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第二章
2-9 不安と劣等感
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今日から二週間会えない日々が始まる。
「忘れ物は無いですか?」
「大丈夫。問題ない」
藤原邸の前で私と理人さんは向かい合っていた。カップルが離れ離れになる時のような、大泣きしたり最後だからって抱きしめ合ったり・・・はしない。もちろん私たちはカップルではないし、何より車の中には田村さんが待っているのだ。別に隠しているわけでは無いし、田村さんから関係の深まりについて言及されたこともない。でも気付いていないわけでもない、むしろ不確定な私たちを見守ってくれている気がしている。
「行ってくるよ。また連絡する」
「はい。・・・忘れ物は、ないですよね」
「?」
「あ、いや、なんでもないです。私も連絡します。新しい新商品レポとか、面白いお客さんが来たよとか、そんなことを」
「ほう、それは楽しみだな?」
慣れた手つきで私の頭を撫でた理人さんは、そのまま車のドアへと手をかける。テレビで見たやつだって車に目を輝かせていた少年のような理人さんはもういなくて、当たり前に車へと乗り込んでしまった。
驚いたけれど、確かにそうだなと思ったの。理人さんは「遅れを取り戻すために、普通自動車免許を取りに合宿へ行く」と言った。それは何週間も前とかではなく先週のこと。そんな急に?って驚く私をおいて、理人さんは行動力お化けに取り憑かれたようにさっさと手続きをしてしまったらしい。
バイトが忙しくて会えなかった期間、寂しかったことを昨日のように思い出す。そして会いにきてくれた理人さんも、きっと同じ気持ちだった。でも私たちは会えなくても連絡が取れるようになったから、きっともう大丈夫。二週間なんてバイトしていたらあっという間だし、なんならダイエットとか頑張ってみたりして自分を高める期間にするのも価値のある時間だよね?小さなことでヤキモキする自分から卒業したい。どんどん進んでいってしまう理人さんに置いていかれないように、私も成長してみせる。
そんな向上心も今や不安が優ってしまい、何も手につかないから困るのだ。
理人さんを見送ったあの日からすでに一週間が経っていた。なんならもう折り返してしまったのに、理人さんからの連絡は一度たりともこない。初めの頃はワクワクしてスマホを覗き込んでは、公式からの通知ばかりで落胆する毎日。今や期待なんて無くなって・・・しまえばいいのに、結局期待して裏切られて。むしろこの一週間でメンタルが退化してしまった気さえする。これは私だけに問題があるとは思えない。
今や我慢比べのように「私からは絶対連絡してやんない」と子どもじみた感情だけで精神を保っている程だ。
理人さんが急に合宿に行くなんて言うから、バイトのシフトを増やしてもらうには急すぎて言えなかった。だから私は何をするわけでもなく、モヤモヤしたまま家で過ごすしかないなんて。
最初は意気込んでいたダイエット用のローラーはそこらに転がったままだし、半身浴も二日しか続かなかった。ネットで頼んでいたパックの詰め合わせが届いたけれど、なんだか今ひとつワクワクが足りないの。私のモチベーションを上げてくれるのは、彼しかいない。なんてだめだめ。そう言う重くてメンヘラっぽい考えがいけない!自立していたはずなのに、なんで人は恋をすると弱くなるんだろう。
テレビへと視線を移せばドラマの中で泣きじゃくった主人公がいて、それだけ素直に甘えられることがまず羨ましかった。感情移入というよりは、いいなぁ、虚しいなぁと思っていた恋愛ドラマが最近では楽しめるようになってきた。私だって理人さんより遅くとも、成長しているのだ。
トゥルルン。トゥルルン。トゥルルン。
突如鳴り響く着信音に肩を大きく震わせる。スマホ画面を覗けば待ち焦がれていた相手の名前。すぐにあの大好きな声を聞きたいのに、すぐに出てしまえば待っているみたいでダサい。息を吐いて、あと一回鳴ったら出る。
トゥルルン。よし。
「もしもし」
『・・・さくら。急に電話してごめん』
謝るのはそこでは無い。ずっと連絡をくれなかったことだ。ムカつくのに声を聞くと、名前を呼ばれると嬉しくてたまらない。ずっと留守番していた犬は多分こんな気持ちなんだろうな。
『なんだか初めての体験ばかりで、自分に余裕がなかったんだ。今は少し、慣れてきたところ。他人と生活するというのは驚きの連続だった』
そう苦笑まじりに話されても、どこか遠くのことに感じる。事実遠いことだし、私が覗き見ることの出来ないものに変わりはない。
学生の頃の話とかなら笑って聞けていたと思うけれど、これは今現在の話。違うところにいたって私のことを考えて欲しかったし、悩んでいたのなら相談して欲しかった。それは全部私のわがままなのかな。
『さくら?』
「そうなんですね。友達は出来ましたか?」
『友達・・・というものはやっぱりよくわからない。集団生活は初めてだし、皆んな僕より年下だから敬ってくれている・・・と言えばいいのかな。難しい。けれど良くしてもらっていると思う』
「確かに大学生とかが友達と一緒に合宿に参加して、免許を取るってイメージです。仲間外れにされていたりしませんか?だとしたら私が殴り込みに行きます」
『はは。さくらは意外と短気なんだな?大丈夫。嫌なことはされていないよ。むしろ声をかけてもらって、助かってる』
「短気ではありません。理人さんに何かする奴が嫌で・・・」
『理人くん!あ!電話してる?あっごめんね』
『いや、大丈夫。何か用?』
『ケンタたちと花火しようって言ってて、理人くんも一緒にどう・・・かな?』
あからさまな女の女を全面に押し出したカン高い声に、一気に吐き気が込み上げてくる。名前呼び?なんで理人さんは電話中だからって突き放してくれないの?私がその会話を聞いてどう思うか考えられない?ずっとその女と過ごしているの?遅れた青春を取り戻すために?若い女がいいよね。そうだよね。そんなの分かりきっているのに、こんな感情の自分にも反吐が出る。
『明日実技が早いからやめておくよ。誘ってくれてありがとう』
『わかったぁ。・・・もしかして彼女さんだった?それならごめんね。じゃ』
気持ち悪い。嫌な感情に頭が支配されていく感覚。モヤがかかって感情を言葉になんて出来ない。ただ、気持ち悪い。鼻の奥が熱い。溢れる・・・。溢れちゃうよ、不安が、涙が、気持ちが。
『さくら?』
「理人さんはお金持ちなんだから、免許合宿なんて普通の人みたいなことしなくてももっと違う免許の取り方出来たんじゃないですか?」
『さくら?どうしたの?怒ってる?』
「怒っています。理人さんには絶対理解できない感情で、胸がいっぱいです。でもそれは理人さんが悪いんじゃなくて、自分の自信の無さに起因しています。ただ・・・しんどいです。このままでいいと思っていたけれど、私は欲張りだしわがままだしどうしようもない馬鹿なのでちゃんとした言葉が欲しくなりました。もっと余裕でいたいけどいられない。大人でいたいのにかき乱されるんです。困らせてすみません」
震えてしまう声を隠すように、早口でまくし立てる。自分でも整理のつかない脳内を理解してくれなんて難題もいいところだ。いつだって私を優先して1番にして欲しいなんて無理なのに。
『考えさせて欲しい。さくらをそんな感情にさせてしまっている理由を。帰ったら一番に会いにいく。今、そばにいてあげられなくてごめん』
困らせているのは私なのに。私の方が何年も先に大人になっているのに、理人さんの方が何倍も大人でそれさえも苦しい。
劣等感に吐き気がする。これまで積み上げてきた薄っぺらい三十二年間はなんだったんだろう。本気で頑張ったことも、本気で誰かを好きになったこともなかった。そしてこんなに大事にされたこともなかった。好きな人が自分のことを好きでいてくれているはずなのに、それを遠ざけるようなことを言って本当に馬鹿。アホ。嫌いだ。
「好きです。自分のことは嫌いです」
それだけ言って通話を終了させた。理人さんは悪くないですって言いたかった、でも涙が出るから上手く話せなかったの。苦しい、恋愛って苦しいばっかりじゃない。
「忘れ物は無いですか?」
「大丈夫。問題ない」
藤原邸の前で私と理人さんは向かい合っていた。カップルが離れ離れになる時のような、大泣きしたり最後だからって抱きしめ合ったり・・・はしない。もちろん私たちはカップルではないし、何より車の中には田村さんが待っているのだ。別に隠しているわけでは無いし、田村さんから関係の深まりについて言及されたこともない。でも気付いていないわけでもない、むしろ不確定な私たちを見守ってくれている気がしている。
「行ってくるよ。また連絡する」
「はい。・・・忘れ物は、ないですよね」
「?」
「あ、いや、なんでもないです。私も連絡します。新しい新商品レポとか、面白いお客さんが来たよとか、そんなことを」
「ほう、それは楽しみだな?」
慣れた手つきで私の頭を撫でた理人さんは、そのまま車のドアへと手をかける。テレビで見たやつだって車に目を輝かせていた少年のような理人さんはもういなくて、当たり前に車へと乗り込んでしまった。
驚いたけれど、確かにそうだなと思ったの。理人さんは「遅れを取り戻すために、普通自動車免許を取りに合宿へ行く」と言った。それは何週間も前とかではなく先週のこと。そんな急に?って驚く私をおいて、理人さんは行動力お化けに取り憑かれたようにさっさと手続きをしてしまったらしい。
バイトが忙しくて会えなかった期間、寂しかったことを昨日のように思い出す。そして会いにきてくれた理人さんも、きっと同じ気持ちだった。でも私たちは会えなくても連絡が取れるようになったから、きっともう大丈夫。二週間なんてバイトしていたらあっという間だし、なんならダイエットとか頑張ってみたりして自分を高める期間にするのも価値のある時間だよね?小さなことでヤキモキする自分から卒業したい。どんどん進んでいってしまう理人さんに置いていかれないように、私も成長してみせる。
そんな向上心も今や不安が優ってしまい、何も手につかないから困るのだ。
理人さんを見送ったあの日からすでに一週間が経っていた。なんならもう折り返してしまったのに、理人さんからの連絡は一度たりともこない。初めの頃はワクワクしてスマホを覗き込んでは、公式からの通知ばかりで落胆する毎日。今や期待なんて無くなって・・・しまえばいいのに、結局期待して裏切られて。むしろこの一週間でメンタルが退化してしまった気さえする。これは私だけに問題があるとは思えない。
今や我慢比べのように「私からは絶対連絡してやんない」と子どもじみた感情だけで精神を保っている程だ。
理人さんが急に合宿に行くなんて言うから、バイトのシフトを増やしてもらうには急すぎて言えなかった。だから私は何をするわけでもなく、モヤモヤしたまま家で過ごすしかないなんて。
最初は意気込んでいたダイエット用のローラーはそこらに転がったままだし、半身浴も二日しか続かなかった。ネットで頼んでいたパックの詰め合わせが届いたけれど、なんだか今ひとつワクワクが足りないの。私のモチベーションを上げてくれるのは、彼しかいない。なんてだめだめ。そう言う重くてメンヘラっぽい考えがいけない!自立していたはずなのに、なんで人は恋をすると弱くなるんだろう。
テレビへと視線を移せばドラマの中で泣きじゃくった主人公がいて、それだけ素直に甘えられることがまず羨ましかった。感情移入というよりは、いいなぁ、虚しいなぁと思っていた恋愛ドラマが最近では楽しめるようになってきた。私だって理人さんより遅くとも、成長しているのだ。
トゥルルン。トゥルルン。トゥルルン。
突如鳴り響く着信音に肩を大きく震わせる。スマホ画面を覗けば待ち焦がれていた相手の名前。すぐにあの大好きな声を聞きたいのに、すぐに出てしまえば待っているみたいでダサい。息を吐いて、あと一回鳴ったら出る。
トゥルルン。よし。
「もしもし」
