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青さんに拾って貰ってからの毎日は凄く楽しくて。
青さんと”ほぼ結婚“が出来てからの毎日なんて本当に幸せで。
苦しいことも悲しいことも虚しくなることも勿論あったけど、今思うとそんなのも全部が”幸せ“に思えるくらいで。
「この歳まで生きてて良かった・・・。」
”普通“の幸せなんてないと思っていた私に訪れた、約1ヶ月の幸せな時間。
インフルでめちゃくちゃ辛かった時もあったけれど、それだって幸せな思い出。
感覚がなくなってきた指先でネックレスのチェーンを掴み、”一平さんの第2ボタン“を両手で握りながら歩き続ける。
「コレがあるから私は大丈夫・・・。」
”一平の、奪い取ってきてやった!!“
「青さんとの幸せな結婚生活の思い出があるから私はこれからも大丈夫・・・。」
私のことを本当に愛しているような顔で笑い掛けてくれた青さんの笑顔を思い出す。
「私はこれからも頑張れる・・・。」
自分自身に言い聞かせる。
「これからも全然頑張れる・・・。」
何度だって言い聞かせる・・・。
「私は逃げない・・・。」
そう思いながらもこの両足はこんなにも重くてなかなか前に進まない。
あの曲がり角を曲がったらもう小関の”家“なのに、全然そこまで辿り着けない。
「頑張れ・・・。」
自分で自分のことを励ます。
「頑張れ・・・。」
号泣しながら、励ます。
でも・・・
それでも・・・
私の足はこんなにも動かなくて・・・。
どう頑張ってもこの曲がり角を曲がれなくて・・・。
一平さんと貴子さんが幸せそうな顔で並ぶ姿を思い浮かべてしまう。
「・・・・・・・・っっっ」
私に振り向いてくれなかった、さっきの青さんの後ろ姿も思い出してしまう。
「・・・・・・・・・・っっっ」
”苦しい・・・。“
”悲しい・・・・。“
”虚しい・・・・・。“
この足もこの身体もこの心も凍ってしまった。
”Hatori“のダッフルコートもロングコートも羽織らなかったから、1月の空気に私は凍ってしまった。
だから歩けない。
私はもう歩けない。
「どうしよう・・・・・・っっ」
私はこれから何処に行けば良いのだろう・・・。
私はこらから何処に帰れば良いのだろう・・・。
青さんの案件を放り投げたような私には、居場所も存在価値もない・・・。
”怖い・・・。“
”生きているのが怖い・・・。“
”生きていくのが怖い・・・。”
“助けて・・・・・。”
“助けて・・・・・・・・・・・。”
曲がり角の直前で、完全に立ち止まってしまった私が心の中で助けを求めた。
その、時・・・・・・・
「望。」
私の後ろから、私のことを“望”と呼ぶ声がして・・・。
さっきまで聞いていた青さんではない男の人の声。
この声で初めて“望”と呼ばれたのに、こんなにも“嬉しい”と思う声がして・・・。
ゆっくりと・・・
ゆっくりと、振り向いた。
そしたら・・・
そしたら、いた・・・。
「一平さん・・・・・・・・・・。」
真冬なのに上着も着ないスーツ姿で、汗だくで息も上がっている一平さんが、いた・・・。
「良かった・・・・・・・・っ、お帰り。」
物凄く安心した顔で私に“お帰り”と言ってくれた一平さんの顔を見て、私は大きく大きく泣いた。
青さんと”ほぼ結婚“が出来てからの毎日なんて本当に幸せで。
苦しいことも悲しいことも虚しくなることも勿論あったけど、今思うとそんなのも全部が”幸せ“に思えるくらいで。
「この歳まで生きてて良かった・・・。」
”普通“の幸せなんてないと思っていた私に訪れた、約1ヶ月の幸せな時間。
インフルでめちゃくちゃ辛かった時もあったけれど、それだって幸せな思い出。
感覚がなくなってきた指先でネックレスのチェーンを掴み、”一平さんの第2ボタン“を両手で握りながら歩き続ける。
「コレがあるから私は大丈夫・・・。」
”一平の、奪い取ってきてやった!!“
「青さんとの幸せな結婚生活の思い出があるから私はこれからも大丈夫・・・。」
私のことを本当に愛しているような顔で笑い掛けてくれた青さんの笑顔を思い出す。
「私はこれからも頑張れる・・・。」
自分自身に言い聞かせる。
「これからも全然頑張れる・・・。」
何度だって言い聞かせる・・・。
「私は逃げない・・・。」
そう思いながらもこの両足はこんなにも重くてなかなか前に進まない。
あの曲がり角を曲がったらもう小関の”家“なのに、全然そこまで辿り着けない。
「頑張れ・・・。」
自分で自分のことを励ます。
「頑張れ・・・。」
号泣しながら、励ます。
でも・・・
それでも・・・
私の足はこんなにも動かなくて・・・。
どう頑張ってもこの曲がり角を曲がれなくて・・・。
一平さんと貴子さんが幸せそうな顔で並ぶ姿を思い浮かべてしまう。
「・・・・・・・・っっっ」
私に振り向いてくれなかった、さっきの青さんの後ろ姿も思い出してしまう。
「・・・・・・・・・・っっっ」
”苦しい・・・。“
”悲しい・・・・。“
”虚しい・・・・・。“
この足もこの身体もこの心も凍ってしまった。
”Hatori“のダッフルコートもロングコートも羽織らなかったから、1月の空気に私は凍ってしまった。
だから歩けない。
私はもう歩けない。
「どうしよう・・・・・・っっ」
私はこれから何処に行けば良いのだろう・・・。
私はこらから何処に帰れば良いのだろう・・・。
青さんの案件を放り投げたような私には、居場所も存在価値もない・・・。
”怖い・・・。“
”生きているのが怖い・・・。“
”生きていくのが怖い・・・。”
“助けて・・・・・。”
“助けて・・・・・・・・・・・。”
曲がり角の直前で、完全に立ち止まってしまった私が心の中で助けを求めた。
その、時・・・・・・・
「望。」
私の後ろから、私のことを“望”と呼ぶ声がして・・・。
さっきまで聞いていた青さんではない男の人の声。
この声で初めて“望”と呼ばれたのに、こんなにも“嬉しい”と思う声がして・・・。
ゆっくりと・・・
ゆっくりと、振り向いた。
そしたら・・・
そしたら、いた・・・。
「一平さん・・・・・・・・・・。」
真冬なのに上着も着ないスーツ姿で、汗だくで息も上がっている一平さんが、いた・・・。
「良かった・・・・・・・・っ、お帰り。」
物凄く安心した顔で私に“お帰り”と言ってくれた一平さんの顔を見て、私は大きく大きく泣いた。
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