私の光

イチゴ牛乳

文字の大きさ
12 / 20

11

しおりを挟む
     (日向side)
遥さんを、お姉ちゃんを抱き締めたまま昔を思い出す。

僕達が出逢ったのは小学生の時。
僕が小4、9歳で遥さんが12歳。
親の連れ子として出逢った。
僕が父親の連れ子で遥さんが母親の連れ子でね。
お前のお姉ちゃんだ、そう言って紹介された。
でもあの時の僕は全部が嫌で遥さんを拒否した。
なるべく近付かないように過ごしていた。
遥さん、新しい"家族"と暮らして1年が経ったある日のことだった。
父さんと新しい"母さん"と遥さんと僕で旅行することになった。
…旅行の帰り道、僕達が乗っている車にトラックが突っ込んで来た。
父さんは遥さんと僕を守って死んだ。
それから優しかった"母さん"は変わってしまった。
遥さんと僕に暴力を振るうようになったのだ。
『あなた達が居なければ』
『なんであなた達が生きているの』
狂ったように何度も何度も同じことを繰り返す。
……遥さんはその度に僕を庇ってた。
酷い事を言ったのに、酷い事をしたのに遥さんは僕を庇った。母さんがいない時になぜ助けるのかを聞いたことがある。
『なんでって、日向が私の弟だから。
それ以外に理由がある?』
そう言って優しく優しく笑った。
なんでって思った。
僕は遥さんにもっと酷い事をしたのに拒否をしたのに。
遥さんだって実の母親に暴力を振るわれて辛かったはずなのに。
いつだって、僕を守ってくれた。
それからだった。
遥さんを守ると決めたのは。
……遥さんを"お姉ちゃん"としてではなく、"女"として見るようになったのは。
近親相姦??
だから何。
血が繋がっていないんだから別にいいでしょ?
遥さんはそんな僕の気持ちを理解していた。
僕が遥さんを好きでいることを許してくれた。
それが嬉しかった僕は遥さんの異変に気がつかなかった。
遥さんが中2になって暫くして、母さんが警察に捕まった。
どうやら近所の人が通報してくれたそうだった。
やっと解放されたと思っていた。
でも遥さんは母さんがいなくなっても苦しんでいた。
眠っている時にいつも魘されていた。
ごめんなさいって何度も何度も謝りながら。
どうする事も出来ない僕は絶望した。
僕は遥さんに守られて来たのに僕は何も出来なくて。
僕は自分が要らない存在だって思っていた。
なのに、遥さんは苦しいはずなのに、辛いはずなのに僕を励ましてくれた。

その後マスター、葵と茜、悠、蓮、奏と出逢った。
遥さんはいつの間にかハッキングが出来るようになっていた。
マスターが僕達の情報を隠す前に僕は遥さんに聞かされていた。
"姉弟"という事を隠していようと。
なんで?って何度も思った。
なんで?って何度も考えた。
でもそれが分かることはなくて僕は遥さんと距離を取ることにした。
敬語で話すようにして知らないフリをした。
遥さんの元を離れてマスターと一緒に
veriteで暮らすことにした。
それから暫くして遥さんがどうして姉弟という事を隠していたのかを知ったんだ。
母さんが釈放されていたからだった。
……全部、僕の勘違いだった。
守るって決めたのに僕は僕自身が遥さんを苦しませていた。
今更謝っても調子が良すぎる、そう思って僕は影ながら遥さんを今度こそ守ると誓った。

……色々と省略しましたけどこれが僕達の過去です。

話終えると部屋は沈黙に包まれた。
遥さんは依然、僕に寄り掛かったままだ。
それに、こっそり笑った。
…"僕"を必要としているんだと思えたから。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今日でお別れします

なかな悠桃
恋愛
高校二年の碧は黒髪のショートボブ、眼鏡の地味な女の子。特別目立つこともなく学校生活を送っていたが、阿部貴斗との出会いによって環境がガラリと変わっていく。そして碧はある事を貴斗に隠していて... ※誤字、脱字等など見落とし部分、読み難い点申し訳ございません。気づき次第修正させていただきます。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

離婚すると夫に告げる

tartan321
恋愛
タイトル通りです

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

処理中です...