『・・・さくら。急に電話してごめん』
謝るのはそこでは無い。ずっと連絡をくれなかったことだ。ムカつくのに声を聞くと、名前を呼ばれると嬉しくてたまらない。ずっと留守番していた犬は多分こんな気持ちなんだろうな。
『なんだか初めての体験ばかりで、自分に余裕がなかったんだ。今は少し、慣れてきたところ。他人と生活するというのは驚きの連続だった』
そう苦笑まじりに話されても、どこか遠くのことに感じる。事実遠いことだし、私が覗き見ることの出来ないものに変わりはない。
学生の頃の話とかなら笑って聞けていたと思うけれど、これは今現在の話。違うところにいたって私のことを考えて欲しかったし、悩んでいたのなら相談して欲しかった。それは全部私のわがままなのかな。
『さくら?』
「そうなんですね。友達は出来ましたか?」
『友達・・・というものはやっぱりよくわからない。集団生活は初めてだし、皆んな僕より年下だから敬ってくれている・・・と言えばいいのかな。難しい。けれど良くしてもらっていると思う』
「確かに大学生とかが友達と一緒に合宿に参加して、免許を取るってイメージです。仲間外れにされていたりしませんか?だとしたら私が殴り込みに行きます」
『はは。さくらは意外と短気なんだな?大丈夫。嫌なことはされていないよ。むしろ声をかけてもらって、助かってる』
「短気ではありません。理人さんに何かする奴が嫌で・・・」
『理人くん!あ!電話してる?あっごめんね』
『いや、大丈夫。何か用?』
『ケンタたちと花火しようって言ってて、理人くんも一緒にどう・・・かな?』
あからさまな女の女を全面に押し出したカン高い声に、一気に吐き気が込み上げてくる。名前呼び?なんで理人さんは電話中だからって突き放してくれないの?私がその会話を聞いてどう思うか考えられない?ずっとその女と過ごしているの?遅れた青春を取り戻すために?若い女がいいよね。そうだよね。そんなの分かりきっているのに、こんな感情の自分にも反吐が出る。
『明日実技が早いからやめておくよ。誘ってくれてありがとう』
『わかったぁ。・・・もしかして彼女さんだった?それならごめんね。じゃ』
気持ち悪い。嫌な感情に頭が支配されていく感覚。モヤがかかって感情を言葉になんて出来ない。ただ、気持ち悪い。鼻の奥が熱い。溢れる・・・。溢れちゃうよ、不安が、涙が、気持ちが。
『さくら?』
「理人さんはお金持ちなんだから、免許合宿なんて普通の人みたいなことしなくてももっと違う免許の取り方出来たんじゃないですか?」
『さくら?どうしたの?怒ってる?』
「怒っています。理人さんには絶対理解できない感情で、胸がいっぱいです。でもそれは理人さんが悪いんじゃなくて、自分の自信の無さに起因しています。ただ・・・しんどいです。このままでいいと思っていたけれど、私は欲張りだしわがままだしどうしようもない馬鹿なのでちゃんとした言葉が欲しくなりました。もっと余裕でいたいけどいられない。大人でいたいのにかき乱されるんです。困らせてすみません」
震えてしまう声を隠すように、早口でまくし立てる。自分でも整理のつかない脳内を理解してくれなんて難題もいいところだ。いつだって私を優先して1番にして欲しいなんて無理なのに。
『考えさせて欲しい。さくらをそんな感情にさせてしまっている理由を。帰ったら一番に会いにいく。今、そばにいてあげられなくてごめん』
困らせているのは私なのに。私の方が何年も先に大人になっているのに、理人さんの方が何倍も大人でそれさえも苦しい。
劣等感に吐き気がする。これまで積み上げてきた薄っぺらい三十二年間はなんだったんだろう。本気で頑張ったことも、本気で誰かを好きになったこともなかった。そしてこんなに大事にされたこともなかった。好きな人が自分のことを好きでいてくれているはずなのに、それを遠ざけるようなことを言って本当に馬鹿。アホ。嫌いだ。
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