ミドリムシ

たま

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序章

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キーンコーンカーンコーン。

授業終わりのチャイムが鳴った。

それと同時に大男が走って僕の席に来る。

「裕太!帰りにジャンプ買って帰ろうぜ!今週はワンピが…」

この五月蝿い大男の名前は吉田春人(ヨシダハルト)。

僕の幼馴染であり親友である。

僕は話し続ける春人に適当な相槌を打ちながら教室を出た。


下駄箱へ行くと春人を待っている女子生徒が3人いた。

僕の存在に気づいていないのか、女子生徒は僕の眼の前で春人にラブレターを渡すと顔を赤くして走り去って行った。

言い忘れていたが春人は整った顔をしており、スタイルも良い。

そして容姿端麗なだけでなく、頭脳明晰、スポーツ万能、つまり完璧超人だ。

僕が受け取った春人宛てのラブレターの数は数え切れない。

え?僕宛ては貰わないのかだって?

さっき見ただろう?目の前でラブレターを渡されたところを。

僕は影が薄いんだ。

なぜなら特徴が何もないから。

最近は特徴がない事が僕の特徴だとさえ思っている。

こんな無味無臭の男に恋する女の子がいるわけないだろう?
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