66 / 150
技師同士の言い合い
しおりを挟む
「やあ」
「こんにちは、ミリクリエさん」
「あらソウ様、サチナリアちゃん。いらっしゃい」
着地と同時に外に居たクリエに挨拶する。
頼んだ調理器具も大分送られてきたし、その礼も兼ねて今日はアストのところに来ている。
「・・・どうかしたのか?」
クリエは外に椅子を出してお茶を飲んでいる。
どうしたのかと思ったら家の中で言い合いのような怒号が飛び交っている。
「あぁ、いつもの事です。ホント成長しない人達でねー」
これがいつもの事なのか。
中では二人の男の声が飛び交ってるようで、片方はアストの声だな。
聞こえる声はいつものダミ声じゃ無いので職人として言い合いをしているようだ。
うーん、喧嘩じゃなくて意見のぶつけ合いか。
「お前ソウ様に逆らうつもりか!」
「そうじゃない!改善点があるって言ってるだけだ!」
む・・・俺の名前が出てきた。
改善点というのも気になるな。
「クリエ、中入っても大丈夫か?」
「大丈夫ですが、落ち着いてからでも」
隣でサチが既に座ってお茶を取り出してて、え?入るの?みたいな顔してるのは見なかった事にする。
「んー・・・なんか俺の名前出てるし、内容が気になってきて」
「そう言う事でしたら止めませんけど、しばらくして止まりそうになければ言ってくださいな」
「うん。わかった」
一緒に来る素振りを一切見せないサチを置いて俺は戸を開けた。
言い合いをしている二人の机の上には二つの鍋が置いてある。
アストの方には俺が注文した鍋と同じもの。
そしてもう一人俺の知らない男、アストに比べると小柄だが要所要所の体はしっかりしているアストより少し若くみえる男の前にも鍋が置いてある。
「ん?誰だ?」
俺に気付いた知らない方の男がこっちに視線を向けると、アストもそれに気付く。
「おぉ!ごればソウ様!」
あー、職人状態切れちゃった。
「やあ、アスト。調理器具ありがとな、どれも良い出来で助かってるよ」
さすがに三度目となるとアストの歓迎の仕方も慣れてくる。
バシバシ叩かれる二の腕が少し痛い。もうちょっと手加減して欲しい。
「どんでもない!まだ納品でぎでないのもあるが!もう少じ待っでぐだぜ!」
「うん。無理しないでいいから」
「わがっどりまず」
さっきまで強い言葉で言い合いしてた男とは思えないにこやかな表情で話してくれてる。いつもの事か、なるほど。
「それで・・・あれ?」
アストから視線を外してもう一人の方を見たらいなくなってた。
「おい!イリウス!机の下ば入っどらんど出でごんが!」
アストが机の下から男を引きずり出す。
「ずんまぜんの、ソウ様。ごいづば愚弟のイリウスですが」
首根っこを掴んで俺の前に突き出すアスト。容赦ないな。
一方でイリウスといわれた男はさっきアストと言い合いしてたとは思えない弱々しい印象になってる。
「は、はじめまして、ソウ様。い、イリウストレル、です」
「はじめまして。イリウスと呼んでも?」
「あ、は、はい。なんとででも呼んでください」
「お、おう、じゃあイリウスで」
アストとは別方向で人格が変わったので調子が狂う。
「だー!イリウス!お前ばソウ様の前で卑屈になんど!」
「だ、だって兄者。突然だったから僕どうすればいいのか」
「じゃんどじどげばええが!まっだぐ情げない!」
聞けばイリウスはクリエの弟で、アストからすると義弟になる。
技師としての腕は確かなのだが、普段がこの弱々しい感じなのでアストとしてはやきもきするらしい。
「まあまあ、そう責めるなって。それより何か言い争ってたように聞こえたんだが」
そう俺が言った瞬間二人の表情と空気がピリッとする。
「あぁ、それなんですがね。丁度いいのでソウ様の意見を聞いたらどうだ?」
「兄者がそういうなら」
二人とも変わりすぎじゃないか?
アストはダミ声から良い声に変わるし、イリウスは弱気からしっかりするし。
精錬技師ってみんなこんなんじゃないだろうな?不安になってくる。
「うん、とりあえず聞こうか」
「感謝します。兄者がソウ様の依頼で作ったのがこの鍋。そしてこれが僕が改良を加えた鍋です」
机の上にある鍋は俺が頼んだ両手持ちの鍋とイリウスが改良を加えたという鍋の二つ。
「フライパンの持ち手が一つなら鍋も一つでいいと思いまして、このような形にしました」
イリウスが作った鍋は所謂片手鍋と言われるやつだな。
「さっきも言ってたんですがね、これじゃ重過ぎるって話をしてるんですよ」
「そこは軽量鉱石を使えばいいじゃないか」
「それじゃ熱の伝わりが落ちるだろう」
「薄く作ればいいじゃないか」
「それじゃ強度が落ちるだろ!」
「僕なら何とかできる!」
おおう、また言い合いに発展してきた。
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着けって」
「お、おう。すまねぇソウ様」
「申し訳ない」
なるほど、クリエが止めるのを諦めたのが少しわかった。
「俺の感想を言ってもいいか?」
「どうぞ」
「うん。イリウスの片手鍋はなかなかいいと思う」
そういうとイリウスの表情が明るくなる。
「ただ、確かにこの大きさじゃ重いな。水を入れたら持つのが辛くなる」
今の大きさは両手鍋と同じ大きさで作られているからな。
うん、アストはどうだ見たかって顔しなくていいから。
「そこでこの片手形で小さい鍋にしたらどうだ?」
「小さく?」
「うん。それなら色々解決すると思うんだが」
「そうですが、それでは作れる量が減りませんかね」
「減るけど何も常に鍋一杯に何か作るわけじゃないから」
俺の出した案に二人は腕を組んで考え込んでる。
小さくするという発想が無いのか、思考から外してたのか分からないが、新しい方向性を示せたようだ。
小型化というのはそれはそれで難しくなる部分あるからなぁ。
「うん、出来そうです」
「そうか。じゃあ頼む。出来たら改めて出来栄えをアストと相談してくれ」
「はい」
「ふーむ、片手鍋かぁ・・・」
アストはまだ納得してない様子だな。
「アストは今まで通りのもの、もしくは両手持ちで今のより更に大きいのを作ってもらいたい」
「お?それはどういうことですかい?」
「今ルミナテースの農園で料理を出す建物を建ててるところなんだ。そうなるといずれ大きい鍋も必要になるから、作っておいてもらいたい」
先日の大収穫際で料理をした際に大鍋の必要性を感じたからな。
「ほう、そんな事になってんですか」
「うん。気が向いたら行ってみるといいよ。何か食わせてもらえると思うから」
「ほほう!そりゃ気になります!」
そういえば先日仙桃食った時大喜びしてたっけ。
出来れば農園に行って必要な物とか農園の人達から直接聞いて提供してもらいたい。
「じゃあ鍋問題はとりあえずこれで解決でいいかな?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ折角二人居るんだし頼みたいものがあるんだが」
これでやっと本題に入れるな。
「終わりましたか?」
「あぁ。お、あんがと」
外に出るとサチが冷たい茶を出してくれる。
「ソウ様、あの二人は何してます?」
「新たに頼む物があったからそれの担当相談してるよ」
「そうですか。最近作るものがあってあの人生き生きとしてるんですよ」
そう言ってクリエは微笑む。
「そうなのか?結構厄介な内容を注文してるかもと少し気になってたんだが」
「いえいえ、そんな事は全く。ありがたいことです」
余り道具を必要としないから仕事が少なかったのかもしれないな。
そう言う事なら今後も気兼ねなく頼ませてもらおう。うん。
「だからここは俺がやるって言ってんだろ!」
「いや、僕がやる!兄者より上手くやれる!」
「なんだと!」
「なにさ!」
おおう、また言い合いになってる。
「まったく、あの人達は・・・」
あー・・・ついにクリエが腰を上げた。
さっき微笑んでた女性とは思えない雰囲気。正直ちょっと怖い。
「ちょっと止めてきます」
「あ、あぁ。じゃあ俺達は帰らせてもらうよ」
「すみませんね、たいしたおもてなしも出来ず。また来て下さい」
「うん」
「それでは失礼します」
こっちに会釈をすると家に入っていく。
「あんた達!いい加減にしな!」
今日一番の怒号が家を揺らしてる。すげぇな。
「あ、あはは、す、凄いですね」
サチの笑いも少し引きつってる。
「そうだな、怖いから退散しよう」
誰を敵に回してはいけないかよくわかったところで俺達は精錬技師の家を後にした。
「こんにちは、ミリクリエさん」
「あらソウ様、サチナリアちゃん。いらっしゃい」
着地と同時に外に居たクリエに挨拶する。
頼んだ調理器具も大分送られてきたし、その礼も兼ねて今日はアストのところに来ている。
「・・・どうかしたのか?」
クリエは外に椅子を出してお茶を飲んでいる。
どうしたのかと思ったら家の中で言い合いのような怒号が飛び交っている。
「あぁ、いつもの事です。ホント成長しない人達でねー」
これがいつもの事なのか。
中では二人の男の声が飛び交ってるようで、片方はアストの声だな。
聞こえる声はいつものダミ声じゃ無いので職人として言い合いをしているようだ。
うーん、喧嘩じゃなくて意見のぶつけ合いか。
「お前ソウ様に逆らうつもりか!」
「そうじゃない!改善点があるって言ってるだけだ!」
む・・・俺の名前が出てきた。
改善点というのも気になるな。
「クリエ、中入っても大丈夫か?」
「大丈夫ですが、落ち着いてからでも」
隣でサチが既に座ってお茶を取り出してて、え?入るの?みたいな顔してるのは見なかった事にする。
「んー・・・なんか俺の名前出てるし、内容が気になってきて」
「そう言う事でしたら止めませんけど、しばらくして止まりそうになければ言ってくださいな」
「うん。わかった」
一緒に来る素振りを一切見せないサチを置いて俺は戸を開けた。
言い合いをしている二人の机の上には二つの鍋が置いてある。
アストの方には俺が注文した鍋と同じもの。
そしてもう一人俺の知らない男、アストに比べると小柄だが要所要所の体はしっかりしているアストより少し若くみえる男の前にも鍋が置いてある。
「ん?誰だ?」
俺に気付いた知らない方の男がこっちに視線を向けると、アストもそれに気付く。
「おぉ!ごればソウ様!」
あー、職人状態切れちゃった。
「やあ、アスト。調理器具ありがとな、どれも良い出来で助かってるよ」
さすがに三度目となるとアストの歓迎の仕方も慣れてくる。
バシバシ叩かれる二の腕が少し痛い。もうちょっと手加減して欲しい。
「どんでもない!まだ納品でぎでないのもあるが!もう少じ待っでぐだぜ!」
「うん。無理しないでいいから」
「わがっどりまず」
さっきまで強い言葉で言い合いしてた男とは思えないにこやかな表情で話してくれてる。いつもの事か、なるほど。
「それで・・・あれ?」
アストから視線を外してもう一人の方を見たらいなくなってた。
「おい!イリウス!机の下ば入っどらんど出でごんが!」
アストが机の下から男を引きずり出す。
「ずんまぜんの、ソウ様。ごいづば愚弟のイリウスですが」
首根っこを掴んで俺の前に突き出すアスト。容赦ないな。
一方でイリウスといわれた男はさっきアストと言い合いしてたとは思えない弱々しい印象になってる。
「は、はじめまして、ソウ様。い、イリウストレル、です」
「はじめまして。イリウスと呼んでも?」
「あ、は、はい。なんとででも呼んでください」
「お、おう、じゃあイリウスで」
アストとは別方向で人格が変わったので調子が狂う。
「だー!イリウス!お前ばソウ様の前で卑屈になんど!」
「だ、だって兄者。突然だったから僕どうすればいいのか」
「じゃんどじどげばええが!まっだぐ情げない!」
聞けばイリウスはクリエの弟で、アストからすると義弟になる。
技師としての腕は確かなのだが、普段がこの弱々しい感じなのでアストとしてはやきもきするらしい。
「まあまあ、そう責めるなって。それより何か言い争ってたように聞こえたんだが」
そう俺が言った瞬間二人の表情と空気がピリッとする。
「あぁ、それなんですがね。丁度いいのでソウ様の意見を聞いたらどうだ?」
「兄者がそういうなら」
二人とも変わりすぎじゃないか?
