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日記:11月

11月12日。side:椿。

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「椿さん、目が覚めたんですね!」
初めて聞く声。
「だ……れ??」
「椿さん、初めまして!私は月島朝陽君の友達です!」
朝陽さんの……友達……??
「なぜ……ここに??」
「月島君の入院生活に華を添えてくれた椿さんにお礼を伝えたくて…」
「余計なこと言うなよ……。」
「朝陽……さん……。」
病室に久しぶりの朝陽さんの声。
「椿さん、気分はいいですか??」
「うん……」
久しぶりに話せて嬉しいな。
体は動かせないけど。
「椿さん、なんか食べます?友達がお菓子とか持ってきてくれたんです。」
「アレルギーは無いってお母さんから聞いて…好みかどうか分からないんですけど、美味しいので持ってきたんです!」
そう言って天使の羽根のクッキーを見せてくれる。
「私……そのクッキー好き……。」
懐かしいな…お土産で貰って美味しかったやつ。
「ティーラテ…美味しかったんだ…。」
「ティーラテ好きですか!?私もです!ティーラテ食べますか??」
「食べ……たい!」
「ティーラテ置いときますね!今食べます??」
「うん……」
「朝陽!!みんなの飲み物も買ってきたぞ!と言っても……全部ミルクティーだけど!!」
「ミルクティーナイス!」
「椿さんも飲みます??」
喉乾いたから……
「欲しい……。」
「わかりました。俺が注ぎますね。」
朝陽さん、本を捲る手つきだけで無く他の手つきも綺麗だな。 
「椿さんどうぞ。」
「あり……がと……」
嬉しいけど…
「朝陽!!椿さん身体の自由が効かないってお母さん言ってたんだから、飲ませてあげろよ~!」
「あぁ、そっか……。ごめん椿さん!!!」
「月島君、しっかり~!」
「朝陽が1番椿さんのこと知ってるんだから!」
朝陽さんが私の口元にミルクティーを持ってくる。
少し飲む。久しぶりのミルクティー美味しいな。
「朝陽さん……。私クッキー食べたい……。」
「椿さん、分かりました!」
クッキーの封を切って食べやすいよう気をつかってくれてるのか、小さく分けて口に持ってきてくれる。
「椿さん、このクッキー好きですか??」
「好き……大好き!!!」
「わぁ!良かった!」
「明日も来ますからね!」
「椿さん、また明日!」
「ありがとう。」た
朝陽さんの学校の友達、優しい人達だったな。

そんなことを考えていたら眠くなってきた……。
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