいか下心かはわからないが、その目はとても恍惚としていた。
その目を見た夬皇も動きを止めてしまった。
そして、すぐにフッと笑って見せた。
「ホント。今日の勇緋は駄々っ子だね」
いつも発さないくらい低い声で夬皇がそう言うと、そのまま勇緋に歩み寄り、彼を乱暴に抱き締めた。
「いつから勇緋はそんな変態さんになったの?」
身体が痺れるくらいの甘い声が耳元で鳴り、全身を駆け巡る。
「お前が、そうさせたんだろう」
もう気持ちが渋滞し過ぎて声が出ない。
「俺の事、夬皇でいっぱいにして欲しい。お前の事が、好き過ぎるんだよ」
もう目の前に存在しているだけで尊いのだ。
やっと気持ちを伝えられた。
と言うか、お前もヲタなんだから、この気持ち分かるだろ!
そして夬皇は何も言わず、勇緋の両頬に触れながら、唇を奪う。
「良いよ。勇緋の事、俺でいっぱいにしてあげる」
首を傾げながらその良い声で言って来る。
その破壊力に、身体が支えきれず重力に負けるように、夬皇へ寄りかかってしまう。
「その厭らしい目、何処で覚えて来たんだか」
「五月蠅い。お、お前にしか…見せないし、見せたくない」
照れながら話す勇緋を見て、夬皇は そっか と言ってから、彼をヒョイと抱き上げた。
「お連れします。俺の御姫様」
彼が歩く度に、勇緋の脳内にはヴァージンロードを歩くイメージがフッと湧いた。
大きな鐘の音がなるあのシーン。
お互いにサブカルものを知り過ぎているせいか、普段から妄想が激しい。
こんな時でも何かに例える事が出来る自分に、勇緋はどこか清々しい気持ちになった。
そのまま夬皇は客室にあるダブルベッドに姫を投げた。
もっと大切に扱って欲しい。
間接照明だけがぼんやりと二人を照らす。
見上げる勇緋の視界に映る、美しき王子の姿。
「相変わらずそんな目をしながら、何を妄想しているんだか」
夬皇は時々こちらの心を読む力を発揮する。
思わぬ事に、勇緋は顔を逸らした。
「まあいいさ。俺の事を誘った報いは受けてもらう」
そう言うお前も結構な事考えているだろ、とツッコミたくなったが我慢した。
それから二人は先程とは打って変わり、激しく唇を重ねる。
その度に夬皇の甘い香水の匂いがフワッと香り、勇緋の鼻腔を刺激する。
どんどん身体が熱くなっていく。
「お前の香水、媚薬とか入ってないよな」
呼吸を荒くしながら勇緋は言う。
「…だとしたら?」
夬皇は気障っぽく笑って見せる。
「勇緋だけに効く魔法の薬があったら、毎日大変だね」
そう言って、夬皇は再び勇緋の唇を奪う。
そんなものがあったらこっちがもたない。
絶対に仕事に支障が出る。仕事が手につかなくなるよ。
この生活を破綻させる気か。
夬皇が勇緋の首筋に舌を遣わすと、今まで以上に声が漏れる。
そのまま服を脱がされ上半身裸にさせられた。
細くもなく太くもない、つまらない身体だと自分でも思う。
一緒に運動をたまにするのに、自分だけ筋肉が付かないのは体質のせいなのだろう。
そんな身体を夬皇はしばらく眺めていた。
「あんま、見んな」
「いや、ずっと変わらないなって思って。勇緋はずっと変わらないで居て欲しいよ」
そう言ってから勇緋の胸に顔を埋め、その先端を口に含む。
「う、あっ…」
久し振りの刺激に、さっきと違う声が漏れる。
どこからこんな声が出るのか不思議だった。
悶えるお姫様を見て、夬皇は怪しく笑い、両方の突起を念入りに攻め続ける。
その度に勇緋の身体が跳ね、声が響く。
「ホント、ココ。弱いよね」
「五月蠅い。そこばっか、攻めやがって」
悔しいけど身体が夬皇に触れてもらって嬉しがっている。
自分はなんて天邪鬼なのか。
「ちょっと暑くなって来たから俺も脱ぐわ」
夬皇も上着を脱ぎ捨て、再び勇緋を見下ろす。
間接照明に映る彼の裸体はとても幻想的で、無駄のない筋肉は美しい絵画のようだった。
余りの眩しさにクラクラしそうだ。
「ユウ、今日はどこまでしたいの?」
「ッ!」
夬皇はエロ攻めモードになると、俺の事を ユウ と呼ぶようになる。
毎回ドキッとさせられると共に、身体が彼をより求めてしまう。
パブロフの犬のように反応してしまい、彼の意のままとなってしまう。
