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Part4 Starting Over
Chapter_06.Dr. Uemaは再始動しました(1)好敵手~新たなる挑戦
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At the Southern Hospital, Nakagusuku Village, Okinawa; February 19, 2001.
The narrator of this story is Tsutomu Uema.
二〇〇一年二月十九日、月曜日。
入院して四日目、僕は主治医の照喜名先生を部屋へ呼んだ。午後から内視鏡の手術を控えていたこともあるが、それとは別の理由があった。
コツコツコツとドアを叩く音がする。あ、来たね。
「どうぞ」
「おはようございます、上間先生」
「よお。朝からごめんな。どうぞ、こちらへ」
僕は照喜名をノートパソコンを広げたデスクの近くへ招いた。
「どうしたんですか?」
「三日間頑張って、ようやく照喜名先生に見せても恥ずかしくない資料ができました。ほら」
「これは……」
照喜名がマウスをクリックしながらうなっている。僕は側で説明した。
「僕のUCLAメディカルセンターでの闘病記録です。薬の使用状況はカルテにも記載があるとは思ったんですが、とりあえず全部ノートに書き留めてたのを、ずっと入力してて、ようやく今朝仕上がったんでね」
「……これ、すごい記録ですよ、上間先生」
驚くのも無理はないだろう。薬の使用状況やリハビリの内容はもとより、僕がいつ、何をしたのかが、順を追って全部打ち込んである。日記をそのまま渡してもよかったのだが、右腕の痺れが取れるまで随分掛かったからかなりひどい筆跡で人に見せられる状態じゃなかったのだ。なにより僕自身、過去の経験をなぞることで、自分の障害ときっちり向き合いたかった。
「そのまま学会の症例報告にも使えますよ。欲しい?」
「いいんですか?」
「ええ、喜んで」
僕はにっこり笑って、イントラネット上にある彼のフォルダーにそのファイルを放り込んだ。呆気に取られている照喜名の横で、僕はつぶやいた。
「照喜名先生はちゃんとレールに乗って、博士になって下さい。僕は臨床医として生きる。多くの患者さんのために、このデータを無駄にしないと約束してくれるなら、僕は後悔しませんよ」
僕は、覚悟していた。
医者は、五年程臨床経験を積んだ後、所定の研究機関に在籍して博士論文の作成に入るのが通例だ。でも、もう僕は医学博士にはなれないだろう。いや、無理をすれば狙えないこともないが、その場合、僕は臨床医でいることをあきらめなくてはならない。健常者ならともかく、僕の行動が制限されたものである以上、どちらの道も歩くというわけにはいかない。それなら僕は、患者さんと触れ合える臨床医の道を選びたい。
だが、照喜名は違う。彼の前途は洋々と開けていて、研究医と臨床医、両方の立場に立てる可能性がまだ十分残っている。彼は信用に足る存在だ。もし、医学博士から研究者としての道を選ぶことになったとしても、データに振り回されて患者さんの気持ちを忘れる、ということはないだろう。僕のデータが彼の論文の一行でも満たすことに繋がるなら、これに勝る喜びはない。
「ありがとうございます」
頭を下げる彼に、僕は肩をすくめ、ぶっきらぼうにこう切り出した。
「勘違いしないでね。指導は、これからだから。患者として納得できない治療には徹底して食い下がるから、そのつもりで」
それを聞いて、照喜名がぷっと吹き出した。
「上間先生?」
「ん?」
「戻りましたね。サザンの上間先生に」
当ったり前じゃないの。僕は右手の人差し指を立てて、熱弁を振るった。
「どうせなら、パワーアップしたと言ってくれ。俺、五月には絶対復帰するからね」
顔を見合わせ、僕らは笑った。
この瞬間、僕らは良きライバルとなった。復職後僕らは執刀数を競い合い、また、互いのオペの執刀時には第一助手を任せあう間柄になった。ボトルシップ作りで証明済みだが、細かい作業が得意な照喜名は関節内視鏡手術などを得意とし、美樹先生の右腕とも言うべき存在に急成長した。そんな彼を横目に見ながら僕は何度となく競争心をあおられるとともに、外科医として思うように動かない自分の体と内なる格闘を続けることとなる。そして多恵子もまた、そんな僕の様子を家族として、またオペ看としてすぐ側から眺めていた。いつか機会があれば、そのことを語る日もあるかもしれない。
コツコツコツ。あれ、誰だろう?
「上間先生」
「あ、伊東先生、おはようございます」
「随分元気そうじゃないの」
伊東先生はいつもの癖で顎先を撫でていた。
「朝からどうなさったんですか?」
「ちょっとね。すまんが照喜名、席を外してくれないか?」
「いいですよ。どうぞごゆっくり」
照喜名が退出した後、伊東先生は僕の側に寄ってきた。
「ひょっとして、多恵子の件でしょうか?」
「いいや。彼女、自宅で安静にしているんでしょ?」
僕は頷いた。
「昨日、師匠から聞いた話ではそうみたいですね。おばさんが二階に鍵かけて閉じ込めたそうです。こっち来るって言うこと聞かなかったみたいで」
僕の言葉に伊東先生はくすくす笑い出した。
「多恵子ちゃんは、思い立ったら動こうとするからなー。だからロサンゼルスにもすぐ飛んだんだろ?」
「あの事故で、僕が医者を辞めるものだと思い込んだらしいんです。だから連続夜勤に入って、自分で僕を養おうとして。ちょっと気弱な手紙を僕が書いてしまったものだから、あいつ……」
「ストップ!」
伊東先生が、右の手のひらを僕に向け制止した。
「本当にお前さんたち二人は似たもの同士だな。もっと自分を大事にしろ。自分がまずしっかりしないと」
聞いてて、思わず顔をゆがめてしまった。耳に痛い忠告だが、確かにおっしゃるとおりだ。僕はもう一人じゃない。家庭を守る立場の人間になるのだ。強くならなくては。
「今日はな、頼みたいことがあって来たんだ」
そう言うと伊東先生は、なにやら大きな封筒から書類を出した。
「お前さんの雇用続行の件だが。お前さんに身体障害者手帳を申請してほしいそうだ」
「身体障害者手帳?」
「あの院長代理がな、身体障害者としてなら、正社員として雇用を続行できると言ってきた」
僕は院長代理という男の顔を思い浮かべた。ああ、あのオッサンね。UCLAへ行く前に何度か事務室ですれ違ったっけな。アメリカにいたときから多恵子からのメールで、医療改革とか言ってスタッフの人件費削減を盛んに訴えているとか、いろいろ悪い噂は聞いている。正直、あまり良い印象はない。僕は口を開いた。
「沖縄県から補助金でも貰うつもりなんでしょ? あとは宣伝ですかね? うちには障害者スタッフもいますって。障害者にやさしい病院とでも言って、世間にPRするとか?」
いかにも、あの男の考えそうなことだ。それなら、こっちにも考えがある。僕は声を荒げた。
「いいでしょう。乗りますよ、その提案に。言いたいことは山ほどありますから。こうなったら全面戦争です。整形外科医として、そして障害者として、両方の立場から、この病院に提言ぶちかましてやります」
「……上間、お前、変わったな。ずいぶん成長したな」
感心した様子の伊東先生に、僕は表情を戻した。
「生きて帰ってきて、結婚も決まったんです。もう怖いものなんてないですよ。五月には復職しますから、またご指導よろしくお願いします」
「いいぞ、その意気だ!」
伊東先生は膝を叩くと、僕の方へ更に椅子を寄せてきた。
「なあ上間、どうせなら一ヶ月早めて、四月からにしないか?」
急な話に、僕は戸惑いを隠せなかった。
「四月ですか? 足、急には動きませんよ」
「病休三ヶ月も取ったら、医者として頭が動かなくなるだろ? 外科医の腕もパーになるぞ」
うむ。確かに焦る気持ちはありますが、立てなかったら執刀のしようがないですよ?
