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第九話 ぬくもりと罠
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第九話 ぬくもりと罠
「おい、この体勢じゃないとダメなのか?」
「うん、ダメ」
壁にクッションを当て、ノアがもたれかかり、伊織を包み込むようにして抱きしめる。
食後の一時、こうして一緒にテレビを見る事が増えた。以前よりもべったりなノアに呆れつつも、強く拒否をしない伊織。伊織が諦めてテレビを観ると、クリスマスケーキの予約コマーシャルが流れていた。
「もうそんな時期か‥‥そろそろコタツでも出すか」
「コタツ! マンガで見たけど、本当にあるんだ」
「最近じゃ、置いてある家も減ったらしいがな‥‥どうした?もっと喜ぶと思ったが」
「え? ううん、凄く楽しみだよ!」
伊織を抱きしめるノアの腕に力がこもる。
「コタツも楽しみだけど、こうしているのも好き‥‥」
ノアが伊織の肩に額を押し付ける。
「お前‥‥なんか変だぞ? クリスマスとか、ガキみたいにはしゃぎそうなのに」
「もぉ、伊織は直ぐ僕を子供扱いするんだから。それに、日本だとクリスマスは恋人のイベントみたいだけど、アメリカだと家族と過ごす人が多いよ?」
「まぁ、日本じゃ殆どの奴等が本当の意味も知らずに騒いでるけどな」
「日本人って真面目なのに、結構アバウトって言うか、緩い? でも、そういう所も好きだな」
「色々な意味で寛容だからな」
他愛もない話をしながら、テレビを観る。確実に、冬はすぐそこまでやって来ていた。
*
「僕は間違っていた。日本は平和な国だと思っていたのに‥‥こんな罠があるなんて」
手足をコタツに突っ込み、ウトウトとまどろむノア。
「何が罠だ。コタツで寝ると、風邪ひくぞ」
「ん~‥‥」
聞いているのかいないのか、ノアが目を閉じかけた時、ふと、太ももに何かが当たる感覚がした。「あれ‥‥?」と目を開けたノアが見たのは、こたつの向かい側、無表情でテレビを観ている伊織の横顔。
(気のせい?)
もう一度まぶたを閉じようとした瞬間、柔らかく、だが確かに、伊織の足がノアの太ももを撫でた。
「‥‥っ、い、おり?」
「どうした?」
「足‥‥っ、当たって‥‥」
「寝ないようにしてやってんだろ?」
ノアが顔を赤くして震える中、伊織のつま先がさらに上へと滑る。
「伊織‥‥だめだって‥‥そんな、こと‥‥っ」
「だめじゃないだろ? こんなになってるくせに」
足の指を使い、そっと撫で上げると、ノアがびくりと震える。
「ぁっ‥‥ん、そこ‥‥」
「どこだよ。こたつの中だから、見えねぇな」
こたつの中、足先でゆっくりとノアの中心を撫でながら、伊織はごく自然な顔でテレビを観続けていた。ノアの唇から、零れるような吐息が洩れる。
「ん‥‥ぁっ、や‥‥伊織ぃ‥‥」
震える声に、こたつ布団がかすかに揺れる。伊織の足の指が、布越しにノアの中心を的確に捉え、円を描く様に撫でまわす。
「ぁっ、そこ‥‥やっ‥‥もう‥‥っ」
ノアの指がこたつの縁をぎゅっと掴む。顔を赤くしながら、震える膝が内側にきゅっと寄る。
布越しにぬるりとした感触が伊織の足に伝わり、テレビから視線を外してニヤリとノアを見た。ノアは恥ずかしさに、こたつ布団で顔を隠す。
「伊織のせいで‥‥パンツ‥‥汚れた‥‥」
「それじゃ、最後まで責任とらないとな」
伊織が立ち上がり、ノアの方へと近づく。こたつからはみ出し、半分畳の上で息を荒くするノア。布団をそっとめくると、スエットの一部に薄っすらと滲んだ濃い影が見えた。
「ずいぶん、我慢してたな」
伊織がボソリと呟き、ノアの腰を掴んでこたつから引き出す。
「だ、だって‥‥伊織がいじわるするから‥‥」
ノアのズボン越しの中心に指をあて、じっくりと撫でると、ぴくんと跳ねた。
「んっ、ぁ‥‥はぁっ‥‥」
伊織がノアのズボンと下着をずらし、ノアのそれにゆっくりと口づける。
「‥‥っ⁉ い、伊織っ、それ‥‥っぁ、あぁあっ‥‥!」
ぬるりと舌が這い、敏感な先端を包み込む。
「ふっ‥‥んぅ‥ぁっ、だめ‥‥」
ノアは体をよじって逃げようとするが、伊織の腕がしっかりと腰を押さえていた。
「逃げるな。お前が欲しがったんだろう?」
伊織の舌が名残惜しそうに離れる頃には、ノアの胸が上下に波打っていた。涙に滲んだ瞳で見上げるノアの目元を、そっと指で拭う伊織。
「どうした?」
指先がノアの頬を優しく撫でる。ノアはくすぐったそうに目を細め、少し黙ってからぽつりと呟いた。
「伊織‥‥」
「何だ?」
「今が‥‥ずっと続いたらいいのに‥‥」
伊織は黙ってノアの髪を撫でる。けれどとの手が、ほんの少しだけ止まった。
「‥‥お前、少し前から変だぞ?」
ノアの身体がびくりと小さく揺れる。
「‥‥そんな事、ないよ。伊織の気のせい」
笑って返すノアの声は、ほんの少し震えていた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