アストはダミ声から良い声に変わるし、イリウスは弱気からしっかりするし。
精錬技師ってみんなこんなんじゃないだろうな?不安になってくる。
「うん、とりあえず聞こうか」
「感謝します。兄者がソウ様の依頼で作ったのがこの鍋。そしてこれが僕が改良を加えた鍋です」
机の上にある鍋は俺が頼んだ両手持ちの鍋とイリウスが改良を加えたという鍋の二つ。
「フライパンの持ち手が一つなら鍋も一つでいいと思いまして、このような形にしました」
イリウスが作った鍋は所謂片手鍋と言われるやつだな。
「さっきも言ってたんですがね、これじゃ重過ぎるって話をしてるんですよ」
「そこは軽量鉱石を使えばいいじゃないか」
「それじゃ熱の伝わりが落ちるだろう」
「薄く作ればいいじゃないか」
「それじゃ強度が落ちるだろ!」
「僕なら何とかできる!」
おおう、また言い合いに発展してきた。
「ちょ、ちょっと二人とも落ち着けって」
「お、おう。すまねぇソウ様」
「申し訳ない」
なるほど、クリエが止めるのを諦めたのが少しわかった。
「俺の感想を言ってもいいか?」
「どうぞ」
「うん。イリウスの片手鍋はなかなかいいと思う」
そういうとイリウスの表情が明るくなる。
「ただ、確かにこの大きさじゃ重いな。水を入れたら持つのが辛くなる」
今の大きさは両手鍋と同じ大きさで作られているからな。
うん、アストはどうだ見たかって顔しなくていいから。
「そこでこの片手形で小さい鍋にしたらどうだ?」
「小さく?」
「うん。それなら色々解決すると思うんだが」
「そうですが、それでは作れる量が減りませんかね」
「減るけど何も常に鍋一杯に何か作るわけじゃないから」
俺の出した案に二人は腕を組んで考え込んでる。
小さくするという発想が無いのか、思考から外してたのか分からないが、新しい方向性を示せたようだ。
小型化というのはそれはそれで難しくなる部分あるからなぁ。
「うん、出来そうです」
「そうか。じゃあ頼む。出来たら改めて出来栄えをアストと相談してくれ」
「はい」
「ふーむ、片手鍋かぁ・・・」
アストはまだ納得してない様子だな。
「アストは今まで通りのもの、もしくは両手持ちで今のより更に大きいのを作ってもらいたい」
「お?それはどういうことですかい?」
「今ルミナテースの農園で料理を出す建物を建ててるところなんだ。そうなるといずれ大きい鍋も必要になるから、作っておいてもらいたい」
先日の大収穫際で料理をした際に大鍋の必要性を感じたからな。
「ほう、そんな事になってんですか」
「うん。気が向いたら行ってみるといいよ。何か食わせてもらえると思うから」
「ほほう!そりゃ気になります!」
そういえば先日仙桃食った時大喜びしてたっけ。
出来れば農園に行って必要な物とか農園の人達から直接聞いて提供してもらいたい。
「じゃあ鍋問題はとりあえずこれで解決でいいかな?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ折角二人居るんだし頼みたいものがあるんだが」
これでやっと本題に入れるな。
「終わりましたか?」
「あぁ。お、あんがと」
外に出るとサチが冷たい茶を出してくれる。
「ソウ様、あの二人は何してます?」
「新たに頼む物があったからそれの担当相談してるよ」
「そうですか。最近作るものがあってあの人生き生きとしてるんですよ」
そう言ってクリエは微笑む。
「そうなのか?結構厄介な内容を注文してるかもと少し気になってたんだが」
「いえいえ、そんな事は全く。ありがたいことです」
余り道具を必要としないから仕事が少なかったのかもしれないな。
そう言う事なら今後も気兼ねなく頼ませてもらおう。うん。
「だからここは俺がやるって言ってんだろ!」
「いや、僕がやる!兄者より上手くやれる!」
「なんだと!」
「なにさ!」
おおう、また言い合いになってる。
「まったく、あの人達は・・・」
あー・・・ついにクリエが腰を上げた。
さっき微笑んでた女性とは思えない雰囲気。正直ちょっと怖い。
「ちょっと止めてきます」
「あ、あぁ。じゃあ俺達は帰らせてもらうよ」
「すみませんね、たいしたおもてなしも出来ず。また来て下さい」
「うん」
「それでは失礼します」
こっちに会釈をすると家に入っていく。
