強面ヤクザに狙われています〜情報屋の災難〜

ルシア

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出会い2〜流兎〜

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確か数ヶ月前に北條帝の情報調査を麻生組の組員に依頼されたっけ
ああ生きていたか
てっきり殺されたかと思っていた
麻生組の組長は北條組を恨んでいたからな北條組の島を荒らしていてそこにたまたま通りかかった北條組の若頭にボコられたらしい
そう、たまたまだ
誰も麻生組の組員が絡んで来たから仕返しに北條組に匿名で通報などしていない
そう、絡まれたから逆恨みに通報など誰もしていない
まぁ自業自得だ
帝はコーヒーとタバコを持つと会計した
「856円になります」
面倒事はゴメンださっさと会計してしまおう
帝が財布から1000円取り出す
「144円お釣りになります」
お釣りを渡す
「ありがとうございました」
笑顔で返すもちろん作り笑顔だ
だかなかなか帝は動かない
なにかおかしかっただろうか?
帝の顔を見ると驚いたような珍しいものでも見るような顔をしている
「お客様?」
動かないので顔を覗き込もうとするが、
ゴンッ
痛々しい音が店内に聞こえる
そう、流兎が頭をぶつけた音だ
「ーーーーーッ!」
肉まんの機械?にぶつけた
すごく痛い 泣きそうだ
「フッすごい音がしたな大丈夫か?」
さすがに痛そうだと思ったのか笑いながらも心配する帝
今こいつ笑わなかったか
痛みで頭を抑え涙目で帝を見る
スンって言う顔になっている
絶対笑っただろ
涙目で睨む
「今笑いましたよね?」
その無表情が恨めしくて問う
「いいや笑ってないフッ」
帝の答えは否だ
だが口元が歪み挙句の果てに最後笑っている
うぅ 人の失態を笑うなんて
貴様の情報を敵の組に流してもいいんだぞ!許せん!
「ありがとうございましたっ!!」
これ以上失態を見せたくなくて、恥ずかしくてコーヒーとタバコを帝に押し付ける
だが帝は動かないので睨みつけ普通の客にはしないがゞ(o`Д´o) シッシと追い払うような仕草をすると帝が何やら呟いた
「……可愛いなボソッ」
流兎はこめかみがピキピキなりながらも笑みを浮かべ問う
「なんでしょうか?」
今の流兎の最大限のサービスだ
スマイルゼロ円とか言うだろうそれだ
帝はそんな流兎を見つめ
「いや、なんでもない」
と答えニヒルな笑みを浮かべ帰っていった
なんでもなくないような顔だった
「…………」
帝か何かを呟いたように見えたのは気のせいだろう



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