週一更新予定です。続きも楽しんでいただけたら、嬉しいです。
「おい、この体勢じゃないとダメなのか?」
「うん、ダメ」
壁にクッションを当て、ノアがもたれかかり、伊織を包み込むようにして抱きしめる。
食後の一時、こうして一緒にテレビを見る事が増えた。以前よりもべったりなノアに呆れつつも、強く拒否をしない伊織。伊織が諦めてテレビを観ると、クリスマスケーキの予約コマーシャルが流れていた。
「もうそんな時期か‥‥そろそろコタツでも出すか」
「コタツ! マンガで見たけど、本当にあるんだ」
「最近じゃ、置いてある家も減ったらしいがな‥‥どうした?もっと喜ぶと思ったが」
「え? ううん、凄く楽しみだよ!」
伊織を抱きしめるノアの腕に力がこもる。
「コタツも楽しみだけど、こうしているのも好き‥‥」
ノアが伊織の肩に額を押し付ける。
「お前‥‥なんか変だぞ? クリスマスとか、ガキみたいにはしゃぎそうなのに」
「もぉ、伊織は直ぐ僕を子供扱いするんだから。それに、日本だとクリスマスは恋人のイベントみたいだけど、アメリカだと家族と過ごす人が多いよ?」
「まぁ、日本じゃ殆どの奴等が本当の意味も知らずに騒いでるけどな」
「日本人って真面目なのに、結構アバウトって言うか、緩い? でも、そういう所も好きだな」
「色々な意味で寛容だからな」
他愛もない話をしながら、テレビを観る。確実に、冬はすぐそこまでやって来ていた。
*
「僕は間違っていた。日本は平和な国だと思っていたのに‥‥こんな罠があるなんて」
手足をコタツに突っ込み、ウトウトとまどろむノア。
「何が罠だ。コタツで寝ると、風邪ひくぞ」
「ん~‥‥」
聞いているのかいないのか、ノアが目を閉じかけた時、ふと、太ももに何かが当たる感覚がした。「あれ‥‥?」と目を開けたノアが見たのは、こたつの向かい側、無表情でテレビを観ている伊織の横顔。
(気のせい?)
もう一度まぶたを閉じようとした瞬間、柔らかく、だが確かに、伊織の足がノアの太ももを撫でた。
「‥‥っ、い、おり?」
「どうした?」
「足‥‥っ、当たって‥‥」
「寝ないようにしてやってんだろ?」
ノアが顔を赤くして震える中、伊織のつま先がさらに上へと滑る。
「伊織‥‥だめだって‥‥そんな、こと‥‥っ」
「だめじゃないだろ? こんなになってるくせに」
足の指を使い、そっと撫で上げると、ノアがびくりと震える。
「ぁっ‥‥ん、そこ‥‥」
「どこだよ。こたつの中だから、見えねぇな」
こたつの中、足先でゆっくりとノアの中心を撫でながら、伊織はごく自然な顔でテレビを観続けていた。ノアの唇から、零れるような吐息が洩れる。
「ん‥‥ぁっ、や‥‥伊織ぃ‥‥」
震える声に、こたつ布団がかすかに揺れる。伊織の足の指が、布越しにノアの中心を的確に捉え、円を描く様に撫でまわす。
「ぁっ、そこ‥‥やっ‥‥もう‥‥っ」
ノアの指がこたつの縁をぎゅっと掴む。顔を赤くしながら、震える膝が内側にきゅっと寄る。
布越しにぬるりとした感触が伊織の足に伝わり、テレビから視線を外してニヤリとノアを見た。ノアは恥ずかしさに、こたつ布団で顔を隠す。
「伊織のせいで‥‥パンツ‥‥汚れた‥‥」
「それじゃ、最後まで責任とらないとな」
伊織が立ち上がり、ノアの方へと近づく。こたつからはみ出し、半分畳の上で息を荒くするノア。布団をそっとめくると、スエットの一部に薄っすらと滲んだ濃い影が見えた。
「ずいぶん、我慢してたな」
伊織がボソリと呟き、ノアの腰を掴んでこたつから引き出す。
「だ、だって‥‥伊織がいじわるするから‥‥」
ノアのズボン越しの中心に指をあて、じっくりと撫でると、ぴくんと跳ねた。
「んっ、ぁ‥‥はぁっ‥‥」
伊織がノアのズボンと下着をずらし、ノアのそれにゆっくりと口づける。
「‥‥っ⁉ い、伊織っ、それ‥‥っぁ、あぁあっ‥‥!」
ぬるりと舌が這い、敏感な先端を包み込む。
「ふっ‥‥んぅ‥ぁっ、だめ‥‥」
ノアは体をよじって逃げようとするが、伊織の腕がしっかりと腰を押さえていた。
「逃げるな。お前が欲しがったんだろう?」
伊織の舌が名残惜しそうに離れる頃には、ノアの胸が上下に波打っていた。涙に滲んだ瞳で見上げるノアの目元を、そっと指で拭う伊織。
「どうした?」
指先がノアの頬を優しく撫でる。ノアはくすぐったそうに目を細め、少し黙ってからぽつりと呟いた。
「伊織‥‥」
「何だ?」
「今が‥‥ずっと続いたらいいのに‥‥」
伊織は黙ってノアの髪を撫でる。けれどとの手が、ほんの少しだけ止まった。
「‥‥お前、少し前から変だぞ?」
ノアの身体がびくりと小さく揺れる。
「‥‥そんな事、ないよ。伊織の気のせい」
笑って返すノアの声は、ほんの少し震えていた。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
週一更新予定です。続きも楽しんでいただけたら、嬉しいです。
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