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第二章
2-8 初めてを重ねて
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「お疲れさまでした」
明るい店内からすっかり暗くなった外へと出れば、様々な虫の音が聞こえる。街頭には羽虫が集まり、そこまで田舎でもないのにセミは一体何に捕まって生活しているのか不思議なくらいだ。陽が落ちるのも遅くなってきた嬉しさと同時にやってくる、昼間のむさくるしさにやっぱり冬が好きだと実感してしまう。
二足の草鞋になってからもバイト終わりのお酒と揚げ物は相変わらずで、むしろこれも幸せだなと感じている。私の幸せは他人が決めるものではなく、私が決めるものだから。
帰り着いた部屋の中が変わらないのは同じ。最低限のものに囲まれて、手の届く範囲に欲しいものがあるのはとても住み心地が良い。お酒を呷おりながら拭くタイプのメイク落としで気持ち悪い膜を落としていく。夏休みに入り主婦のシフトが減る代わりに私のシフトが増え、今日で久々の五連勤を終えたところ。明日の予定はないしお風呂に入る必要もない。・・・けれどお肌が下降の一方ならば、一応パックだけしようかな。
私の普通の生活の『普通のほうの日常』の夜だった。お酒を片手にドラマを見ている時、ふとスマホの通知が目に入る。基本的にSNS徘徊用と化したスマホに誰かから連絡がくることはない。
「メッセージ?」
知らない番号からメッセージが届いていた。よくある荷物配達したんでログインして確認してね!という詐欺メッセージだろうか。通知をタップして自分の目を疑う。
?:スマホ買ったんだ。
田村さんから番号を勝手に聞いたのはごめん。
私のレーダーがビビビと鳴る。これって理人さん?っぽい。絵文字のない感じも文字から優しさを感じるしなんだか画面からいい匂いがする気もする!いいや、酔って少し判断が鈍っているかも。もう一週間近く会えていないし、正直寂しくて勝手にそうだと脳が勘違いしているのかもしれない。毎回約束をしてから別れていたから、外で連絡をとるなんて考えてもいなかった。むしろスマホもってなかったし、パソコンもなかったし連絡を取りたくてもとれる相手はあの家では田村さんだけだったから。
理人さんから連絡がきたかもしれない。それにスマホを買ってうきうきで連絡してきている相手が私?愛しい・・・愛おしすぎるよ・・・、くうぅ。
さくら:理人さんですか?
ちょっと怖い。けれどもし理人さんだったとしたら、初めてメッセージを送ったのに既読無視されたという悲しい思いをして欲しくない。あと、シンプルに私が嬉しいし理人さんと連絡がとりたかった。ごめん!下心でいっぱいなの。
理人:そうだよ。
元気にしていますか?
さくら:元気ですよ。五連勤だったのでさすがに疲れていますが。
理人さんはどうですか?
理人:僕も元気だよ。
今日は田村さんとスマホを買いに行って、色んなアプリを勉強していたんだ。
さくら:それはよかったですね。
あ、間違えてもマッチングアプリだけは入れたらだめですからね!
理人:おすすめアプリで検索したら勧められたよ。
不要だなと思ったから入れてない。
マップのアプリを入れたんだ。そっちの方がおもしろそうで。
はっきりとマッチングアプリが不要だと言うあたりが信頼に値する人だ。きっとこの人が彼氏だったら不安はなく幸せにいられるんだろうな。なんてお酒のせいで私の脳内は花畑だ。
理人:もし嫌じゃなければさくらの家を教えてくれる?
重ねて届いたメッセージに胸が高鳴る。嫌な意味ではない。何の躊躇もなく住所を打ち込んで送信する。まさか、ね。
理人:ごめん、会いたい
行ってもいい?
机にのったお酒、すっぴんの顔、バイト中に結んでいたままの跡が付いた髪。何一つ準備は出来ていないけれど、会いたいという気持ちが同じだったことに嬉しさがこぼれてしまう。藤原邸からうちまで徒歩二十分ほど。さっと入れば間に合う。
画面をもう一度見て想いを馳せる。この返事を待っている理人さんがどんな気持ちなのか・・・、きゅうっと心臓が締め付けられる。そうだ、恋をするってこういう感情。
さくら:私も会いたい
そこからはタイムアタックだった。まずは机の散らかりを片付けなきゃ、いや部屋に入るかはわかんない。いや・・・一応、残ったお酒を飲みほしてシンクへ持っていく。おっとっと、思っていたよりもお酒が回っているみたい。洗濯機前に放り投げていた服をとりあえず洗濯機へ入れて蓋を閉じる。いやいや、だから部屋の中にはいるかはわからないんだけど。
あとはシャワーさえ浴びればなんとかなる・・・よね?
ピンポーン。チャイムの音に大きく肩を揺らす。ちょうどシャワーを浴びて服を着たところなのに、もう?!まだ髪も濡れているのに、あぁもうこのまま行くしかない。
「お待たせしました」
ドアを緊張で震える手で押し開ける。精一杯身なりは整えたけれど、濡れた髪から滴る水が首から体へと伝っていく。隙間から覗くように出てきた理人さんの額は少し汗ばんでいる。心なしか息も乱れている気もする。二十分かかる予定だったのにそれより早く到着したということは、急いできてくれたの?
「さくら。お風呂だった?急かして悪かった」
「いえ、いいんです。えっと・・・上がりますか?」
「・・・気安く男を部屋に上げるのは危ない」
「え?そそ、そんな誰でも入れるわけではないですよ!?私だって理人さんのお部屋には何度もお邪魔しているし・・・えっと」
これではまるで私が『上がってください』と言っているようなものだ。そんなつもりなんてなくて、部屋も綺麗じゃないしだって・・・あぁもう!大人の余裕なんてこれっぽっちもない。
「ちょっとだけ入るよ」
脳内会議中だった私の肩を優しく押して部屋に戻され、理人さんは長い足で一歩玄関土間へ。理人さんの後ろで静かに玄関ドアが閉まった。
なんだか緊張する。これまで二人で部屋にいたことは何度もある。けれど完全な二人だけの空間は初めてかもしれない。理人さんの視線が私の体を上から下まで見ている。
「あ、と・・・上がります?」
「いや、顔を見たかっただけだからここで帰るよ」
理人さんの手が伸びてきて、シャワーで火照った左頬を包み込む。玄関の段差があっても理人さんに見降ろされる構図は変わらない。ごくっと生唾を飲む音が響いてしまって、さらに顔が燃えるように熱い。私ばっかり期待していたみたいで恥ずかしい。
「無防備すぎて心配になる。・・・足。配達が来たらそのまま出るつもり?」
理人さんの手のひらがショートパンツからはみ出た右の太ももをゆっくりと撫で上げていく。部屋着のことなんて考えてなかった。
「髪、濡れてる」
頬に添えられていた手がそのまま後頭部へと回って髪を梳いていく。全身をじっくり触診されているみたいで、変な気分になってしまう。
近づいてくる綺麗な顔、私の後頭部に添えられた手は私を逃がしてくれる気はないらしい。ゆっくりとついばむような優しいキスは、じっくりと触れてから離れて。視線が合えば初めて会ったときとは違う視線を向けられている。また触れる唇に私は抵抗するつもりなんてない。柔らかな感覚と理人さんの匂いに包まれて落ち着く自分と、もっと欲張りな自分がいる。
息が荒れるほどではなく、大事にされていることを実感する。気持ちの高ぶりだけではない、気の迷いなんかじゃない想いが伝わってきて胸がじんわりと温かい。
「夜遅くに悪かった。髪を乾かしてから寝るんだよ。ちゃんと鍵、閉めるように」
