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既にセットされていたいくつかの座布団や習字・・・書道のセット。



その1つに、正座をして座った。



半紙がセットされていたので、それを眺めていたら莉々子ちゃんが長い紙を持ってきた。
そして、半紙ではなくその紙をセットした。




「書き初めの時は、見本を見ながら書いていたからね。
基礎はこれからちゃんと教える。
でも、1回・・・見せて?
樹里ちゃんを見たら、そこまでのつもりはなかったけど・・・どうしても確認したくなったから。」




そう言われて・・・




大きな紙を眺める。





真っ白で大きな紙を・・・。





「そこに、何でもいいから・・・樹里ちゃんが書きたい文字を書いてみて。」




「何でもいいの?」




「何でもいい。」









そう言われて・・・何を書こうか悩んだ。






悩みながら、筆を手に取り・・・






筆を墨に沈めた・・・






なんとなく、それを調整して・・・







真っ白な紙を見た、








その、瞬間・・・







頭の中に浮かんだ・・・。








この、言葉が・・・。








心の中で何度も想っている言葉が・・・








何度も何度も想っている言葉が・・・









その、言葉を・・・










ぶつけた。












この、真っ白で大きな紙に・・・















ぶつけた・・・。




























“お父さんに会いたい”









と・・・。
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