異世界転生

イチゴ牛乳

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3話 リンヤはまさかの王子様だった (…これで?)

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あれから一週間を費やして王都に着いた。
そう、一週間!
本当なら5日で着くはずの王都だったのに、毎度毎度リンヤは問題を起こしその度に王都に着くのが先延ばしになっていったのだった。
そして何故か、王都に入る時に検問がなしで入れた。
普通は、検問ありなんだが。
そういえば衛兵の様子が可笑しかったような気がする。
まぁ………、
「やっと着いたーー!」
ググッと伸びをし、今までの疲れを解す。
長かった。
いやもう、本当に。
「うぅー、本当に申し訳ないっス…」
落ち込んだ様子のリンヤの頭をグリグリと撫でる。
始めの頃は抵抗していたリンヤだったが一緒に過ごすうちにそれは諦めていっていた。
「とりあえず宿探そうか!久し振りのベッド~」
ウキウキ状態の私は注意力散漫になっていて前方から人が来ていることに気が付かなかった。
「っ、危ないっス!」
グイッと腕を引っ張られた私はリンヤの胸の中にいた。
「っ、ご、ごめん……」
「本当っスよ!王都は人通りが多いんスから気をつけてくださいっス!」
……り、リンヤに怒られた。
あのリンヤに!!
「……ハナさん、今失礼なこと考えてるっスね?」
「よく分かったらしいねー」
「ーーっ、いつもいつも!どうしてそう意地悪なんスか!」
「そりゃもちろん、反応がいい…んん!面白いからに決まってるじゃん」
「誤魔化せてませんし、どちらにせよ酷いっス!!」
涙目のリンヤに苦笑する。
「ところでスグリは?」
「うぅー。1人で宿探しに行ったっスよ!」
マジか。
気が付かなかった。
「スグリさんにハナさんを頼まれたんっス!だからその間は何処かのカフェに入って待ってるっス」
リンヤの正論に私は黙った。


いい感じのカフェを見つけた私とリンヤはそれぞれ好きな注文を頼み、談話していた。
「ところでリンヤは王都に何の用だったの?」
「人には詮索はなしって言ってたのにー…、まぁいいっスけど。そうっスね、王都に用というより帰って来たんス」
「王都が故郷なの?」
「はいっス」
ズーッと注文の品のジュースを飲むリンヤに疑問を抱いた。
「何で帰り道分かんなかったの?」
「ゲホッ!…それを聞いちゃうんスね…、ハナさんらしいといえばらしいっスけど……」
「なに、言いたくないの?」
「言いますっス!だから睨まないでくださいっス!………はぁー、俺、方向音痴なんっス」
「うん知ってる……って、まさかそれだけ!?」
「………」
黙って頷くリンヤに呆れた。
ホント、よくそんなんで王都を出ようと思ったよねー。
私だったら怖くてそんな無謀なことしないけど。
私の視線に気づいたリンヤは気まずそうに視線を逸らした。
「つまりはただの馬鹿ってことね」
「うぐっ!これでもきちんと目的はあったんスよ!?ただ……迷子になったから一度帰ってもう一度挑もうと…」
「いや、馬鹿でしょ。誰か道案内でも雇うのならまだしも。というか魔法でどうにか出来なかったの?」
「……あ。」
……こいつ真性の馬鹿だわ。
今気付きましたって様子のリンヤにただ溜め息を吐く。
しばらくの間、リンヤは落ち込んでいると、バタバタと騒々しくなって来ていた。
その騒々しさは段々とこちらに近づいて来ていた。
「…ハナさん先に謝っておくっス。巻き込んですみませんっス」
「は?何言って………」
「見つけましたぞ!!リンヤ様!!」
私の言葉を遮った大きな声。
…というか、え?
リンヤ"様"?
驚いて前に座るリンヤを見ると視線を逸らされた。
「護衛隊長……。ココで騒ぐな」
「ですがリンヤ様!検問の者から王子が戻って来たと連絡があってどれだけ経ったと思っているのですか!!」
「頼む、それ以上喋るな」
「何故ですか!!ところでこの女は…はっ!まさか誘拐犯!?おのれ!可愛い顔をしてなんたる非道さ!」
ぐっと肩を掴まれ上を向かされる。
王子?
誘拐犯??
あははー、さっきからこいつ、何言ってるんだろうねー。
リンヤが王子?
私が誘拐犯??
ふざけてんの、こいつ。
というか、
「リンヤ、その喋り方何」
不機嫌顔で尋ねると驚かれた。
「え!そこ?!」
「そこ」
「いや、こっちが本当の俺っていうか何というか、あれはただ油断させるためのもの?」
自分でも言っている意味が分からなくなっているっぽいリンヤ。
「貴様!!リンヤ様を呼び捨てとはなんたる無礼さだー!」
「リンヤリンヤリンヤリンヤ」
「ウギャーーー!!」
ギャーギャー喚く護衛隊長と呼ばれた男を横目に見て私はリンヤに視線を向けた。
私は黒い笑みを浮かべただ一言だけ言った。
「リンヤ。このうるさいの黙らせて」
出来るでしょ?と首を傾げるとリンヤは本当に実行した。

