無慈悲な正義と女難

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第二章 現代編(白亜の洋館)

12 少女強姦未遂事件

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奴隷販売所と快楽島の件で情報が無いか、昔から付き合いのある元警視庁幹部の自宅を訪ねた。これらの存在は警視庁も掴んでいたらしいが、販売所の手入れをしようとすると毎回もぬけの空で情報が組織に筒抜けになっていると、捜査員達は疑ってるらしいと聞かされた。
快楽島について上層部から何故か圧力が掛かり内定さえ出来無い状況だったそうで、彼が言うには販売所についても上層部から捜査情報が漏らさせていると思っているらしい。
これと言った情報を得られないまま、隆之は自宅別荘に向かって車を走らせていた。途中で、小便が我慢出来なく途中の海沿いにある駐車場に車を停め便所を探したが、海水浴の季節でも無くどこにも見当たらなかった。
仕方なく浜辺を歩いて松林の中で用を足し、来た道と違う小さな公園側の小道を通って駐車場に戻ろうと歩いていると、木々に囲まれた芝生のベンチ脇に設置された外灯の下で、地面に座り込んだ少女を複数の男が取り囲んで見下ろしているのに気が付いた。
少女は、少し日焼けした肌に重ね着したタンクトップにミニスカート、素足にサンダル、そして黒い布ので目隠しされ、両手を前で縛られている。華奢な肩を小刻みに震わせる少女を取り囲んでいるのは、3人の男で二十歳前後、おそらくどっかの不良大学生だろう。そして、彼らの様子を少し離れたベンチに座ってビデオで撮影する同じ大学生風の男が1人。
少女を取り囲んでいる男達のうち、筋肉質でノースリーブの黒いシャツを着た男がビデオを構える男の方を振り向き、
「何時ものように、しっかり撮ってくださいよ」
不適な笑みを浮かべてビデオを構える男も、緊張しているのか、僅かに顳顬をピクピクさせている。
「あぁ、女子高生は初めてだから頑張ってくれよ」
ビデオの男が答えると、筋肉男は少女の方を向き
「じゃあ、早速始めるぜ」
それを合図に、男達が少女の服を剥ぎ取りに掛かる。
「嫌ぁぁ、誰か助けてぇぇ!」
絶叫する少女、Tシャツ姿の痩せた男が、少女の背後にしゃがみ込みタンクトップを捲り上げ、オレンジ色のブラジャーを慣れた手付きでたくし上げた。
「ヒィィッ、嫌ぁぁっ、やめてぇぇ・・・」
激しく抵抗した弾みで、腕を縛っていたロープが解けたようで、少女は必死に手を振り回すが、痩せた男に背後から抱き付かれ両胸を鷲掴みにされた。
「やめてぇぇ、触らないで!」
少女は両脚をバタつかせ、何とか逃れようとするが、その両脚に筋肉男が乗っかり、身動き出来なくなってしまう。
「諦めて、無駄な抵抗は止めろよ」
筋肉男がドスの効いた声で少女を威す。
「止めて、止めて、止めてぇぇ!」
少女は必死に哀願するが、不良学生達を喜ばすだけで、何を喚こうが状況は変わらない。筋肉男が、ミニスカートを捲り上げると、ブラとお揃いのパンティが露わになる。筋肉男はパンティに手を掛け一気に膝までずり下ろす。
「おい、デブ。ちょっと、こいつの脚を代わりに押さえていろ」
筋肉男が二人の際で手持ち無沙汰にしていた肥満男に声を掛ける。何となくオタクっぽい肥満男は、嬉しそうな笑みを浮かべ、少女の両脚に抱き付き無駄肉の無い太腿に脂ぎった頬を擦り付ける。
「ブタに犯される美少女、良いビデオが撮れそうだな」
ビデオを構えた男が呟く。手が空いた筋肉男がナイフを取り出すと、
「傷付けるなよ。たっぷり楽しんだ後は、調教して売り飛ばすんだから」
ビデオ男に筋肉男は頷くと、少女のパンティをナイフで切り裂き毟り取るとナイフを地べたに放り投げた。