すると伊東先生は僕のノートパソコンを閉じ、茶目っ気交じりの視線を僕に投げた。
「実は、仕事があるんだよ。お前さんにうってつけの仕事が」
「なんですか?」
「リハビリアドバイザー」
「リハビリアドバイザー?」
初めて聞く名称に、僕は首を傾げた。
「簡単に言えば、リハビリルームの見張り番だ」
……そんな仕事、ありましたっけ?
「組合からずっと提案出してたんだが……、リハビリスタッフと医師側との連絡が、いまいちうまくいってなかったんだ。内科、外科、整形外科をはじめとする診療各科と、理学療法士、作業療法士、そして言語療法士が個別に連絡を取り合ってる状態で、総括する窓口がなくてな。いつもソーシャルワーカーさんたちがこぼしているの知ってるだろ? 本来ならリハビリテーション科を新設して、そこで取り扱う仕事なのにって」
なるほど。確かに必要性はうすうす感じていた。だが、サザン・ホスピタルにはリハビリ認定医がまだ一人もいない状態で、整形外科がその役割を担っている。あの院長代理が居座っている限り診療科の新設など望めそうもない。伊東先生が話を続けた。
「上間、お前さんだったら、患者の意見も代弁できるからな。リハビリルームに使ってないデスクが一個あるから。あそこに適当に座っとけ」
僕は吹き出してしまった。適当に座っとけって、何ですかそれ? 仕事じゃないじゃないですか?
「パソコンは、廃棄した奴を照喜名に改造させて設置する。とりあえず、肩書きさえあれば給料もらえるから。仕事は自分で作れ。言いたいこと、山ほどあるんだろ?」
「ありますよ。ただ足が」
そう言いかけたとき、伊東先生がウィンクした。
「リハビリルームにいるんだから、リハビリしたらいいだろ? リハビリしながら、患者さんとかセラピストと話し合いながら、提言をまとめれば」
……なるほどね。それも悪くないぞ。
「お前さんならやれる。頑張れ」
僕は、頷いた。((2)へつづく)
The narrator of this story is Tsutomu Uema.
二〇〇一年二月十九日、月曜日。
入院して四日目、僕は主治医の照喜名先生を部屋へ呼んだ。午後から内視鏡の手術を控えていたこともあるが、それとは別の理由があった。
コツコツコツとドアを叩く音がする。あ、来たね。
「どうぞ」
「おはようございます、上間先生」
「よお。朝からごめんな。どうぞ、こちらへ」
僕は照喜名をノートパソコンを広げたデスクの近くへ招いた。
「どうしたんですか?」
「三日間頑張って、ようやく照喜名先生に見せても恥ずかしくない資料ができました。ほら」
「これは……」
照喜名がマウスをクリックしながらうなっている。僕は側で説明した。
「僕のUCLAメディカルセンターでの闘病記録です。薬の使用状況はカルテにも記載があるとは思ったんですが、とりあえず全部ノートに書き留めてたのを、ずっと入力してて、ようやく今朝仕上がったんでね」
「……これ、すごい記録ですよ、上間先生」
驚くのも無理はないだろう。薬の使用状況やリハビリの内容はもとより、僕がいつ、何をしたのかが、順を追って全部打ち込んである。日記をそのまま渡してもよかったのだが、右腕の痺れが取れるまで随分掛かったからかなりひどい筆跡で人に見せられる状態じゃなかったのだ。なにより僕自身、過去の経験をなぞることで、自分の障害ときっちり向き合いたかった。
「そのまま学会の症例報告にも使えますよ。欲しい?」
「いいんですか?」
「ええ、喜んで」
僕はにっこり笑って、イントラネット上にある彼のフォルダーにそのファイルを放り込んだ。呆気に取られている照喜名の横で、僕はつぶやいた。
「照喜名先生はちゃんとレールに乗って、博士になって下さい。僕は臨床医として生きる。多くの患者さんのために、このデータを無駄にしないと約束してくれるなら、僕は後悔しませんよ」
僕は、覚悟していた。
医者は、五年程臨床経験を積んだ後、所定の研究機関に在籍して博士論文の作成に入るのが通例だ。でも、もう僕は医学博士にはなれないだろう。いや、無理をすれば狙えないこともないが、その場合、僕は臨床医でいることをあきらめなくてはならない。健常者ならともかく、僕の行動が制限されたものである以上、どちらの道も歩くというわけにはいかない。それなら僕は、患者さんと触れ合える臨床医の道を選びたい。
だが、照喜名は違う。彼の前途は洋々と開けていて、研究医と臨床医、両方の立場に立てる可能性がまだ十分残っている。彼は信用に足る存在だ。もし、医学博士から研究者としての道を選ぶことになったとしても、データに振り回されて患者さんの気持ちを忘れる、ということはないだろう。僕のデータが彼の論文の一行でも満たすことに繋がるなら、これに勝る喜びはない。
「ありがとうございます」
頭を下げる彼に、僕は肩をすくめ、ぶっきらぼうにこう切り出した。
「勘違いしないでね。指導は、これからだから。患者として納得できない治療には徹底して食い下がるから、そのつもりで」
それを聞いて、照喜名がぷっと吹き出した。
「上間先生?」
「ん?」
「戻りましたね。サザンの上間先生に」
当ったり前じゃないの。僕は右手の人差し指を立てて、熱弁を振るった。
「どうせなら、パワーアップしたと言ってくれ。俺、五月には絶対復帰するからね」
顔を見合わせ、僕らは笑った。
この瞬間、僕らは良きライバルとなった。復職後僕らは執刀数を競い合い、また、互いのオペの執刀時には第一助手を任せあう間柄になった。ボトルシップ作りで証明済みだが、細かい作業が得意な照喜名は関節内視鏡手術などを得意とし、美樹先生の右腕とも言うべき存在に急成長した。そんな彼を横目に見ながら僕は何度となく競争心をあおられるとともに、外科医として思うように動かない自分の体と内なる格闘を続けることとなる。そして多恵子もまた、そんな僕の様子を家族として、またオペ看としてすぐ側から眺めていた。いつか機会があれば、そのことを語る日もあるかもしれない。
コツコツコツ。あれ、誰だろう?
「上間先生」
「あ、伊東先生、おはようございます」
「随分元気そうじゃないの」
伊東先生はいつもの癖で顎先を撫でていた。
「朝からどうなさったんですか?」
「ちょっとね。すまんが照喜名、席を外してくれないか?」
「いいですよ。どうぞごゆっくり」
照喜名が退出した後、伊東先生は僕の側に寄ってきた。
「ひょっとして、多恵子の件でしょうか?」
「いいや。彼女、自宅で安静にしているんでしょ?」
僕は頷いた。
「昨日、師匠から聞いた話ではそうみたいですね。おばさんが二階に鍵かけて閉じ込めたそうです。こっち来るって言うこと聞かなかったみたいで」
僕の言葉に伊東先生はくすくす笑い出した。
「多恵子ちゃんは、思い立ったら動こうとするからなー。だからロサンゼルスにもすぐ飛んだんだろ?」
「あの事故で、僕が医者を辞めるものだと思い込んだらしいんです。だから連続夜勤に入って、自分で僕を養おうとして。ちょっと気弱な手紙を僕が書いてしまったものだから、あいつ……」
「ストップ!」
伊東先生が、右の手のひらを僕に向け制止した。
「本当にお前さんたち二人は似たもの同士だな。もっと自分を大事にしろ。自分がまずしっかりしないと」
聞いてて、思わず顔をゆがめてしまった。耳に痛い忠告だが、確かにおっしゃるとおりだ。僕はもう一人じゃない。家庭を守る立場の人間になるのだ。強くならなくては。
「今日はな、頼みたいことがあって来たんだ」
そう言うと伊東先生は、なにやら大きな封筒から書類を出した。
「お前さんの雇用続行の件だが。お前さんに身体障害者手帳を申請してほしいそうだ」
「身体障害者手帳?」
「あの院長代理がな、身体障害者としてなら、正社員として雇用を続行できると言ってきた」
僕は院長代理という男の顔を思い浮かべた。ああ、あのオッサンね。UCLAへ行く前に何度か事務室ですれ違ったっけな。アメリカにいたときから多恵子からのメールで、医療改革とか言ってスタッフの人件費削減を盛んに訴えているとか、いろいろ悪い噂は聞いている。正直、あまり良い印象はない。僕は口を開いた。
「沖縄県から補助金でも貰うつもりなんでしょ? あとは宣伝ですかね? うちには障害者スタッフもいますって。障害者にやさしい病院とでも言って、世間にPRするとか?」
いかにも、あの男の考えそうなことだ。それなら、こっちにも考えがある。僕は声を荒げた。
「いいでしょう。乗りますよ、その提案に。言いたいことは山ほどありますから。こうなったら全面戦争です。整形外科医として、そして障害者として、両方の立場から、この病院に提言ぶちかましてやります」
「……上間、お前、変わったな。ずいぶん成長したな」
感心した様子の伊東先生に、僕は表情を戻した。
「生きて帰ってきて、結婚も決まったんです。もう怖いものなんてないですよ。五月には復職しますから、またご指導よろしくお願いします」
「いいぞ、その意気だ!」
伊東先生は膝を叩くと、僕の方へ更に椅子を寄せてきた。
「なあ上間、どうせなら一ヶ月早めて、四月からにしないか?」
急な話に、僕は戸惑いを隠せなかった。
「四月ですか? 足、急には動きませんよ」
「病休三ヶ月も取ったら、医者として頭が動かなくなるだろ? 外科医の腕もパーになるぞ」
うむ。確かに焦る気持ちはありますが、立てなかったら執刀のしようがないですよ?
すると伊東先生は僕のノートパソコンを閉じ、茶目っ気交じりの視線を僕に投げた。
「実は、仕事があるんだよ。お前さんにうってつけの仕事が」
「なんですか?」
「リハビリアドバイザー」
「リハビリアドバイザー?」
初めて聞く名称に、僕は首を傾げた。
「簡単に言えば、リハビリルームの見張り番だ」
……そんな仕事、ありましたっけ?
「組合からずっと提案出してたんだが……、リハビリスタッフと医師側との連絡が、いまいちうまくいってなかったんだ。内科、外科、整形外科をはじめとする診療各科と、理学療法士、作業療法士、そして言語療法士が個別に連絡を取り合ってる状態で、総括する窓口がなくてな。いつもソーシャルワーカーさんたちがこぼしているの知ってるだろ? 本来ならリハビリテーション科を新設して、そこで取り扱う仕事なのにって」
なるほど。確かに必要性はうすうす感じていた。だが、サザン・ホスピタルにはリハビリ認定医がまだ一人もいない状態で、整形外科がその役割を担っている。あの院長代理が居座っている限り診療科の新設など望めそうもない。伊東先生が話を続けた。
「上間、お前さんだったら、患者の意見も代弁できるからな。リハビリルームに使ってないデスクが一個あるから。あそこに適当に座っとけ」
僕は吹き出してしまった。適当に座っとけって、何ですかそれ? 仕事じゃないじゃないですか?
「パソコンは、廃棄した奴を照喜名に改造させて設置する。とりあえず、肩書きさえあれば給料もらえるから。仕事は自分で作れ。言いたいこと、山ほどあるんだろ?」
「ありますよ。ただ足が」
そう言いかけたとき、伊東先生がウィンクした。
「リハビリルームにいるんだから、リハビリしたらいいだろ? リハビリしながら、患者さんとかセラピストと話し合いながら、提言をまとめれば」
……なるほどね。それも悪くないぞ。
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