101 / 150
スライムの不思議な儀式
しおりを挟む
今日は久しぶりに下界のスライムに注目して観察している。
というのもどうもここ数日、一定の範囲のスライムが少しずつだが一箇所に集まって行っているようなのだ。
例えば草原の街の付近に生息するスライムなら、そこから然程遠くない草原地帯のとある場所。
砂漠のスライムであれば、隕石落下地点など。
共通しているのは人が滅多に来ないような静かな場所だ。
集まるスライムはどれも知能が無い単一種で、基本的にどの種も普段はのほほんと生きているようなスライム達だ。
そんな知能の無いスライムが一箇所に集まるという不思議な現象は一体なんなのだろうか。
観察を続けていると、草原地帯の一箇所に集まったグリーンスライムが夜に次々と合体を始めた。
合体を続けていくとどんどん大きくなっていく。
サブウィンドウの種族名表示も次々変化して行っているな。
そしてマスターグリーンスライムと表示になったところで合体が止まった。
すると今度は合体したスライムがぼんやりと光り、数秒するとはじけ飛ぶように破裂して、いつものグリーンスライム達に戻った。
うーん、一体なんだったんだろうか。
他の場所でも同じように合体してぼんやり光り、そして分裂をするという行動をしている。
分裂したスライム達は元来た道を戻るように分散していってる。
そのまま夜は明け、結局なんだったのか分からず終いだった。
元に戻ってのほほんとしているスライムを見ながら考えていると、サチが一つパネルをよこしてきた。
するとそこには、かんしゃ、とだけ書かれた願い事が沢山並んでいた。
送り主は先ほど合体分裂をしていた各マスタースライムから。
・・・泣くかと思った。
まさか知能の無いスライム達がわざわざ集まって感謝をしてくれるなんて思いもしなかった。
こういう不意打ちに弱いんだよな、俺。
よくよく調べたら一瞬だけ信者になっていたのが分かった。
どうやらマスタースライムになると信者になるようだ。
彼らとしては自然への感謝なのかもしれないが、今はそれが信仰に繋がっているからこのような事になったのだろう。
ふむ、今回の事で色々な事が分かったな。
スライムの生態の新たな発見もだが、数秒程度だと信者になっても視野範囲が作られないという事もわかった。
それにここまで来るということはその願いの純度は高い。
いや、こういう生き物だから純度の高い願いが出来るのかもしれないな。
スライムが信者か。
あれだけ数が居れば大丈夫だとは思うが、一応絶滅しないように気にはしておこうかな。
今日は、今日こそは料理をする日にした。
最近は色々あって作り置きが大分減ってきてしまったし。
空間収納のおかげで出来る時に作れば後は保存が利くのがこの世界のいいところだと思う。
物があまり置いてないキッチンの広さをいい事に、あれこれ並べて並行作業で進めていく。
特にお菓子類は時間がかかる。
うちには甘いもの好きがいるしな。リクエストには応えねば。
「・・・ふぅ。ソウ、ちょっと休憩してもいいですか?」
「うん。無理するな」
サチには先ほどから念を使った調理をしてもらっている。
サチの念による調理もなかなか上手くなったもので、失敗する事はほぼ無くなった。
代わりに精度を高めた分疲れるのも早くなり、今日みたいに色々作る日は休憩を挟んでもらっている。
今は俺の調理を見ながら出来立てのプリンを頬張って幸せそうにしているな。
サチは俺の拙い料理でもとても美味しそうに食ってくれるのが嬉しい。
そういえば今まで苦手や嫌いで残した事って無いな。
まさか俺が作ったからって無理してないだろうか。
「なんですか?あげませんよ?」
「いや、いいよ。沢山作ったし。そうじゃなくて、サチは好き嫌いしないなって思って」
「しますよ。基本的にソウの作るものは美味しいので好きですが、このプリンやアイスは中でも特に好きです」
「嫌いなものは?」
「・・・そういえばどうしても嫌いというものは思い当たりませんね」
「そうだろう」
「それはソウがいつもちゃんと味見をしてから出してくれているからだと思いますよ。酷いものは絶対他人に出さないではないですか」
「そういえばそうだな」
「いずれ私や農園の人達が調理の技術が向上して、ソウのように色々と作れるようになり、食の経験が増えてきたら、もしかすると嫌いなものも出てくるかもしれません」
「そっか。もしそういうのが出てきたらちゃんと教えてくれ。考えるから」
「はい。ありがとうございます」
食の経験か。
俺もそこまで多い方ではないが、それでもこの空間では上位に来るだろうからな。
だが、もっと色々なものを試してみたい。
うーん、そうなると調味料不足がやはり辛いところだなぁ。どうにかしたいものだ。
キッチンには小さな窓が付いているのだが、焼き菓子を作り始めた頃からチラチラと人らしき姿が見え隠れしている。
「サチ、アレどうする?」
「放っておきましょう」
「え、でもアレ風の精の母だろ?いいのか?」
見え隠れしている姿は緑色をしており、明らかに普通の風の精より大きい。
あ、窓に気付いてこっちを覗き込んでる。
「こっち見てるけど」
「・・・はぁ、仕方ありませんね」
そういうとサチは窓を少しだけあける。
すると風の精の母はその隙間に顔を押し込んで思い切り息を吸い込んで来た。
おぉ、流石風の精。空気の流れが変わった。
様子を見ていると続けてというジェスチャーをしてきたので調理作業を続行する。
なんか換気扇のような事をしてもらって悪いなと思ったが、見ると恍惚とした表情を浮かべていたので気にしない事にした。
菓子作りも大分落ち着いたので、次の料理に移る。
「あ、辛いもの作るから気をつけてな」
うんうんって頷いてるけど大丈夫かな。
辛さや酸味が強い料理を作っていると、サチが笑いを堪えているのに気付いた。
どうしたのかと思って視線の先を見ると風の精の母が凄い顔していた。
涙目なのに目は見開いていて、眉間に皺が寄り、眉はハの字に歪んでいる。
そんな顔するなら嗅ぐのやめればいいのに。
気にせず続けて?そうか、凄い執念だな。
その後は風の精の母の顔にちょくちょくサチの集中力が乱され、失敗品が少し増えたが、それでも結構な量の料理が出来た。
「ふー」
「お疲れ様でした」
「これだけ作ればしばらくは大丈夫かな」
「そうですね」
風の精の母も調理が終わったので変な顔からいつもの綺麗な顔に戻ってる。
ん?終わったようだから帰る?
そうか。子供達によろしくな。
夜。
「ぁー・・・」
「ぅー・・・」
食べすぎで布団で横になって消化に全力を注いでいる俺とサチ。
こんなの絶対他には見せられない状態だ。
この状態だと集中力も働かないので念でどうにかする事も出来ない。
数日に一回ぐらいの間隔でこんな日になってる気がする。
自制しなければと思うのだが、美味そうに食べるサチを見るとついついつられてしまうんだよなぁ。
一応太らないためにこういう日の運動は激しめにしてる。
・・・。
サチの狙いはそこだったりするのか?
いや、まさかな。
というのもどうもここ数日、一定の範囲のスライムが少しずつだが一箇所に集まって行っているようなのだ。
例えば草原の街の付近に生息するスライムなら、そこから然程遠くない草原地帯のとある場所。
砂漠のスライムであれば、隕石落下地点など。
共通しているのは人が滅多に来ないような静かな場所だ。
集まるスライムはどれも知能が無い単一種で、基本的にどの種も普段はのほほんと生きているようなスライム達だ。
そんな知能の無いスライムが一箇所に集まるという不思議な現象は一体なんなのだろうか。
観察を続けていると、草原地帯の一箇所に集まったグリーンスライムが夜に次々と合体を始めた。
合体を続けていくとどんどん大きくなっていく。
サブウィンドウの種族名表示も次々変化して行っているな。
そしてマスターグリーンスライムと表示になったところで合体が止まった。
すると今度は合体したスライムがぼんやりと光り、数秒するとはじけ飛ぶように破裂して、いつものグリーンスライム達に戻った。
うーん、一体なんだったんだろうか。
他の場所でも同じように合体してぼんやり光り、そして分裂をするという行動をしている。
分裂したスライム達は元来た道を戻るように分散していってる。
そのまま夜は明け、結局なんだったのか分からず終いだった。
元に戻ってのほほんとしているスライムを見ながら考えていると、サチが一つパネルをよこしてきた。
するとそこには、かんしゃ、とだけ書かれた願い事が沢山並んでいた。
送り主は先ほど合体分裂をしていた各マスタースライムから。
・・・泣くかと思った。
まさか知能の無いスライム達がわざわざ集まって感謝をしてくれるなんて思いもしなかった。
こういう不意打ちに弱いんだよな、俺。
よくよく調べたら一瞬だけ信者になっていたのが分かった。
どうやらマスタースライムになると信者になるようだ。
彼らとしては自然への感謝なのかもしれないが、今はそれが信仰に繋がっているからこのような事になったのだろう。
ふむ、今回の事で色々な事が分かったな。
スライムの生態の新たな発見もだが、数秒程度だと信者になっても視野範囲が作られないという事もわかった。
それにここまで来るということはその願いの純度は高い。
いや、こういう生き物だから純度の高い願いが出来るのかもしれないな。
スライムが信者か。
あれだけ数が居れば大丈夫だとは思うが、一応絶滅しないように気にはしておこうかな。
今日は、今日こそは料理をする日にした。
最近は色々あって作り置きが大分減ってきてしまったし。
空間収納のおかげで出来る時に作れば後は保存が利くのがこの世界のいいところだと思う。
物があまり置いてないキッチンの広さをいい事に、あれこれ並べて並行作業で進めていく。
特にお菓子類は時間がかかる。
