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第2章
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しおりを挟むピンポーン
響き渡るインターフォンに今日は来客の多い日だと思いながら立ち上がろうとすると、匠に制された。
「いいよ。僕行ってくるから、さや姉はお仕事してて」
そう言って匠は軽やかにリビングを出て行った。
数分も経たずに戻ってきた匠の手には大きなお盆が握られていた。
「・・・匠くん、それ何かな?」
「え? 僕もわからないよ」
相当重たいのか匠はぷるぷると震えながら、恐る恐るテーブルにお盆を下ろした。お盆には白い器の真ん中にちょこんと置かれたクリームパスタと、サラダにスープとクロワッサンが乗っていた。
「さや姉が頼んだんじゃないの?」
「え? 私じゃないよ? でも・・・、このお盆見覚えがある。何時もご飯が乗ってくるお盆だ」
「でも、これは下の階に入ってるレストランのランチだよ? さや姉って何時も何食べてるの?」
「何時も起きたら部屋のテーブルにお盆が乗ってて、お昼は寝てて食べてないし、夜はしゃちょ・・・貴臣さんが運んできてくれるけど。貴臣さんが作ってくれてるのかと・・・」
「なんだか絵に描いた様なニート生活だね。それに貴兄には料理作ってる暇なんて無いと思うよ? 毎食あそこのレストランのご飯食べてるなんて凄いね。僕のお小遣いでも毎食は流石に行けないよ」
「そ、そんな高いところなの?」
「そうだね。ランチで4万くらいじゃなかったかな」
「よっ、4万?! ランチはワンコインがキャッチコピーじゃなきゃ」
沙也加のお給料ではランチに五回も行けば全てパアになってしまう。
「やっぱり貴臣さんはとんでもない人なんだね」
「とんでもないどころじゃないよ。成長途中だったお父さんの会社を更に急成長させたのは、お父さんではなく貴兄だよ。早く会社を継ぐために高校卒業後は海外の大学を一年半で卒業して、二十歳で会社の重役になったんだ。最初は七光りだなんだって叩かれたみたいだけど、二年で会社の年商を倍にしてからは、株主総会でも誰も文句を言わなくなったんだよ。本当に貴兄は凄い人なんだ」
貴臣の事を話す匠は瞳をキラキラとさせて、本当に貴臣を尊敬しているのが伝わってくる。そして現実的ではない匠の話に、沙也加は口を開けたまま驚くばかりだった。
「ごめん。僕、喋り過ぎたね。早くご飯食べてお仕事しなきゃね」
それからご飯を半分こしながら食べて、沙也加は作業を続けた。
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