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1-時限式爆弾
製造年月
しおりを挟む食堂で見せモンにされてそれから。
人気のないとこまで移動した先、きっかり先輩に捕まってごねられた。「ちゃんと話してくれるまで離さないもんっ」じゃねーのよ。この後ホントに用事あンの。事務室いかなきゃダカラ。てか先輩も3限あンでしょうが。わァーった、わーかったから。待ってる待っーてますて。ハイハイ。オレが悪かったです、逃げませんて。
てな流れで拘束を緩めてくれない腕からやっとこさ抜け出して、今はキャンパス玄関口・メイン棟からかけ離れた、道ハズレにあるベンチで依澄サンが終わるのを待っている。ここは先輩とオレのいつもの集合場所で、学内の植林の位置的に見つかりにくいトコ。
それに向かいの通路先には隠れた喫煙所もあるから合流にちょーどいーのだ。オレ?吸わねーよあんなクセーもん。百害あって一利なしどころか、オレにとっちゃ万害ありますわ。
そんなことより。どうしたもんかとベンチに覗けりながら空を見上げてマスクを下げる。冬のカラッとした外気に触れて、少しの息苦しさから解放される気がした。
さてはて先輩への言い訳でも考えますか。笑
ーー「ねぇ駿。俺、駿のことが好きなんだ。俺に駿をちょうだい、お願い。」ーー
この間、依澄サンと出掛けた夜を思い返してみる。
いやー、流石はヤリチン男。たしかにあの顔にあんな風に口説かれちゃ、女は一溜りもないわな。元カノごめんな。お前もあんな男に遊ばれてさぞ大変だったな知らんけど笑
あれは高校生の、たしか高一とかだったと思う。付き合ってた彼女と他校の制服着た男がばりばりヤッてるとこに鉢合わせした。他部活のマネージャーだったんだけど、いつも迎えに行く部室開けたらドーン!だよ。黒髪の清楚な彼女が男の首に腕を回して股おっぴろげて。普通トラウマもんだからな?いやまず校内でやめろて。せめて見つからんように努力しろよ。浮気に大胆過ぎるだろ。
とまぁ、今だから笑い事だけど、あんときゃ年相応に動揺した。持っていた教材がミチミチに詰まった鞄も、何より大事にしてた弓ですら丸ごと地面に叩き落として、ガシャンって嫌な音がした。
彼女のことはその当時かなり好きだったと思う。部活が何より最優先で、弓引くのが一番楽しくて、生活の中心だったオレに、『部活に真っ直ぐなしゅん君がカッコ良くて好き』と言ってくれた。しかしながら。これだよな。
部室のドアを一旦ピシャリと閉じてグルグルする頭ン中で、急転直下で気持ちが冷えていく感じがして、もう一度轟音鳴らして開け放った扉の向こう。男と目が合った。ふわっとした軟派な男が不思議そうにこちらを見ている。そしたらもうなんか全部バカらしくなったのを覚えている。
そこからというものの、オレは自ずと取り出したスマホで現場を連写した。焦って言い訳がましく取り繕おうとする彼女フル無視で『校内リベンジポルノ開催だなァアッ』と吐きゼリフだけ吐き捨て、回れ右。それはもう走った。
走った先で、辿り着いた弓道場。
グチャグチャの頭ン中をどうにかしたい時。弓を引くことで無駄な思考を振り切りたかった。道場に響く弦音の音でこの行き場のない邪心を引き裂きたかった。焦る手つきで弓袋を解いて、瑞地の弓を取り出す。
吉兆の意味が込められたその弓は、じいちゃんから譲り受けた高校生のオレの命に等しい存在。
それがさ、めでてぇ兆しがどういう思し召しだよ、オレの瑞地に亀裂が入っていた。心当たりなんてひとつしかない。腹の底から唸るような声で叫んだ。ふざっっっっけんなよ!!!!泣いた。
まぁその後は、彼女に写真を送り付け、別れるぞと。学年にばら撒かれたくなけりゃ弓の慰謝料だせよーと。とんだクソガキ。
清楚系の元カノはとんだビッチだったよーで、『だって部活部活って、弓弓弓ばっかりで寂しくさせたのが悪いんじゃん!爽やか貴公子とか皮だけだった!!』とかなんとか泣きついてきたが知らん。お互い様だろ何オレに夢見てんだ。
そうして寝とった元凶・他校のイケメン男=依澄サンだと判明するのには時間がかからなかった。隣の地区の高校だし、普通に駅で見かけた。あんな見間違わないほど出来上がった華やかな顔なかなかいないし、なんなら手元に写真あったし。
瑞地の仇で一発殴ってやろうかとも考えたが(元カノの仇ではないんかーい)、あの一瞬目が合ったときの、邪気も毒気もない目にやられてしまった。彼氏がいるとか、たぶん何にも知らなかったんだろーなって。なんか見下されたカンジもなかったし、噂広まったりもなかったし。きっとそれで高校生のオレの男としてのプライドが守られたんだろう。
忘れかけた頃にやってくる悪夢の再来。大学入ってすぐに入ったサークルをきっかけに依澄サンに付きまとわれることになった。今度はこっちが女に跨られてるとこに突如割り込んできた初対面。どういう因果だよ。香水臭すぎる眼前の女は不快だったからまァいいんだけど。
なんか気に入られてるしなんなの。コイツから女寝とった~!ってオレのことコケにして楽しんでんのかとも考えたけど、やっぱ違うんダ。てかほんとに覚えてなかったんかい。タチワル笑
じゃあなんだ、俺にマジで好意あんの?そんなまさか笑
まさかな………。
うェエひっさしぶりに弓引きてェ~
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