迅雷少女の配達屋さん~愛され少女の異世界ライフ~

ひょーう.CNP

文字の大きさ
25 / 44
2章 配達のお仕事と垣間見える闇

23話 双剣姫との出会い、そしてリサの秘密

しおりを挟む
「う、ウメちゃんにサクラちゃん!?どうしてここに居るのです!?」

 リサは驚いた顔をしながらも、2人がどうしてここにいるのかが不思議で堪らないようだ。
 2人は私をぎゅっと抱き締めたままリサに振り向いて答えた。

「香織おねーちゃんに会いに、ねー!サクラ」
「ねー!おねーちゃん」

 そう答える2人をよく見ると、桜ちゃんの背中からは黒くて小さい悪魔の羽が、梅香ちゃんからは白くて小さい天使の羽が、可愛らしくパタパタと動いていた。
 かっ、可愛すぎる……!とってもラブリーだよぉ……!

「お、おねーちゃん!?カオリ様の妹ですか!?」
「あぁ違いますよ!家族ではないんですが、前世で一緒に遊んだりして妹のように接して来た2人なので、そう呼んでくれてるんです」
「そ、そうでしたか……カオリ様がどうしてここに居ると?」
「んー?神託を受けて香織おねーちゃんの居場所や状況を聞いて、早く行かなきゃって思って……だからサクラと2人で来たの、香織おねーちゃんの魔力は凄く分かりやすいし!」
「うん、あたし達はこういう世界はゲームで慣れてるけど、香織おねーちゃんは知識でしか知らないはずだから、きっと困ってると思って急いできたの」
「そうだったんだね、ありがとう梅香ちゃん、桜ちゃん。ぎゅーーーー!」
「「ぎゅーーーー!!」」

 私達はぎゅっと抱き締め合う、2人は私の為に来てくれたなんて……嬉しいな。
 確かに2人はめちゃくちゃゲームが上手くて、こういう異世界的なゲームをVRでやっていたもんね、最年少プロになるくらいに。

「ゲーム……?まぁいいです、それでどこから来たのですか?」
「「クライシス王国ー!」」

 2人は声をハモらせて元気に答えた、やばい可愛すぎる……
 クライシス王国って前にソルが言ってたね、ガリレイ商会の本店がある国だ。

「く、クライシス王国!?この国からかなり離れているではありませんか!?馬車で3週間掛かるのですよ!?カオリ様が来たのはつい1週間程前のはず、神託を聞いてからどうやってここに来たというのですか!?」

 ……え?3週間掛かる道程を1週間弱でここに来たの?しかも森の中走ってきたよね梅香ちゃんと桜ちゃん。
 まさかとは思うけど……直線最短ルートでここに来たの?最高効率を求めるゲームみたいに。

「サクラと一緒に真っ直ぐ走ってきたよー」
「あたし達は2人で1人、2人合わさればさいきょーだもん、ねー!」
「ねー!」

 やっぱりかー、まぁ道に囚われる2人じゃないか……仕方ない、まだ小学生だもん。
 そんな2人は「ねー」と言い合いながら子供らしく笑っている、姉妹揃って可愛いね。

「はぁ……全く、やっぱりこの姉妹は次元が違いますね……Sランクだった私ですら信じられませんよ、この異次元さは」
「んー?あたしと戦ってほぼ互角で、サクラと2人で戦ってようやく勝てるくらい強いリサ隊長が何を言ってるのかなー?」
「だよねー!あたし達に勝てるくらい強いなんて、それこそ異次元だよー」
「あっ……そ、それはっ!」

 リサの顔が急に強張る。
 ……え?リサ、隊長?リサってSランク冒険者だった筈じゃ……?隊長って、何の?
 リサの正体がほんとに分からなくなってきた……
 Sランク冒険者で、クナイ使うから忍者?で、何かの隊長で、メイド?ダメだ、訳がわからないよおおおおお!
 私は内心叫びながら後ろへ反り返る。

「香織おねーちゃん!?だいじょーぶ!?」
「頭痛?宿まで運んであげよーか?」
「だ、大丈夫……色々分からない事があり過ぎて混乱してるだけだから、気にしないで」

 桜ちゃんからの運ばれる提案はお断りした、小学生に運ばれる20歳なんて……あれだもんね、まぁ見た目13歳だから変ではないかもだけど。

「リサさん、隊長って……どういうことですか?」
「……」

 リサは少し青ざめた顔をしてどうしようと言いたそうな感じになっていた。

「リサ隊長?もしかして香織おねーちゃんに言ってないの?」
「えー?なんで?」

 2人の容赦ない追い打ちの言葉がリサを襲う。

「……ウメちゃん、サクラちゃん、色々理由があるのです」
「「??」」
「カオリ様、すみません……すべての説明は、私の決心がついたら……でいいですか?」
「……まぁ、前々から何かあるとは思っていましたから、内緒にしておきたいならいいですよ」

 梅香ちゃんと桜ちゃんが知っていて、私が知らないのは少し思うところがあるのだけど……仕方ない。

「すみません、でも……1つだけ話しておこうと思います、ウメちゃんとサクラちゃんが知っているのもこれだけなので……今はこれで許してください」
「いいんですか?黙っていても良いんですよ?」
「……いえ、話しておきます」

 リサは後ろに振り向き指を鳴らした。
 すると、1人の黒装束を纏う女性が瞬間移動してきたかのように現れて跪いている。

「隊長……よろしいので?」
「はい。カオリ様、こちらが私が率いる暗部隊の副隊長ツキミです」
「お初にお目にかかります、ツキミです」
「え、あ……はい、カオリです」

 戸惑いで私自身の思考がついていけてない、リサは暗部隊の隊長って事は分かったけど……暗部隊ってなんだろう?

「暗部隊って……なんですか?」
「私の故郷、和の里という忍びが住まう小さな村があったんです。そこで生まれ育ち、暗殺術を仕込まれた部隊……それが、私が率いる暗部隊なんです」
「あ、暗殺……」
「……はい、私達はトリスター王国からの指示に従って、国民の生活を脅かす盗賊狩りや大罪人の捕虜……最悪だと国がどうする事も出来ないような大悪人の暗殺といった、裏の仕事をしていたんです」
「……」

 あまりの衝撃的な告白に、私は声を失ってしまった。
 普通に考えて暗殺なんてやっていい物ではない、多分日本でも異世界でもそれは変わらないはず。
 でも……国からそう指示されてやっていた。
 ということは、さっきの説明を聞くにリサの率いる暗部隊は、国と国民の安全を守る為の必要悪って……事かな。
 必要悪って確か、良くない事をするが社会に必要とされる事……だったよね?

「何故双剣姫の2人がこれを知っているのかと言いますと、メイドをやらせて頂いている中で私だけでは部下たちの訓練に手が回らず……レイナ様やソル様、そしてたまたま裏の仕事の最中で知り合った双剣姫の2人にお願いすることになったのです」
「たまたま、知り合ったと?」
「はい、とある街で潜伏調査をしていた所、通り掛かった双剣姫に隊員の潜伏を見破られてしまいまして……訳を話して納得してもらってからと言うもの、そこから交流が始まって訓練にも力を貸してもらっているって訳なのです」
「……なるほど、そういう事ですか」

 梅香ちゃんと桜ちゃんに自ら話した、ではなくバレた、って事ね。

「そういう事なら……仕方ないですね、私でもリサさんの立場なら隠そうと思う内容でしたから……ごめんなさい、無理矢理聞く事になってしまって」
「……いえ、それでもまだ話せていない事もございますから、もう少しだけ待っていてください。話せるようになれば必ず、お話致します」
「分かりました、待っていますね」

 リサの秘密が1つ明かされた、でもまだまだ秘密はあるみたい。
 でも、ようやくリサの事を知れて……私は良かったと思う。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています

きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...

転生先が意地悪な王妃でした。うちの子が可愛いので今日から優しいママになります! ~陛下、もしかして一緒に遊びたいのですか?

朱音ゆうひ@『桜の嫁入り』発売中です
恋愛
転生したら、我が子に冷たくする酷い王妃になってしまった!  「お母様、謝るわ。お母様、今日から変わる。あなたを一生懸命愛して、優しくして、幸せにするからね……っ」 王子を抱きしめて誓った私は、その日から愛情をたっぷりと注ぐ。 不仲だった夫(国王)は、そんな私と息子にそわそわと近づいてくる。 もしかして一緒に遊びたいのですか、あなた? 他サイトにも掲載しています( https://ncode.syosetu.com/n5296ig/)

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!

ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。 退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた! 私を陥れようとする兄から逃れ、 不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。 逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋? 異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。 この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...