「夬皇と…どこまでも」
震える声で応えると、夬皇は怪しく笑って勇緋にキスをしながら彼の下半身に手を伸ばした。
服の上からでも分かる位、彼の砲身は起立していた。
そこを揉みしだく度に、勇緋は顔を背けながらも色目気立つ。
「うう、あっ」
押し寄せる快楽の波。同時にもっと欲しくなるジレンマ。
それを察したのか、夬皇は彼の服を全て剥ぎ取ってしまった。
何も隠すものがなくなった。
呪詛にかかっている勇緋はいつも言えない事を口にする。
「ワコ、シテ?」
そう言って身体を起こして、自分から夬皇に抱きつき、激しくキスをした。
「いいよ。ユウはホント、欲しがりさんだね」
フッと笑いながら勇緋の頭を撫で、髪に触れた。
そして、再び彼を押し倒すと、そのまま直接彼の陰部を握る。
「ああっ」
「こんなに濡れて、気持ち良い?」
それを扱く度に、勇緋は今まで以上に甘い声を発する。
「まだまだ攻めて欲しいんでしょ?」
そのまま彼は体制を変えると、勇緋のソレに顔を近づける。
そして迷うことなくソレを口に含んだ。強い刺激に身体が仰け反る。
「ぐ、あっ」
夬皇の頭に自ら手をやる。フワフワの髪を撫でながら、凛々しい彼を見る。
あの顔で自分のモノを一心不乱に咥えている様は夢のような構図だ。
「ねぇ、そろそろ俺の事も、気持ちよくしてよ」
夬皇が勇緋の亀頭部分を舐めながら、厭らしくこちらを見つつそう言って見せる。
(お前、相変わらずベッドの上だとエロ過ぎる)
「…うん。俺にも舐めさせて」
心の声と実際に話す声が同時に頭の中を駆け巡るので、だんだんと混乱してきた。
それから夬皇も全ての服を脱ぎ捨てると、二人は完全に生まれたままの姿になった。
夬皇のソレは形も大きさも綺麗だった。嫉妬するほどに。
そして体制を変えて、互いの局部を口に含め合う。
呼吸が荒くなり、口の隙間から静かに声が漏れる。
「ああ。気持ち良いよ、ユウ」
「俺も」
互いの全てを知り尽くしているので、果てないように我慢するのが大変だった。
そんな中、夬皇は勇緋の尻を掴むと、その中心部に指を押し当てた。
「んっ!」
「ちょっと触っただけなのに、今日はだいぶ感度良好だね」
それから彼は枕元に雑に置いてある、チューブタイプのローションを掴んだ。
悪戯をする子供のようにクスクス笑いながら、それを勇緋の下腹部へ垂らす。
冷たい感覚に身体がビクンと反応してしまう。
「解すね」
そう言って夬皇はその綺麗な指にローションを絡ませながら、彼の卑猥な穴へと入れていく。
「んっ、うう…」
「欲しいんでしょ? 力抜いて」
何度も身体を繋げる行為をしているが、なかなか慣れない。
だけど、だんだんと身体の奥から蕩ける感覚が、さざ波のように押し寄せてくる。
穴に侵入する指の数が増えているからだ。
「んんっ!」
余りの気持ちよさに、勇緋はずっと舐めていた夬皇のソレから口を離してしまった。
「ワコ、入れ、て…」
涙を目に溜めながら懇願する。
「うん。今日も楽しもうね、ユウ」
それから夬皇は体制を変える。
寝たままの勇緋を見下ろしながら、自分の怒張を彼の秘奥へ向ける。
全身赤みを帯び、荒い呼吸をしている彼はとても美しく尊いと思った。
「ユウ。スキ…」
ボソリと抑揚のない声で呟く夬皇。その声に、勇緋の目から一筋の涙が零れた。
「オレも、大スキだ。ずっと離れないで」
二人の視線が合わさると、お互いフッと笑ってしまった。
「入れるよ」
「…優しくね」
いつもこの時は緊張する。夬皇の大きなモノが自分の中に入るなんて。
「あうぅ」
「ユウの中、温かいよ」
「もっと奥まで来て」
そして二人は完全に一つに繋がった。
「ユウの中、気持ちいいよ。大丈夫、痛くない?」
「痛いけど、大丈夫…」
この痛みすら愛おしい。もっと愛欲に狂わせて欲しい。
それからゆっくりと夬皇は腰を動かし始める。
凛々しい顔が快楽に歪む。
「うくっ。ユウ、凄い締まる」
「あっ、だ、だって、ワコがエロ過ぎるから」
陰茎が何度も往復する度に、二人は声を漏らす。
「キス、して」
勇緋のおねだりに、夬皇は身体を倒し、激しく口づけを交わす。
「ワコ。スキ。スキだよ!」
「ユウ。もっと言って」
なおも勇緋への攻めは名前を呼ばれる度に激しくなってくる。
的確に彼のスポットを突きながら、両胸も攻める。
今まで以上に勇緋は悶える。
「ああっ、うぐっ。激し、過ぎる」
そう言いつつも、勇緋も自ら腰を動かしてしまっている。
「あ、くっ。ユウだって、淫ら過ぎる」
互いの息遣いが荒くなる。
絶頂が迫って来ている。
夬皇は快感に耐える勇緋の陰茎に手を伸ばす。
そこはもうビショビショに濡れていた。
急な刺激に声を上げてしまった。
「ちょっと、ワコ!」
「一緒に、逝こう」
そう呟くように言うと、夬皇はこれまで以上に激しく突き、愛する彼の陰茎を扱く。
「ああっ!」
「ユウ、ヤバい…気持ち良すぎ」
ベッドが軋む程、二人の身体が揺れる。
「ワコ、もうダメ…逝くよ」
「俺も、そろそろ逝きそう」
二人は視線を合わせて、再び貪るようなキスをする。
それから何度も互いの名前を呪文のように口にした。
「ワコ、手を離して!」
「いいよ。俺で逝かせてあげる」
彼の望み通り、夬皇は最後の力を振り絞って高みへと誘う。
「ああっ!」
それから勇緋は嬌声を上げながら弾ける。
自らの腹部に白き愛液を何度もぶちまけた。
彼が果てると共に、強烈な締め付けが夬皇を襲う。
「俺も、逝く…う、あっ!」
そのまま勇緋の孔から自らの陰部を引き抜くと共に、彼の腹部に激しく射精をしたのだった。
視界がぼんやりとし、辺りが一瞬真っ白になった気がした。
「はぁ、はぁ。気持ち良かったよ、ユウ」
「お、俺も」
それから二人はそれぞれの健闘を称え合うかのように優しくキスをした。
「ずっと大好きだよ、夬皇」
勇緋はそう言って、隣に倒れこんだ彼にそっと腕を回したのだった。
覗き込む夬皇と見上げる勇緋。至近距離で目が合う。
「えっ? あ、うん」
唐突に現実に引き戻される。
急にどうした。
「じゃあさ、明日せっかくの休みだし、何処か出掛けない?」
この雰囲気から良く普段話が出来るなと感心してしまうくらい、夬皇はニコニコしていた。
「出掛けるって、何処に行きたいんだ?」
「服を買いに行こう! 勇緋って冬服ってあんまり持ってないでしょ?」
「確かに、持ってないけど」
「じゃあ、決まり! 明日は買い物ね!」
即断即決。
明日のスケジュールが決まった。
「風呂、入って来ていい?」
せっかくこの雰囲気が温かくて心地よいので、離れるのは寂しい。
「俺、ここで放置?」
「え? 一人で寝室行けるでしょ?」
「…」
「な、何? その訴えかける目は。駄々っ子ですか?」
大きくため息をついて、夬皇は立ち上がった。
支えが無くなった勇緋はコトリと倒れこむ。
「あの、勇緋さーん。しっかりしてもらえますかー。今日は酔い方が良くないですよー」
夬皇はテーブルのお皿をテキパキと片付けながら、呑兵衛に声をかける。
「お皿洗っちゃうから、そっちは寝るか風呂入るかしてくれる?」
小さく わかったよ とだけ呟きながら、勇緋はモゾモゾと芋虫のように這って移動を始めた。
すると、夬皇は怪しくニヤリと笑うと、冷凍庫から手頃な氷を3個掴むと、勇緋に向けて歩み寄っていき、
何を思ったのか、それらを勇緋の首元から服の中に投げ入れたのだ。
「冷たッ!」
心臓が止まりそうなくらいの衝撃だった。
思わぬ事に眠気が吹き飛び、勇緋は立ち上がった。
「やれば出来るじゃん!」
当の夬皇は廊下の壁に体重を預けながらクスクス笑っていた。
「おまっ! 何をするんだ!」
氷が身体を沿うようにして腹部へと転がっていく。
「あっ…」
身体が熱を帯びていたのか、氷はほとんど溶けていく感覚がした。
だが、彼が声を上げたのには別の理由があった。
氷が解け肌に触れる冷たい感覚がまるで夬皇の手で触れられているそれと似ていたのだ。
今まで以上に顔が火照る。
「勇緋?」
名前を呼ばれただけで胸が高鳴る。
「顔を真っ赤にして、どうしたの?」
夬皇の声が、頭の中でグルグル回る。呼吸が早くなる。
そしてすぐ、頭の奥底に眠っていた言葉が口から出た。
「夬皇、俺の事…。もっと触って欲しい」
服の裾をグッと掴みながら、睡魔のせいか下心かはわからないが、その目はとても恍惚としていた。
その目を見た夬皇も動きを止めてしまった。
そして、すぐにフッと笑って見せた。
「ホント。今日の勇緋は駄々っ子だね」
いつも発さないくらい低い声で夬皇がそう言うと、そのまま勇緋に歩み寄り、彼を乱暴に抱き締めた。
「いつから勇緋はそんな変態さんになったの?」
身体が痺れるくらいの甘い声が耳元で鳴り、全身を駆け巡る。
「お前が、そうさせたんだろう」
もう気持ちが渋滞し過ぎて声が出ない。
「俺の事、夬皇でいっぱいにして欲しい。お前の事が、好き過ぎるんだよ」
もう目の前に存在しているだけで尊いのだ。
やっと気持ちを伝えられた。
と言うか、お前もヲタなんだから、この気持ち分かるだろ!
そして夬皇は何も言わず、勇緋の両頬に触れながら、唇を奪う。
「良いよ。勇緋の事、俺でいっぱいにしてあげる」
首を傾げながらその良い声で言って来る。
その破壊力に、身体が支えきれず重力に負けるように、夬皇へ寄りかかってしまう。
「その厭らしい目、何処で覚えて来たんだか」
「五月蠅い。お、お前にしか…見せないし、見せたくない」
照れながら話す勇緋を見て、夬皇は そっか と言ってから、彼をヒョイと抱き上げた。
「お連れします。俺の御姫様」
彼が歩く度に、勇緋の脳内にはヴァージンロードを歩くイメージがフッと湧いた。
大きな鐘の音がなるあのシーン。
お互いにサブカルものを知り過ぎているせいか、普段から妄想が激しい。
こんな時でも何かに例える事が出来る自分に、勇緋はどこか清々しい気持ちになった。
そのまま夬皇は客室にあるダブルベッドに姫を投げた。
もっと大切に扱って欲しい。
間接照明だけがぼんやりと二人を照らす。
見上げる勇緋の視界に映る、美しき王子の姿。
「相変わらずそんな目をしながら、何を妄想しているんだか」
夬皇は時々こちらの心を読む力を発揮する。
思わぬ事に、勇緋は顔を逸らした。
「まあいいさ。俺の事を誘った報いは受けてもらう」
そう言うお前も結構な事考えているだろ、とツッコミたくなったが我慢した。
それから二人は先程とは打って変わり、激しく唇を重ねる。
その度に夬皇の甘い香水の匂いがフワッと香り、勇緋の鼻腔を刺激する。
どんどん身体が熱くなっていく。
「お前の香水、媚薬とか入ってないよな」
呼吸を荒くしながら勇緋は言う。
「…だとしたら?」
夬皇は気障っぽく笑って見せる。
「勇緋だけに効く魔法の薬があったら、毎日大変だね」
そう言って、夬皇は再び勇緋の唇を奪う。
そんなものがあったらこっちがもたない。
絶対に仕事に支障が出る。仕事が手につかなくなるよ。
この生活を破綻させる気か。
夬皇が勇緋の首筋に舌を遣わすと、今まで以上に声が漏れる。
そのまま服を脱がされ上半身裸にさせられた。
細くもなく太くもない、つまらない身体だと自分でも思う。
一緒に運動をたまにするのに、自分だけ筋肉が付かないのは体質のせいなのだろう。
そんな身体を夬皇はしばらく眺めていた。
「あんま、見んな」
「いや、ずっと変わらないなって思って。勇緋はずっと変わらないで居て欲しいよ」
そう言ってから勇緋の胸に顔を埋め、その先端を口に含む。
「う、あっ…」
久し振りの刺激に、さっきと違う声が漏れる。
どこからこんな声が出るのか不思議だった。
悶えるお姫様を見て、夬皇は怪しく笑い、両方の突起を念入りに攻め続ける。
その度に勇緋の身体が跳ね、声が響く。
「ホント、ココ。弱いよね」
「五月蠅い。そこばっか、攻めやがって」
悔しいけど身体が夬皇に触れてもらって嬉しがっている。
自分はなんて天邪鬼なのか。
「ちょっと暑くなって来たから俺も脱ぐわ」
夬皇も上着を脱ぎ捨て、再び勇緋を見下ろす。
間接照明に映る彼の裸体はとても幻想的で、無駄のない筋肉は美しい絵画のようだった。
余りの眩しさにクラクラしそうだ。
「ユウ、今日はどこまでしたいの?」
「ッ!」
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毎回ドキッとさせられると共に、身体が彼をより求めてしまう。
パブロフの犬のように反応してしまい、彼の意のままとなってしまう。
「夬皇と…どこまでも」
震える声で応えると、夬皇は怪しく笑って勇緋にキスをしながら彼の下半身に手を伸ばした。
服の上からでも分かる位、彼の砲身は起立していた。
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「うう、あっ」
押し寄せる快楽の波。同時にもっと欲しくなるジレンマ。
それを察したのか、夬皇は彼の服を全て剥ぎ取ってしまった。
何も隠すものがなくなった。
呪詛にかかっている勇緋はいつも言えない事を口にする。
「ワコ、シテ?」
そう言って身体を起こして、自分から夬皇に抱きつき、激しくキスをした。
「いいよ。ユウはホント、欲しがりさんだね」
フッと笑いながら勇緋の頭を撫で、髪に触れた。
そして、再び彼を押し倒すと、そのまま直接彼の陰部を握る。
「ああっ」
「こんなに濡れて、気持ち良い?」
それを扱く度に、勇緋は今まで以上に甘い声を発する。
「まだまだ攻めて欲しいんでしょ?」
そのまま彼は体制を変えると、勇緋のソレに顔を近づける。
そして迷うことなくソレを口に含んだ。強い刺激に身体が仰け反る。
「ぐ、あっ」
夬皇の頭に自ら手をやる。フワフワの髪を撫でながら、凛々しい彼を見る。
あの顔で自分のモノを一心不乱に咥えている様は夢のような構図だ。
「ねぇ、そろそろ俺の事も、気持ちよくしてよ」
夬皇が勇緋の亀頭部分を舐めながら、厭らしくこちらを見つつそう言って見せる。
(お前、相変わらずベッドの上だとエロ過ぎる)
「…うん。俺にも舐めさせて」
心の声と実際に話す声が同時に頭の中を駆け巡るので、だんだんと混乱してきた。
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そして体制を変えて、互いの局部を口に含め合う。
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「ああ。気持ち良いよ、ユウ」
「俺も」
互いの全てを知り尽くしているので、果てないように我慢するのが大変だった。
そんな中、夬皇は勇緋の尻を掴むと、その中心部に指を押し当てた。
「んっ!」
「ちょっと触っただけなのに、今日はだいぶ感度良好だね」
それから彼は枕元に雑に置いてある、チューブタイプのローションを掴んだ。
悪戯をする子供のようにクスクス笑いながら、それを勇緋の下腹部へ垂らす。
冷たい感覚に身体がビクンと反応してしまう。
「解すね」
そう言って夬皇はその綺麗な指にローションを絡ませながら、彼の卑猥な穴へと入れていく。
「んっ、うう…」
「欲しいんでしょ? 力抜いて」
何度も身体を繋げる行為をしているが、なかなか慣れない。
だけど、だんだんと身体の奥から蕩ける感覚が、さざ波のように押し寄せてくる。
穴に侵入する指の数が増えているからだ。
「んんっ!」
余りの気持ちよさに、勇緋はずっと舐めていた夬皇のソレから口を離してしまった。
「ワコ、入れ、て…」
涙を目に溜めながら懇願する。
「うん。今日も楽しもうね、ユウ」
それから夬皇は体制を変える。
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「ユウ。スキ…」
ボソリと抑揚のない声で呟く夬皇。その声に、勇緋の目から一筋の涙が零れた。
「オレも、大スキだ。ずっと離れないで」
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「入れるよ」
「…優しくね」
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そして二人は完全に一つに繋がった。
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「痛いけど、大丈夫…」
この痛みすら愛おしい。もっと愛欲に狂わせて欲しい。
それからゆっくりと夬皇は腰を動かし始める。
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「うくっ。ユウ、凄い締まる」
「あっ、だ、だって、ワコがエロ過ぎるから」
陰茎が何度も往復する度に、二人は声を漏らす。
「キス、して」
勇緋のおねだりに、夬皇は身体を倒し、激しく口づけを交わす。
「ワコ。スキ。スキだよ!」
「ユウ。もっと言って」
なおも勇緋への攻めは名前を呼ばれる度に激しくなってくる。
的確に彼のスポットを突きながら、両胸も攻める。
今まで以上に勇緋は悶える。
「ああっ、うぐっ。激し、過ぎる」
そう言いつつも、勇緋も自ら腰を動かしてしまっている。
「あ、くっ。ユウだって、淫ら過ぎる」
互いの息遣いが荒くなる。
絶頂が迫って来ている。
夬皇は快感に耐える勇緋の陰茎に手を伸ばす。
そこはもうビショビショに濡れていた。
急な刺激に声を上げてしまった。
「ちょっと、ワコ!」
「一緒に、逝こう」
そう呟くように言うと、夬皇はこれまで以上に激しく突き、愛する彼の陰茎を扱く。
「ああっ!」
「ユウ、ヤバい…気持ち良すぎ」
ベッドが軋む程、二人の身体が揺れる。
「ワコ、もうダメ…逝くよ」
「俺も、そろそろ逝きそう」
二人は視線を合わせて、再び貪るようなキスをする。
それから何度も互いの名前を呪文のように口にした。
「ワコ、手を離して!」
「いいよ。俺で逝かせてあげる」
彼の望み通り、夬皇は最後の力を振り絞って高みへと誘う。
「ああっ!」
それから勇緋は嬌声を上げながら弾ける。
自らの腹部に白き愛液を何度もぶちまけた。
彼が果てると共に、強烈な締め付けが夬皇を襲う。
「俺も、逝く…う、あっ!」
そのまま勇緋の孔から自らの陰部を引き抜くと共に、彼の腹部に激しく射精をしたのだった。
視界がぼんやりとし、辺りが一瞬真っ白になった気がした。
「はぁ、はぁ。気持ち良かったよ、ユウ」
「お、俺も」
それから二人はそれぞれの健闘を称え合うかのように優しくキスをした。
「ずっと大好きだよ、夬皇」
勇緋はそう言って、隣に倒れこんだ彼にそっと腕を回したのだった。
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誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
仮面の王子と優雅な従者
emanon
BL
国土は小さいながらも豊かな国、ライデン王国。
平和なこの国の第一王子は、人前に出る時は必ず仮面を付けている。
おまけに病弱で無能、醜男と専らの噂だ。
しかしそれは世を忍ぶ仮の姿だった──。
これは仮面の王子とその従者が暗躍する物語。
地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛
中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。
誰の心にも触れたくない。
無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。
その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。
明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、
偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。
無機質な顔の奥に隠れていたのは、
誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。
気づいてしまったから、もう目を逸らせない。
知りたくなったから、もう引き返せない。
すれ違いと無関心、
優しさと孤独、
微かな笑顔と、隠された心。
これは、
触れれば壊れそうな彼に、
それでも手を伸ばしてしまった、
不器用な男たちの恋のはなし。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
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