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第四章
4-3 孤独と悪魔
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オイルの香りはホットタオルだけでは拭いきれず、アロマはマッサージオイルには混ぜずにディフューザーだけにしよう。薄暗い店内はここだけのリラックス空間を作る為で、外に出れば職員たちが行きかうオフィスへと戻る。
マッサージの施術を終え、理人さんを外へと見送るためにその背中を追って廊下へと出る。待っているかと思った理人さんの部下である渡辺さんの姿は無く、長時間待たせてしまっているのではと心配していたから少しほっとした。誰かに見られているかもしれない環境で、理人さんに馴れ馴れしく接することはしたくなかった。リラクゼーションサロンのスタッフとして、丸まった肩甲骨を寄せて背筋を伸ばし理人さんと向かい合う。
「本日はありがとうござ(コツコツコツ・・・コツ)
静まり返った空間の中、響く高いヒールの音に思わず言葉を止める。その音が近づいてくる先には、忘れられない女性の姿があった。止まることなく廊下に響くヒールの音は、冷たい刃物のように私の心を切りつける。
半年以上前、私を罵倒した女だ。
心臓がバクバクと鳴り始め、指先から肩まで小刻みに震え始める。
『こんな女が藤原家に関わるにふさわしい立場なのかしら?』
あの時の光景がフラッシュバックする。静まり返ったコンビニの店内、他のお客様からの刺さるような視線、一方的な悪意。どうしてあの人がここに・・・?確かに理人さんと私の関係を知っている様子だったから、会社内の人だとしても何らおかしくない。
でもあの時の私とは違う。まだまだ追いつけないけれど、私なりに努力してきたんだ。
「どうしてあんたがここにいるの?」
驚いた顔をしていた私と同じように驚き、直ぐに不愉快そうな表情でこちらを睨まれて思わず息をのむ。こんなにもハッキリとした悪意を感じたことはない。何か言い返さなきゃって思ったとき、私と女性の間に割りいるように理人さんが立った。私を背に、かばうように。
「彼女はリラクゼーションサロンのスタッフです。うちのれっきとした社員です」
「はぁ?!誰が決めたのよ?!」
お金のかかっていそうな綺麗な顔にシワが寄り、不満そうなドスの利いた声が辺りに響き渡る。理人さん相手にこんな振る舞いをするだなんて、何か重要な立ち位置の人なのだろうか。おそらく年齢は四十歳以上。とても綺麗だがお金を掛けて若さを保っているという雰囲気で、なによりも高飛車でわがままそうな人だ。わがままというか自分の感情を制御できていない・・・という感じに見える。まるで悪魔に憑りつかれているみたい。
「僕です」
「自分の女を贔屓して入社させたっていうの?この未来総合商事に?・・・よくも、うちの格を下げるようなことを。やっぱりあんたたち、雅人を引きずり下ろして社長の座を狙ってるんじゃないでしょうねぇ?!」
雅人・・・?それって理人さんの異母兄弟で、会社を継ぐお兄さんのはず。
「真紀さん。何度も申し上げていますが、僕は兄さんの立場を奪おうなんて考えていません」
「どうかしら。女を入れて色仕掛けでもするつもり?そんな安っぽい女に雅人は引っかからないわ」
ピリついた空気が一気に冷たく変化する。なだめるように落ち着いた声を出していた理人さんに、背中越しでも腕に力が入ったように見えた。
私を貶されて怒っている・・・?嬉しいけれど、社内で女性への暴力は絶対にだめ。思わずこぶしを握っている腕に両手を伸ばし、全身で抱きしめる。
「理人さん。私は構いません」
なるべく小さく簡潔に伝わるように理人さんを見上げれば、こちらを見降ろす視線が少しだけ丸くなった。
