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40.作戦
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沙羅は研究所に直接赴き、パターソン所長との面会を希望した。
「私の婚約者が所長に会いに行くと言ったまま連絡が取れない」
受付係の女性にそう伝言を頼んだ。もちろん嘘だが、会う予定があったと知れれば崚介が事件に巻き込まれた際、ジョン・パターソンが容疑者に上る。それは向こうも避けたいはずだ。
しばらくして受付係はジョンが外出していると沙羅の訪問を断った。沙羅は一度おとなしく引き下がることにした。伝言がジョンに伝わっていれば、きっと動くはず。
その日の夕方、想定通りジョン本人から連絡があった。沙羅はジョンの言葉に従い、一人で研究所を再訪した。
「ジョン! 崚介を知りませんか。二日前から帰ってこなくて」
黒幕のその男は、親切な紳士の顔をして沙羅を宥めた。
「二日くらい、心配しすぎじゃないか?」
「彼はFBI捜査官なんです」
ジョンは驚いた様子だったが、どことなく演技めいている。やはり知っていたのだろう。疑って見ていないとわからないほどだから、大した役者だ。
「それは……だが、それなら何か事件の捜査中なんじゃないか」
「彼は職場も無断欠勤していて、失踪扱いなんです。きっとなにかあったんです」
「なにか思い当たることはあるのかい?」
「母の研究資料、あれは悪い組織に悪用される危険を孕んだ研究です。だから最初にここを訪れたとき、彼についてきてもらいました。彼は私の両親の死に疑問を抱いたらしく、私にも内緒で調べていたみたいで」
「それで、なにかわかったことは?」
「彼は私の両親の弁護士に会ったそうです。そして何か手がかりを得たようでした。それで専門的な意見を聞くためにパターソン科学研究所に行くと電話がありました」
ジョンは何かを考えるように少し黙ったあと、重々しく口を開いた。
「彼は本当に信用できるのか。その弁護士、亡くなったとニュースでやっていた」
「それは」
「君は彼のことをどのくらい知っている? 彼との付き合いはどのくらいなんだ」
「その……」
「本当にFBI捜査官なのか? 彼と付き合ってどのくらい?」
「私たちは長く離れていて、再会したのは最近です。でも、私は彼を愛しています。私たちには娘もいるんです」
「娘……⁉ まさか君に、子どもが?」
ジョンは心底驚いているようだった。そして沙羅を憐れむようにこう告げた。
「愛は時に、判断を鈍らせる」
「彼と再会したのは、FBIの協力者になるためです。私はそれからずっと彼と行動をともにしていました。彼は信頼できる人です」
「しかし」
「彼は元々、とある裏組織に潜入捜査していたんです。けれど正体がばれて、捜査ではなく私の護衛を命じられました。それでも捜査を続けていた。きっとあと一歩のところまで手がかりを掴んでいたんです。けれど相原弁護士が殺害されて、今は行方がわかりません。FBIは彼を最重要容疑者に認定しました。彼が二重スパイだったと。でもそんな人じゃないんです。お願いですジョン。力を貸してください。きっと母の資料に手がかりがあります」
愛に判断力を失った馬鹿な女に映っただろうか。
ジョンは渋々といった様子で頷いた。
「わかった。ただ所長として、研究所を犯罪に関わらせることはできない。私個人として協力しよう」
「ありがとうございます!」
「これ以上はここで話すわけにいかない。私の自宅へ。ある程度の機材もそろっているから」
ジョンの誘いに乗って二人で研究所を出た。沙羅の思惑通り、その直後、拉致誘拐された。薬品をかがされて意識を失った。そして目が覚めた時には郊外の廃墟となった別荘にいた。
そして現在。床に引き倒されたジョンは、わけがわからないという様子だった。周囲のFBIやDEAの捜査官たちを前に信じられないという顔をしている。
「どうやってここが……」
「私の体には、米国に入ったときからGPSが取り付けられているんだよ。一度も外していない」
「馬鹿な! あのネックレスはザックが破壊したはずだ。サオリの形見を真似た悪趣味なあれは」
「さすがにあれが盗聴器だと知れていたんだな。だがGPSはそこじゃない。私の体に直接埋め込まれていた」
FBIが用意した最新のチップが、耳の裏側に埋め込まれている。渡米した当日、カレンに注射器で入れられたものだ。沙羅は最初から隠れ家への案内役だったのだ。崚介と同じ場所に運ばれるかは賭けだった、運がよかった。
ジョンが愕然とする。やはりある程度のボディチェックはされていたようだ。
「母の遺したメッセージを見つけた。アスモデウスの原料たるアズモスの仕入れルートも。納入先はパターソン科学研究所になっていた。あなたの犯罪の証拠だ。もう終わりだよ。ジョン・パターソン」
そのとき、物陰から殺気を感じた。
「沙羅!」
崚介が叫ぶ。それよりも早く沙羅は横に飛んで銃弾を回避した。かろうじて銃弾は避けたが、そのせいでジョンから銃口を逸らしてしまった。失態だ。思わず舌打ちした。
その銃弾を合図に、次々と物陰から銃が発砲された。ジョンの部下たちだろう。あっという間に銃撃戦の戦場となり果てる。
「やめろ! 彼女を殺す気か!」
銃声の中、声を張り上げたのはジョンだ。ジョンは沙羅に――いや、さおりに執着している。生かして捕らえたいらしい。ならばまだ終わりじゃない。
組織の構成員が沙羅を捕えようと近づいてくる。誘拐が目的なのだから、直接触れる距離だ。しかも殺すことができない。その隙を正確に見抜き、沙羅は男たちを引き倒していった。銃よりこちらの方が得意だ。
銃撃戦が始まり、崚介は沙羅が奪ったジョンの銃で参戦していたが、すぐに弾切れになった。銃を投げ捨て物陰を探す。するとFBIの盾を持った同僚たちが崚介を庇ってくれた。ウィルが銃を寄越してくれる。
「無事でよかった」
「このままハチの巣にならなかったら、もう一回言ってくれ」
崚介の軽口に、ウィルが薄く笑った。
「違いない」
「コールマン捜査官!」
防弾ベストで着ぶくれたルイスが駆け寄ってくる。銃が苦手らしく、彼は後方支援だそうだ。
銃撃戦に加わるつもりで弾を確認していると、ルイスが喚いた。
「三日も監禁されてたんだよ⁉ 下がってなよ。僕サラに怒られるの嫌だからね!」
「俺は平気だ。それより沙羅は!」
「彼女なら心配なさそうだ」
ウィルの言葉に視線をやると、沙羅はかつての同僚たちの支援を受けながら、次々敵をなぎ倒していた。それも素手で。荒々しい銃撃戦のさなか、彼女だけがまるで日本舞踊でも舞っているかのように軽やかに戦っている。危なげない様子に、崚介は素直に感心してしまった。
「あんなに強かったのか」
呆然と呟く崚介に、ルイスがふん、と鼻を鳴らした。
「体質だけで潜入捜査官に選ばれるほどDEAは甘くないよ。彼女はアイキドゥの達人だ。ケンドゥとイアイの心得もあるらしい」
合気道に剣道に居合。
「柔道もか?」
「習ったことはあるけど体重が軽いからあまり向かなかった、なんて言ってたな」
「日本武道のデパートか、彼女は。男だからボディーガードになろうだなんて自惚れだったな。昔も今も」
己の慢心を恥じていると、ルイスは否を唱えた。
「いや、彼女銃の扱いはほどほどだし、なにより自分の安全をおろそかにするところがあるから丁度良かったんじゃないかな?」
意外な言葉に少しだけ慰められた。
「そうかな」
「そうだよ。防弾ベストも嫌って着ないし」
「は?」
思わず間抜けな声が出た。確かに、彼女の服装はかなり身軽だ。誘拐――おそらく作戦の内だろうが――されたのだから当然といえば当然だが、ならば何故後方に下がらない。
「これって結構重いだろ? 着ていると余計動きが制限されて当たるから嫌なんだってさ。着ていても当たればダメージを受けて動けなくなるとか言い訳してたよ」
「いやいやいや。気持ちは少しわかるが、駄目だろう。ここは日本じゃないんだぞ⁉」
それを聞いた崚介も非難めいた視線を向けた。
「僕にそんな目向けないで。マイク……うちの上司が昔から彼女によく怒ってたよ。自分が潜入捜査官に推薦したくせに、表向きあまり評価してないようなふりしてさ」
「彼女の無茶を止めるためか?」
「そういうこと」
「なんていうか、君たちの上司に感謝だな」
「彼女にとっては『元』上司だよ。今は恋人の君が責任持ちなよ」
「恋人、か」
「なに」
「いや」
沙羅が崚介を恋人と認識しているのか、正直微妙だ。『愛していた』とは言われたが過去形だった。怜の父親として今も憎からず思っているだろうし、だからこそ肌を許してくれたのだろうが、実のところ今の沙羅が崚介を愛しているのかはわからない。弱っている彼女につけ込んだ自覚はある。
たとえ愛してくれていたとしても、沙羅にとっては怜が最優先事項だ。怜との生活を守るために渡米したのだから、この件が解決したら崚介とは別れるつもりなのかもしれない。それをはっきりさせることが怖くて、崚介も明確な言葉を使えないでいた。
「私の婚約者が所長に会いに行くと言ったまま連絡が取れない」
受付係の女性にそう伝言を頼んだ。もちろん嘘だが、会う予定があったと知れれば崚介が事件に巻き込まれた際、ジョン・パターソンが容疑者に上る。それは向こうも避けたいはずだ。
しばらくして受付係はジョンが外出していると沙羅の訪問を断った。沙羅は一度おとなしく引き下がることにした。伝言がジョンに伝わっていれば、きっと動くはず。
その日の夕方、想定通りジョン本人から連絡があった。沙羅はジョンの言葉に従い、一人で研究所を再訪した。
「ジョン! 崚介を知りませんか。二日前から帰ってこなくて」
黒幕のその男は、親切な紳士の顔をして沙羅を宥めた。
「二日くらい、心配しすぎじゃないか?」
「彼はFBI捜査官なんです」
ジョンは驚いた様子だったが、どことなく演技めいている。やはり知っていたのだろう。疑って見ていないとわからないほどだから、大した役者だ。
「それは……だが、それなら何か事件の捜査中なんじゃないか」
「彼は職場も無断欠勤していて、失踪扱いなんです。きっとなにかあったんです」
「なにか思い当たることはあるのかい?」
「母の研究資料、あれは悪い組織に悪用される危険を孕んだ研究です。だから最初にここを訪れたとき、彼についてきてもらいました。彼は私の両親の死に疑問を抱いたらしく、私にも内緒で調べていたみたいで」
「それで、なにかわかったことは?」
「彼は私の両親の弁護士に会ったそうです。そして何か手がかりを得たようでした。それで専門的な意見を聞くためにパターソン科学研究所に行くと電話がありました」
ジョンは何かを考えるように少し黙ったあと、重々しく口を開いた。
「彼は本当に信用できるのか。その弁護士、亡くなったとニュースでやっていた」
「それは」
「君は彼のことをどのくらい知っている? 彼との付き合いはどのくらいなんだ」
「その……」
「本当にFBI捜査官なのか? 彼と付き合ってどのくらい?」
「私たちは長く離れていて、再会したのは最近です。でも、私は彼を愛しています。私たちには娘もいるんです」
「娘……⁉ まさか君に、子どもが?」
ジョンは心底驚いているようだった。そして沙羅を憐れむようにこう告げた。
「愛は時に、判断を鈍らせる」
「彼と再会したのは、FBIの協力者になるためです。私はそれからずっと彼と行動をともにしていました。彼は信頼できる人です」
「しかし」
「彼は元々、とある裏組織に潜入捜査していたんです。けれど正体がばれて、捜査ではなく私の護衛を命じられました。それでも捜査を続けていた。きっとあと一歩のところまで手がかりを掴んでいたんです。けれど相原弁護士が殺害されて、今は行方がわかりません。FBIは彼を最重要容疑者に認定しました。彼が二重スパイだったと。でもそんな人じゃないんです。お願いですジョン。力を貸してください。きっと母の資料に手がかりがあります」
愛に判断力を失った馬鹿な女に映っただろうか。
ジョンは渋々といった様子で頷いた。
「わかった。ただ所長として、研究所を犯罪に関わらせることはできない。私個人として協力しよう」
「ありがとうございます!」
「これ以上はここで話すわけにいかない。私の自宅へ。ある程度の機材もそろっているから」
ジョンの誘いに乗って二人で研究所を出た。沙羅の思惑通り、その直後、拉致誘拐された。薬品をかがされて意識を失った。そして目が覚めた時には郊外の廃墟となった別荘にいた。
そして現在。床に引き倒されたジョンは、わけがわからないという様子だった。周囲のFBIやDEAの捜査官たちを前に信じられないという顔をしている。
「どうやってここが……」
「私の体には、米国に入ったときからGPSが取り付けられているんだよ。一度も外していない」
「馬鹿な! あのネックレスはザックが破壊したはずだ。サオリの形見を真似た悪趣味なあれは」
「さすがにあれが盗聴器だと知れていたんだな。だがGPSはそこじゃない。私の体に直接埋め込まれていた」
FBIが用意した最新のチップが、耳の裏側に埋め込まれている。渡米した当日、カレンに注射器で入れられたものだ。沙羅は最初から隠れ家への案内役だったのだ。崚介と同じ場所に運ばれるかは賭けだった、運がよかった。
ジョンが愕然とする。やはりある程度のボディチェックはされていたようだ。
「母の遺したメッセージを見つけた。アスモデウスの原料たるアズモスの仕入れルートも。納入先はパターソン科学研究所になっていた。あなたの犯罪の証拠だ。もう終わりだよ。ジョン・パターソン」
そのとき、物陰から殺気を感じた。
「沙羅!」
崚介が叫ぶ。それよりも早く沙羅は横に飛んで銃弾を回避した。かろうじて銃弾は避けたが、そのせいでジョンから銃口を逸らしてしまった。失態だ。思わず舌打ちした。
その銃弾を合図に、次々と物陰から銃が発砲された。ジョンの部下たちだろう。あっという間に銃撃戦の戦場となり果てる。
「やめろ! 彼女を殺す気か!」
銃声の中、声を張り上げたのはジョンだ。ジョンは沙羅に――いや、さおりに執着している。生かして捕らえたいらしい。ならばまだ終わりじゃない。
組織の構成員が沙羅を捕えようと近づいてくる。誘拐が目的なのだから、直接触れる距離だ。しかも殺すことができない。その隙を正確に見抜き、沙羅は男たちを引き倒していった。銃よりこちらの方が得意だ。
銃撃戦が始まり、崚介は沙羅が奪ったジョンの銃で参戦していたが、すぐに弾切れになった。銃を投げ捨て物陰を探す。するとFBIの盾を持った同僚たちが崚介を庇ってくれた。ウィルが銃を寄越してくれる。
「無事でよかった」
「このままハチの巣にならなかったら、もう一回言ってくれ」
崚介の軽口に、ウィルが薄く笑った。
「違いない」
「コールマン捜査官!」
防弾ベストで着ぶくれたルイスが駆け寄ってくる。銃が苦手らしく、彼は後方支援だそうだ。
銃撃戦に加わるつもりで弾を確認していると、ルイスが喚いた。
「三日も監禁されてたんだよ⁉ 下がってなよ。僕サラに怒られるの嫌だからね!」
「俺は平気だ。それより沙羅は!」
「彼女なら心配なさそうだ」
ウィルの言葉に視線をやると、沙羅はかつての同僚たちの支援を受けながら、次々敵をなぎ倒していた。それも素手で。荒々しい銃撃戦のさなか、彼女だけがまるで日本舞踊でも舞っているかのように軽やかに戦っている。危なげない様子に、崚介は素直に感心してしまった。
「あんなに強かったのか」
呆然と呟く崚介に、ルイスがふん、と鼻を鳴らした。
「体質だけで潜入捜査官に選ばれるほどDEAは甘くないよ。彼女はアイキドゥの達人だ。ケンドゥとイアイの心得もあるらしい」
合気道に剣道に居合。
「柔道もか?」
「習ったことはあるけど体重が軽いからあまり向かなかった、なんて言ってたな」
「日本武道のデパートか、彼女は。男だからボディーガードになろうだなんて自惚れだったな。昔も今も」
己の慢心を恥じていると、ルイスは否を唱えた。
「いや、彼女銃の扱いはほどほどだし、なにより自分の安全をおろそかにするところがあるから丁度良かったんじゃないかな?」
意外な言葉に少しだけ慰められた。
「そうかな」
「そうだよ。防弾ベストも嫌って着ないし」
「は?」
思わず間抜けな声が出た。確かに、彼女の服装はかなり身軽だ。誘拐――おそらく作戦の内だろうが――されたのだから当然といえば当然だが、ならば何故後方に下がらない。
「これって結構重いだろ? 着ていると余計動きが制限されて当たるから嫌なんだってさ。着ていても当たればダメージを受けて動けなくなるとか言い訳してたよ」
「いやいやいや。気持ちは少しわかるが、駄目だろう。ここは日本じゃないんだぞ⁉」
それを聞いた崚介も非難めいた視線を向けた。
「僕にそんな目向けないで。マイク……うちの上司が昔から彼女によく怒ってたよ。自分が潜入捜査官に推薦したくせに、表向きあまり評価してないようなふりしてさ」
「彼女の無茶を止めるためか?」
「そういうこと」
「なんていうか、君たちの上司に感謝だな」
「彼女にとっては『元』上司だよ。今は恋人の君が責任持ちなよ」
「恋人、か」
「なに」
「いや」
沙羅が崚介を恋人と認識しているのか、正直微妙だ。『愛していた』とは言われたが過去形だった。怜の父親として今も憎からず思っているだろうし、だからこそ肌を許してくれたのだろうが、実のところ今の沙羅が崚介を愛しているのかはわからない。弱っている彼女につけ込んだ自覚はある。
たとえ愛してくれていたとしても、沙羅にとっては怜が最優先事項だ。怜との生活を守るために渡米したのだから、この件が解決したら崚介とは別れるつもりなのかもしれない。それをはっきりさせることが怖くて、崚介も明確な言葉を使えないでいた。
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