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第一章
1-2 佐藤さくらと申します
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軽快な音楽とともに店内に入ってくるのは老若男女、個性は無限大で『普通の人』から『変わった人』まで様々だ。そして私がかける言葉は決まってこうだ。
「いらっしゃいませ」
見慣れた釣り人用ジャケットに白髪の頭と下心丸出しのにやけ顔の男性。笑顔で迎えるわけでもなくさっと後ろを向いて113番の煙草をカウンターに乗せた。
「これなぁに?」
まっすぐレジカウンターへ進んできた男性はにやけ顔でカウンターの横に積んであった流行りのトレーディングカードを指さした。それを横目に私は慣れた手つきで煙草をピッと読み込む。
「流行りのカードですよ。年齢承認ボタンを押してください」
お客様側から見ればでかでかと『20歳以上』と出ているだろう画面を四つ指で示すと、にやけた男性は人差し指を嬉しそうに持ち上げた。
「ここかなぁ?」
どこを指さしているかなんてどうでもいいが、若いスタッフに同じことをしてきたら不愉快極まりないので私がいつもあなたの対応するんですよ、っと。
動じた顔なんて見せてやる価値もないので、変わらぬ接客用の笑顔で「ここですよ」と返す。いつもの流れだ。お金さえもらえたらあとは忙しく揚げ物をするふりをして厨房に引っ込んでしまえば、男性はつまらなそうに店内を見て何も買わずに帰るだけ。
「いらっしゃいませ」
ガソリンスタンドの制服に身を包んだ男性は小太りの若者で、数カ月前に煙草とコーヒーを買った人だ。そこまでは普通だったのに一度店外に出たのに戻ってきて『ポイント貯まっていますか?』とわざわざポイント残高を確認しにきたのが印象強かった。
数カ月ぶりの来店だから職場はこの辺ではない、または職場近くには他のコンビニがあってここは二番手・三番手のコンビニなんだろうな。
あの女性は前に店長にクレームを言っていた人だ。『クーポンが出たのにここの店には置いていないのはなんで?!わざわざ遠くの店舗に行けってこと?!』だそうだ。コンビニも店によって規模感は違うし、発注担当によって品ぞろえは偏りが出てしまう。絶対置いておくものとそうでないものがあるのでしょうがないのだ。
そんなクレームはどうでもよくて、クレームを言っていたのに知り合いの男性が来店した途端にぶりぶりに話し始めたあのギャップに大いに引いたことを記憶している。
私は特別記憶力が良いというわけではない。人の名前を覚えることも、顔を覚えることも苦手なほう。けれど違和感を感じた行動・言動が深く脳に刻み込まれるタイプなんだと思う。
だから勉強が出来たわけじゃないし、何事も平均点のつまらない女だ。平均身長に平凡な顔、普通の接客スキルに普通の人生。このまま普通に働いて、普通に結婚して、普通に子育てをして、普通に死ぬんだと思っている。まぁ、三十二歳で未婚なのは普通から少し外れてきている気もするけれど・・・及第点の私には、平均的な男性とロマンチックな出会いなんてものもなく、きっと。
SNSにはキラキラした人が溢れいているし、同い年で成功している人なんてたくさんいるんだろう。私みたいな『モブF』みたいな人間もいなければ、そんな人たちが輝くことは出来ない。だからそんなに下に見ず、哀れみもせずいて欲しいものだ。
そんなのモブからの妬みにしか聞こえないだろうけど。
毎日お昼の十二時から二十時までバイトして、軽自動車で十分弱の自宅に帰る。夜ごはんは廃棄寸前の揚げ物、コンビニブランドの少し安いレモンサワーとドライを一本ずつ。これを幸か不幸か判断するのはどこの誰でもない私なんだ。
今日は天気も良かったから星も出ている。いつもはうす暗い駐車場も今日は明るく感じる。
制服に薄手のパーカーを羽織っただけではまだ少し肌寒い夜。財布とキーケースとスマホだけを放り込んだ小さめの黒のボディバッグをかけ、手にはいつもの買い物袋を持ち勢いよく車のドアを閉めた。バンっという衝撃音は住宅街の細道を駆けて消えていった。
ガサガサと袋を鳴らしながらアパートの階段を登り、防犯の欠片もないポストに入ったチラシを鷲掴む。昔ながらの刺して回すタイプの鍵が唯一この物件で不満なところ。嘘。本当は脱衣所にドアがないことも不満だ。なんてね。
真っ暗な部屋を寂しいと感じていた二十代前半が懐かしい。今や自分の責任の下、不規則な食生活に整えきれていない部屋でも誰に文句を言われる筋合いはないのだ。
荷物は床でいい。お酒だけは振動を与えないように机に置いて、朝に脱ぎ捨てた部屋着を拾い上げて匂いを嗅ぐ。微かに感じる洗剤の匂いに、あと一晩の命を悟りつつ袖を通す。
誰が来るわけでもない部屋はベッドとテレビと一人掛けのゆったりした座椅子ソファ、小さめのテーブルの上にはお酒と揚げ物。今日も今日とてお風呂に入る気はないし、お酒を飲みつつ見たいドラマを眺め羨むだけの最高の夜だ。
お酒がいい感じに身体に浸透してきて心地良い。ふとキッチンに置いたままだったチラシたちに視線が止まった。普段なら極力動きたくないのに、お酒が私のおしりを浮かせてくれる。下手くそなバレエを踊るように歩き、チラシの束を摘まみ上げた。
一枚目のチラシは今の私には無縁なマンションのチラシで、ライトアップされた綺麗なマンションに後ろ髪を惹かれつつそのままゴミ箱へ。二枚目はエステサロンのチラシで、美意識も右肩下がりの私にはエステよりも酒なのでもちろんゴミ箱へ。
次にあった封筒は半透明な素材でできており、中の用紙が少しだけ透けて見える。中身は薄っすらと見えるが、書いてある文字までは読み取れない。正直、ものすごく怪しい。このような凝った封筒であれば、私の頭の引き出しに当てはまるものは『結婚式の招待状』くらいだ。しかし仲の良かった友人はほとんどがすでに結婚し子どもが生まれ、なんなら会話についていけずに少し疎遠になっているほどだ。
宛名はなく、もしかすると間違えて私のもとに届いたものかもしれない。
少し悪い気はするが勝手に開けるのも忍びないので、少しふらつく足取りでベランダへ通じる窓を開けた。ひゅうっと入って来た風が思ったよりも冷たくて冷静さをつつかれる。見上げた夜空には綺麗な満月と星が散りばめられていて、自分という存在のちっぽけさに虚しさが湧き上がる。右手に持っていた封筒を月と瞳の間に差し込むと、キラキラとチープなラメとは違う輝きに胸がキュッと鳴った。
「・・・綺麗」
封筒の表面には小さな光る模様が散りばめられていて、光が当たると虹色に輝いている。その輝きの奥に見えた文字は『求人』。いつもの私だったら普通じゃない封筒を開けたりなんてしないだろう。でも虚しさと寂しさの切れ目から好奇心が手を伸ばしている気がして。
魔法のようにきらめくこの封筒が、モブの私へのガラスの靴だとしたら。
「いらっしゃいませ」
見慣れた釣り人用ジャケットに白髪の頭と下心丸出しのにやけ顔の男性。笑顔で迎えるわけでもなくさっと後ろを向いて113番の煙草をカウンターに乗せた。
「これなぁに?」
まっすぐレジカウンターへ進んできた男性はにやけ顔でカウンターの横に積んであった流行りのトレーディングカードを指さした。それを横目に私は慣れた手つきで煙草をピッと読み込む。
「流行りのカードですよ。年齢承認ボタンを押してください」
お客様側から見ればでかでかと『20歳以上』と出ているだろう画面を四つ指で示すと、にやけた男性は人差し指を嬉しそうに持ち上げた。
「ここかなぁ?」
どこを指さしているかなんてどうでもいいが、若いスタッフに同じことをしてきたら不愉快極まりないので私がいつもあなたの対応するんですよ、っと。
動じた顔なんて見せてやる価値もないので、変わらぬ接客用の笑顔で「ここですよ」と返す。いつもの流れだ。お金さえもらえたらあとは忙しく揚げ物をするふりをして厨房に引っ込んでしまえば、男性はつまらなそうに店内を見て何も買わずに帰るだけ。
「いらっしゃいませ」
ガソリンスタンドの制服に身を包んだ男性は小太りの若者で、数カ月前に煙草とコーヒーを買った人だ。そこまでは普通だったのに一度店外に出たのに戻ってきて『ポイント貯まっていますか?』とわざわざポイント残高を確認しにきたのが印象強かった。
数カ月ぶりの来店だから職場はこの辺ではない、または職場近くには他のコンビニがあってここは二番手・三番手のコンビニなんだろうな。
あの女性は前に店長にクレームを言っていた人だ。『クーポンが出たのにここの店には置いていないのはなんで?!わざわざ遠くの店舗に行けってこと?!』だそうだ。コンビニも店によって規模感は違うし、発注担当によって品ぞろえは偏りが出てしまう。絶対置いておくものとそうでないものがあるのでしょうがないのだ。
そんなクレームはどうでもよくて、クレームを言っていたのに知り合いの男性が来店した途端にぶりぶりに話し始めたあのギャップに大いに引いたことを記憶している。
私は特別記憶力が良いというわけではない。人の名前を覚えることも、顔を覚えることも苦手なほう。けれど違和感を感じた行動・言動が深く脳に刻み込まれるタイプなんだと思う。
だから勉強が出来たわけじゃないし、何事も平均点のつまらない女だ。平均身長に平凡な顔、普通の接客スキルに普通の人生。このまま普通に働いて、普通に結婚して、普通に子育てをして、普通に死ぬんだと思っている。まぁ、三十二歳で未婚なのは普通から少し外れてきている気もするけれど・・・及第点の私には、平均的な男性とロマンチックな出会いなんてものもなく、きっと。
SNSにはキラキラした人が溢れいているし、同い年で成功している人なんてたくさんいるんだろう。私みたいな『モブF』みたいな人間もいなければ、そんな人たちが輝くことは出来ない。だからそんなに下に見ず、哀れみもせずいて欲しいものだ。
そんなのモブからの妬みにしか聞こえないだろうけど。
毎日お昼の十二時から二十時までバイトして、軽自動車で十分弱の自宅に帰る。夜ごはんは廃棄寸前の揚げ物、コンビニブランドの少し安いレモンサワーとドライを一本ずつ。これを幸か不幸か判断するのはどこの誰でもない私なんだ。
今日は天気も良かったから星も出ている。いつもはうす暗い駐車場も今日は明るく感じる。
制服に薄手のパーカーを羽織っただけではまだ少し肌寒い夜。財布とキーケースとスマホだけを放り込んだ小さめの黒のボディバッグをかけ、手にはいつもの買い物袋を持ち勢いよく車のドアを閉めた。バンっという衝撃音は住宅街の細道を駆けて消えていった。
ガサガサと袋を鳴らしながらアパートの階段を登り、防犯の欠片もないポストに入ったチラシを鷲掴む。昔ながらの刺して回すタイプの鍵が唯一この物件で不満なところ。嘘。本当は脱衣所にドアがないことも不満だ。なんてね。
真っ暗な部屋を寂しいと感じていた二十代前半が懐かしい。今や自分の責任の下、不規則な食生活に整えきれていない部屋でも誰に文句を言われる筋合いはないのだ。
荷物は床でいい。お酒だけは振動を与えないように机に置いて、朝に脱ぎ捨てた部屋着を拾い上げて匂いを嗅ぐ。微かに感じる洗剤の匂いに、あと一晩の命を悟りつつ袖を通す。
誰が来るわけでもない部屋はベッドとテレビと一人掛けのゆったりした座椅子ソファ、小さめのテーブルの上にはお酒と揚げ物。今日も今日とてお風呂に入る気はないし、お酒を飲みつつ見たいドラマを眺め羨むだけの最高の夜だ。
お酒がいい感じに身体に浸透してきて心地良い。ふとキッチンに置いたままだったチラシたちに視線が止まった。普段なら極力動きたくないのに、お酒が私のおしりを浮かせてくれる。下手くそなバレエを踊るように歩き、チラシの束を摘まみ上げた。
一枚目のチラシは今の私には無縁なマンションのチラシで、ライトアップされた綺麗なマンションに後ろ髪を惹かれつつそのままゴミ箱へ。二枚目はエステサロンのチラシで、美意識も右肩下がりの私にはエステよりも酒なのでもちろんゴミ箱へ。
次にあった封筒は半透明な素材でできており、中の用紙が少しだけ透けて見える。中身は薄っすらと見えるが、書いてある文字までは読み取れない。正直、ものすごく怪しい。このような凝った封筒であれば、私の頭の引き出しに当てはまるものは『結婚式の招待状』くらいだ。しかし仲の良かった友人はほとんどがすでに結婚し子どもが生まれ、なんなら会話についていけずに少し疎遠になっているほどだ。
宛名はなく、もしかすると間違えて私のもとに届いたものかもしれない。
少し悪い気はするが勝手に開けるのも忍びないので、少しふらつく足取りでベランダへ通じる窓を開けた。ひゅうっと入って来た風が思ったよりも冷たくて冷静さをつつかれる。見上げた夜空には綺麗な満月と星が散りばめられていて、自分という存在のちっぽけさに虚しさが湧き上がる。右手に持っていた封筒を月と瞳の間に差し込むと、キラキラとチープなラメとは違う輝きに胸がキュッと鳴った。
「・・・綺麗」
封筒の表面には小さな光る模様が散りばめられていて、光が当たると虹色に輝いている。その輝きの奥に見えた文字は『求人』。いつもの私だったら普通じゃない封筒を開けたりなんてしないだろう。でも虚しさと寂しさの切れ目から好奇心が手を伸ばしている気がして。
魔法のようにきらめくこの封筒が、モブの私へのガラスの靴だとしたら。
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