「さくら。この人は兄さんの母親で、僕の義母だ。つまり父・・・高雅の妻であり、現社長夫人の真紀さんだ」
その言葉に思わず女性を正面から見つめる。
田村さんから聞いていた話を思い出せば、彼女のこの態度に頷ける。
そうか、そうだったのか。真紀さんから見たら、愛する旦那に浮気されて出来た子どもが理人さん。雅人さんよりも理人さんやお母さまを気に掛ける旦那の姿に、狂ってしまう気持ちはわからなくもない。そして当の雅人さんは傲慢で社員からも不信と聞くと、自分の立場や子どもの未来を憂いて・・・悪魔を宿してしまってもおかしくない。
お金があれば幸せだと思っていたけれど、きっとこの家族はそんなに簡単なものじゃない。そしてこの女性は・・・色んな感情が渦巻いていて、きっと幸せじゃない。
この女性が怖くて、むかついて堪らなかったのに。真紀さんの人生を想像すれば哀れにすら感じてしまう。
「何よ・・・その目は。私の許可も無しに、このビルから出ていきなさいよ!」
その場が一瞬で凍りつくような空気に包まれる。真紀さんの声はどこか怨嗟が混じり、彼女の瞳は怒りと嫉妬に揺れている。さっきよりも大きなヒール音を鳴らしてこちらへ向かってくるが、先ほどまでの得体の知れない怖さはない。彼女の一連の言葉の中にある痛みと葛藤を感じ取りながらも、何とか落ち着かせる方法へ思考を巡らせる。
掴まれた腕に、かすかに冷たさを感じた。彼女の握力は強くないが、その手は震えているように見える。無理やりに腕を取られてもたかが女性の力だ。振りほどける程度のひ弱さに年齢を感じながら、抵抗はせずに受け入れる。爪が手首の内側に刺さるけれど、そんな痛みはどうってことない。
「あんたに何がわかるのよ・・・」
毛穴も見える距離になれば気付くシワや、目の下のクマ。手首にはストレスの跡や搔きむしったかさぶた。腕を無理やり引っ張られながら、罵倒されているはずなのに私の心はこの人を・・・真紀さんを救いたいと思ってしまっている。
「さくらっ」
後ろから理人さんの声がする。振り返れば野生の猫がカマキリを狙うように目を細めつつ、余裕を残しながらこちらを追ってきている。速度は決して早くないし私も逃げられる、かつ理人さんも止められる状況。でもそうしないのは、二人とも彼女の境遇に一抹の同情があるから。
自分は愛情を注ぎ、主人への愛と礼儀を尽くしてきた。それなのに主人は浮気をして子どもを作り、正妻を蔑ろにして理人さん親子へかまけっきり。我が子を見て欲しくて理人さんたちへの接触を制限したのに、振り向いてくれるどころか仕事人間になってしまった高雅さん。大事に育てたはずの愛息子がねじれて育ってしまった自負と、理人さんがまっすぐ正しく育っていることへの嫉妬。彼女の中の憎悪は計り知れない。
隠し切れない心配の表情を見せる理人さんへ振り返りつつ首を降っておく。私は助けてもらわなくていい。むしろ助けるべき相手は・・・真紀さんだから。
腕を引かれつつ向かう先はなんとなくわかっている。それは最上階の社長室ではなく、まっすぐ外へと向かっていた。現社長である高雅さんでも、時期社長である息子の雅人さんへ助けを求めるわけでもない。きっと彼女はずっとひとりだった。味方などいなくて、ずっとひとりで戦ってきた彼女の人生はどれほど孤独だったのだろうか。
ビルの玄関が近づくにつれ、彼女の歩調は早まり、引かれる私の腕もぎりぎりと痛んだ。自動ドアが静かに開き、外の空気がひんやりと顔を撫でる。その時、ロータリーに停まるタクシーの先に違和感を覚えた。一人の小柄な女性が、じっとこちらを見ている。どこかで見たことがある。タクシーの隣に立つ小柄な女性の視線は、私たち三人の間で起きている異変を見透かすようだった。なぜ、彼女がここに?
見覚えのある女性だった。その人は確か――そう、以前真紀さんがコンビニに来たときにいた、あの客だ。
社長夫人と専務補佐である理人さん、あと謎の女である私のただならぬ様子に職員たちの視線も集まっていた。ざわつき始める周囲に紛れて、見覚えのある女性が突然こちらに突進してきた。真紀さんに向かって一直線に飛びかかろうとするその姿を見て、咄嗟に身を乗り出していた。
「危ない!」
マッサージの施術を終え、理人さんを外へと見送るためにその背中を追って廊下へと出る。待っているかと思った理人さんの部下である渡辺さんの姿は無く、長時間待たせてしまっているのではと心配していたから少しほっとした。誰かに見られているかもしれない環境で、理人さんに馴れ馴れしく接することはしたくなかった。リラクゼーションサロンのスタッフとして、丸まった肩甲骨を寄せて背筋を伸ばし理人さんと向かい合う。
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半年以上前、私を罵倒した女だ。
心臓がバクバクと鳴り始め、指先から肩まで小刻みに震え始める。
『こんな女が藤原家に関わるにふさわしい立場なのかしら?』
あの時の光景がフラッシュバックする。静まり返ったコンビニの店内、他のお客様からの刺さるような視線、一方的な悪意。どうしてあの人がここに・・・?確かに理人さんと私の関係を知っている様子だったから、会社内の人だとしても何らおかしくない。
でもあの時の私とは違う。まだまだ追いつけないけれど、私なりに努力してきたんだ。
「どうしてあんたがここにいるの?」
驚いた顔をしていた私と同じように驚き、直ぐに不愉快そうな表情でこちらを睨まれて思わず息をのむ。こんなにもハッキリとした悪意を感じたことはない。何か言い返さなきゃって思ったとき、私と女性の間に割りいるように理人さんが立った。私を背に、かばうように。
「彼女はリラクゼーションサロンのスタッフです。うちのれっきとした社員です」
「はぁ?!誰が決めたのよ?!」
お金のかかっていそうな綺麗な顔にシワが寄り、不満そうなドスの利いた声が辺りに響き渡る。理人さん相手にこんな振る舞いをするだなんて、何か重要な立ち位置の人なのだろうか。おそらく年齢は四十歳以上。とても綺麗だがお金を掛けて若さを保っているという雰囲気で、なによりも高飛車でわがままそうな人だ。わがままというか自分の感情を制御できていない・・・という感じに見える。まるで悪魔に憑りつかれているみたい。
「僕です」
「自分の女を贔屓して入社させたっていうの?この未来総合商事に?・・・よくも、うちの格を下げるようなことを。やっぱりあんたたち、雅人を引きずり下ろして社長の座を狙ってるんじゃないでしょうねぇ?!」
雅人・・・?それって理人さんの異母兄弟で、会社を継ぐお兄さんのはず。
「真紀さん。何度も申し上げていますが、僕は兄さんの立場を奪おうなんて考えていません」
「どうかしら。女を入れて色仕掛けでもするつもり?そんな安っぽい女に雅人は引っかからないわ」
ピリついた空気が一気に冷たく変化する。なだめるように落ち着いた声を出していた理人さんに、背中越しでも腕に力が入ったように見えた。
私を貶されて怒っている・・・?嬉しいけれど、社内で女性への暴力は絶対にだめ。思わずこぶしを握っている腕に両手を伸ばし、全身で抱きしめる。
「理人さん。私は構いません」
なるべく小さく簡潔に伝わるように理人さんを見上げれば、こちらを見降ろす視線が少しだけ丸くなった。
「さくら。この人は兄さんの母親で、僕の義母だ。つまり父・・・高雅の妻であり、現社長夫人の真紀さんだ」
その言葉に思わず女性を正面から見つめる。
田村さんから聞いていた話を思い出せば、彼女のこの態度に頷ける。
そうか、そうだったのか。真紀さんから見たら、愛する旦那に浮気されて出来た子どもが理人さん。雅人さんよりも理人さんやお母さまを気に掛ける旦那の姿に、狂ってしまう気持ちはわからなくもない。そして当の雅人さんは傲慢で社員からも不信と聞くと、自分の立場や子どもの未来を憂いて・・・悪魔を宿してしまってもおかしくない。
お金があれば幸せだと思っていたけれど、きっとこの家族はそんなに簡単なものじゃない。そしてこの女性は・・・色んな感情が渦巻いていて、きっと幸せじゃない。
この女性が怖くて、むかついて堪らなかったのに。真紀さんの人生を想像すれば哀れにすら感じてしまう。
「何よ・・・その目は。私の許可も無しに、このビルから出ていきなさいよ!」
その場が一瞬で凍りつくような空気に包まれる。真紀さんの声はどこか怨嗟が混じり、彼女の瞳は怒りと嫉妬に揺れている。さっきよりも大きなヒール音を鳴らしてこちらへ向かってくるが、先ほどまでの得体の知れない怖さはない。彼女の一連の言葉の中にある痛みと葛藤を感じ取りながらも、何とか落ち着かせる方法へ思考を巡らせる。
掴まれた腕に、かすかに冷たさを感じた。彼女の握力は強くないが、その手は震えているように見える。無理やりに腕を取られてもたかが女性の力だ。振りほどける程度のひ弱さに年齢を感じながら、抵抗はせずに受け入れる。爪が手首の内側に刺さるけれど、そんな痛みはどうってことない。
「あんたに何がわかるのよ・・・」
毛穴も見える距離になれば気付くシワや、目の下のクマ。手首にはストレスの跡や搔きむしったかさぶた。腕を無理やり引っ張られながら、罵倒されているはずなのに私の心はこの人を・・・真紀さんを救いたいと思ってしまっている。
「さくらっ」
後ろから理人さんの声がする。振り返れば野生の猫がカマキリを狙うように目を細めつつ、余裕を残しながらこちらを追ってきている。速度は決して早くないし私も逃げられる、かつ理人さんも止められる状況。でもそうしないのは、二人とも彼女の境遇に一抹の同情があるから。
自分は愛情を注ぎ、主人への愛と礼儀を尽くしてきた。それなのに主人は浮気をして子どもを作り、正妻を蔑ろにして理人さん親子へかまけっきり。我が子を見て欲しくて理人さんたちへの接触を制限したのに、振り向いてくれるどころか仕事人間になってしまった高雅さん。大事に育てたはずの愛息子がねじれて育ってしまった自負と、理人さんがまっすぐ正しく育っていることへの嫉妬。彼女の中の憎悪は計り知れない。
隠し切れない心配の表情を見せる理人さんへ振り返りつつ首を降っておく。私は助けてもらわなくていい。むしろ助けるべき相手は・・・真紀さんだから。
腕を引かれつつ向かう先はなんとなくわかっている。それは最上階の社長室ではなく、まっすぐ外へと向かっていた。現社長である高雅さんでも、時期社長である息子の雅人さんへ助けを求めるわけでもない。きっと彼女はずっとひとりだった。味方などいなくて、ずっとひとりで戦ってきた彼女の人生はどれほど孤独だったのだろうか。
ビルの玄関が近づくにつれ、彼女の歩調は早まり、引かれる私の腕もぎりぎりと痛んだ。自動ドアが静かに開き、外の空気がひんやりと顔を撫でる。その時、ロータリーに停まるタクシーの先に違和感を覚えた。一人の小柄な女性が、じっとこちらを見ている。どこかで見たことがある。タクシーの隣に立つ小柄な女性の視線は、私たち三人の間で起きている異変を見透かすようだった。なぜ、彼女がここに?
見覚えのある女性だった。その人は確か――そう、以前真紀さんがコンビニに来たときにいた、あの客だ。
社長夫人と専務補佐である理人さん、あと謎の女である私のただならぬ様子に職員たちの視線も集まっていた。ざわつき始める周囲に紛れて、見覚えのある女性が突然こちらに突進してきた。真紀さんに向かって一直線に飛びかかろうとするその姿を見て、咄嗟に身を乗り出していた。
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