うちには甘いもの好きがいるしな。リクエストには応えねば。
「・・・ふぅ。ソウ、ちょっと休憩してもいいですか?」
「うん。無理するな」
サチには先ほどから念を使った調理をしてもらっている。
サチの念による調理もなかなか上手くなったもので、失敗する事はほぼ無くなった。
代わりに精度を高めた分疲れるのも早くなり、今日みたいに色々作る日は休憩を挟んでもらっている。
今は俺の調理を見ながら出来立てのプリンを頬張って幸せそうにしているな。
サチは俺の拙い料理でもとても美味しそうに食ってくれるのが嬉しい。
そういえば今まで苦手や嫌いで残した事って無いな。
まさか俺が作ったからって無理してないだろうか。
「なんですか?あげませんよ?」
「いや、いいよ。沢山作ったし。そうじゃなくて、サチは好き嫌いしないなって思って」
「しますよ。基本的にソウの作るものは美味しいので好きですが、このプリンやアイスは中でも特に好きです」
「嫌いなものは?」
「・・・そういえばどうしても嫌いというものは思い当たりませんね」
「そうだろう」
「それはソウがいつもちゃんと味見をしてから出してくれているからだと思いますよ。酷いものは絶対他人に出さないではないですか」
「そういえばそうだな」
「いずれ私や農園の人達が調理の技術が向上して、ソウのように色々と作れるようになり、食の経験が増えてきたら、もしかすると嫌いなものも出てくるかもしれません」
「そっか。もしそういうのが出てきたらちゃんと教えてくれ。考えるから」
「はい。ありがとうございます」
食の経験か。
俺もそこまで多い方ではないが、それでもこの空間では上位に来るだろうからな。
だが、もっと色々なものを試してみたい。
うーん、そうなると調味料不足がやはり辛いところだなぁ。どうにかしたいものだ。
キッチンには小さな窓が付いているのだが、焼き菓子を作り始めた頃からチラチラと人らしき姿が見え隠れしている。
「サチ、アレどうする?」
「放っておきましょう」
「え、でもアレ風の精の母だろ?いいのか?」
見え隠れしている姿は緑色をしており、明らかに普通の風の精より大きい。
あ、窓に気付いてこっちを覗き込んでる。
「こっち見てるけど」
「・・・はぁ、仕方ありませんね」
そういうとサチは窓を少しだけあける。
すると風の精の母はその隙間に顔を押し込んで思い切り息を吸い込んで来た。
おぉ、流石風の精。空気の流れが変わった。
様子を見ていると続けてというジェスチャーをしてきたので調理作業を続行する。
なんか換気扇のような事をしてもらって悪いなと思ったが、見ると恍惚とした表情を浮かべていたので気にしない事にした。
菓子作りも大分落ち着いたので、次の料理に移る。
「あ、辛いもの作るから気をつけてな」
うんうんって頷いてるけど大丈夫かな。
辛さや酸味が強い料理を作っていると、サチが笑いを堪えているのに気付いた。
どうしたのかと思って視線の先を見ると風の精の母が凄い顔していた。
涙目なのに目は見開いていて、眉間に皺が寄り、眉はハの字に歪んでいる。
そんな顔するなら嗅ぐのやめればいいのに。
気にせず続けて?そうか、凄い執念だな。
その後は風の精の母の顔にちょくちょくサチの集中力が乱され、失敗品が少し増えたが、それでも結構な量の料理が出来た。
「ふー」
「お疲れ様でした」
「これだけ作ればしばらくは大丈夫かな」
「そうですね」
風の精の母も調理が終わったので変な顔からいつもの綺麗な顔に戻ってる。
ん?終わったようだから帰る?
そうか。子供達によろしくな。
夜。
「ぁー・・・」
「ぅー・・・」
食べすぎで布団で横になって消化に全力を注いでいる俺とサチ。
こんなの絶対他には見せられない状態だ。
この状態だと集中力も働かないので念でどうにかする事も出来ない。
数日に一回ぐらいの間隔でこんな日になってる気がする。
自制しなければと思うのだが、美味そうに食べるサチを見るとついついつられてしまうんだよなぁ。
一応太らないためにこういう日の運動は激しめにしてる。
・・・。
サチの狙いはそこだったりするのか?
いや、まさかな。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ
月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。
こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。
そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。
太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。
テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる