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サイドストーリー マーキュリー③
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金星から水星に戻った。俺は、家の修繕をするために、木材や釘などを買いにネーヴェ城下町に来ていた。
買った木材たちはカプセルに入れて、持ち運んだ。マーズに作ってもらった特注のカプセルのため、収納は大きい。
モンスター退治の報酬金があるため、それで買っている。どの惑星でも通貨が一緒なのは助かる。物価は違うが。
全惑星世界会議によって、通貨や言語が統一されたのは、いつのことだったか。だいぶ前な気もするし、最近だった気もする。
そして、今年か来年あたりに火星で世界会議が行われるはずだ。三年に一度、行われる。世界会議が行われる惑星……国はお祭り騒ぎになる。様々な惑星、国から王族や統治者が集まるのだ。警備も大変だ。
街の中を歩いていると見知った顔が見えた。サターンと同じ薄紫色の短い髪に、緑とピンクが混ざった瞳の少年だ。耳がエルフより長く、街の人たちの目をひいている。
「プルート。珍しいな」
「やっほー。ジュピターに会って、変なやつが現れたって聞いてさ」
プルートは冥王星の惑星守護神だ。人が住まない惑星で、たまに他の惑星に遊びに来ている。
「マーキュリーたちの命を狙ったんだろ?」
「まあな」
俺たちが城下町を歩きながら、会話をした。
「金星でも他のやつがねえ」
「ああ。多分、長寿種が関わっていると思う」
「そうだろうね。僕らを知るなんて、なかなかできることじゃない」
「ああ」
「アルファ団に連絡を取ってみる?」
アルファ団……ヴァンパイアだけの組織で、ヴァンパイア全体を管理している。
「団長は旅の途中だろ。どうやって、連絡を取るんだよ」
「うーん。それはそうだね」
アルファ団の中でも幹部と団長しか、俺たちのことは知らない。情報を簡単に流すような、ゆるい幹部たちでもないしな。
「考えても仕方ない。警戒して、次のやつらが来るのを待つしかない」
「気をつけてね」
「ああ。プルートも俺といる時は気をつけろよ」
「こうやって話てる分には大丈夫じゃない?」
「見た目が目立つ」
「むう。わかってる!」
プルートは頬を膨らませて、そっぽを向いた。
惑星守護神と言っても、俺やマーズなどの耳がエルフと同じく、とんがっている者と、プルートのように耳が長い者に分かれている。
また、太陽から離れている惑星ほど、魔力量が多い。そのため、プルートは一番魔力量が多い。まあ、それと戦闘能力の強さは比例していないが。
プルートたち以外に耳の長い種族はいない。そのため、何の種族なのかという奇異の目に晒されているのだ。金星では堂々と歩けないだろうな。あそこは種族差別が激しい。
「そういえば、ムーンのやつ、あそこから帰って来ないよね」
ムーンとは、惑星守護神の中でも変わった立ち位置のやつだ。月の守護神で、月は惑星ではない。
今は、ここにはいない。
「忙しいんだろう」
「ふーん。神様モドキになんで仕えているんだろうね」
「気にしても仕方ない」
「んだよー。大人ぶりやがってさー」
「プルートが子どもすぎる」
「そんなことないし!」
「俺はムーンより、スターの方が気になるけど」
「スターね。かなり会ってないなー」
スターは惑星守護神でもあるし、全く違う者でもある。
「アルトノスあたりが、どこにいるか知っているだろう」
俺がそう言うと、プルートは興味なさそうに返事をした。
その時、プルートの髪が逆立ったように見えた。
「げげげ!」
プルートは俺の後ろに隠れる。
何だと思い、プルートの視線の先を見ると、プルートと同じ長い耳を持った二人組が立っていた。
ピンクのツインテールの海王星の守護神、ネプチューン。
緑の長い髪を後ろで束ねている天王星の守護神、ウラヌス。
二人はほぼ無表情で、こちらに歩いてきた。
「ネプチューンとウラヌスも来てたのか」
「マーキュリー久しぶり」
ネプチューンが抑揚のない声でそう言った。
ウラヌスは俺をちらりと見ただけで、何も言わない。
この二人はかなり異質な惑星守護神だ。表情はほとんど変わらないし、ネプチューンとウラヌスがプルート以外と一緒にいることはあまりない。会うのは何十年ぶりだ?
「何しに来たんだよ!」
プルートが叫ぶ。
「途中だったから」
ネプチューンはそう言って、一歩前に出る。
「や、やめろ。来るな……」
プルートは怯えたように震える。
「あー。いつものか。まだ、やってるのか?」
俺は呆れてしまい、プルートを前に突き出した。
「マーキュリーの薄情もの!」
いつものプルートいじめだな。
この二人が唯一笑顔になるのが、プルートをいじめてる時だ。
まあ、いじめと言っても、顔をベタベタ触ったり、髪の毛で遊んだりしている程度らしいが。
「少しくらい良いだろ」
「少しじゃないんだよ! こいつら、常に無言でベタベタ触ってくるし!」
「可愛がられてるんだろ」
「僕の立場になってみろー!」
プルートは、ネプチューンとウラヌスに引っ張られて、街の奥へと消えていってしまった。
買った木材たちはカプセルに入れて、持ち運んだ。マーズに作ってもらった特注のカプセルのため、収納は大きい。
モンスター退治の報酬金があるため、それで買っている。どの惑星でも通貨が一緒なのは助かる。物価は違うが。
全惑星世界会議によって、通貨や言語が統一されたのは、いつのことだったか。だいぶ前な気もするし、最近だった気もする。
そして、今年か来年あたりに火星で世界会議が行われるはずだ。三年に一度、行われる。世界会議が行われる惑星……国はお祭り騒ぎになる。様々な惑星、国から王族や統治者が集まるのだ。警備も大変だ。
街の中を歩いていると見知った顔が見えた。サターンと同じ薄紫色の短い髪に、緑とピンクが混ざった瞳の少年だ。耳がエルフより長く、街の人たちの目をひいている。
「プルート。珍しいな」
「やっほー。ジュピターに会って、変なやつが現れたって聞いてさ」
プルートは冥王星の惑星守護神だ。人が住まない惑星で、たまに他の惑星に遊びに来ている。
「マーキュリーたちの命を狙ったんだろ?」
「まあな」
俺たちが城下町を歩きながら、会話をした。
「金星でも他のやつがねえ」
「ああ。多分、長寿種が関わっていると思う」
「そうだろうね。僕らを知るなんて、なかなかできることじゃない」
「ああ」
「アルファ団に連絡を取ってみる?」
アルファ団……ヴァンパイアだけの組織で、ヴァンパイア全体を管理している。
「団長は旅の途中だろ。どうやって、連絡を取るんだよ」
「うーん。それはそうだね」
アルファ団の中でも幹部と団長しか、俺たちのことは知らない。情報を簡単に流すような、ゆるい幹部たちでもないしな。
「考えても仕方ない。警戒して、次のやつらが来るのを待つしかない」
「気をつけてね」
「ああ。プルートも俺といる時は気をつけろよ」
「こうやって話てる分には大丈夫じゃない?」
「見た目が目立つ」
「むう。わかってる!」
プルートは頬を膨らませて、そっぽを向いた。
惑星守護神と言っても、俺やマーズなどの耳がエルフと同じく、とんがっている者と、プルートのように耳が長い者に分かれている。
また、太陽から離れている惑星ほど、魔力量が多い。そのため、プルートは一番魔力量が多い。まあ、それと戦闘能力の強さは比例していないが。
プルートたち以外に耳の長い種族はいない。そのため、何の種族なのかという奇異の目に晒されているのだ。金星では堂々と歩けないだろうな。あそこは種族差別が激しい。
「そういえば、ムーンのやつ、あそこから帰って来ないよね」
ムーンとは、惑星守護神の中でも変わった立ち位置のやつだ。月の守護神で、月は惑星ではない。
今は、ここにはいない。
「忙しいんだろう」
「ふーん。神様モドキになんで仕えているんだろうね」
「気にしても仕方ない」
「んだよー。大人ぶりやがってさー」
「プルートが子どもすぎる」
「そんなことないし!」
「俺はムーンより、スターの方が気になるけど」
「スターね。かなり会ってないなー」
スターは惑星守護神でもあるし、全く違う者でもある。
「アルトノスあたりが、どこにいるか知っているだろう」
俺がそう言うと、プルートは興味なさそうに返事をした。
その時、プルートの髪が逆立ったように見えた。
「げげげ!」
プルートは俺の後ろに隠れる。
何だと思い、プルートの視線の先を見ると、プルートと同じ長い耳を持った二人組が立っていた。
ピンクのツインテールの海王星の守護神、ネプチューン。
緑の長い髪を後ろで束ねている天王星の守護神、ウラヌス。
二人はほぼ無表情で、こちらに歩いてきた。
「ネプチューンとウラヌスも来てたのか」
「マーキュリー久しぶり」
ネプチューンが抑揚のない声でそう言った。
ウラヌスは俺をちらりと見ただけで、何も言わない。
この二人はかなり異質な惑星守護神だ。表情はほとんど変わらないし、ネプチューンとウラヌスがプルート以外と一緒にいることはあまりない。会うのは何十年ぶりだ?
「何しに来たんだよ!」
プルートが叫ぶ。
「途中だったから」
ネプチューンはそう言って、一歩前に出る。
「や、やめろ。来るな……」
プルートは怯えたように震える。
「あー。いつものか。まだ、やってるのか?」
俺は呆れてしまい、プルートを前に突き出した。
「マーキュリーの薄情もの!」
いつものプルートいじめだな。
この二人が唯一笑顔になるのが、プルートをいじめてる時だ。
まあ、いじめと言っても、顔をベタベタ触ったり、髪の毛で遊んだりしている程度らしいが。
「少しくらい良いだろ」
「少しじゃないんだよ! こいつら、常に無言でベタベタ触ってくるし!」
「可愛がられてるんだろ」
「僕の立場になってみろー!」
プルートは、ネプチューンとウラヌスに引っ張られて、街の奥へと消えていってしまった。
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