「嫌ぁぁ、変態、止めてぇぇ・・・」
パンティを毟られ金切り声を上げる少女。しかし、後ろから羽交い締めする痩せ男が、胸を絞り上げると少女は小さく呻いて押し黙った。
「おい、デブ、両脚を掴んで開かせろ」
少女を襲う3人組の中で筋肉男が主導権を握っているようだ。肥満男は、不満そうな顔で、少女の両足首を掴み大きく開かせた。
「嫌ぁぁぁぁっ!」
筋肉男は、自分の指に唾を吐き掛け、その指で少女の股間を弄り始める。
「嫌ぁぁ、指を入れないで、止めてぇぇ」
少女の声が弱々しくなっているので、目隠しの下で泣いているかもしれない。
「止める訳ねえだろう」
筋肉男が毒づき、強引に指を押し込む。
「ううっ、止めてぇぇ!」
少女は何とか逃れようと身体を揺すっているが、二人に拘束され動きが取れない。肥満男は少女の太腿を舐めまくっていた。
「止めて、こんなの嫌ぁぁっ」
興奮した男達に少女の声は届かない。
「さて、処女を頂くとしようかな」
筋肉男はズボンを下げ、勃起したベニスを取り出すと少女の股間にあてがう
「嫌ぁぁっ、止めてぇぇ」
少女が悲鳴を上げると同時に、それまで木陰から覗いていた隆之は、足元に転がっていた角材を握り締め筋肉男に襲い掛かる。少女に挿入する寸前で防御態勢を取り損ねた筋肉男の頬に振り回した角材がヒットする。
筋肉男は転がるように少女から離れ、投げ捨てたナイフを拾おうとするが、それより早く隆之がナイフを蹴り飛ばし、筋肉男の股間を角材で押し潰した。
「ヒギャァァァ!」
グシャとした感覚があったので、睾丸にクリーンヒットしたかも知れない。股間を押さえ転げ回る筋肉男を放置して痩せ男の首を狙って角材で殴り掛かるが、肥満男が突然立ち上がり狙いが外れ、二人の頭部に角材が直撃する。
暫く呆然としていたビデオ男が慌てて逃げ出したので、筋肉男のナイフを拾い投げ付けると狙った訳でも無いのに、男の太腿に突き刺さる。
「ギャァァッ!」
這いずりながら逃げようとするビデオ男の脇腹を蹴り飛ばすと意識を失う。男達を排除するのに必死で少女の存在を忘れていた隆之が振り向くと、自分で目隠しを外したものの強姦されそうになった恐怖からか、目を大きく見開いたまま呆然と座り込んでいた。
「お嬢さん、暴漢連中はそこに転がっているから、取り敢えず服を直してくれないかな?」
「はい」
慌てて服を直し小さくお辞儀をした少女の服についた汚れを軽く払い落とし
「危ないところだったね。家まで送って上げるけど、少し待ってくれ」
地べたに転がる男達のポケットを探り財布を取出し、学生証や運転免許証を抜取り、残りは草むらに投げ捨てた。ビデオ男の財布には数十万円の現金が入っていた事から、かなり裕福な家庭の馬鹿息子なのだろう。
「駐車場に車を停めているから、そこまで歩けるかな?」
頷き隆之の後ろから歩き始めた少女が地面に転がるビデオ男の前まで来ると、急に立ち止まり、スカートからハンカチを取出し男に突き刺さったナイフの握り部分を丁寧に拭き、近くに転がっていたビデオを拾った。何でそんな事をするのか不思議に思ったが、まあどうでも良いと意識を切り替え、少女を気遣いながら駐車場へ向かう。
車に乗っても少女は自宅までの道順以外、何も話さない。
「ここから歩いて帰りますから」
少女が強い口調で主張するので、停車すると少女は直ぐに助手席から出て運転席側の窓から
「今日は危ないところを助けて頂き有り難うございます。後ほどお礼をしたいので、お名刺か何か頂けませんか?」
少女に名刺とポケットに入れた男達の身分証を渡し
「気を付けて帰りなさい」
と一言声を掛けて別れる。
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