「あんた達!いい加減にしな!」
今日一番の怒号が家を揺らしてる。すげぇな。
「あ、あはは、す、凄いですね」
サチの笑いも少し引きつってる。
「そうだな、怖いから退散しよう」
誰を敵に回してはいけないかよくわかったところで俺達は精錬技師の家を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
最凶と呼ばれる音声使いに転生したけど、戦いとか面倒だから厨房馬車(キッチンカー)で生計をたてます
わたなべ ゆたか
ファンタジー
高校一年の音無厚使は、夏休みに叔父の手伝いでキッチンカーのバイトをしていた。バイトで隠岐へと渡る途中、同級生の板林精香と出会う。隠岐まで同じ船に乗り合わせた二人だったが、突然に船が沈没し、暗い海の底へと沈んでしまう。
一七年後。異世界への転生を果たした厚使は、クラネス・カーターという名の青年として生きていた。《音声使い》の《力》を得ていたが、危険な仕事から遠ざかるように、ラオンという国で隊商を率いていた。自身も厨房馬車(キッチンカー)で屋台染みた商売をしていたが、とある村でアリオナという少女と出会う。クラネスは家族から蔑まれていたアリオナが、妙に気になってしまい――。異世界転生チート物、ボーイミーツガール風味でお届けします。よろしくお願い致します!
大賞が終わるまでは、後書きなしでアップします。
異世界翻訳者の想定外な日々 ~静かに読書生活を送る筈が何故か家がハーレム化し金持ちになったあげく黒覆面の最強怪傑となってしまった~
於田縫紀
ファンタジー
図書館の奥である本に出合った時、俺は思い出す。『そうだ、俺はかつて日本人だった』と。
その本をつい翻訳してしまった事がきっかけで俺の人生設計は狂い始める。気がつけば美少女3人に囲まれつつ仕事に追われる毎日。そして時々俺は悩む。本当に俺はこんな暮らしをしてていいのだろうかと。ハーレム状態なのだろうか。単に便利に使われているだけなのだろうかと。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜
犬型大
ファンタジー
神様にいっぱい希望を出したら意思疎通のズレから竜人になりました。
異世界を救ってほしい。
そんな神様からのお願いは異世界に行った時点でクリア⁉
異世界を救ったお礼に好きなように転生させてくれるっていうからお酒を飲みながらいろいろ希望を出した。
転生しても人がいい……そんな希望を出したのに生まれてみたら頭に角がありますけど?
人がいいって言ったのに。
竜人族?
竜人族も人だって確かにそうだけど人間以外に人と言われている種族がいるなんて聞いてないよ!
それ以外はおおよそ希望通りだけど……
転生する世界の神様には旅をしてくれって言われるし。
まあ自由に世界を見て回ることは夢だったからそうしますか。
もう世界は救ったからあとはのんびり第二の人生を生きます。
竜人に転生したリュードが行く、のんびり異世界記ここに始まれり。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【第2章完結】最強な精霊王に転生しました。のんびりライフを送りたかったのに、問題にばかり巻き込まれるのはなんで?
山咲莉亜
ファンタジー
ある日、高校二年生だった桜井渚は魔法を扱うことができ、世界最強とされる精霊王に転生した。家族で海に遊びに行ったが遊んでいる最中に溺れた幼い弟を助け、代わりに自分が死んでしまったのだ。
だけど正直、俺は精霊王の立場に興味はない。精霊らしく、のんびり気楽に生きてみせるよ。
趣味の寝ることと読書だけをしてマイペースに生きるつもりだったナギサだが、優しく仲間思いな性格が災いして次々とトラブルに巻き込まれていく。果たしてナギサはそれらを乗り越えていくことができるのか。そして彼の行動原理とは……?
ロマンス、コメディ、シリアス───これは物語が進むにつれて露わになるナギサの闇やトラブルを共に乗り越えていく仲間達の物語。
※HOT男性ランキング最高6位でした。ありがとうございました!
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる