9 / 9
燕の比翼密やかに 五
しおりを挟む
眠い目を擦りつつ顔を洗ううちに、サイカチの声がした。慌てて二人で表に出ると見るなりしがみついて来る。トチさんも居てそれにはほっとした。
「あー!」
「おはよう! ゆっくりできた?」
「はい、どうも――」
「すみませんお世話になって。サイ、どうした、静かにね」
サイカチは喚いてて話にならない。笑うトチさんが言うには
「お夕飯まではよかったんだけどねえ、寝るときに寂しくなっちゃったみたい。でも婆と一緒に寝てくれたのよ」
とのことだった。で、朝迎えを待ちきれずに出てきちゃったわけだ。そう聞いたら、預けたりするのはやっぱりあまり気軽ではないが。
「ないてないもん……へっちゃらだったもん」
とも言うので……そうして泣きつかれながらも休みのマキに任せて仕事に行って帰ってきたら、晩飯の頃にはトチさんと過ごして楽しかったのも話してくれたので、じゃあたまーに頑張ってもらおうかなと思う。寂しくなるくらい、家が自分ちだって思ってるのも分かって正直安心した。
しかし大変助かったし、偶にはこういうことしてもいいんだと思って、先に向けて気持ちが軽くなった。のはいいが。
マキが、隠れて口づけするときに尻なんか撫でてくるようになったのはいけない。俺がむらっと来るようにしてる。……こいつ焦らしたがりの言わせたがりなんだった。俺ばっかり言うの悔しいんだが。次はマキが言うまでは堪えてやろう。
匹耦で過ごす時間はまた別格ではあったが、寝息で膨らむサイカチの腹の上で手を握ってみるのも本当に幸せで、三人のこの暮らしに不満はないのだから。
「あー!」
「おはよう! ゆっくりできた?」
「はい、どうも――」
「すみませんお世話になって。サイ、どうした、静かにね」
サイカチは喚いてて話にならない。笑うトチさんが言うには
「お夕飯まではよかったんだけどねえ、寝るときに寂しくなっちゃったみたい。でも婆と一緒に寝てくれたのよ」
とのことだった。で、朝迎えを待ちきれずに出てきちゃったわけだ。そう聞いたら、預けたりするのはやっぱりあまり気軽ではないが。
「ないてないもん……へっちゃらだったもん」
とも言うので……そうして泣きつかれながらも休みのマキに任せて仕事に行って帰ってきたら、晩飯の頃にはトチさんと過ごして楽しかったのも話してくれたので、じゃあたまーに頑張ってもらおうかなと思う。寂しくなるくらい、家が自分ちだって思ってるのも分かって正直安心した。
しかし大変助かったし、偶にはこういうことしてもいいんだと思って、先に向けて気持ちが軽くなった。のはいいが。
マキが、隠れて口づけするときに尻なんか撫でてくるようになったのはいけない。俺がむらっと来るようにしてる。……こいつ焦らしたがりの言わせたがりなんだった。俺ばっかり言うの悔しいんだが。次はマキが言うまでは堪えてやろう。
匹耦で過ごす時間はまた別格ではあったが、寝息で膨らむサイカチの腹の上で手を握ってみるのも本当に幸せで、三人のこの暮らしに不満はないのだから。
31
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
レンレンは可愛い(*´×`*)四十路のおじさん♡Ωに覚醒しました!〜とにかく元気なおバカちゃん♡たぁくん爆誕です〜
志村研
BL
あるところに、高生さんという駄目なおじさんがおりました♡
このおじさん、四方八方に怒られてます。
でもちっとも懲りません。
自分らしさ炸裂にしか生きられなくて、分かっちゃいるけどやめられないんです。
でも、そんな人生だってソコソコ満喫してました。
\\\\٩( 'ω' )و ////
…何だけど、やっぱりね。
色々もの足りなくて、淋しくて。
…愛されたくて、たまらなかったんです。
そんな時、Ωに覚醒♡
高生さんの国では正斎子といいます。
これに成っちゃうと不幸になりがちです。
そんな訳で。
ろくな事をしない割に憎めないおじさんは、心配されてます。
だけど本人は気づきもせずに、ボケっとしてました。
そんなんだから、やらかしました。
そんな時に限って、不運を重ねました。
そんなこんなで、囚われました。
人生、終わった!
もう、何もかもドン底だ!
。・゜・(ノД`)・゜・。
いや、ここからですよ♡
とにかく元気なおバカちゃん♡
中欧のΩおじさん、たぁくん♡爆誕です!
\\\٩(๑`^´๑)۶////
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
有能課長のあり得ない秘密
みなみ ゆうき
BL
地方の支社から本社の有能課長のプロジェクトチームに配属された男は、ある日ミーティングルームで課長のとんでもない姿を目撃してしまう。
しかもそれを見てしまったことが課長にバレて、何故か男のほうが弱味を握られたかのようにいいなりになるはめに……。
【BLーR18】箱入り王子(プリンス)は俺サマ情報屋(実は上級貴族)に心奪われる
奏音 美都
BL
<あらすじ>
エレンザードの正統な王位継承者である王子、ジュリアンは、城の情報屋であるリアムと秘密の恋人関係にあった。城内でしか逢瀬できないジュリアンは、最近顔を見せないリアムを寂しく思っていた。
そんなある日、幼馴染であり、執事のエリックからリアムが治安の悪いザード地区の居酒屋で働いているらしいと聞き、いても立ってもいられず、夜中城を抜け出してリアムに会いに行くが……
俺様意地悪ちょいS情報屋攻め×可愛い健気流され王子受け
KINGS〜第一王子同士で婚姻しました
Q矢(Q.➽)
BL
国を救う為の同盟婚、絶対条件は、其方の第一王子を此方の第一王子の妃として差し出す事。
それは当初、白い結婚かと思われた…。
共に王位継承者として教育を受けてきた王子同士の婚姻に、果たしてライバル意識以外の何かは生まれるのか。
ザルツ王国第一王子
ルシエル・アレグリフト
長い金髪を後ろで編んでいる。 碧眼 188cm体格はしっかりめの筋肉質
※えらそう。
レトナス国第一王子
エンドリア・コーネリアス
黒髪ウェーブの短髪 ヘーゼルアイ
185 cm 細身筋肉質
※ えらそう。
互いの剣となり、盾となった2人の話。
※異世界ファンタジーで成人年齢は現世とは違いますゆえ、飲酒表現が、とのご指摘はご無用にてお願いいたします。
※高身長見た目タチタチCP
※※シリアスではございません。
※※※ざっくり設定なので細かい事はお気になさらず。
手慰みのゆるゆる更新予定なので間開くかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる