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・松嶋先生はせんちゃんのことが…!?(ほのぼの)
悪夢の始まり
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先生に握られた手をパッパと洗って教室に戻ると、昼ごはんを終えたクラスのやつらが一斉にオレのほうを振り返った。
そして数秒もしないうちに各々散り散りに視線をそらす。窓の外に、黒板に、床の木目に、天井のシミに……。
なんなんだ、一体。
首をかしげつつ、席に着く。
すると「千理ぃ……」と重々しい声。背後から地縛霊のごとく顔を出したのはやっぱり、俊也。
「これから色々あるだろうけど、がんばれよ。親友としてできることは協力してやるから……」
ぽん、と肩を叩いてきた手は励ましにしては妙に力がこもっていた。
「は? なんの話?」
「でもそういうのは困難が多いほうが、熱く熱く燃え上がるっていうもんな」
「そういうの??」
さっぱり意味が把握できずにいるオレに、俊也は「知らばっくれんなよ親友!」と親指を立てる。
「ついさっき告られたんだろ? ナナフシに」
「は?」
「『オスとして好きだ』って言われちゃったんだろ? キャーーっ!! 絶食系に見えて実はむちゃくちゃ激しいタイプかよ! ナナフシのくせにぃーーー!!!」
「おす……、好き……? お、おす……好き……おす……」
オレのなけなしの脳内世界で、さっきナナフシが叫んでいた言葉が再変換される。
──推す、好き。
──雄、好き。
つまり、教師と生徒の禁断の──。
「違う違う違う違うちがぁああああう!!
!!!!」
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