巨乳娘シャルロットの魔法薬と料理の時間仕立て

挽肉ベーコン

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第1章 オーク豚の百合嵐風煮込み

第6話風 覆面をかぶれ!中の汁は見れたもんじゃねぇ

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 トロンリネージュ魔法学院――歴史を感じさせるこの建物は、王都で唯一魔法を学べる学舎である。内部はロマネスク調建物構造で、中世ヨーロッパの城に近い。

 床は美しいベルベッド素材の絨毯が敷き詰められ、壁や建具の装飾もいわゆる凝った創りをしている。 トロンリネージュ本城に引けをとらない広大な敷地と設備、貴族を身分を誇示する為に、国民の税金をふんだんにつぎ込まれた内装に仕上がっていて、寮や食堂も完備され、専属のメイドが付く。これが全て貴族は無料で使用できるのだ。

 その学院の廊下を歩く女性が2人。お姫様っぽい女の子とメイドさんが話しているようです。


【かもかも武将メイドさん、リア=綾小路視点】

「アンリエッタ様~最近よく学園に来られるかも? ですね?」

「べ、別に私は、不純な動機で来てる訳ではありません」

「リアは不純なんて言ってないかもですよ? アンリエッタ様かっわいい~」

 かもかも言ってる私、リアは、リア=綾小路と申します。
 皇女様の専属メイドをやっております。いつもはバカみたいに強い執事長が付き添うのですが、今日は寒中水泳大会に出るらしくて、フンドシ持ってどっかに行っちゃいまして、リアが付き添うことになりました。

 この国の皇女、アンリエッタ様と一緒に今さっき学院に着いた所です。
 皇女様曰く学園の刺殺……間違えた。視察らしいのですが、どうやらアンリエッタ様には不純な目的があるかもですね? 恐らく最近、エッタ様の推薦で赴任した魔法戦闘の教師、ユウィン=リバーなんちゃらとか言う、講師に逢うのが最近のお気に入りみたいかもです。

「リア? 私は最近オークの被害が出ているので、それを校長先生に御進言しに来たのです」

 生徒達に裏山には近づかないように言って頂きませんと。
 黒紫の長い髪を揺らしながら、ちょっと拗ねちゃうちゃわいいエッタ様。そんな事言ってますがね? メスの顔ですよ~その顔は? ムフフ。

「まぁこっちは校長室じゃないかもですがね?」

 職員室に向かってますよ? アンリエッタ様? ムフフのフ~。

「そ……そうでしたっけ?」

「はい違うかもです」

「どっちなんですか……それ」

 キャラを立てるのも楽じゃないですね~全く。
 エッタ様は開き直って職員室に向かっています。全く素直じゃないかもですねぇ~18にもなって男に免疫のないオナゴはこれだから困りますね? ま、かく言う私も処女だがな!

「じゃあ早く行ったほうがいいかもですよ? もう終業時間かもです」

「やだいけない……もぉこんな時間ですか」

 懐中時計をお見せしました所、皇女様は完全に開き直って職員室目掛けて歩みを早めます。ドレスは歩き難いですからね。後、エッタ様? 校長室行く気ゼロですよね。

 ガラガラガラッ――磯野さん家の玄関みたいな音がする職員室の扉を、アンリエッタ様が到着する前に開けます。うんうんメイドの鏡かもです。ちなみに磯野さんは、実家近くの世田谷区に住んでいる日本一有名な一家です。

「あの……ユ……リバーエンド講師はいらっしゃいますでしょうか?」

 皇女とは思えない下から目線ですエッタ様! 良いですよそういうの! ヤヴァイ、ムラムラしてきたかもぉぉ! 思わずセクハラしたくなってきましたぁぁぁ……あ?

「お~う? 我の妹ではないか……久しぶり」

「お――おねいちゃん」

 姫殿下の乳を、後ろから鷲掴みしようとしたリアの目の前に、漢と書いてオトコと読みそうな喋り方をする、リーザおねいちゃんが居ました。活字じゃ伝わりにくいからヤメればいいのに、今はこの喋りが気に入っているらしいのですよ。 

「妹が世話になり申す、アンリエッタ姫殿下。愚妹の姉、リーザ=綾小路で|候(そうろう)」

「早漏の意味は解りませんが、アンリエッタ=トロンリネージュと申します」

 笑顔で挨拶……あれ? 今エッタ様に、下(シモ)い感じの気配がしたが気のせい? おねいちゃんはこの新学期から配属になった「魔薬精製学」の講師かもです。

「リーザさん、リバーエンド講師は今、何処にいらっしゃるかご存知でしょうか?」

「あぁユウィン殿ならさっき、覆面して窓から飛んで行かれ申した」

「おねいちゃん……又変な薬キメてんの?」

 おねいちゃんは変人かもです。薬のヤリ過ぎで以前の職場で干されて、この職場に拾われたのです。でも魔法薬の腕は良いらしく、案外困ってないかもです。

「そうですか……残念です」

 あれぇ~? 信じた! もしかしてそのリバーエンドって人そういう人なの? 危なくない? おねいちゃんが続けます。

「シャルロット嬢と、おまけ三人組がオーク狩りに行った。そう伝えたら飛んでイッタで候」

「早漏オーク?」

 違いますエッタ様!? それ以上言うとキャラがブレます!
 でもそれ……危ないんじゃない? エッタ様も、ようやく言葉を理解したようですね。急に慌てだしました。

「せせせ生徒をオーク狩りに行かせたのですか?」

「うむうむ……玉をもぎ取って来ると息喚いておった。最近の若いモンにしては見込みがある」

「まぁシャルロットさんですし……そうですね……シャルロットさんですし……」

 シャルロット何者!? あぁ確か最近城に住みついた……ちっこくて可愛いけど、色々拾ってくる貧乏臭い娘っ子ちゃんか。そして若いモンっておねいちゃん、アンタもまだ10代でしょうが……。

「それでユウィン様は……ムスッ」

 アンリエッタ様? ムスって解りやすい音がしましたよ? 何これ嫉妬音? でもこれ、一応助けに行ったほうが良くないです?

「それより大丈夫かも? ですか? 助けに行かないで」

「あぁシャルロット嬢なら|無問題(もーまんたい)だろうの」

「むしろ……周りの生徒が心配です」

 折角無理をして常識的な心配をしてみたのに、良く解らない返しをされたかも。 おねいちゃんは何人(なにじん)なんだろう?

「しかし何故オーク狩りに? シャルロットさんが退治して下されば、私も討伐ギルドにお金を支払わないで済むので助かりますが……」

 アンリエッタ様飛ばすなぁ……急に機嫌が悪い悪い。おねいちゃんが答えます。

「金の玉を取ってくるのだそうだ」

「金の豚ですか……美味しいのですか?」

「真っ二つに割ると中から白い汁が出るでな」

「まぁ……ヤシの実のようなモノですか?」

「古くなると臭いの何の……」

「リア? シャルロットさんが戻り次第、お風呂に入れて下さいね?」

 臭そうですもんね。

 後、アンリエッタ様……ワザと間違えてますよね?

臭そうな玉とともに、7話に続くかもです――
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