6 / 42
階層ゲーム前
6 残酷な真実2
しおりを挟むどうやら近くに雷が落ちたらしい。
滝のような雨が窓を流れる。
「親友が殺されたってどういう、」
「俺は5年前まで刑事だった。」
「俺の同期で25年間共にあらゆる事件を解決した、新島という男がいたんだ。」
「新島とは二人で旅行に行くほどプライベートでも良く交わっており、唯一信頼できる他人でもあった。」
「だか、ある日一つの捜査を経て確信したんだ。」
「エボルヴが所有している研究所の近くで猿のようなものを見たと複数の住人から数週間に渡って通報が届いていた。」
「いつものように新島と現場を捜索し、住民に事情聴取をして晩飯にラーメン屋へと向かっていた時、悲劇は起きた。」
「ラーメン屋から一キロ程離れた歩道を歩いている時、突然後ろの交差点から叫び声が聞こえてきたんだ。」
「やけに騒々しいななどと会話をし、軽く受け止めていた。」
「その地区は、治安が悪くイキったガキ共がよく問題を起こしていた。」
「そんなこともあって、俺たちはさほど危機感を持つことなく一応見に行くことにした。」
「交差点に出ると、人が倒れており周りには不良らしき格好のガキが集まっていた。」
「また喧嘩でもしたのだろうと正直呆れた。」
「しかし、交差点を挟んで目を凝らすと倒れた人の頭から大量に出血しているのだ。」
「これはまずいと思いすぐさま近くへ行こうと試みた時、違和感を感じた。」
「周りにいる人々が皆倒れた人には見向きもせず、一点を凝視し唖然と硬直していた。」
「それも俺たちの頭上あたりを。」
「俺たちはすぐに察した。」
「俺は不測の事態を考えていなかった。万一に銃を備えておくことを怠っていた。」
「だか、新島は昔から用意周到な男だった。すぐさまホルスターから銃を取り出し振り返った。」
「しかし、時はすでに遅かった。」
「店の屋根を登っていた猿らしきものは新島目掛けて飛んでいた。」
「新島は銃を一発放ったが、その瞬間首を捻じ曲げられ無惨な姿で即死した。」
「猿は2秒ほど俺を眺めていたが、俺はどうすることもできず突っ立ていた。」
「その時、サイレンの音が遠くから微かに聞こえた。」
「すると、猿は瞬く間に屋根を登り見失った。」
「猿らしきものは身長が2メートル以上あり、一目でわかるくらいに大きな背筋が隆起している。」
「それに、体は凹凸が多く皮膚は褐色である。」
「しかし、顔は人間に非常に近く下半身には囚人パンツのようなものを身につけていると。」
「事情聴取をしてる時は、ふざけているのかとさえ思っていたが、まさか実在していたなんてな。」
「それから俺はエボルヴについて独自で調べ尽くした。」
「そうしていると、思わぬものを見つけ、動揺が隠せなかったんだ。」
喫茶店の扉が先ほどから突風の影響で大きな音を立てている。それに、倒れた自転車を直しに行くと出て行った女店員が一向に帰ってこない。
「話しが少し長くなったな。」
「君が言いたいことは分かる、それがどう美香と関係しているのかだろ。」
「そう焦るな、全て話すと言っただろ。」
「あ、はい」
どうやら顔に出ていたらしい。この男の言っていることは現実離れし過ぎて理解し難い。失礼のないよう横目で喫茶店の壁に掛けてある時計を見た。
午後六時四五分
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる