異世界転生

イチゴ牛乳

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9話 精霊と契約

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森の中を探索し始めて1時間ちょっとで精霊を見つけた。
……そう、見つけたのだが。
『ねぇねぇ、私と契約しよ~』
『私とだよ~』
……見事に、私の周りに集まって来ていた。
それを見たリンヤは不貞腐れている。
「どうせ、どうせ俺なんか……」
キルが慰めているが意味がない。
そんな私はと言うと、精霊たちと遊んでいた。
もちろん、私も始めは慰めてたよ?
でも私が慰めているとより悪化して行ったのだ。
どうすることも出来ない私は結局、精霊たちと遊ぶことを決めた。
フワフワと舞う精霊たち。
可愛いらしくて儚い精霊たち。
「どうして私なの?」
『だってあなた、私達のタイプなんだもん!』
……さいですか。
まさかの答えにリンヤは唖然としているのだが。
それに妙な罪悪感が湧き起こる。
…………、この場合、どうすればいいのだろうか。
何が最善策なのだろうか。
前世の私は人と関わる事を良しとしなかった。
そのせいか、この場合、どうすればいいのか分からない。
いつも、こんな時はスグリとソラ…、
いや、大雅と湊が対処して来た。
私はいつも、いつだってあの2人に守られて来た。
「……ハナさん、」
ビクリと身体が揺れた。
いつの間に見ていたのかリンヤとキルはこちらに視線を向けていた。
「契約、しないんスか?」
「え、」
「もしかして俺に遠慮してるんスか?それなら気にしなくていいっスよ?というかハナさんが遠慮するとか嵐でも来るんじゃないんスかね~」
何でもなさそうに言うリンヤ。
………なんか、悩んでいた私が馬鹿みたいじゃない。
ジッと見ているとリンヤは笑った。
「契約、しないんスか?」
再び、同じ質問をするリンヤに口を開いた。
「するに決まってるでしょ?」
「それでこそハナさん」
楽しそうに笑うリンヤに今の私は救われた。
………あ、そう言えば。
「契約ってどうやってすんの?」
「「え?」」
契約するのはいいがその方法が分からない。
ていうかキルの存在忘れてた。
だってしょうがないじゃん?
ずっと黙っているんだもん。
そんなことを考えているとは表に出さずにいる私。
「知らなかったんですか?ハナ様」
「うん」
「それでよく契約するって言った……ヒッ!何でもないっス!!」
リンヤの失礼な質問にギロリと睨んでやると直ぐに視線を他所にやった。
「で?契約ってどうすんの?」
「は、はいっス!精霊との契約は言わば精霊の一生を縛ることになるんス!
なので精霊が気に入る名を付ける事が出来たのならばそれで成功っス!」
「………それだけ?」
「はいっス!!」
「ふーん」
リンヤから視線を集まって来た精霊に移す。
「ねぇ、あなた達。あなた達は本当に私と契約するの?私と契約したら後悔するかもよ?」
そう言うと精霊達はお互いの顔を見合わせた。
そして精霊達は一言。
『私達の目に狂いはない!!』
あ、そう。
それなら別にいいんだけど…。
軽く精霊達は10人(人と同じ数え方でいいのか分からないけど)?いるんだけど?
私達ってことは10人と契約するってことでしょ??
んー、契約するのはいいけど名前を考えるのが面倒臭い。
前世での精霊の名前の略称みたいなのでいいよね?
「えーと、髪の色でその属性をイメージしていいの?」
『うん!そうだよ!!』
ふむ、それなら有難いな。
「……地の精霊はノーム。水の精霊はディーネ。火の精霊はサラ。風の精霊はジル。光の精霊はアリス。闇の精霊はシャル。死の精霊はハス。時間の精霊はクロ。空間の精霊はゼン。破壊の精霊はディス。創造の精霊はフェニス。太陽の精霊はアロン。月の精霊はアルス。……どう?」
これでダメだと言われたらもうどうしようもないからね。
精霊達はそれぞれの顔を見合わせクスクスと笑い、そして光った。
………光った??
リンヤを見遣ると頷かれた。
多分、契約が出来た、と言う意味なのだろう。
ジッと見ていると精霊の手に、精霊の髪の色と同じ小さな水晶玉が現れ、それを皆して私に渡して来た。
「………何、これ?」
『私達のお礼!!これ身に付けてたらその属性の力が簡単に使えるの!』
精霊達を代表して話したのは水の精霊のディーネ。
髪が長いから女の子、でいいのかな?
「そっか、ありがとう。あなた達に性別ってあるの?」
『うーん、そう言う概念は私達にはないけど……、人間に例えると私は女の子かな?』
コテンッと首を傾げる仕草をするディーネ。
………可愛い。
「と、ところで!俺と契約してくれる精霊はいるっスか?!」
『多分あの子なら契約すると思うよ~?』
光の精霊のアリスがのんびりとした口調でリンヤに言った。
それにリンヤは目を輝かせた。
「いるんスか?!ど、何処に?!」
がっつくリンヤに精霊達は引いた。
リンヤよ、後ろを見てみろ。
あのキルでさえ引いてるぞ?
『えーと、多分精霊樹の枝の上で寝てると思うよ~』
それを聞くと同時にリンヤは走って行った。
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