離れていく熱に寂しさを感じるのに、理人さんの私を大切にしようとする姿勢に『もう少し』なんてわがままは言えない。熱いのはシャワーのせいか、それともお酒か。そんなこと答えはわかっているのに。
閉まったドアを見つめる。
理人さん。私の心はもう後戻りできないところまできてしまいました。貴方の人生で不要になるその時までは、この関係に甘えていたいです。
明るい店内からすっかり暗くなった外へと出れば、様々な虫の音が聞こえる。街頭には羽虫が集まり、そこまで田舎でもないのにセミは一体何に捕まって生活しているのか不思議なくらいだ。陽が落ちるのも遅くなってきた嬉しさと同時にやってくる、昼間のむさくるしさにやっぱり冬が好きだと実感してしまう。
二足の草鞋になってからもバイト終わりのお酒と揚げ物は相変わらずで、むしろこれも幸せだなと感じている。私の幸せは他人が決めるものではなく、私が決めるものだから。
帰り着いた部屋の中が変わらないのは同じ。最低限のものに囲まれて、手の届く範囲に欲しいものがあるのはとても住み心地が良い。お酒を呷おりながら拭くタイプのメイク落としで気持ち悪い膜を落としていく。夏休みに入り主婦のシフトが減る代わりに私のシフトが増え、今日で久々の五連勤を終えたところ。明日の予定はないしお風呂に入る必要もない。・・・けれどお肌が下降の一方ならば、一応パックだけしようかな。
私の普通の生活の『普通のほうの日常』の夜だった。お酒を片手にドラマを見ている時、ふとスマホの通知が目に入る。基本的にSNS徘徊用と化したスマホに誰かから連絡がくることはない。
「メッセージ?」
知らない番号からメッセージが届いていた。よくある荷物配達したんでログインして確認してね!という詐欺メッセージだろうか。通知をタップして自分の目を疑う。
?:スマホ買ったんだ。
田村さんから番号を勝手に聞いたのはごめん。
私のレーダーがビビビと鳴る。これって理人さん?っぽい。絵文字のない感じも文字から優しさを感じるしなんだか画面からいい匂いがする気もする!いいや、酔って少し判断が鈍っているかも。もう一週間近く会えていないし、正直寂しくて勝手にそうだと脳が勘違いしているのかもしれない。毎回約束をしてから別れていたから、外で連絡をとるなんて考えてもいなかった。むしろスマホもってなかったし、パソコンもなかったし連絡を取りたくてもとれる相手はあの家では田村さんだけだったから。
理人さんから連絡がきたかもしれない。それにスマホを買ってうきうきで連絡してきている相手が私?愛しい・・・愛おしすぎるよ・・・、くうぅ。
さくら:理人さんですか?
ちょっと怖い。けれどもし理人さんだったとしたら、初めてメッセージを送ったのに既読無視されたという悲しい思いをして欲しくない。あと、シンプルに私が嬉しいし理人さんと連絡がとりたかった。ごめん!下心でいっぱいなの。
理人:そうだよ。
元気にしていますか?
さくら:元気ですよ。五連勤だったのでさすがに疲れていますが。
理人さんはどうですか?
理人:僕も元気だよ。
今日は田村さんとスマホを買いに行って、色んなアプリを勉強していたんだ。
さくら:それはよかったですね。
あ、間違えてもマッチングアプリだけは入れたらだめですからね!
理人:おすすめアプリで検索したら勧められたよ。
不要だなと思ったから入れてない。
マップのアプリを入れたんだ。そっちの方がおもしろそうで。
はっきりとマッチングアプリが不要だと言うあたりが信頼に値する人だ。きっとこの人が彼氏だったら不安はなく幸せにいられるんだろうな。なんてお酒のせいで私の脳内は花畑だ。
理人:もし嫌じゃなければさくらの家を教えてくれる?
重ねて届いたメッセージに胸が高鳴る。嫌な意味ではない。何の躊躇もなく住所を打ち込んで送信する。まさか、ね。
理人:ごめん、会いたい
行ってもいい?
