無慈悲な正義と女難

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第四章 現代編(制裁される悪女①)

幕間 外伝 制裁遊戯⑨(未希)

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昼過ぎに目を覚ました女達はシャワーを浴びると、9人で遅い昼食の準備を始めていた。智花達5人には足枷も無く、まるで昔ながらの友人のように楽しそうに会話する彼女達に一切の蟠りは無いように思える。昨晩のように10人で円卓を囲み食べ始めた。
「そのまま、食指を続けながら聞いてくれ」
そう言った隆之は9人全員を見回し話し始めた。

まず地下室に残る平山未希の調教は恵に任せ、それ以外は恵が応援要請した場合のみ必要に応じて手助けを行う。但し、智花達5人については恵の助成を希望すれば無制限で認めると伝えたが、"罪滅ぼしの意味から助成するのが当たり前だとは分かっていますが、地下室には二度と足を踏み入れたく無いです"と5人が申し訳無さそうな顔で詫びるのて、隆之は了承した。過去に依子が同じ事を言ったのを知っている志津江達も頷いてくれた。
マンションの受入準備が出来たので、4日後の朝、智花達5人を連れ戻り離婚交渉を本格的に始める。既に森下製作所の顧問弁護士が所属する法律事務所から若手弁護士を数人派遣して貰い予備交渉は始めていた。菜々江の娘については、かなり危ない状態だったので離婚後に取り敢えず生活して貰うマンションに退避させたと伝えると、菜々江は安心したのか涙を流して喜んでいた。

「と言う事で、私も5人と一緒に本宅に戻る事にした。離婚交渉の陣頭指揮に加え、データ流出問題を解決しなくてはならないので、当分は私も此処に戻って来れないと思う。よって、恵には3日で未希の心を折ってくれる事を希望する。痕の残る虐待以外なら何をやっても構わない」
「旦那さま、任せてください」
食事を終えると、恵はダイニングから出て行った。多分、着替えに戻ったのだろう。
「それで、志津江、早由利、由美、彼女達を連れ戻すのに、下着をちゃんと身に着けたとしても今のワンピースじゃ可哀想だと思うのだが?」
「セレブ夫人らしい服を用意しています」
「それで、今の服は」
「旦那さまに何時でも抱いて貰えるように、ノーバン、ノーブラ、ノーパンストでいるだけです。機会を平等に得られるよう同じ服にしているだけで、服には余り意味がありません」
志津江に此れ以上、何か言っても負かされるだけと、判断した隆之は何も答えず咳を立った。書斎で志津江に使われていた装置を手に取り、何か使い道が無いかとボォっと眺めていると、着替え終えたらしい恵がバスケットを持って入って来た。
「旦那さま、本気でやっちゃうから、期待しててね」
エレベーターで地下に降りた恵が心配になった隆之は少し遅れてエレベーターに乗り込んだ。
恵は、宮田と島田の2人にバナナを食べさせると、
「牝豚も食べさせて上げるわね」
と未希の口元にバナナを差し出すが、未希はそれを食べようとしないばかりか
「散々、男の慰み者にされた薄汚れた女が触れた物など、食べれる訳無いでしょ。この淫売女」
「確かに淫売女かも知れないけど私は人間。牝豚の分際で人語を喋るなど持っての他よ。今日から喋る言葉はブゥブゥだけ、それ以外は認めないから」
「私は人間なの、なんでアンタの言う事を聞かないといけないの?」
「雄猿2匹と牝豚1匹の飼主様から委託された家畜調教師、この場で私に逆らう事は私の旦那さまへの反逆行為と見做し厳しい躾をするだけ」
「そんな理不尽な、こんな事して唯で済むと思っているの。今すぐ解放すれば、許して上げるわ」
「はぁっ、人語で喋る許可など、私は与えていないわよ」
溜息を漏らし、怒りを露わにした強い口調で話した恵は皮製の女王様ドレスの裾を捲り太腿のホルダーから鞭を取出すと、パシッと勢い良く床を打ち付けた。
「貴女の画策では私が受けた調教を、牝豚と化した貴女にたっぷり味わわせて上げるわ」
「私は悪くない、悪いのはあの5人よ」
「牝豚の言葉はブゥブゥだと言ったでしょ」
パシッと今度は未希の直ぐ近くの床に鞭を飛ばす。
「あの5人は貴女と奈々美先生の2人に扇動されて、手を貸しただけ。今までの生活と決別する為、離婚するらしいわよ。親や旦那の財力に頼り切った生活しか出来ない貴女には絶対無理でしょうね。そうそう、智花さんと美冴さんの旦那さん、そして貴女の旦那さんとお父さんは自らの意思で辞職、株主総会での辞職勧告、株主代表訴訟、懲戒免職などで失職や財産差押とかになるらしいわ。政財界だけで無く法曹界でも粛清の嵐が吹荒れ、あるリストに名前があるらしいから雇用する公社や企業は皆無だろうから残った財産で細々と暮らすか、早々に財産を使い果たし野垂れ死ぬかのどちらかでしょうね」
「そんなの嘘よ!」
未希が叫んだ途端、恵の鞭がビシッビシッと未希の背中やお尻、そして豊満な97のI-cup乳房に躊躇無く何度も叩き付けられた。
「ヒィィッ、ウギャァァ、や、止めなさい、痛いから、止めなさいって言ってるでしょ!」
「牝豚のクセに人語で話した上に、命令口調なの。牝豚はブゥブゥだと何度教えれば分かるの、この馬鹿豚が」
ビシッ、ビシッとまた繰り返し打ち込まれる鞭、
「ヒギャァァ、ヒィィッ・・・」
「牝豚の悲鳴はブヒィィッでしょ」
ビシッ、ビシッと未希の背中、お尻、乳房に鞭の跡が刻まれて行く。そして、痛みに耐え切れなくなった未希が屈辱にワナワナ身体を震わせ
「ブヒィィィッ、ブヒィ、ブヒィ・・」
恵は振り上げた鞭を太腿のホルダーに戻すと
「痛い目を見ないと、自分の立場が理解出来ないとは馬鹿な牝豚ね」
未希の白い肌には鞭打たれた痛々しいミミズ腫れが無数に出来ていた。業界トップの紙業会社創業者一族の令嬢と育てたられた未希はおそらく親にさえ怒られた事が無いのだろう。
「縛り直すから、暴れたりしないでね」
足枷を床のフックから外した恵は太腿のホルダーから鞭を取出し、未希の巨乳を鞭で突っつきながら
「さあ、立ち上がりなさい」
後手縛りで中々立ち上がれない未希に少し苛立ちながらも、手を貸して立ち上がらせた恵は、膝上に腿枷を付け両方を連結すると、更に足首の枷を太い20cm程の鎖で繋いだ。
此れで未希はチョコチョコ歩きしか出来ない。次に後手に縛ったロープを解き、両手首に手枷を着けると、それも長めの鎖で繋いでしまう。
「それじゃ、先ずは左側の雄猿からフェラ抜きして貰おうかしら?」
「そんな汚い事、出来ません」
天井から吊られた寿也を見て嫌悪感丸出しで拒絶する未希。その未希を鋭い眼差しで睨んだ恵は、お尻に向けて数回鞭を打ち込んだ。
「牝豚はブゥブゥだと何度教えれば分かるの、本当に馬鹿豚ね。阿美さんの旦那にはフェラ奉仕出来ても、智花さんの旦那には出来ないのね」
「えっ?」
「その素っ裸の雄猿、島田電子工業 島田寿也社長、つまり智花さんの旦那よ。まあ、数日後には元旦那になってしまうけど」
恵は、そう言うと鞭を未希のお尻に打ち込み
「牝豚はブゥブゥでしょ。そんなに鞭が欲しいの」
その日、島田と宮田を相手にフェラ抜きとザーメン飲みを10回やらせ、更にバックで宮田と絡ませ数回中出しさせたところで終了となった。
翌日、翌々日も恵の基本調教は豚声、鞭打ち、フェラ奉仕とザーメン飲み、雄猿とのファックで、特別メニューで透明オマルへの排便と排尿程度のものだった。この透明オマルが留めだったらしく、予想外にも本気で反省していたので、他の5人と一緒に隆之が面倒を見る事になった。

洋館を立去る日の朝、早朝から志津江、早由利、由美の3人が恵を含む7人に入念な化粧を施し、セレブ夫人風の服に着替えさせていた。勿論、3人もバッチリメイクして良く似合った服で着飾っている。
エントランスのソファで寛いでいると、10人が姿を見せた時、誰も甲乙付け難い美女なのは解っていたが、ここまで若作りで着飾る必要が有ったのかと叫びたくなる出来栄えだった。
「志津江、彼女達6人の再出発の日だからと気合を入れてくれたのは一目見た分かった。しかし、化粧はともかく、このタイトドレスとハイヒールで樹海を抜けるのは無理じゃないのか?」
志津江は本当に何も考えていなかったようで、
「旦那さま、御免なさい!」
泣きそうな顔で見詰める志津江をこれ以上、追い詰める訳にいかない隆之が悩んでいると、古舘さんと黒沢さんが洋館に入って来た。
「森下会長、今日は美少女では無く、美女が10人ですか。相変わらずご盛んですね」
「この6人の門出だと志津江達が張り切り過ぎて、着飾らせてしまったのだが、この格好で樹海を歩かせるのはどうかと思うのだが、着替えさせるのもちょっと可哀想で」
「処置無しですね。黒沢さん、洋館取壊しの事前調査に配下を9人連れていましたよね」
「古舘さん、まさか私と配下で彼女達をマイクロバスまで運べと?」
「黒沢さんは嫌がるだろうから1人は残って貰います。ねぇ、この服を選定したのは志津江さんでしょ。森下会長、愛人の躾がなっていませんよ。罰として志津江さんのエスコートをお願いします」
古舘綾子の言葉で全てを悟った。此れは隆之に志津江をお姫様抱っこで表まで運ばせる為に画策されていた。多分、知らないのは隆之、智花達6人だけ、他の連中は全員グルだろう。
「黒沢さん、悪いですが配下の方々にお手数掛けます。志津江もそれで構わないな」
申し訳無さそうに黙って頷く黒沢さんと違って、仕手やったり顔で隆之の横まで歩み寄った志津江が
「旦那さまの抱っこで運んで貰えるなんて夢のようです」
心の中で"夢を実現する為、画策したのはお前だろ"と突っ込みを入れ、隆之は苦笑いしていた。
黒服にお姫様抱っこされ樹海に消えて行く9人を、志津江を抱っこしながら続く隆之が、隣を歩く古舘さんに
「どう見ても黒服に拐われた美女の構図ですね」
古舘さんは真面目な顔で
「森下会長と志津江さんも他人から見ると同じに見えますよ。まあ、前の彼女達も喜んでいるようなので、志津江さんを責めちゃ駄目ですよ」
「私を慕ってくれている限り、志津江達を無碍にしない。私にとってとても大切な女性達だから」
「ご馳走!」
古舘さんは軽く流してくれたが、腕に抱かれた志津江は目をウルウルさせ隆之を見詰めていた。実は、この件以外でも志津江は洋館を立去る際に、可愛い画策をしていた。
それはダイニングで使用した10人用円卓と椅子、ターンテーブル、書斎で使った2人用のダイニングテーブルと椅子、地下室の収納に有った小物淫具と各種枷類を入れた木箱、これらに志津江が印をつけていたようで翌々日、白川運輸が本宅に配送してくれた。
そして数日後、洋館を解体し始めたので、二度と樹海には近付くなと黒沢さんから連絡が有った。尚、地下室に残した島田と宮田は黒沢さんが別の場所に移したらしい。

白亜の洋館を出て取り敢えず、5人を周囲から美女マンション家族棟の割り当てた部屋に案内すると、取り敢えず生活に必要な道具だけで無く、下着からパジャマ、普段着、余所行きの服などが用意されている事に驚いていた。ただ、下着の中に今までの彼女達が見た事も無いセクシーな物がさり気無く数組紛れ込まして有ったと聞かされた。間違いなく、志津江と早由利が裏で操り誰かにやらしたのだろう。

菜々江の娘"菜津"ついては兄に犯されそうになっているところを監視していた黒沢さん配下に助けられ、数日だけ美女マンション独身棟に居て貰ったが、当日朝から美女マンション家族棟に移り部屋で待たせていた。
部屋の中で顔を合わせた母娘は涙を流して再会を喜んでいたので聞くまでも無いと思いながらも
「菜津ちゃん、お母さんは離婚するつもりなのだが、それについてどう思う」
「私は賛成です。父は外に愛人が居て、母を妻としてでは無く家政婦としか思っていません。兄が母を強姦して性力の吐口にしていたのも知っています。間違いなく兄は父の許可を得て母を犯していたと思います。兄が私を襲ったのは、さすがに父は知らないでしょうが、予感は持っていたはずです」
当日の内に弁護士を通して離婚承諾を迫るが、離婚は断じて拒否するの一点張りだった。また、外に愛人を囲っている事を理由にすると、息子と菜々江の肉体関係を風潮すると脅しまで掛けて来た。仕方無く、菜津への強姦未遂の件を口に出すと、菜々江が息子を誘惑したのが原因だと言い出した。それには隆之も切れて、母娘から強姦及び強姦未遂で息子を逮捕させると弁護士に言わせた。
翌日、友人の警官に頼み強姦事件について息子に任意同行を求めて貰うと、その日の内に離婚届けを弁護士事務所まで持って来た。
後日、娘の養育権や慰謝料などについて話し合う場を設けるが、"娘の親権さえ貰えれば、慰謝料など要らない。貴方からお金を貰うくらいなら野垂れ死んだ方がマシです"と菜々江の開口一番で円満解決となって無事離婚は成立した。
父親はそれで終わったが義理の息子は、菜々江の身体にかなり執着が有ったようで、学院帰りの菜津を着けて菜々江の住む美女マンションに侵入した事で警察に連行され厳しく説教されたが、自宅に帰る途中に黒沢さん配下の黒服に拉致されタコ殴りされた上に、菜々江と菜津から半径20m以内に近付く、又はネットで中傷するような事をすれば、東京湾で魚の餌にすると脅されたらしい。
タコ殴りで全治3ヶ月の重傷を負った義理の息子は、黒服の脅しが余程怖かったらしく退院後、自宅に戻るも部屋から一歩も出なくなった。いわゆる引き籠りだが、闇組織絡みの粛清が影響しワイロが効かなくなった菜々江の元旦那は息子と共に都落ちした事まではわかったが詳しい消息は不明である。

寿也に無理やり智花との離婚届けへサインさせていたのと、島田家兄弟の薄情さを大いに発揮してくれたので娘の蓮香の養育権も簡単に得られて、翌日には離婚成立となった。
こちらも親権を渡す条件として娘の遺産相続権及び養育費請求権と慰謝料の放棄を相手側から強く要求され智花はあっさり承知してサインをするが、"どうせ来月には支払い能力を失う相手なのだから、さっさと縁を切っておかないと"その場にいた島田家関係者に、はっきり聞こえる独言を態と漏らしていた。

花純の離婚は姑と上手くいっていなかったのと、息子の末次と娘の明日花が姑を酷く嫌っていたことから離婚と親権取得をあっさり認めて貰えた。姑が先妻の子供を馬鹿可愛がっているので、慰謝料、養育費は一切払う気は無いと旦那側から言われると、"マザコン野郎と別れられて清々しているわ。特に私の子供は貴方の母親をお婆ちゃんと呼ばなくて良くなって喜んでいるわ。貴方からお金を貰う気はありませんから、私達の前に二度と姿を現さないでくださいね"と念書に追記させていた。
数年後、窶れた様子の姑と元旦那が末次と明日花の前に姿を見せたが、2人はきっぱり"二度と母と僕達に近付かない約束をしているのを忘れないで下さい"と言い切り相手に一言も喋らせないまま、通り過ぎた。その時、同行していた隆之は相手が見えなくなってから思わず2人を抱き締めていた。その時、明日花が"私と兄にはお母さんと小父さまが居てくれるから、それで十分幸せです"と小さく呟いたのが印象に残っている。

未希は娘の未祐の親権と離婚交渉共に呆れるほど、あっさり旦那側が了承して完了となった。
未祐が"母が親権を持つのは構わないけど、同居するのは嫌です"と言うので、未祐は美女マンション独身棟に暫く住ませ、未希は隆之の本宅に同居させる事になった。
1年余り、別居状態となっていたが、志津江達が根気良く未祐を説得した結果、同居を了解してくれた。同居後、未祐が隆之に"小父さまを見る母の目は完全に恋する乙女の目、食べられちゃったのがモロ分かりなんですけど。志津江さんや詩織さんに比べると下手だけど、私に一生懸命料理を作ってくれるような母にしてくれて凄く感謝してるわ。でも、母を捨てたりしたら許さないから"と言った。

阿美が離婚交渉を始めると、旦那側も弁護士を立て娘の親権要求と慰謝料を要求して来た。仕方無いので交渉の場に未希を連れて行くが、未希が離婚した事を知らない旦那は強気の主張を繰り返していた。
ところが、未希が"離婚した上で阿美さんに許しを貰っているから、貴方との浮気を公表しても構いませんけど"と口にすると娘の親権引渡しと離婚を承諾してくれた。旦那側弁護士が養育費などについて話を始めると"養育費、慰謝料は一切必要有りません。その代わり娘との面会、接触は金輪際認めません"と言うと父親として面会の権利を主張するので、父親とその関係者側から娘に接触、連絡する事は全面禁止。但し、娘が自分の意思で面会を希望した場合は例外的に認めるとした。

美冴の離婚、美々の親権交渉は旦那側がUAJ銀行顧問弁護士に委託した事で一向に進展せず、美冴側弁護士の助言もあり、一旦別居と言う形で手打ちとなった。
実は、この時に美冴からある提案が出され、離婚届けと美々の親権を美冴に譲ると言う誓約書をUAJ銀行顧問弁護士預かりにしていたのだ。当然、美冴側弁護士も立会預かり確認証明を交わしているので、旦那側の判断で処分は出来ない。
その提案とは、旦那が半年以内に反社会的理由で頭取を辞任もしくは免職した場合、離婚の承諾、美々の親権は母の美冴とする事とした。突拍子の無い、提案に旦那側弁護士は無視を決め込むが、自分が近々粛清されるなど思っていない本人が美冴を小馬鹿にしたように笑いながら条件を口にした。
条件とは
①半年過ぎても頭取を続けていた場合は、別居は解消、二度と離婚を口にしない。
②辞任もしくは免職とならない限り、離婚及び養育権、別居の件は一切秘密にする。
③離婚が成立し、美冴が美々の親権を得ても、美冴は慰謝料、養育費は一切請求しない。美々は遺産相続権を放棄する
の三つだった。美冴は何時の間に用意していたのか、離婚届けと誓約書2部用意して旦那に差し出し、"貴方の三条件も既に記載して有ります。美々の親権と面接権を貴方が永久に放棄する事と、離婚後は私と美冴に一切の接触、連絡は行わない。ネットでの庇護中傷は一切行わないとの記載を追加していますが、記名捺印をお願いしますわ。私は既に終えていますので"と話した。
旦那が記名と捺印を終えると、美冴は離婚届けと誓約書1部を旦那の弁護士に渡し、残りの誓約書1部を自分の弁護士に渡した。
"弁護士さん、今日から最長で180日後までしっかり保管をお願いしますね。貴方、誓約書に同意頂けて凄く嬉しいです。多分、もう、お会いする事は無いと思いますので、それじゃ、失礼します"と頭を下げると、さっさと部屋から出て行った。
慌てて美沙の弁護士と一緒に部屋を出て美冴を追った隆之だが、部屋から僅か数メートルと離れていない場所の床に腰を落として震えていた。
美冴の肩にそっと手を掛けた時、"何だあの態度は・・・"部屋の中から間淵頭取の怒鳴り声が聞こえて来た。恐怖に震える美冴を隆之はそっと抱き起こし駐車場に向かって歩き始めた。
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