「…真に申し訳ありませんでした!」
リンヤに事情を聞いた男は土下座する勢いで私に謝って来た。
その横でリンヤも頭を下げている。
「なんでリンヤまで頭下げてんの」
「いや、何というか、雰囲気で?」
「さっきリンヤは謝ってたじゃん?別にしなくていいでしょ」
そう言うと何故か目を潤ませて私を見てきた。
「まさかハナさんが励ますなんて!」
………ねぇ、マジで私のこと何だと思ってんの。
そこまで性格悪くないから、多分。
「と言うか、そのさん付け辞めたら?前から思ってたんだけどなんかまどろっこしいし。ああ、後王子だし」
「……まさかの王子という立場がついでって…」
え、なんか変?
私にとってリンヤの立ち位置ってそんなもんだよ。
「別に王子でも一般庶民でもどっちでもいいでしょ。リンヤは真性の馬鹿で方向音痴ってだけでしょ。というか、王子で良かったんじゃない?王子じゃなかったらいい所なしだし」
「酷い。」
「だって本当のことだし」
うっ、うっ、と泣き真似をするリンヤに蹴りを入れる。
「鬱陶しい。ウザい。キモい。…あ、
良かったじゃん、三拍子揃ったよ」
「良くないっスー」
うん、いつもの調子に戻った。
護衛兵たちは後ろでヒヤヒヤしながら待機していた。
「にしてもスグリ遅くない?」
「扱いが…、でも確かにそうっスね。いくら何でも遅すぎっス。スグリさんに限って女に捕まってることはないでしょうし………あ、」
「…………スグリに、女??」
ピクリと頬が引き攣るのが分かる。
「何それ。その女殺す。どうやって火祭りにあげてやろうかなぁ」
クツリクツリと笑う私にリンヤの顔から血の気が引いていく。
「(失敗したー!!あー!!早くスグリさん帰って来てっスーー!)」
そんなリンヤの心配は露知らず、私の怒りはどんどん上がっていく。
そんな時に、スグリは戻って来た。
「何、こいつ等。メッチャ邪魔。というか何でハナはキレてんの」
「スグリーーっ!!女は!?スグリを引き留めた女はどこ?!!」
キョロキョロと見回す私にスグリは首を傾げた。
「は?何言ってんだ?俺を引き留めることが出来んのはハナだけだろ?というかせっかく可愛いのにそんな顔したら勿体無いだろ?」
「(うわ、タラシだ)」
私の頭を撫でながら言ったスグリの言葉に私の怒りは収まった。
……我ながら、単純だと思う。
でも仕方がないと思う。
これが惚れた弱みだね、うん。
「ハナ、あいつ等誰?答えようによっては潰す」
「(あ、こっちもダメだわ)」
瞬時に察したリンヤは(こういう時だけは)利口だと思う。
「えーと、アレはリンヤの護衛兵たちだね~」
「護衛?」
「うん、護衛。リンヤって王子だったんだってー」
「王子だったのか?良かったな、リンヤ。取り柄が一つだけあって」
「(す、スグリさんも酷いっス)」
やっぱり私たちって似た者同士だね。
リンヤの何気ない一言に私は上機嫌になっていた。
「宿見つけたけどどうする?リンヤは王子だから城に帰るんだろ?」
「え、俺もそっちがいいっス!」
キャンキャンと叫ぶリンヤに護衛隊長は慌てだした。
「リンヤ様!王城へ一度お帰りください!陛下がお待ちです!!」
「嫌っス!!俺は2人と一緒に居たいんっス!」
「ではそちらのお2人も王城に!」
「は?」
「い、いえ、何でもないです!」
護衛隊長の提案を睨むと大人しく引き下がった。
オドオドウロウロウザい。
「……はぁー、リンヤ」
「はいっス!!」
「私たちはまだ、というかしばらくは王都にいるから王城に行って来たら?
どこに泊まってるかは自分で探して」
「え!?」
有無を言わさずに私たちはその場を立ち去った。
「そんな、酷いっスよーー!!」
………リンヤの叫びを聴きながら。


「なんか今日は疲れたね」
「そうか?」
スグリに宿屋まで案内してもらい、私たちは宿屋の一室に居た。
もちろん別々じゃないよ?
一緒の部屋。
リンヤが居ても一室。
「うん、疲れた。誘拐犯に間違われるし、散々だった」
「………誘拐犯?」
「そー。ほらリンヤの護衛兵が居たでしょ?隊長が私を誘拐犯とか吐かすのー。ふざけてんでしょ?」
そうぼやくとスグリは剣を乱暴に置いた。
というか投げた。
「殺す」
「大丈夫だってー。それよりスグリとイチャイチャしたいんだけどなぁー」
クスクスと笑う私を見てスグリは怒りを収めた。
そのかわり、私に近付いて来てソッと壊れ物を扱うごとくに優しく触れる。
その手に目を細める。
「ふふっ、やっとスグリと繋がれる」
たった一週間。
されど一週間。
リンヤが居てスグリと繋がることが出来なかった。
自分で決めたこととは言え、やはり、辛かった。
「今日はスグリに任せていい?」
「ん。……ハナ、愛してる」
「ふふっ。私もスグリを愛してる」
どちらからともなくキスをする。
キスをするのもあの日以来。
歯止めが効かなく、私たちは朝までお互いを貪り合っていた。

「んぅ?」
目が覚めるとスグリの顔がドアップで目の前に在った。
「おはよ、ハナ。身体大丈夫か?」
「ん。へーき。スグリはぁ?」
くぁ…と欠伸をしながら尋ねる私にスグリは楽しそうに笑った。
「俺も大丈夫。飯、食べれるか?」
「ぅーん。まだいい。それよりスグリとまだ一緒に居たい」
「(可愛い…)」
ギュッと裸のまま抱き着くと腰辺りに違和感を感じた。
「……あんなにシタのにもう元気になってるの?」
ツゥー…と触れるとビクンッと身体を震わせるスグリ。
それに私はひどく興奮した。
「ふふっ。どーしてほしいー?」
スグリの上に跨り、誘う。
「ぁ、ハナ、頼む、イジメるな…」
潤んだ目で見上げて来るスグリ。
スグリの一つ一つの仕草に欲情する。
んー、どこの変態親父だ、私は。
ペロッと自身の唇を舐める。
まぁ、別にそれでいいけど。
これでもかというくらいに怒張しているスグリのモノを強弱をつけ扱く。
その都度、スグリの口から甘い吐息が吐き出される。
「んっ、は、なっ……!」
「アハ、可愛い」
後少しでイクという時だった。
「ハナさーん!スグリさーん!リンヤ只今参上するっスよー!!…あ、」
「リンヤ様ー!!お待ちください!!って、…あ、」
勢い良く開いた扉からリンヤと護衛隊長が押し入って来た。
「な、何も見てないっス!!」
「素っ裸なんて見てないです!!綺麗な身体しているな、なんて思ってもいません!!」
ブンブンと首を振る2人に私とスグリはブチ切れた。
「ぶっ殺す!!!」
「何邪魔してんじゃボケーー!!」
………ついでに、後の方が私だ。
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