机にのったお酒、すっぴんの顔、バイト中に結んでいたままの跡が付いた髪。何一つ準備は出来ていないけれど、会いたいという気持ちが同じだったことに嬉しさがこぼれてしまう。藤原邸からうちまで徒歩二十分ほど。さっと入れば間に合う。
画面をもう一度見て想いを馳せる。この返事を待っている理人さんがどんな気持ちなのか・・・、きゅうっと心臓が締め付けられる。そうだ、恋をするってこういう感情。
さくら:私も会いたい
そこからはタイムアタックだった。まずは机の散らかりを片付けなきゃ、いや部屋に入るかはわかんない。いや・・・一応、残ったお酒を飲みほしてシンクへ持っていく。おっとっと、思っていたよりもお酒が回っているみたい。洗濯機前に放り投げていた服をとりあえず洗濯機へ入れて蓋を閉じる。いやいや、だから部屋の中にはいるかはわからないんだけど。
あとはシャワーさえ浴びればなんとかなる・・・よね?
ピンポーン。チャイムの音に大きく肩を揺らす。ちょうどシャワーを浴びて服を着たところなのに、もう?!まだ髪も濡れているのに、あぁもうこのまま行くしかない。
「お待たせしました」
ドアを緊張で震える手で押し開ける。精一杯身なりは整えたけれど、濡れた髪から滴る水が首から体へと伝っていく。隙間から覗くように出てきた理人さんの額は少し汗ばんでいる。心なしか息も乱れている気もする。二十分かかる予定だったのにそれより早く到着したということは、急いできてくれたの?
「さくら。お風呂だった?急かして悪かった」
「いえ、いいんです。えっと・・・上がりますか?」
「・・・気安く男を部屋に上げるのは危ない」
「え?そそ、そんな誰でも入れるわけではないですよ!?私だって理人さんのお部屋には何度もお邪魔しているし・・・えっと」
これではまるで私が『上がってください』と言っているようなものだ。そんなつもりなんてなくて、部屋も綺麗じゃないしだって・・・あぁもう!大人の余裕なんてこれっぽっちもない。
「ちょっとだけ入るよ」
脳内会議中だった私の肩を優しく押して部屋に戻され、理人さんは長い足で一歩玄関土間へ。理人さんの後ろで静かに玄関ドアが閉まった。
なんだか緊張する。これまで二人で部屋にいたことは何度もある。けれど完全な二人だけの空間は初めてかもしれない。理人さんの視線が私の体を上から下まで見ている。
「あ、と・・・上がります?」
「いや、顔を見たかっただけだからここで帰るよ」
理人さんの手が伸びてきて、シャワーで火照った左頬を包み込む。玄関の段差があっても理人さんに見降ろされる構図は変わらない。ごくっと生唾を飲む音が響いてしまって、さらに顔が燃えるように熱い。私ばっかり期待していたみたいで恥ずかしい。
「無防備すぎて心配になる。・・・足。配達が来たらそのまま出るつもり?」
理人さんの手のひらがショートパンツからはみ出た右の太ももをゆっくりと撫で上げていく。部屋着のことなんて考えてなかった。
「髪、濡れてる」
頬に添えられていた手がそのまま後頭部へと回って髪を梳いていく。全身をじっくり触診されているみたいで、変な気分になってしまう。
近づいてくる綺麗な顔、私の後頭部に添えられた手は私を逃がしてくれる気はないらしい。ゆっくりとついばむような優しいキスは、じっくりと触れてから離れて。視線が合えば初めて会ったときとは違う視線を向けられている。また触れる唇に私は抵抗するつもりなんてない。柔らかな感覚と理人さんの匂いに包まれて落ち着く自分と、もっと欲張りな自分がいる。
息が荒れるほどではなく、大事にされていることを実感する。気持ちの高ぶりだけではない、気の迷いなんかじゃない想いが伝わってきて胸がじんわりと温かい。
「夜遅くに悪かった。髪を乾かしてから寝るんだよ。ちゃんと鍵、閉めるように」
離れていく熱に寂しさを感じるのに、理人さんの私を大切にしようとする姿勢に『もう少し』なんてわがままは言えない。熱いのはシャワーのせいか、それともお酒か。そんなこと答えはわかっているのに。
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