特技は有効利用しよう。

庭にハニワ

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よーやく出発?

当人の居ないところで。

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なんだかね。

王弟殿下とケーリッシュ嬢は、二人っきりだとベタベタしてるらしい。
令嬢のお付きのメイドども──公爵家のメイド抜粋だそうだが、どうにもこうにも。
王弟殿下付きのメイドや侍従も、なんだか微妙だとか。

中途半端なのは、王家も公爵家も一緒らしい。



「あ~……ロクに仕事しないのは、騎士ども、だけじゃないってコトか」

ナルシッサからの報告を聞きながら、これはナルさんとハイドさんに良い土産持ってかないと……などと考えつつ。
倒竜姫こと、フェリシア・ゴルディアスは。
今まさに、全力で襲いかかってくるマッドネスベア──つまり、手傷を負って魔力暴走中な熊の魔物とお見合い中。

北方の国に、ナルシッサ用の極甘甘味とハイド用の度数の高い酒をゲットしに来たところ。
ちょっと腕利きな倒竜姫が来た、と聞き込んだ冒険者ギルドから。

「ちょっと小遣い稼ぎしていかないか?」

と、熊狩りの話をもらって森に……。

まさか、自分達を過信して、熊に手を出したあげくに通りすがりの冒険者(フェリシア・ゴルディアス)に擦り付けて自分達だけさっさと逃げてく新人冒険者どもに遭遇するとは思わなんだ。

中途半端がここにも居た。



「……ナルさんよ。今から熊狩りに突入するところだから。一段落したら、声かけるわ」
「ゑ」

通信をぷっつりと切り捨てて、倒竜姫は怒り、猛り狂う手負いの魔熊に向かって行った。

とりあえず、人に魔物押し付けてったアイツらどーしてくれよう……。


どーしてくれようかさん、再降臨。


擦り付けてった新人冒険者どもはもちろん、冒険者ギルドにも不幸が降りかかるでしょう。






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